昨年あたりからマラソン大会のたびにMGC、MGCという言葉が連呼されていて、いったい何のことだと思っていたら、東京オリンピックの選考大会のことでした。
毎回のように選考でモメるマラソン代表。結果が伴わなければ、オリンピックが終わってからもあーだこーだと言われ続ける、それだけ注目度の高い競技ということもありますが、アメリカなどは一発勝負と聞いていたので、日本も早く導入すればいいのにと思っていました。 大会前から「BIG4」と呼ばれる4選手が注目されていました。現日本記録保持者の大迫傑選手、前日本記録保持者の設楽悠太選手、アジア大会金メダリストの井上大仁選手、福岡国際マラソンで優勝した服部勇馬選手。さらに、全員が箱根ランナー。もちろん他の出場選手も、箱根を騒がせた選手ばかり。全員がスタート地点に並ぶとまるで箱根オールスターのようで、ワクワクしました。 スタートから飛び出し逃げきりをはかった設楽悠太選手は終盤失速し2位集団に飲み込まれ、結果的には14位。しかしそのチャレンジ精神には感服しました。昨今の日本勢はマラソン界を席巻するアフリカ選手のスピードについていけずに序盤で置いていかれてばかりでしたが、設楽選手の大逃げはそれへの挑戦状のように感じました。不発に終わったものの、設楽選手はオリンピック出場権ではなく、オリンピック大会そのものを見据えていたのかもしれません。ふたたび日本記録を出せば残り1枠に入ることができますが、果たして。 設楽選手のスタートダッシュにも乱されず、冷静にレースを展開した2位集団。徐々に振り落とされ、最後に優勝争いを展開したのは、大迫選手、服部選手、そして中村匠吾選手でした。 駒大出身の中村選手。今も大八木監督のもとで練習を重ねている彼のことをもちろん応援していました。それでもまさかBIG4を抑えて優勝するとは思ってもいませんでした。 中村選手は気候やコースを熟知し、かけ引きへの対応も冷静でした。最後のスパートも相手がついてこられないことを見透かしていたかのようです。実際、大迫選手のラスト1キロはもう足が限界のようでした。服部選手のほうが余力を残して最後に備えていたようです。しかし、早大時代からクールなイメージだった大迫選手が必死の形相で腕を振る姿には胸を打たれました。 2位までが出場権を得られる中の3人のデッドヒート。熱い戦いでした。 そして女子もまた、限界の域ながら必死に前を追い、わずか4秒届かなかった3位の小原選手の姿がありました。中継の有森裕子・野口みずき元選手たちの感情移入を隠さない熱のこもった解説もあって、心を揺さぶられる42キロという長くて短い戦いのラストシーンでした。 初めてのオリンピック選考会で、スタートで少しもたつき(国歌斉唱ではなく;)があったものの、話題の盛り上がり的には成功だったのではないかと思います。東京大会限定だそうですが、やはり豪華メンバーが集う大会は見ごたえたっぷりでした。今後も続けてほしいなあと個人的には思うのですが。 PR |
* カレンダー *
* 最新記事 *
* ブログ内検索 *
|