奈良の代表は天理高校に決定しました。
5年ぶりというのは意外ですが、ベスト4に進出して広陵に惜しくも敗れた、あの夏以来の甲子園出場となりました。 智弁と天理、優勝候補2校が順当に勝ち進んでいたのでこの2校で決勝かな、と安易に考えていました。ところが準決勝第2試合で勝利したのは智弁ではなく、公立の生駒高校でした。波乱、と形容したくなりますが、実は生駒は春の大会でも智弁に勝っていました。生駒はダークホースでもなんでもなく、隠れた実力校だったのです。…という、春のことは後で知ったのですが。 生駒は1回戦で奈良大附を破った橿原高校を準々決勝で破っていましたから、もしかしたら強いのかもとは感じていましたが、本当に勝ってしまうとは驚きでした。 生駒-橿原の試合はちょうど休日だったのでテレビ中継を観ていました。生駒が4点先取してこのまま終わるのかと思いきや、粘る橿原が終盤に追いつき延長へ。こうなると橿原に流れが行くかと思えば、相手のミスで出塁したランナーが還り生駒が1点勝ち越し。最後はエース北村投手が投げ抜き、熱戦は終わりました。終了後の挨拶で(おそらく今は禁止されている)両校の選手が抱擁を交わし審判に止められていましたが、自然と体が動いてしまったのかなと感じました。もちろん敵として戦った10イニングでしたが、両校全員で試合を作り上げたような空気感があったのです。高校ラグビーの東福岡-東海大仰星の一戦を思い出しました。解説も手放しで讃えるほど、心が震わされた時間でした。 北村投手は準決勝の智弁戦も完投しました。序盤で5点取られたものの、その後は無失点。逆転した後も、最後のピンチでも粘り抜きました。昨年の準優勝に続く連続出場を目指した智弁は、監督も言及していましたが守りのミスが痛かったのかなと思います。それでもいつも敗戦を糧に強くなってきたチームですから、秋以降はきっと存在感を示してくれるような気がします。 2強の一角を崩した生駒を待ち受けるのは、ラスボス天理。準決勝まで余裕を持った試合運びをしている天理に層の薄い公立校が挑むのは正直厳しいだろうけれど、ここまで熱い試合を見せてくれたのだから、悔いの残らないよう戦ってほしいなと思っていました。 平日で試合は観られなかったので、試合終了後に結果をのぞくと、驚くほどの大差勝ち。ニュースを追ってはじめて生駒に体調不良者が続出しメンバーを入れ替えざるをえなかったことを知りました。 こんな結末になるとは想像もしていませんでした。決勝の舞台に立てなかった部員の悔しさや監督の無念を思うと、胸が塞がれる思いです。それでも最後まで全力で戦った選手たちには大きな拍手が送られたと聞きました。また、相手に失礼のないよう正々堂々立ちはだかり、最後はマウンドで輪を作ることなく整列した天理のふるまいは全国ニュースで流れ、多くの賛辞が送られました。 「体調不良」が結果的にコロナだったかどうかはわかりませんが、検査結果を待ってから決勝戦を行うことはできなかったのか、それとも陽性と判明したら不戦敗になってしまうかもしれないからそれを避けられただけ良かったのか、どの選択がこの状況においてベストだったのかは判断できません。ただ、慣れないポジションを守った生駒の選手が怪我なく終えられたことは幸いだったと思います。そして天理には、奈良代表として堂々と甲子園で戦ってきてほしいです。 高野連は物議を醸したセンバツ選考の定義を明文化したり、暑さ対策で昼夜二部制を検討したりと、ようやくさまざまな動きを見せてきていますが、近年の急激な環境変化には対応しきれていない印象です。環境というのは気候だけでなく、高校野球を取り巻くさまざまな問題という意味です。 ネット社会の今は、今まで知ることのなかったいろいろなものが目に、耳に入ってきます。それらがすべて真実であるとは思ってはいませんが、何も考えず甲子園を観て、涙を流す高校球児にもらい泣きしていた若かりし頃が懐かしいです。 甲子園やインターハイは高校の部活の全国大会です。 主役はいったい誰なのか。誰を、何を守るべきなのか。 敵が対戦相手から、暑さや表に出ない誰かの思惑に代わっても、その答えは何十年も前から変わらないはずです。 観ているだけの者には何の権利もありませんが、少なくとも当の本人たちがそれらに振り回されて背負う必要のない重荷を背負わされることのないよう、大人たちには動いてほしいものです。 PR |
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