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いかに寝て起くる朝に言ふことぞ昨日をこぞと今日をことしと(小大君)
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今年もコロナと猛暑に翻弄された甲子園でした。
抽選前にクラスターが起きたチームと抽選後に起きたチームで差ができてしまいましたし、いろんな考えや思いはあるだろうけれど、昨年のように不戦敗がなかったことは良かったのかなと思います。

天理は初戦の山梨学院を接戦で制しましたが、次の試合で海星に敗れました。
終盤から観ていたのですが、8回裏、1点を返してなおも二死満塁。戸井選手の打ち上げた打球はレフト前に落ちるかと思いきや、セカンドが見事な背走キャッチ。落ちていれば同点間違いなしの場面でした。戸井選手は序盤にもセンターオーバーの打球をファインプレーされており、天理に運がなかったというよりは、これら素晴らしいプレーの連続が海星に勝ちを呼び込んだのかもしれません。生駒高野球部が送った横断幕を掲げて、生駒野球部員が見守る中での試合でしたが、残念ながら2回戦敗退となってしまいました。さすがプロ注目の日本文理投手を打ち込んだだけあり、海星は強かったです。

試合はなかなか観られませんでしたが、京都国際-一関学院や、興南-市船橋のサヨナラゲームは、敗者の涙も相まってやはり強く印象に残ります。あとは大阪桐蔭に挑んだ旭川大。監督すらクジをひいたキャプテンに「何やってんだ」とツッコんだ(まあ冗談半分でしょうが)くらい、展望は大阪桐蔭の圧倒的有利でした。しかし始まってみれば、旭川大が1回表に先制、3回には2ランで追加点と旭川大ペース。「もしかしたら…」と番狂わせを期待して家を出ました。そしてお昼に結果をのぞいたら、大阪桐蔭が逆転勝ち。「やっぱりな…」と思いながらも、最後に二死満塁まで攻め立てた旭川大の健闘には心の中で拍手を送りました。
大阪桐蔭は2回戦の聖望学園戦を19-0で圧勝、3回戦も二松学舎大付を相手に得点を与えず完封勝ちと、横綱相撲でベスト8に進出しました。さすが王者、春夏連覇は間違いないだろう。そんな予想をしていたのですが…。
高校野球は一発勝負。わからないものです。
下関国際との準々決勝は観られなかったのですが、どうやらバント失敗のトリプルプレーが流れを相手に渡してしまったようです。打球が小フライになってしまったのは不運だったとしても、ランナーを走らせていなければ3つのアウトは取られませんでした。手堅い作戦を選ばなかったのは、突き放そうとしても食らいついてくる下関国際に焦りを感じ、複数得点を取って逃げ切ろうという算段だったのではないかと想像します。
結果、1点差のまま9回表。先頭がヒットで出ると、続くバッターはバントの構えからヒッティングで一・二塁となりました。そしてバントで送り、逆転打が生まれたわけですが、バスターがただのバントなら良くて同点、もしかしたらそのまま終わったかもしれません。この一打に、采配の冴えを感じました。スポーツニュースには「大金星」や「番狂わせ」という文字が踊りましたが、おそらく坂原監督は大阪桐蔭に勝つための戦略を練りに練り上げ、試合に臨んでいたのではないかと思います。そう確信したのは準決勝の近江戦です。この日もプロ注目の山田投手が相手でしたが、決して焦ることなく序盤はボールを見きわめ、疲れの出てくる中盤から終盤にかけてたたみかけていきました。また、ピリッとしない先発を2回で交代させたり、点差がついても連続スクイズで加点したり、隙を見せない采配が光りました。そしてそれに応える選手たちも素晴らしかったです。この試合だけでもファインプレーはいくつもありましたが、フライが上がるとすぐに何人もの選手がバックアップに走っていく徹底された組織力のほうが印象に残りました。大型選手がいなくても、チームの結束と采配の妙で勝利を勝ち取っていく…ちょっと明徳の馬淵監督を思い出しました。
しかし、大型選手がいなくても着実な野球で勝ち上がってきたのは仙台育英も同じ。
優勝候補の明秀日立を激戦の末に破ると、準々決勝の愛工大名電戦も危なげなく勝ち上がってきました。仙台育英といえば好投手のイメージでしたが、今年の仙台育英は絶対的エースがいないかわりに、エース格が何人もそろっています。継投が主流の現代の高校野球においては大きなアドバンテージです。
そのうえ準決勝では、18得点を挙げての圧勝。投手力だけでなく、打撃の破壊力も大きいことを見せつけてくれました。
しかしもっとも強さを感じたのは、守備や打席で感じられるひとりひとりの意識の高さです。点差が開いても気を緩めることなく、最後まで練習でこなしてきたことを地道に遂行する強い意志を感じました。
今年の仙台育英に隙はなし。
しかし、優勝候補を相次いで破った下関国際にも勢いがあるはずです。

予定どおりに日程を消化し、迎えた決勝。
初優勝の栄冠を手にするのは仙台育英か、下関国際か。

接戦を期待しましたが、投手陣の蓄積疲労にはやはり大きな差があったようです。
これまで気迫のリリーフで強豪たちを退けてきた下関国際・仲井投手でしたが、7回に決定的な満塁ホームランを浴びてしまいました。
9回表、下関国際最後の攻撃。甲子園はいつも劣勢に優しいものですが、この時もアルプススタンドの演奏に合わせて観衆から手拍子が起きました。それに背中を押されるように連打が出ると、応援はますます大きくなりました。
しかし仙台育英は揺るぎませんでした。東北勢の初優勝、優勝旗の白河越えを期待して味方についていたはずの観衆が相手の応援に回っても、落ち着きを失いませんでした。最後のアウトを取ったサードゴロもかなり難しいプレーに映りましたが、ファインプレーと感じさせないほど安定したスローイングでした。
甲子園は、強いチームが勝つのではない、勝ったチームが強いのだといわれます。
それに倣えば、最後の一戦に勝った仙台育英は、この夏いちばん強いチームでした。しかしこの夏通じて、仙台育英ほど優勝校にふさわしい、すべてにおいて強さを感じるチームは他になかったようにも思います。

そのチームを作り上げたのは、選手たちの努力はもちろんですが、監督の力も欠かせないと思います。
苦難に満ちた3年間を過ごした全国の高校生たちを讃える須江監督の優勝監督インタビューは、非常に心に響くものでした。そして敗れた下関国際の坂原監督の、悔し涙にくれる選手ひとりひとりに感謝の言葉をかける姿も印象的でした。
両校とも素晴らしい指導者が素晴らしい選手たちを育て上げ、素晴らしい決勝戦を戦ってくれた。
今年の決勝は、とりわけ胸を熱くさせてくれる一戦となりました。

アルプススタンドに戻ったブラスバンドの応援も楽しかったです。今までにはなかった曲をたくさん聴くことができました。個人的に楽しみにしていた近江高校はT.Mメドレーを披露してくれましたし、国学院栃木の『新世界』は斬新でした。『鎌倉殿の13人』をさっそく取り入れた高校もあって、技術の高さもさりながら意欲がすごい。また、吹奏楽部が活動事情で来場できず、録音した演奏を流していた試合もありましたが、応援の強制が問題視されている今こういう解決方法もあるのかなと思いました。

まだまだ、今までどおりにはいきません。レギュラーを入れ替えざるをえないチームもありました。無念を抱えて甲子園を去らなければいけなかったことには胸が痛みます。
早く、早く日常が戻ってほしい。
次の夏こそ、応援の合唱に、大歓声に包まれる甲子園が見たい。





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