『愛しい嘘 優しい闇』
割と面白かったです。 雨宮が実は中野幸だった…という整形トリックはありがちだし、本当の雨宮はいったいどのくらい監禁されていたのか、なぜいきなり中野版雨宮に変身できるのか、逃亡した中野は山梨でどうやって生活していたのか、野瀬がなぜ警察にまぎれることができたのか、などなど、いろいろな疑問は残りますが、まあ深夜ドラマだし…。 やはり演者が役にハマっていたことが大きいと思います。望緒のフラフラした雰囲気や、序盤は怪しさを見せていた玲子の芯の強さ、稜のこれ以上ない当て馬感はさすがだなと感じましたし、雨宮と中野の二役は林遣都の演技力あってこそです。新川優愛や徳重聡は朝ドラと並行しての出演でしたが、まったく雰囲気が違っていて驚かされました(破天荒将軍はドラマ内ドラマだが…)。 中野の不幸な生い立ちや、望緒への真摯な愛情、家族がいるとしらされた時の涙を観ると、罪を償った後家族三人幸せに暮らしてほしいと願わないでもありませんでしたが、それまで彼がしてきたことを考えると、やはりこれ以外の結末はなかったのかもしれません。 いちばん腹立つ存在だったりえちゃんが、実はいちばん正直な、「嘘」のない人間だった…というのも皮肉がきいていて良かったです。 『カムカムエヴリバディ』(承前) ひなた編になっても豪華キャストがスピーディに物語を進めてくれるので、まったく飽きることなく楽しめています。 ひなたと五十嵐の、最悪な出逢いから恋仲になるという王道展開も、自分がちょうど同じくらいの時期に読んでいた少女漫画のようでした。川栄李奈と本郷奏多が漫画から出てきたような美男美女というだけでなく、いがみあううちにだんだん心を許していく雰囲気を実に絶妙な匙加減で演じていて、いきなりのハグ場面は『りぼん』っ子だった数十年前の「キュン」を思い出しました。 とはいえ、斜陽の時代劇にこだわる五十嵐とひなたの恋路はなかなかうまくいかず。当時の27歳は行き遅れと呼ばれていたのではないでしょうか。るいもジョーも寛容だからうるさく言わないだろうけれど…。 と、つい恋バナに視点が向いてしまいますが、突然現れて突然去っていった算太の行方も気になります。それ以外にも、あれこれ中途半端になっている問題がたくさんありますが、本郷奏多があさイチで「脚本家がすべてちゃんとまとめてくれる」ようなことを言っていたので、最終回まで焦らず気長に待ちたいと思います。それにしても、無愛想な男・五十嵐のようにちょっと斜に構えた人や、(華丸が言及していた『キングダム』のような)嫌われ役が多い本郷奏多ですが、根は素直な好青年だったので印象ががらりと変わりました。 PR |
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