『どうする家康』
これまでの大河において、善人・悪人、ありとあらゆる「家康」が登場してきましたから、今さら主役にするのならそのどれとも違う家康像と世界観を出さねばならないわけで。 今のところ、その点においては成立していると言えるでしょう。 狸おやじとは程遠い繊細そうな松潤。タイトルどおり「どうするどうする」と狼狽えてばかりの松潤。一般的にイメージされる、不如帰が鳴くまで待つような「家康」ではありません。 しかし元康はすでに「殿」と呼ばれる存在であり、家臣を率いて敵ばかりの周囲と戦っている立場ですから、それなりの貫禄が備わっていないとやはり不自然なように感じます。もちろん三河はまだまだ弱小国で、すでにラスボス感満載の信長との対比もあるのでしょうが、今のところ気弱バージョンの道明寺にしか見えません。 そしてアイドルとはいえ松潤はアラフォーですから、フニャフニャ頼りない若殿があまりハマっていないのです。昨年の北条義時も初登場時の設定と中の人の実年齢はかけ離れていましたが、まだ何ものでもありませんでしたし父親や頼朝という上の立場の者がいましたから気になりませんでした。時が進むにつれての家康の変化も見どころなのかもしれませんが。 信長&家康は、作品によって真の友であったり実は反感を抱いていたりと解釈はさまざまですが、家康にとってトラウマの権化という今回のような信長のキャラクターは面白いなと思います。岡田くんがまた迫力満点だし…。 そしてそんな信長を討伐する明智光秀役は酒向芳。最近、再放送されていた『最愛』を全編視聴したのですが、脇役ながら酒向芳の存在感には圧倒されました。どんな光秀を演じるのか、楽しみです。そして不躾な田舎者の秀吉・ムロツヨシも、まだわずかな登場ながら底知れない不気味さを垣間見せていますし、これからの家康との絡みは期待できそうです。 家康家臣団も皆個性的ですし、本多正信や平八郎忠勝はとりわけ輝いています。服部半蔵も山田孝之が演じるくらいですから、今後八面六臂の活躍でしょう。会話劇とどんでん返しの得意な古沢良太ですから、いわゆる「主人公がいつも話の中心」これすなわち駄作の大河ドラマにはならないと信じています。元康が目立たない場面のほうが面白いし…。 細かいところでひっかかりはありますが、なんとか本能寺の変まではついていきたいと思います。 PR |
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