11/21 vsUSA ○
スーパーラウンド初戦の先発を任されたのは高橋。いきなり三者三振と最高の立ち上がりを見せます。 しかし、アメリカ先発のヒルもなかなかの難敵でした。初回、先頭桑原がいきなりの相手エラーで出塁し、自称骨折ながらスタメン復帰した辰己がヒットを放つも後続が打ち取られて得点できず。さすが44歳のベテラン。その後もベテラン左腕の投球術にやられて、4回まで互いにゼロ行進が続きます。 試合が動いたのは5回。代わった隅田がいきなりソロホームランを被弾し先制点を与えてしまいます。しかしその裏、相手投手も同じく交代。すると一死から三連打が飛び出し同点に。桑原のゴロはホーム封殺されるも、続く小園が三塁打! ランナーふたりが還って2点差とします。 隅田が次の回をしっかり三凡で抑えると、7回も北山がゼロ封。するとその裏、小園が本日2本目の長打となる3ランホームラン! リードを大きく広げます。 8回も止まらない小園。桑原のタイムリーの後、今度は2ランで7打点目と荒稼ぎ。8点差になった9回は横山がなんとかゼロで抑え、日本が初戦を取りました。 それにしても…ホームランが出る試合って、ヒヤヒヤもするけれどやっぱり楽しいですね…。 11/22 vsVEN ○ スーパーラウンド2戦目の相手は、Aグループ1位通過のベネズエラ。しかし侍打線は今日も活発。初回から小園・辰己の連続長打で先制すると、森下のタイムリー、連続四球から源田のゴロでさらに1点。 日本有利な展開かと思いましたが、そこはさすがのベネズエラ。直後、先発才木から2ランを放って1点差とします。 その後は互いの投手が踏ん張り、5回までスコアボードにゼロが並びます。そして6回。代わった井上が4番ペレスに逆転2ランを被弾。さらに四球から連打で2点差とされてしまいます。 四球を出した時点で、代えた方が良いのでは…とハラハラしながら観ていたのですが、交代はありませんでした。スーパーラウンドを前に鈴木翔天が離脱し、補充できないルールですからブルペンは想定よりひとり少ない状態です。選手を借りている立場で3連投禁止の制約もある中、出し惜しみせざるを得ない事情があったことは容易に想像できます。 長打攻撃で劣勢に立たされた侍ジャパンですが、その裏、坂倉がホームランを放ち1点差とします。さらに二死から四球とヒットでランナーを溜めると、連続四球の押し出しで同点に。とどめは牧! 勝ち越しは大きな満塁ホームラン! 東京ドームを熱狂させるデスターシャ! その後は鈴木昭→清水の火消し→藤平とつなぎ、大勢が1点奪われたものの9-6で今大会7連勝を決めました! 11/23 vsTPE ○ 昼間の試合でベネズエラが敗れたことにより、決勝は日本-台湾のカードとなることが決まりました。よって、台湾は予告されていた先発投手を温存することを決め、罰金を払ってまで投手を代えてきました。日本にとっても消化試合となるこの一戦、控えが多く起用されましたが、1番に抜擢された村林のホームランでいきなり先制。勢いは止まることなく、森下のタイムリー、紅林の犠飛などで一挙4点を挙げます。しかし突発性炎上病の持ち主である早川、4回に1点を返されると、5回には先頭から連続四球にタイムリー、さらに2四球で押し出しと、1点差に迫られてしまいます。無死満塁のこのピンチを救ったのは火消しの清水。ゲッツーに三振と最高のかたちで3つアウトを取り、相手に流れを渡しません。その裏には清宮のタイムリーなどで3点を取り返します。 互いに明日の決勝のため相手を眠らせておきたいところだったでしょうが、残念ながらこの試合、そううまくはいきませんでした。6回に北山が2点を奪われると、その裏日本が2点を取り返す。9回も横山がソロホームランを被弾、結果勝利はしたものの、スコアは9-6と大味に。 とはいえ、ここまで無敗の侍ジャパン。相手の台湾にも2勝しているし、明日も勝ってプレミア連覇だー! …と、ファンは余裕をぶっこいていたわけです。 11/24 vsTPE ● いよいよ決勝。オーダーは通常に戻りました。先発を任されたのは戸郷。この大一番、WBC経験者に任せるのは当然といえましょう。しかし懸念材料は、この大会の戸郷は今ひとつ精彩を欠いているように感じること。ここでも初回から、やや球が高いように見えました。 相手先発は林昱珉。ダイヤモンドバックス傘下に所属する左腕は、さすが決勝に温存されるだけあります。侍打線が手も足も出ず、序盤を完璧に抑え込まれてしまいます。3回、ようやく源田が投手強襲の初ヒットを放ち、坂倉の四球で二死一・二塁のチャンスを作るも、小園がセンターフライに終わって先制ならず。4回も先頭の辰己が四球を選びますが、ランナーを進めることすらできませんでした。 林の変化球に打者はのきなみきりきり舞い。これは投手が粘って後半勝負に持ち込むしかありません。 戸郷はランナーを出しつつなんとか踏ん張っていましたが、5回、先頭の林家正に先制ホームランを被弾してしまいます。大きく沸きあがる台湾ベンチ。 戸郷はさらに一死一・二塁とピンチを招きます。交代するならここでした。 しかしそんな柔軟な投手起用ができる状況であったのかどうか。WBCでは毎試合早い回からピンチに備えて中継ぎが肩を作っていましたが、同じことをプレミアでできるとは思えません。もちろん真相はわかりません。しかしここを抑えきれていれば、日本の勝利の目はあったように思います。 3番陳傑憲の打球は無情にもライトスタンドへ。3ランホームランに三塁側はお祭り騒ぎ! あまりにも大きな4点が入ってしまいました。 その裏、手も足も出なかった林昱珉に代わってマウンドへ上がったのは張奕。張奕だと!? 日本戦以外なら応援するけれども! しかしNPB時代は打たれていたはずの日本選手相手に、見違えるような投球を披露した張奕。二死一・二塁のピンチも小園を打ち取り、隅田が三者三振で終えた次の回も、三人で切り流れをこちらに渡しません。西武を戦力外になった選手とは思えないよ…。 試合の主導権は完全に台湾の手中にありました。7回表、隅田が一・二塁にランナーを背負った場面で、ダブルスチールを敢行。その後あわやホームランの大ファウルが飛び出しドキリとします。なんとか二死となり、カウントが1-2になったところで解説の古田敦也がいきなり大声を出すものだから、さらにドキリとさせられました。なんと三塁ランナーが本盗を仕掛けていたのです。隅田が気づいて未遂に終わったものの、台湾選手の躍動が終始目につく攻撃回となりました。 7回も張奕に抑えこまれた侍ジャパン。残る攻撃はあと2回となり、4点という点差にほぼ絶望しているところへ登板したのは陳冠宇。チェン・グァンユウだと!? またNPB出身投手が! ここは対戦経験ありということで、打者にはチャンスと思ってほしい…ところでしたが、これまた見違えるようなチェンの投球内容に三者凡退で終わる侍打線。 最後の一戦ということで藤平→大勢と勝ちパターンをつぎ込み、追加点こそ許さなかったものの、日本は流れをつかむことができないまま最終回を迎えることになってしまいました。 マウンドへ上がった林凱威から先頭辰己がヒットを放つと球場から逆転を期待する歓声が起こります。しかし続く森下はゴロアウトで二塁封殺。そして栗原の鋭い打球は、無情にも一塁手のグラブの中へ。森下はベースに戻れずゲッツーに…。 笑顔で歓喜の輪を作る台湾選手たち。茫然とする日本ベンチ。この大会、初めて味わう悔しい敗北は、よりにもよって決勝の一戦になってしまいました。 最初から最後まで台湾には執念を感じました。先発温存に始まり、守備でもファインプレーを連発。ワンプレーごとに盛り上がるベンチ。絶対に優勝するという気持ちをビシビシと感じました。もちろん、日本になかったわけではありません。しかしその面において伝わるものは、台湾のほうが強かったような気がします。 そして敗れて悔しい一方、それ以上にあたたかな気持ちになれたのも確かです。 優勝の喜びは日本もよく知っています。国を背負う重圧から解放された後の笑顔にはこちらも幸せな気持ちになります。野球がメジャースポーツである台湾において、国際大会で優勝した選手たちはこれから国の英雄になるでしょう。そして野球をしたいと思う子どもたちもきっとたくさん増えることでしょう。日本がそうであったように。 キャプテン陳傑憲選手の嬉し涙にはこちらも胸を打たれるものがありました(イケメンだから…だけではなく!)。日本の高校出身でプロ志望届を出していたこともはじめて知りました。ちょっとファンになっちゃいました(イケメン…だし!)。張奕の活躍もうれしかったです。日本球界復帰の可能性もあるのではないでしょうか。これからも頑張ってほしいです。 ひさびさに土をつけられることになった侍ジャパン。なぜか批判を浴びることになった辰己の円陣ですが、辰己らしいっちゃらしいし、大一番に挑むチームへの彼なりの鼓舞であったと思うのです。結果は逆になってしまいましたが、若い選手が多いですし、今回参加できなかった代表候補も含めて、この敗戦を糧にして、井端監督のもと一丸となって世界一奪還を目指していってほしいです。 11月の終わりまで楽しめた野球も、これで終わりです。長いシーズンを戦い終えた代表選手たちには心から敬意を表します。とくに日本シリーズに出場したソフトバンク・DeNAの選手たちの疲労は相当なものであると思います。開催時期がシーズン後というのが辞退者続出の理由なのでしょうが、動かしようがありませんからこれからもこの問題は続いてしまうかもしれませんね。 しかしオリックスファンとしては、代表が紅林ひとりというのはやはり淋しいものがありました。しかも大事な試合になるとスタメン起用は源田でしたし。次からは不動のショートと信頼されるくらい結果を残すしかありません! PR |
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