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続・風花の庭

朝がほの凋まぬほどに降り晴れて雨より後の秋のあつさは(上田秋成)

春夏…冬?

  posted by さや at 15:05:08 │EDIT
この間まで暑い暑いと夏服を着ていたような…。

寒い寒いとこたつを出して…。



世間ももうクリスマスムード。

秋って…こんなんだったっけ…?


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今日までのプロ野球

  posted by さや at 15:26:26 │EDIT
10/2 戦力外通告①

本田仁海・元・佐野が戦力外通告。3連覇に貢献してくれた佐野ですが、残念ながらここ2年は活躍することができませんでした。ずば抜けた脚力や力のある右打席には期待していたのですがね…。残念です。
手術明けの本田・血栓症を患った元は育成契約の見込み。元は本当に危ない状況だったとか。二軍で好調だっただけにどれほどつらかったでしょう。来年、元気になって一軍に帰ってくることを願います。
また、育成の小野・村西も戦力外。二軍でも結果を残せず、支配下復帰はなりませんでした。


10/14 戦力外通告②

井口・本田圭・福田の3選手が追加で戦力外に。井口は昨年、厳しいブルペン事情をフル回転で救ってくれました。マウンドだけでなくファンフェスでも活躍してくれましたし、本当に感謝しかありません。まだまだ野球を続ける覚悟とのこと。どこへ行っても応援します。
本田圭は現役ドラフトでの入団でしたが、鈴木博志のようにはいきませんでした(我が家の西武ファンは最初から断言しておりましたが)。その後、西武の打撃投手の職が決まったと知りひと安心。
福田の構想外については、正式発表より先に報道されていました。不退転の覚悟で挑んだ今季でしたが、かつての輝きを取り戻すことはできませんでした。
入団時からガッツあふれるプレースタイルには魅了されました。2年目にしてキャプテンを任された春先、ドン底状態のチームの中ひとり気を吐いていたことは忘れられません。しっかり者かと思いきや変人だったことも知りました。
2021年、中嶋監督体制になるや、人生初の外野へチャレンジ。5月に一軍定着すると、そこから後はかの「福宗正杉」。優勝へ導く不動の1番センターの誕生でした。
2022年は終盤の大事な試合で走塁ミスをかまし二軍降格するも、絶対にやり返してくれるという期待どおり、昇格してから大活躍。10.2でも逆転タイムリーを放ってくれました。
2023年も優勝に貢献。三連覇にはいつも福田の姿がありました。
しかし福田のプレースタイルでは、歳を重ねてからも活躍するには難しく、徐々に出場機会が減っていき、今年は察するものがありました。
おそらくチームは何らかのポストを用意したと思います。しかし福田は現役続行を選んだ。まだまだ、オリックスに関わる福田を見たかった。しかし本人がそれを選ぶならば、応援するしかありません。
これからも福田が走り続けていられますように。


10/23 ドラフト会議

今年のドラフトは誰に行く? 立石? それとも投手? 大学生が有望だと聞くけれど…。
オリックスが1位に指名したのは、健大高崎の石垣投手でした!
…ガックリ。
だって、先にロッテも指名していたから。
いやもう、わかるやん。クジなんか引かんでもわかるやん。長年オリックスファンやってりゃさあ、もうわかってるやん。
・・・
たまには裏切ってくれよ!!!
しかもまたロッテかよ!!!!
・・・
しかしファンは知っている、オリックスはクジを外してからが本番だということを。
というわけで、真の1位は延岡学園の藤川投手でした。
2位は大阪桐蔭の森投手。さらに3位も健大高崎の佐藤投手と、3人も続けて高卒投手を指名。おまけに4位も高校生、投打二刀流の窪田選手(野手指名)。高卒投手育成力へのなんたる自信。
5番目でようやく大学生の高谷投手を指名。6位はなんとジョージア大学の石川ケニー選手。果たして入団してくれるのか?
7位は高校生捕手の野上選手。さらに育成で4人を指名し終了。
なんともロマンあふれる内容となりました。上位の高校生投手が皆うれしそうだったのにはこちらもうれしい。オリックスも指名されて喜ばれる球団になったのだな…。
全員活躍できますように!


10/29 戦力外通告③

7日には育成の大江が引退を表明。支配下になれず、今季までという決意があったのでしょう。第二の人生に幸あれ。
そしてこの日は4投手が戦力外の報道が。宇田川・東山・小木田・大里。投手3人はトミージョン手術明けで、来春の復帰は難しいとの判断でしょう。さらに大里の右肩手術はこの日の朝に報道されていましたが、育成契約になるほど重傷だったとは思いませんでした。貴重な内野手のうえ、二軍より一軍で活躍するというめずらしいタイプの選手でしたからこれは痛い…。
宇田川と同時期に手術した吉田輝星は支配下のままですが、経過良好ということなのでしょう。
来年も内野とブルペンには苦労しそう…。


11/2 ドジャースWS優勝

メジャーにはほとんど興味なく、WSも観たことがなかったのですが、今年は若干縁のあるブルージェイズ対ドジャースで、しかも観戦しやすい時間帯に開催されていたので、週末は中継を観ていました。
山本のことは応援しているけれどドジャースファンにはなれないワタクシ。あいかわらずNPBより大谷ばかりのメディアにも辟易していたので、「ドジャースは去年優勝したし、今年はブルージェイズでいいやん」と天邪鬼な気持ちでいました。初戦はブルージェイズが勝利し、ロジャースセンターは大熱狂。トロントの街も花火が上がっていたとか。野球に興味ない人が多いカナダで野球が盛り上がるのは、いち野球ファンとしてもうれしく思います。
報道はあいかわらず大谷一色ですが、NHKの中継は昨年まで日ハムにいた加藤豪将がスタッフとして所属しているブルージェイズ情報を紹介してもいたので、割とフラットだったと思います。
2戦目は山本が完投勝利(「当然」としたり顔のオリファンのことを後方彼氏ヅラというらしいです)。しかし3戦目はなんと延長18回。昼休みに経過を見た時は8回くらいでしたが、試合終了の通知が来たのは終業後でした。そして、山本がブルペンで投げていたと知り仰天。おいおい…昨日完投した投手だぞ? 佐々木同様「マジ!?」と口にしてしまいました。18回で終わって良かった…19回があったら本当に登板していたでしょう。
ちなみにこの日、中嶋SAがネット中継の解説をしていたらしく、試合後の画像がSNSに上がっていました。異様に髪がボサボサだったのは、山本のブルペン入りを見て監督時代のごとく頭を抱えたからに違いありません。
3・4戦目はブルージェイズの連勝で王手をかけ、トロントに戻ってきた5戦目は中5日(実質3日か?)で山本が登板。よって「当然」ドジャースが勝ち、勝敗はタイとなりました。
いよいよ盛り上がる7戦目。大谷が先発で登板するも3ランを浴びてしまい、ドジャースが追いすがるも1点差のまま最終回。これはブルージェイズの優勝かと思われた、9回表1アウトランナーなし。回またぎのクローザーにはやや疲れが見えました。粘って7球目。やや甘いスライダーを打ち返し、打球はレフトスタンドへ! まさかの同点ホームラン!!
その瞬間、ブルペンにいた佐々木が両手をあげて喜びを表現したのとは対照的に、山本は両手で顔を覆いました。5回から投球練習をしていた山本ですが、このまま終われば出番はありませんでした。前日の試合後、「明日出る人は大変」と山本らしく笑っていましたが、まさかその「大変な人」に本人がなるとは…。いやいや、まさかねえ…。本当に投げさしゃしないよねえ…。
9回裏のブルージェイズ。一死からヒットでランナーが出ると、次の打者が四球を選び、サヨナラ勝ちのチャンスを作ります。ここで監督が出てブルペンを指さし…出てきたのは…。
YAMAMOTO!!
USOOOOON!!
「他におらんのかい!」と叫びたくなる起用ですが、無知な自分でもドジャースの苦しいブルペン事情は小耳にはさんでいます。そしていきなり死球で一死満塁。いくらブルージェイズ寄りでも山本が打たれるところは見たくない。いや、山本だから大丈夫だ…。
次打者は4球目をセカンドゴロ。二塁手がよろめきながらもホームへ送球、アウトに仕留めます。そして3人目は、外野へ大飛球。沸き立つ球場、追いかけたセンターとレフトが交錯、一瞬時間が止まったような感覚でした。ボールはしっかりとセンターが捕球していました。
さすが山本! これが山本!
10回表のドジャースも、一死満塁のチャンスを作ります。次打者が内野ゴロホームアウトになるところまでまったく同じで無得点。その裏も山本が抑えます。
そして11回でした。大谷が打ち取られツーアウトになったところで、次のバッターは捕手のスミス。その3球目、打球はレフトスタンドへ! 勝ち越しホームランが生まれました!
11回裏もマウンドに上がった山本。WS連覇のゆくえはその右腕に託されました。
先頭、ゲレーロJr.が二塁打を放ち、ベース上で雄たけびを上げます。次の選手があまりにも見事なバントを決め、一死三塁。これは同点になっても仕方ないか…いや、山本だから大丈夫だ…。
5番に四球を出した時、これもアリだと思いました。ゲッツーもあるし。
…で、本当にゲッツーを取ってしまうんだから!!
これが山本由伸なんだよ!
これぞ山本由伸なんだよ!!(涙)

..。。*゜゜(´Д`川゜゜*。。..

MVPはもちろん山本でした。山本が…WSのMVP…。
我々のエースは、本当に遠くへ行ってしまったんだなあ…。
「いけ、由伸。僕らの手の届かないところまで。日本最強が、世界最強だと証明してくれ。」
オリックスがアメリカへ旅立つ山本へ贈った言葉は、大仰に過ぎると当時のSNSで揶揄されたものです。しかし、オリファンは誰もが信じて疑いませんでした。いつか山本が本当に世界最強になることを。オリのエースは、世界のエースだということを。
まさか2年で実現するとは思わなかったけれど…。
そしてカナダは全国民が泣いたそうです。本当に惜しかった。あとわずか届きませんでした。若い選手が多かったためか最後はやや焦りのようなものが見えたのは、NPBもメジャーも同じですね。WSを観ただけですが、ブルージェイズはとても良いチームだと感じました。試合後のゲレーロJr.の涙にはもらい泣き。お父さんにチャンピオンリングを送りたいというエピソードを中継中に聞いて、肩入れしていました。来年はその夢がかなうところを見たいです。
それにしても、山本も大谷も佐々木も疲労困憊で、WBCは出場できないでしょうね。少し残念ではあるけれど、ゆっくり休んでほしいです。





今日までの日本シリーズ

  posted by さや at 11:51:01 │EDIT
10/28 ☆☆H-T☆

甲子園初戦は2-1でからくもソフトバンクが勝利。…が、どっちに転んでもおかしくない試合でした。
今日も先制は阪神。初回、モイネロから佐藤が先制タイムリー二塁打…ですが、ライト柳町が右往左往で捕球できなかった一打でしたので、モイネロが打たれたわけではありません。
一方、甲子園の頭を任された才木は危なげない立ち上がり。3回表は牧原の打球をレフト豊田が捕りそこないランナーを二塁に背負いますが、8番海野がバントをせず三振。9番モイネロもゴロに打ち取り二死を取ると、四球をはさんでスリーアウト。ピンチを逃れます。
しかし4回。先頭山川がやや甘く入ってきたスライダーをバックスクリーンへ運び同点に。どうやら完全に目を覚ましたようです。この状態の山川は手がつけられません。
援護をもらったモイネロですが、その裏、佐藤のゴロを山川が取り切れず内野安打にしてしまうと、続く大山のサードゴロを今度は栗原がファンブル。チェンジのはずが味方のミスで一転一・二塁の大ピンチを招きます。しかし阪神の懸案事項は、大山から後の下位打線。今日は6番に豊田が入っていましたが、おそらく3回の守備ミスのせいで途中から熊谷に代えられていました。まあ、そのままだったとしても結果は大差なかったでしょう。阪神は相手の隙につけこめず、無得点に終わります。
5回表には、先頭牧原が二塁打で出塁。3回と同じ展開で、今度は海野がバント…と思いきや、バスターに切り替えるも打球は大山の正面。牧原が挟まれアウト、二塁を狙った海野もアウトでダブルプレーという、なんだか言葉を失う展開に。
スコアが動いたのは6回でした。一死一塁から柳町がタイムリー三塁打を放ちソフトバンクがようやくリードを奪います。山川に四球を出したところで才木は交代。及川がこのシリーズ不調の栗原から併殺を奪い、なんとか1点にとどめます。
その裏、阪神は先頭森下が四球を選び、盗塁を決め、佐藤はボール先行になったところで申告敬遠。次は大山。ここまでノーヒットですからバント代打もありかなと考えましたが、そのまま大山が打席に入りました。結果はセンターフライで進塁できず。続く代打ヘルナンデスのファウルフライは、野手に任せていられないとばかりに(?)モイネロみずからが捕球。最後の坂本の打球は、打った瞬間は外野の前に落ちて同点かと思いましたが、これをショート今宮が後ろに向かってジャンピングキャッチ! 超ファインプレーで難を逃れます。
ソフトバンクは7回から継投へ。まずは藤井、山川のエラーで先頭に出塁されると、代打高寺の三振の隙に盗塁を決められ、さらにこれがパスボールとなりランナー小幡は一気に三塁へ。味方のミスで大ピンチを背負うことになった藤井、しかもここから近本・中野の上位打線。しかし修羅場を何度もくぐってきた藤井です。腹を括った必殺フォークが決まって連続三振! 必死で止める海野! ピンチ脱出!
8回表のソフトバンクは二死満塁から栗原が倒れて追加点を取れず。その裏、阪神は二死一・三塁のチャンスで坂本に打席が回ります。代打を出すかと思いましたが、そのままでした。控え捕手3人いるのに何故…? あ、でも残り野手を見るにもしかして代打がいない…? 
この3戦を見てきて、藤川監督はあまり動かないタイプなのだと感じました。そうやってペナントを勝ってきたからなのでしょう。しかしこの試合、動けるチャンスはいくつもありました。もちろん動いて失敗に終わる可能性もありますが、短期決戦は博打に出ることも肝要。明日はスタメンも含めてどう動いてくるでしょうか。
ソフトバンクはなんとかもぎ取った白星となりました。守り慣れていない球場でいくつもミスが出てしまったものの、今宮のプレーがまるっと救いました。さすが甲子園の申し子。栗原が不調なのは気がかりです。


10/29 ☆☆☆H-T☆

4戦目の先発は高橋-大津の顔合わせ。ソフトバンクの順番的には大関のはずでしたが、CSで打ち込まれたためか大津という選択になりました。一方、高橋はCSで相手を圧倒する投球が印象強く、我が家では「今日は阪神有利だな…」と予想していました。
しかし先制したのはソフトバンクの方でした。2回、先頭山川が3戦連続どすこい弾。4球連続インコースを攻めたバッテリーでしたが、インの構えから中へ入ってきたストレートなぞ、絶好調状態の山川が見逃してくれるはずがありません。
その裏、ショート野村がファールボールをスライディングしながら好捕。昨日のファインプレーで今宮がかかとを痛めてしまうという、ここに来てまで怪我人続出のソフトバンクですが、控えの層の厚さを見せつけてくれます。
その後、互いにランナーを出すも得点は入らないまま、試合は中盤へ。5回表、一死からピッチャー大津の打席で、高橋が痛恨の四球を出してしまいます。実はこれには布石があり、3回の大津の初打席、弱いゴロを小幡が拾って一塁へ投げるも、全力疾走の大津がこれをセーフにします。小幡の油断が招いたこととはいえ、高橋にはその打席が印象強く刻まれていたのでしょう。そして前の打席で死球を当てていた柳田に内角をつけずヒットを打たれてしまうと、さらに運の悪いことに、周東の打球が左腕を直撃。交代を余儀なくされてしまいます。
一死満塁というピンチで緊急登板となってしまった畠でしたが、よく犠飛の1点で凌ぎました。山川に四球を出して再度満塁になるものの、不調にもかかわらず5番に入っている栗原がここも三振。2点目をもらった大津はその裏も抑え、試合は後半戦へ。
6回表、一死から8番牧原が内野安打で出塁すると、小久保監督が動きます。海野にバントで二死二塁の舞台を作ると、代打の切り札・近藤を送り出しました。大津はここまで59球。まだ続投できる範囲内ですし、3連戦の中日で樹木トリオはできれば温存したいところですが、今年の小久保監督は積極的です。勝負の分岐点は見逃しません。
もちろん柳田も怖いバッターですから、一塁が空いている状況で近藤と柳田のどちらと勝負するか、我が家でも意見が分かれました。我が家の解説者は前者を、自分は後者を選びました。
結果、阪神は前者を選び、タイムリー。見逃せばボールになるコースでしたが、さすがは近藤です。勝負手を切った小久保監督の勝ちでした。
6回裏、森下からという打順で登板したのは前倒しで藤井。しかしヒットを打たれ、暴投で進塁されてしまいます。しかし野村のこの日二度目の好捕もあってツーアウト。最後は前川の邪飛を海野が落球するなどミスもありましたが、最後はフライに仕留めます。
7回裏は下位打線を相手にヘルナンデスが登板。わずか10球で2三振とあっさり三者凡退に終わります。阪神の上位と下位って、こんなに打撃の差がありましたっけ…?
しかし8回裏は近本からの打順で阪神の得点パターンです。目論見どおり近本がヒットで出ると、甲子園が沸き立ちます。さらに中野も四球を選んでますます盛り上がる中、森下はあえなく見逃し三振。しかし佐藤が守備位置の逆をつくタイムリーでなんとか1点。次は調子が戻りつつある大山で期待が高まりましたが、ここは内野ゴロで1点返すもののツーアウト。そして前川が打ち取られ、追いつくことはできませんでした。9回も杉山の前に三者凡退で試合終了。ソフトバンクが3連勝で、日本一に王手をかけました。
ソフトバンクの投手陣は先発から抑えまで、阪神打線にここまで誰も一発を打たれていません。サトテルにタイムリーは打たれるものの長打は許さず、キーマンとなる森下はしっかり抑えています。対策が実っている証拠でしょう。代打から継投まで、勝負どころの判断を間違えないベンチワークも今のところうまくいっています。5番栗原を外さないのはやや疑問ですが。
…が、実のところ、相手に助けられている面も大きいような気もします。
阪神は下位打線の弱さと控え層の薄さが目立ってしまっています。
代打原口がいたらなあ、と前日から考えていました。甲子園は観客の力で試合を動かすことのできる異様な球場です。代打ヘルナンデスや高寺や木浪では、甲子園は動きません。原口しかいないのです。打てても打てなくても、下位打線に停滞する暗雲を吹き飛ばすには、甲子園の観客の力を借りるしかないと思うのです。もうあとはないのです。なりふり構っていられません。藤川監督がどう勝負手を切るのか、見ものです。


10/30 ☆☆☆☆H-T☆

福岡に帰らずして、4連勝でソフトバンクが日本一を決めました。
ソフトバンクの先発は、ここで大関かと思いきや、中4日の有原。驚きました。勝負に出たのは小久保監督の方でした。しかし2回裏、四球を絡めて阪神が坂本のタイムリーで先制。ようやく下位打線で点を取った阪神、先発大竹も絶好調。ソフトバンク打線に的を絞らせず、5回に野村の内野安打を許すまでひとりのランナーも出さない完全投球。さらにその裏、その大竹がヒットを放ち、近本も続いて盛り上がる甲子園。中野はバント失敗、森下もアウトになるものの、代わったヘルナンデスから佐藤のタイムリーで2点目が入ります。
ソフトバンクもあきらめません。6回には海野に代打嶺井を送ったり、7回も二死一・二塁のチャンスで牧原に代えて代打近藤を出したりと、打てるだけの手を打ちます。しかし近藤はきわどいコースを見逃し三振。この時点で、試合の流れは完全に阪神の手中にありました。「これで土曜も試合がある!」と、信じて疑いませんでした。
7回裏、近本からの打順で回またぎの松本晴にあっさり三者凡退に終わってもなお、余裕で構えていました。
しかし8回表。マウンドはもちろん石井。先頭嶺井がヒットを打つも、代打ダウンズが三振。次は柳田。
油断していました。
外角低めのストレート。決して悪い球ではありませんでした。しかし相手は柳田。これをホームランにするのが柳田。何度も見てきたバケモノ柳田。
静まり返る甲子園。うなだれる石井。ボーゼンとなる我が家。
石井は柳町にもあわやホームランの三塁打を打たれるものの、なんとか同点でこらえます。石井は昨日のビハインドでも投げていたため三連投でした。疲労があったのか…。
しかしその直後投げた藤井も、守備に足を引っ張られてのピンチを毎度背負いつつの三連投ですし、9回登板した杉山も三連投ですが、阪神はランナーすら出すことができません。
そんな中、10回表に登板したのは初戦に先発した村上。ところが中野がめずらしくエラーし、山川にもヒットを打たれて一・二塁とピンチを迎えます。しかしここは栗原を抑えて無失点。栗原が不調とはいえ、かなり負担がかかったことは否めません。
その裏、近本からの好打順でしたが、前の回6球で難なく終えた杉山が続投。ここも三者凡退に終わってしまいます。
次の回、村上は交代するだろうと思っていましたが、ふたたびマウンドへ上がりました。中4日で慣れない中継ぎ、いくら早い段階から準備していたとはいえ、先発の時と同じとはいかなかったでしょう。そして夜も更けた甲子園は風向きが変わっていました。先頭野村の打球は右中間。右打者なら打ち取れるはずの当たりは、そのままスタンドへ。決定打となる勝ち越しホームランを放ったのは、まさかの伏兵でした。
11回裏。それでも1点入れば試合はまだ続きます。先頭佐藤が粘って四球を選びますが、一発を期待される大山は初球を外野フライ。木浪はゴロ、高寺も打ち取られ、試合終了。ソフトバンクが4連勝で日本一を奪還しました。
この試合、劣勢でもソフトバンクベンチは積極的でした。代打も継投も、止まることなく動き続けていました。福岡に帰って地元で日本一、とは微塵も考えていなかったのでしょう。ひとたび立ち止まれば負けに流される。そんな怖さを、CSで思い知ったのかもしれません。また、よけいなことを言わず勝負に徹する姿勢は、昨年には見られなかったものでした。昨年の悔しさを晴らす日本一。最後まで怪我人続出の苦境で用兵に苦心しつつも、時には非情に徹しながら乗り切った小久保監督の成長を見た気がします。
中村のユニフォームを握りしめながら涙を流す牧原の涙には胸を打たれました。2021年以降、何度も何度も悔しい思いをしながらようやくつかんだ日本一は、より感慨深いものがあったでしょう。オリファンとしてはちょっと悔しい思いもありますが、牧原を見ていると素直に祝福したくなる気持ちが湧き上がってきました。
我が家だけでなく、解説者ものきなみ圧倒的日本一と予想していた阪神。結果は逆となりました。わからないものです。やはり短期決戦は、リーグ戦とは別物です。
阪神ベンチは最後まで動きませんでした。動かなかったのか、動けなかったかはわかりません。しかしソフトバンクに較べて、消極的な姿勢が目につきました。勝敗の分かれ目となったとされる2戦目、ディプランティエを続投させて結果山川を目覚めさせたことに始まり、最後の最後も先頭に代走を送りながら、走らせることもなくアウトを3つ重ねるだけに終わってしまいましたし、期待していた原口もベンチに入れず、糸原を代打に送ることもありませんでした。ペナントどおりに勝とうとして、うまくいかなかった、その姿は昨年の小久保監督に重なります。来年はひと皮むけた藤川監督の姿が見られることを願います。
試合後のインタビューでは、今すぐ打撃練習がしたいと言う山川の姿がありました。その目の先にはもう2026年が見えていました。
ああ、今年も野球が終わったのだなあ…としみじみします。淋しい季節の始まりです。








今日までの日本シリーズ

  posted by さや at 20:28:52 │EDIT
10/25 H-T☆

野球がない4日間を経て、ようやく開幕です。
ソフトバンクと阪神の顔合わせは11年ぶり。前回はソフトバンクが日本一に輝きましたが、今回の阪神はセ・リーグ最速優勝を決めるなど、史上最強チームと化しています。しかもCSを6戦戦い満身創痍状態ですから、優位なのは圧倒的に阪神でしょう。しかしそこは百連戦魔の鷹に一日の長たる気概を見せてほしいもの。低みの見物の野球ファンとしては、できれば6~7戦までもつれて、長く野球を楽しみたいという気持ちです。
初戦にモイネロを起用できなくなったソフトバンクの先発は有原。初回は森下に二塁打を打たれるものの、佐藤輝を三振に抑えて無失点での開幕となりました。するとその裏、CSでも今ひとつだった村上から1番柳田が四球を選びます。周東にランナーが入れ替わると、さっそく盗塁を決め、4番に復帰した近藤がタイムリーを放ってソフトバンクが先制します。CSではなかなか得点が入らず苦しんでいたソフトバンクですが、やはり近藤の存在感は別格です。
村上は2回以降立ち直り、ランナーを出しても連打を許さず無失点投球を続けます。しかし有原もまた、抜群のコントロールで虎打線につけ入る隙を与えません。正直なところ、阪神打線で怖いのは1~5番まで。ここさえ繋がらないようにすれば(それが滅茶苦茶難しいのだが)勝ち目はあります。途中までは、その分断がうまくいっていました。
しかし、いつかはこのめぐりがやってきます。先頭を近本で迎える6回表。絶対に出してはいけないランナーでしたが、そこはさすがの近本。ショートの頭を超えるヒットで出塁します。
(この時点で、「あ、最低でも同点だな」と思った)
続く中野の初球でした。バントだろうな、というこちらの想像を超えて、近本がスタート。余裕の盗塁で無死二塁。そして2球目、中野のバントはサード前。野村がラインぎりぎりの打球を見送るも、内側にとどまり内野安打になってしまいます。しかし捕球しても一塁は微妙なタイミングでしたから、これは中野の技術が見事としか言いようがない。
(この時点で、「これは確実に逆転するな」と思った)
中野がしっかり二盗を決めれば、森下がきっちりゴロを打ち、試合はついに同点に。
一死三塁、打席は佐藤輝。3ボールになったところで、これは歩かせるなと思ったのですが、4球目の変化球はストライクゾーンに。もちろんサトテルが見逃してくれるはずがありません。外野の間に落ちて決定的な2点目が入ります。
1点差ながら決定的と思えるのは、これが阪神の勝ちパターンだからです。先発がしっかり抑えているうちに、1番近本が起点となり足を絡めて塁を進め、得点圏でクリーンアップが確実に仕事をしてリードを奪う。この大舞台においても、強いチームは自分たちのリズムを失いません。
頼もしいブルペン陣も控えていますが、村上はその裏を三者凡退に抑えると、7回も続投して得点を与えず、エースの責務を果たしました。
及川に代わった8回裏。先頭柳町の当たりはレフト後方へ伸びていくも、島田がこれを好捕。抜けていれば大ピンチとなっていただけに、大きなプレーとなりました。阪神の下位打線は上位に較べて機能していませんでしたが、スタメン抜擢の島田は1安打1盗塁にこの好プレーと、躍動が光っていました。
及川は一死から近藤に長打を許すと、代打山川を迎えたところで右の石井に交代。山川は四球となるものの、野村を一球でフライに打ち取ります。
ソフトバンクも藤井・松本・杉山と勝ちパターンで流れを取り返そうとするものの、いよいよ9回裏。岩崎かと思いきや、ここでも石井回またぎというブレない藤川采配。
あっさり二死となり、ソフトバンクの応援をかき消すくらい「あとひとり」の大合唱が巻き起こる中、ニヤリと笑ってヒットを放つ柳田はカッコ良かったです。
さらに周東への3球目が打撃妨害となり、二死一・二塁と一打逆転サヨナラのチャンスを迎える中、柳町の当たりは近本のグラブの中へおさまり試合終了となりました。
敵地での大きな一勝。ただただ阪神が強さを発揮した初戦でした。6安打のうち5安打が近本から佐藤輝までの4人が放ったもの。一方ソフトバンクは相手を上回る8安打を放ち、復帰した近藤も2安打。打つべき人が打っているにもかかわらず、繫がりがなく初回以外得点を奪えませんでした。また、CSで活躍した柳町がノーヒットだったのは、対策されていたのでしょうか。近藤はもちろん、柳田や周東など、コンディションが万全でない人に頼りきりだと苦しくなります。ホームで1勝1敗は必須。明日の奮起を期待します。


10/26 ☆H-T☆

連勝で甲子園に帰りたい阪神の先発は、才木かと思いきやデュプランティエでした。怪我明けぶっつけの登板ですからDHのない場所で投げさせたかったのでしょう。
CS4戦目の登板予定だったとはいえ、状態は未知数。相手はおそらくモイネロだろう→才木をモイネロにぶつけるのはもったいない→デュプランティエが打たれたなら早め継投のプランBで勝ち筋を見出していく…といったところかと想像していた我が家。
しかし蓋を開けてみれば、ソフトバンクの先発はモイネロではなく上沢でした。考えてみれば上沢は極端に屋外が苦手で、モイネロは打撃が得意ですから、モイネロを甲子園に登板させるのは当初からの想定だったのかもしれませんが、初戦を落としたためここは手堅くモイネロで取りに行くと予想していたので意外でした。
かくして試合開始。阪神打線は、立ち上がりの悪い上沢から3連打であっさり先制。しかし前日もノーヒットだった大山が三振、さらに今日は6番DHで起用されていた高寺も三振で1点どまり。前日、状態が良さげで張り切ってもいた島田を今日は9番に下げていたのですが、打順変更が裏目に出た気がします。
その裏、柳田・周東がいきなり連打。しかし柳町がバントの構えからストライクを見送ってしまい、飛び出していた柳田がアウト。これは阪神の流れかと感じたのも束の間、柳町に四球を出すデュプランティエ。うーむ…これ、あまり状態がよろしくないのでは…。
デュプランティエは近藤から三振を取るものの、栗原にあっさり同点タイムリーを打たれてしまいます。さっそくマウンドに集まる内野陣。やっぱり、これは交代したほうがいいのでは…。
しかし続投の選択をした阪神ベンチ。打席は山川。穴もあるバッターではありますが、ここの山川はやたら気合いが入っていたように見えました。案の定、タイムリー二塁打で2点追加、逆転に成功します。
次の回の阪神は三者凡退。するとその裏、なおも続投のデュプランティエがツーアウトからタイムリーだの暴投だのでさらに3点を失います。ここでうようやく交代、出てきたのは岩貞。あれ…プランBは…? なかったの…?
岩貞はいきなりの死球からどすこい弾で9ー1。早くも試合が決まってしまいました。そこからあとは見せ場なし。阪神はパラパラとヒットを放つものの得点には至らず、星を五分に戻すどころか、昨日スタメンをはずれていた山川を2安打5打点1どすこいで目覚めさせ、周東には5打数5安打の日本シリーズ記録を献上というさんざんな結果に。
しかし次の舞台は甲子園。仕切り直せるはずという自信はあるでしょう。一方、ソフトバンクは前日の打撃不振から一転、打ち勝つ野球で勢いを取り戻しました。交流戦でも勝ち越した甲子園は、ソフトバンクにとってそこまで脅威の場所ではないはず。モイネロで先手を取って、福岡に戻ってきたいところです。



ドラマ寸評(2025年第4期)

  posted by さや at 15:19:44 │EDIT
『ばけばけ』
オープニングの多幸感あふれる主人公夫婦の写真が素晴らしいです。そのバックに流れるのは、優しいメロディーとほんわかした歌声。しかしその歌詞といったら、「毎日難儀なことばかり」だの「日に日に世界が悪くなる」だの「野垂れ死ぬ」だの、物騒なもの。なんだか怪談みたいな不気味さがあります。
ヒロインの髙石あかりははじめて観ましたが、弾けそうな笑顔には見ているこちらもしあわせな気持ちになります。銀二朗とのお別れを決めた時の涙の演技も秀逸でした。この夫婦が添い遂げられないことはわかってはいたけれど、「もう東京に住んじゃいなYO!」と言いたくなるくらい微笑ましくて素敵でした。
モデルの生い立ちを調べてみると、「夫が貧乏に耐えかね逃亡した。説得に追いかけたけれど応じなかった」と、味気も人情も何もない顛末で書かれていたのですが、銀二朗の出奔はじゅうぶん同情に値するものでした。勘右衛門の銀二朗に対する扱いや、若い夫婦が家族と一緒に雑魚寝する環境は、もはや虐待の域で、連れ戻されなかったことにむしろ安堵するくらいでした。それでも家族を選んだトキを恨むでもなく、最後まで銀二朗は凛としていました。寛一郎、おじいさんやお父さんに負けず劣らずいい役者だなあ。
武士に固執し続け結果的にトキ夫婦を破綻させた勘右衛門ですが、小日向文世のおかげで嫌いにはならなそうです。頑固で扱いづらくて、それでも愛らしい老人を演じさせたら一級品。実孫ではなく跡取りでもないトキに対する愛情は疑いようもなく、ウサギごっこに興じる姿はただの好々爺。ダメ人間の岡部たかしはもはや朝ドラあるあるになりそう。池脇千鶴も存在感たっぷりです。雨清水家との絡みも最後までありそうですし、ヘブンの本格的な登場はまだこれからですが今のところは期待感しかありません。

『シナントロープ』
若手実力派俳優勢ぞろいの青春群像ミステリー。意味ありげな会話と、意味ありげな映像の連続で、目と耳が離せません。
一見は、ハンバーガーショップで働く若者たちの日常。しかしここかしこに非日常の薄気味悪さがあります。
シマセゲラは誰なのか? 折田は何者なのか? おじさんと若い男は誰に命じられ何を見張っているのか? 言われるがままに動く龍ちゃんと久ちゃんの会話に時折知性を感じるのはなぜなのか? 漫画のピエロはどう絡んでくるのか? 誰が味方で誰が敵なのか?
とにかくわからないことが多すぎます。しかしキャスト全員、誰が黒幕でもおかしくないくらいうさんくさいので、いったい話がどう転ぶのかわかりません。

『じゃあ、あんたが作ってみろよ』
竹内涼真が「悪意のない嫌な奴」といういちばんタチの悪い男を演じていますが、これが意外にハマっています。時代錯誤な亭主関白思想に凝り固まっていて男としてはまったく魅力がない。しかし鮎美にフラれ同僚に指摘を受けてようやく反省し、素直に謝罪もできる、人間的な魅力には溢れています。イケメンだから平成スタイルも完璧に着こなせる、しかしどこか残念さもちゃんとある。これ以上のキャストがあるでしょうか。もともと吉沢亮がキャスティングされていたらしく、そちらのバージョンも興味深いですが、竹内涼真の勝男を見てしまったら、もうこれ以外は受け入れられそうにありません。
序盤は勝男の視点で話が進んだため、どうしても勝男に思い入れが強くなり、「でも勝男の言いなりでちゃんと主張しなかった鮎美にも問題があるよなあ」と感じていました。勝男と別れ、髪色もファッションも自由になり、ちょっといい雰囲気なボーイフレンドも得た鮎美。しかしそれだけでは長年の生きざまは変えられません。勝男を増長させたのはまぎれもなく鮎美であり、鮎美の「男に愛される女になる」という受け身の人生観です。鮎美は本当に「自分らしく生きる」ことができるのか。これからは鮎美の変化を見守ることになりそうです。

『小さい頃は、神様がいて』
岡田惠和らしい、とりわけ大きな出来事が起きるわけではないけれど、何気ない日常にひそむ人生の機微を描いたドラマです。
登場するのは小さなマンションに住む3組の住人。熟年夫婦、若い女性カップル、そして離婚を控えた中年夫婦。
ひとりひとりは実にありふれた人間で、しかし誰にでもあるように、生きるうえでの苦しみを抱えています。たまたまそこに集まっただけの住人が出会い、会話を重ねることで、過去の記憶がよみがえったり、新たな発見があったり、その日々が交差していく。偶然の一夜から、動きだす人生。偶然とは必然なのかもしれない、そんなことすら考えてしまいます。
ただ、何も起きないだけに展開が遅く、会話劇が続くので眠くなってしまう…。
『姉ちゃんの恋人』はラブストーリーだったので眠気を我慢できましたが、ホームドラマだとなあ…。

『良いこと悪いこと』
小学校の同窓会をきっかけに、当時のいじめグループのメンバーが次々殺されていく…というミステリー。こういうドラマは考察が膨らむのでおちおち検索もできません。
誰が真犯人かというオチに関しては、学級委員長や元担任など最初から怪しさを匂わせている人もいますし、もしかしたらすでに殺されかけた誰かが実は…というありふれたものかもしれません。いじめグループでもなく同窓会以来出てこない専業主婦の配役が剛力彩芽ですから関わってこないはずがありません。まったく無関係であるはずの編集部や警察でも、意味深なカットが差しはさまれています。
さらに私、気づいてしまいました。第3話で流れた回想シーンで、教室に集まっていた仲間が6人ではなく7人いたということを。つまりあのグループにはもうひとりいるのです。それが戸塚純貴ではないかと睨んでいます。なぜなら、ただの陽気なマスター役に戸塚純貴はもったいない! 同い年と言っているし、絶対何かあるはず!
謎解きよりも、過去から現実に生きる人びとの心模様に目が行きます。クラスの中心人物でキングと呼ばれていた高木は、家業を継いで妻も娘もいるのに、なぜか幸せそうには見えません。どこか暗さを抱えていて、しかも園子をいじめていたことを憶えていました。貧ちゃんやカンタローのように、「やった方は忘れる」ものです。キングもそのタイプの典型だったはず。おそらく卒業後の22年間に、キングを変えた何かがあるのだろうと思われます。
いじめられっ子から有名人になるまでに生まれ変わった園子。しかしいまだ閉所にトラウマを抱え、その傷は一生癒えることはないでしょう。しかし自分の人生を自力で変えるまでに強さを得た園子は、自分の潔白を証明するため、堂々と過去に向き合います。かつて自分を苦しめた彼らを許すことはしないし、その必要もない。どれほどの努力を重ねたのだろうと思いを馳せずにはいられません。
「良いこと悪いこと」というのは意味深なタイトルです。「悪いこと」がいじめのことなら、良いこととは何か。園子のための復讐ならば、真犯人にとって連続殺人は「良いこと」なのか。「い」や「こ」がひっくり返っているのも、善悪は合わせ鏡という意味なのかもしれません。
メッセージ性の高い題材なだけに、安直なオチで終わらせるのだけはやめてほしいな…。

『ザ・ロイヤルファミリー』
日曜劇場らしい予定調和のストーリー。「だが、それが良い」。
とくにスポーツものですから、『ルーズヴェルト・ゲーム』『ノーサイド・ゲーム』のようなカタルシスがあります。結果はわかっているけれど手に汗握り、最後は感動してしまいます。
しかし、隣の競馬好きがうるさいの何の。初回から、「今はこんな昔気質の馬主はいない」だの、「牧場にこんな色白美人はいない」だの、「厩務員は暗くなるまで働かない」だの、「菅原なんか乗せたらそら勝てん」だの、「日高は本当に共同で馬を買って失敗して(以下社台の成功話)」だの、…おかげでセリフが耳に入ってきません。それでも楽しめるのが日曜劇場の良いところ。
ちなみに山王の「目指すは有馬記念」のセリフにも「ダービーやろ!」と超速ツッコミを入れていましたが、2話できちんと「ダービーでなく有馬の理由」として明かされたので、しぶしぶ納得していました。
日曜劇場といえば勧善懲悪ですが、今回の悪はライバル馬主の椎名かと思いきや、そこまで悪には思えません。カネの力で強い馬を買い集めてはいるものの、今のところ本心は読めません。おそらく彼も、やり方は違えど山王と同じく馬を愛する人間なのではないでしょうか。語り部の目黒蓮の役どころも気になります。
おそらく最終話では、ロイヤル馬が有馬記念を走るでしょう。そして勝つでしょう。わかっていても、きっと泣いちゃいます。



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