青学大の連覇か、出雲・全日本を制した駒澤大の三冠か。
2強に続く大学はどこか。 注目は2区ですが、他にもたくさんドラマが待っているであろう今年の箱根です。 目覚ましで起きて準備万端! 《1区》 スタートしてすぐに学生連合の育英大・新田選手が飛び出しました。しかし2位集団は牽制しあってか、なかなか後を追いません。駒澤大・青学大は互いを意識しているのでしょうが、他校も追随しスローペースの展開に。 ひたすら独走する新田選手。こうなれば幻とはいえ学生連合のトップ通過を見てみたくなりますが、15キロ付近で後続との距離が縮まり始めます。 2位集団は残り5キロから少しずつ振り落とされる大学が現れ、残り3キロの六郷橋では東洋大・東海大・帝京大・創価大などの実力校も遅れを取り始めました。 下りに入ると明治大がスパート。駒澤大が追うものの青学大はついていけません。 残り1キロでついに明治大・富田選手が学連をとらえトップに立ちます。新田選手は最後に駒澤大・円選手にも抜かれましたが、強いインパクトを残す力走でした。 《2区》 今年は駒澤大・田澤、中央大・吉居、青学大・近藤、順天堂大・三浦、東京国際大・丹所などなど、花の2区にふさわしいスター選手が揃いました。 約20秒内に13チームが襷リレーした中、早くも3キロ付近で吉居選手が先頭に立ちます。解説の瀬古さんが「この先権太坂があることを知っているのか?」と驚くくらいのハイペース。一方、田澤選手はここは無理して追いませんでした。自分のペースをしっかり守り、徐々にギアを上げていくと、12キロ過ぎついに吉居選手をとらえて追い抜きます。 そして7位からスタートした近藤選手。9キロ過ぎに創価大・山梨学院大の留学生が形成する4位集団へ追いつき、さらには14キロ、2位吉居選手の背中をとらえます。抜きつ抜かれつ、両校揃って追いかける田澤選手の背中がだんだん近づいてきました。 3人が接近したラスト1キロは、エース同士のプライドがバチバチにぶつかり合う、まさに死闘でした。苦悶の表情で最後の力を振り絞り腕を振る姿には、こちらの胸も熱くなりました。 戸塚中継所直前、ラストスパートをかけたのは吉居選手。昨年の1区区間記録を打ち立てたスピードスターは、今年も箱根の主役でした。ゴール後、同郷である近藤選手と交わした抱擁も感動的でした。 田澤選手はレース後、12月にコロナに感染しコンディションを整えられなかったことを明かしました。トップランナーとしては、区間3位は決して満足できる結果ではなかったかもしれません。それでも万全の状態ではない中、大崩れせず戦いきったのはさすがです。最後の箱根で、魂の走りとも言える力走を見せてくれました。 國學院大が6位に上がった一方、東洋大はまさかの19位。ここからの巻き返しに期待です。 《3区》 中央大を追う駒澤大・青学大ですが、3秒だったその差を徐々に広げられていきます。並走していた2校は、18キロに駒澤大・篠原選手がペースアップ。青学大・横田選手は追いかけられません。 中央大・中野選手は吉居選手に刺激されたような快走で先頭を守り抜き、区間賞に輝きました。しかし2位駒澤大との差は10秒、3位青学大も36秒差。まだまだ先はわかりません。 4位は早々に浮上した國學院大。5位は早稲田大、14位から一気に順位を上げました。 4区にヴィンセント選手を擁する東京国際大は12位。さあ、ごぼう抜きの始まりです。 《4区》 先頭を行く中央大のランナーは2区・吉居大和選手の弟・吉居駿恭選手。その期待のルーキーの背後から、駒澤大・鈴木選手、青学大・太田選手というエースが迫ってきます。 7キロ手前、まず駒澤大が中央大をとらえました。14キロ過ぎには青学大も追いついて先頭集団が3人になりましたが、吉居選手が徐々に遅れ始めます。 ラスト3キロは、駒澤大・青学大の一騎打ちに。ここも抜きつ抜かれつ、もつれ合いながら小田原へ。タイム差なく襷リレーとなりました。最後まで目の離せない見どころの多い今年の箱根です。 一方その頃、後方で凄まじい走りを見せていたのはヴィンセント選手。異次元の走りで次々順位を上げていきました。半分過ぎたところで早くも4位浮上。20.9キロを駆け抜けたそのタイムは区間記録を30秒上回る1時間00秒00。最後の箱根で彼が残したのは、3区間目の区間新樹立という圧倒的な記録でした。来年から彼の走りをもう観られないのかと思うと、少し淋しくもあります。 《5区》 青学大・若林選手が体調不良のためエントリー変更を余儀なくされ、山上りを任されたのは駅伝初出場の脇田選手。駒澤大の1年生・山川選手ももちろんはじめての山ですが、準備はしっかりできていたようでした。早々に先頭に立ち、差を広げていきます。 39秒差でスタートした3位中央大・阿部選手は5区経験者。大きなストライドで坂をぐんぐん上り、4キロ過ぎに青学大を抜き去ります。このまま駒澤大をとらえそうな勢いでしたが、その差はなかなか縮まりません。見えていたはずの背中に近づけないことに焦りもあったのか、阿部選手の表情が徐々に苦しくなっていきます。 対照的にずっと冷静にペースを刻んでいた山川選手。1年生とは思えない落ち着きでした。さすが大八木監督が山上りに選んだだけあります。終盤はさすがにきつそうな様子でしたが、監督の檄を受けよみがえったか、最後は後続に差を広げ、トップでゴールテープを切りました。 駒澤大、なんと往路優勝は19年ぶり! 2年ぶりの総合優勝、駅伝三冠を射程圏内にとらえました! 遅れること31秒、2位でゴールしたのは中央大。3位青学大は2分3秒差、逆転優勝にはやや厳しいタイム差ですが、それでも何かやってくれるような気がするのが青学大、そして原監督です。このまま終わるわけにはいかないでしょう。ゴール後には仲間に抱えられ涙した脇田選手。緊急出場だったはずですが、この難局をよく走り切ったと思います。 中盤まで4位争いを繰り広げていた國學院大と東京国際大ですが、振り切ったのは國學院大。優勝争いの一角にも挙げられていた出雲・全日本の準優勝校ですが、4分差をつけられてしまいました。 5位は早稲田大。2区スタート時の14位から盛り返してきました。6位は四釜選手が区間2位(区間新)のタイムで山を上り順位を5つ上げた順天堂大。そして東京国際大、法政大に続き、9位に入ったのは城西大。山本選手が区間新記録を打ち立てる力走で、チーム順位をシード圏内に押し上げました。山の妖精誕生? 10位は創価大、11位は東洋大。なんとか復路で巻き返し、シードを死守してほしいです。 12位以降の明治大・東海大・帝京大の伝統校もシード圏内に入れるか。逆転劇を期待します。 PR |
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