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いかに寝て起くる朝に言ふことぞ昨日をこぞと今日をことしと(小大君)
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アマゾンプライムに加入して、まず視聴したのが『鬼滅の刃』(…)。
そしてドラマ『ROOKIES』でした。
ドラマはリアルタイムで観ておらず、あとでたまたま漫画を読みました。
いやー、面白かったです。ドラマも観ればよかったといたく後悔しました。
野球部の不良どもが熱血先生のもと力を合わせ仲間を信じ、夢に向かってひたむきに努力する…いかにも少年ジャンプ的な、ベタなお話とあなどっていたのですが、大人でも普通に感動しました。川藤先生の存在感が大きいからでしょうか。ちなみに同じ部活系である『SLAM DUNK』をはじめて読んだのはリアル高校生の時でしたが、今だと違和感を抱いてしまうと思います。教師の存在が薄いからです。もちろん安西先生や対戦校の顧問など、大人たちの心情が語られる場面は少なくないのですが、部員たちと同じスタンスにいることが多く(大人から見れば後先顧みない無謀な高校生たちの行動を咎めることなく、彼らの補助的役割を担っている)、大人として子どもを諭し導く存在にはなっていないからです。もちろん「大人は面倒くさい」と感じる世代の子どもたちが読者のメイン層である以上、配置としてはそれで正解なのですが。
暴力や権力が彼らを導けないのはもちろんですが、「理解」だけでもまた、心を通わせることはできません。必要なのは、裏表のない言葉。川藤は、安西先生たちと同様不良どもと同じスタンスに立ってはいるものの、決して補助するだけではなく、彼らの先頭に立って光ある方へとひっぱっていきます。だから部員たちは「川藤」と呼び捨てし時にはツッコミを入れ、まるで仲間のひとりのように扱いながらも、いつも自分たちを引率してくれる川藤の言葉に絶対的な信頼を置き、後についていける大人として敬っていられるのです。
まあ、現実にはこんな教師は存在しません。
だから漫画たりえるのですが。
アニメならまだしも、実写で川藤を嫌味なく演じるのは難しい。それを、最近は悪役も板についてきた佐藤隆太が底抜けの元気とあかるさで表現していました。安仁屋たち個性的な部員の面々も、まるで漫画から飛び出してきたような色とりどりの風貌で当時伸び盛りの若手俳優たちが演じています。もうすでにテレビではお目にかかれない人たちもいますが;今をときめく佐藤健や桐谷健太も端役だったとは驚きです。
そんなイケメンたちを拝んでいるのも楽しいですが、前半は原作に忠実に、後半は原作をうまく端折ってまとめていました。
さてその続編となるこの映画。ドラマの続編ですから、映画としてではなくドラマの延長版として観るのが正しいのかと思います。
2時間半という長丁場ですが、その間に赤星・濱中といったドラマでは登場しなかったキャラを出し、さらに予選決勝まで描くには少し駆け足すぎたかと。いわば原作の最終回、川藤との突然の別れの後、翌春の再会→夏の甲子園出場という説明なしのイラストのみで表現された数か月をここで物語として描いたことになるのでしょうが、川藤の復帰で勢いづいた野球部、川藤の存在の大きさをたった数ページで表現したことがラストのカタルシスにつながるのであり、ドラマでも再会のシーンはドラマとして感動的に描かれていいため、「その後」を具体的に見せられると、どうもその感動が薄れてしまったような…。
そしてこの映画はどちらかというと川藤は補助的役割になっており、部員たちの夢への執念、思いの強さが主体になっています。勝利を目前にした安仁屋がマウンドで涙する場面は、普段強がって斜に構えていた彼が本当に子どものように泣きじゃくっていて、いい演出だなあと思いました。
そして甲子園出場を決めたニコガクが聖地でどんな戦いぶりを見せてくれたのか、そこは描かれず、ラストは笑顔の卒業式でした。
『タッチ』の最終回でも明青の全国制覇が優勝盾だけで表現されていたように、どんなスポーツ漫画も全国に行くまでがメインとなっているのではないでしょうか(スラムダンクも神奈川大会で終わっていてもじゅうぶん名作だったと思う)。実際の高校野球でも、県大会優勝(=甲子園出場)と準優勝では雲泥の差があります。甲子園出場は優勝の御褒美みたいなものです。県大会を勝ち抜くほうが甲子園で勝つより難しいという都道府県もありますしね。ちなみに予選ではなく○○都道府県大会です。
エンディング、河川敷を歩く部員たちの後ろ姿には、もっと彼らのわちゃわちゃした姿を見たい…という感傷にかられました。
青春ドラマの佳作でした。リアルタイムで観ていなかったことが惜しまれます。















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