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いかに寝て起くる朝に言ふことぞ昨日をこぞと今日をことしと(小大君)
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『獣になれない私たち』
『逃げ恥』や『空飛ぶ広報室』のようなラブストーリーを期待していた人間を大きく裏切った「ラブかもしれないストーリー」。タイトルがあらわすように獣なれずもがきあがく人間たちの生きざまを描いたヒューマンドラマでした。
いい子ちゃんであるよう周囲の要求に応え続け自分を見失い牙をもがれた晶。
獣と見せかけて実はその牙すら作りもので心を閉ざしている恒星。
無害のようでありながら自分の攻撃で傷ついた他人からは目をそらし続ける京谷。
自分を守るすべを持たないからと周りを攻撃してばかりで結果自分が傷ついていく朱里。
自由奔放に生きているようで自分の傷も他人の傷も抱え込んでいく呉羽。
いかにしてこの困難な世の中を生きていくか。獣だけでは生きていけないし、それでも獣にならなければ自分が壊れてしまう。自分の獣をいかにコントロールして、それでも自分らしく生きていくか。それぞれの決断が、まわりまわって最後は鮮やかに着地を決めました。
晶はただただ「ガッキー」…でしたが、ガッキーだからいいのかな。最高のメガネ男子・松田龍平の色気は凄い。タクラマカン斎藤の注いでくれるビールがおいしそうでした。あんなバーがあったら常連になってしまいそうだな。

『昭和元禄落語心中』
NHKらしい丁寧な作りで、細部までこだわりを感じた作品でした。
当初はひっかかっていた岡田将生の台詞回しも、回を追うごとに気にならなくなり、自分の落語に目覚める部分は感動すら憶えました。老け演技も違和感なく、小夏とのシーンもまるでほんものの親子のようでした。
竜星涼の与太郎ぶりもなかなか。『ひよっこ』の印象がまるで変わりました。これからいろいろな役で出てきそうです。
しかしなんといっても、岡田将生・山崎育三郎・大政絢の八雲パートは本当に美しく、一遍の映画を見ているようでした。どこかあやういみよ吉の婀娜っぽさ、助六の一途さ、菊比古の落語へのまっすぐさ…不安定なバランスはどこかで崩れ、古い宿の手すりのように朽ちていく、人の世とはかくもはかないものか。
しかし助六と菊比古が誓った落語の道は、与太郎と小夏によって未来へ引き継がれました。信坊も菊比古の名を冠して高座へ上がり、明日へと繋がれていきます。最後三人に見守られながら、与太郎が九代目八雲として『死神』を披露する場面で、ドラマは幕を閉じました。
最後の最後で、小夏の父親がヤクザの親分ではない? と示唆されました。彼でなければ誰なのだろう? 与太郎ではないわけだし、松田さん(笑)でもないし。だとしたら…。
そこは考えないことにします。






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