●万引き家族:★★★★★
疑似家族の人達の温かい繋がりと崩壊を描いただけの映画なんですが、家族一人一人の性格や心情、「家族」への思いが丁寧に描写されているので、全員に感情移入できます。だからこそ、後半の崩壊が胸に突き刺さりますね。この家族の形が良かったのか悪かったのか、両方に解釈できるところがこの映画の良さです。だからこそ余韻が残りますからね。
●殺人の告白:★★★★☆
この映画はすごくもったいないです。ストーリーは本当に素晴らしいです。時効成立後に犯人が出てきてイケメンだからアイドルになるというつかみが面白いですし、終盤明らかになるその理由にも納得です。しかし、時々出てくる韓国映画のしょうもないコメディのノリと、ダラダラとしたカーアクションが、この映画の価値を下げていますね。
●プリデスティネーション:★★★☆☆
映画の中でも出てくる「鶏が先か、卵が先か」のジレンマを描いているんですね。主人公は父でもあり母でもあり子でもあり、自分を産むし自分を殺します。そんな斬新な話を破綻なくわかりやすく描いており、完成度はすごく高いですね。SF好きにはたまらないと思います。しかし僕みたいな文系のおっさんには「よくできた映画だなあ。」で終わってしまうのが悲しいですね。
●へレディタリー/継承:★★★☆☆
この映画は怖いですよ。僕はホラー映画で怖いと思う映画は少ないので、いい映画なんでしょうね。前半は数々の不愉快で謎めいた描写で気持ちを不安定にさせて、後半はどんどん謎を明らかにして真実に気づかせて怖がらせるパターンですね。ただ、兄が悪魔に乗っ取られて終わりというラストは、何の捻りもなかったですね。それが家族の宿命と言われればその通りなんですが。
●ゾンビランド:★★★☆☆
バカバカしいタイトルでくだらないストーリーですが、何かいいですねこの映画は。登場人物もみんな魅力的ですし、明らかにこれは絶対絶命だろという場面でもご都合主義な展開で全員生き残るんですが、全員生き残って素直に良かったと思えますからね。テンポも良く、退屈もしません。この監督は「ヴェノム」の監督ですね。良かったですね才能が認められて。
●ボヘミアン・ラプソディ:★★★★★
映画のテーマは家族や仲間というとてもベタなものです。構成も成功から挫折、復活というありがちなもので、ストーリーも陳腐です。僕は洋楽は聴かないのでクイーンに何の思い入れもないですし、ゲイやエイズなどの社会問題についても興味はありません。しかし、最後のライブシーンはむちゃくちゃ感動してしまいましたね。世間の人もきっとそうなんでしょうね。
●ダンサー・イン・ザ・ダーク:★★★☆☆
事件後から主人公の息子が出ません。ラストで主人公の友人が、息子の手術が成功したと眼鏡を渡すのですが、失明でも眼鏡は不要になるし、あの場面では嘘もありえるから、本当に成功したかがわかりません。なので母の息子への献身的な愛情を描いた映画と素直に思えないところが、この監督の良い意味で狂っているところです。しかし、間違いなく心に残る映画ですね。
●パッドマン 5億人の女性を救った男:★★★★★
この映画も「ボヘミアン・ラプソディ」と一緒で、ストーリーや構成はシンプルなんですが、終盤の主人公の国連での演説シーンは理屈抜きで感動してしまいましたね。僕のような女性蔑視で、生理に対する理解もない男は、この主人公のような生き方は絶対にできないので、より感動は大きなものになります。ただ、僕なら苦労を共にしたパリーと一緒に生きていきますけどね。
●ブラインドネス:★★☆☆☆
設定は面白いのですが、設定が面白いだけで、話の展開もテーマも詰めが甘くて消化不良でしたね。目が見えないことにより人間同士が心が通じ合うように神が試練を与えたとしても、収容所から脱出して歩いている時に普通にはぐれた奴いましたしね。目が見える主人公は収容所で王のような存在になれるはずなのに、チンピラになすがまま犯されるのも意味不明です。
●ブロークバックマウンテン:★★★★★
「ライフ・オブ・パイ」の監督ですね。この監督は何とも言えない余韻を残すのが上手いです。今回もすごくいい映画のような気がしました。騙されているような気もしますが。ただ、僕は同性愛には全く興味がないし、むしろ軽蔑の対象ですが、そんな人間の心にも何かを残してくれるのは間違いないですね。ヒース・レジャーは死んじゃいましたが演技が本当に上手いですね。
●ディセント2:★★★☆☆
1と同じく洞窟という閉塞感のある空間の中での独特の緊張感が面白いですし、ラストで急にジジイが出てくるところもびっくりしましたが、今回は1と違い洞窟の中に化け物がいるのをこちらが知っていますから、どうしても1よりインパクトが弱くなってしまいます。やっと洞窟を出て病院のベッドで寝ている主人公が、もう1回洞窟に入る展開も強引すぎましたね。
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