『ハヤブサ消防団』
田舎町を乗っ取ろうとすべく押しかけた、実際のあれこれを思い起こさせるような宗教団体に、ヒーロー戦隊のごとく立ち向かう消防団。ビジュアルだけですでにユーモアとシリアスが入り乱れ、そのバランスが絶妙でした。 毎週秘密のベールがひとつひとつ剥がされていく展開で、最後まで目が離せませんでした。中盤までは消防団の誰かが怪しい(これはある意味正解でしたが)、中山田が怪しい、とあれこれ考察がくり広げられたものの(我が家で)、どれも大ハズレ。しかし最終回にあきらかになったそれぞれの過去と未来は、どれもストンと心におさまるものでした。展子の本当の人生の歩みを知り改心した立木彩が防災無線で教団の罪を告白し、我を失った真鍋が立木たちを殺そうとして逮捕され教団は解散、一件落着したかと思いきやアビゲイルの後継団体は新たな聖母を立てて活動を始めていた…という、ハッピーエンドに含みを持たせるオーソドックスな終わりかたも、サスペンスらしくて良かったと思います。 実力派の役者たちが盛り上げてくれた中、もっとも印象に残ったのは杉森役の浜田信也でした。あとで調べると、今まで観ていたドラマにちょいちょい出演していたようなのですが、まったく憶えていません。おそらく、まるで違う役柄だったのではないかと思います。杉森の抑揚の少ない話し方、光のない目は、ホンモノの宗教団体の弁護士なのではないかと思うほどでした。いやホンモノは知らないけれど、そう思わせる説得力がありました。これからどんどんドラマのオファーが来るのではないでしょうか。 『VIVANT』 世間では考察合戦で盛り上がりましたが、ほとんどは空振りに終わったようです。我が家も例外ではありません。もしや意味深なシーンを入れることで盤外を賑わせる作り手の作戦? まんまと乗らされただけなのかもしれない…。 乃木がテントの一員となった終盤は、資金の流れやフローライトをめぐるやりとりがまるで『半沢直樹』のようで雰囲気ががらりと変わり、乃木&野崎コンビの緊張感(+ドラムの癒し)がなくなって、少しテンションが下がってしまいました。それでも芸達者な俳優たちとスピード感ある展開はやっぱり魅力的で、最後の最後まで集中して観られたのですが。 ベキについては、どれほど崇高な信念を持っていたとしても人の命を奪い結果的に孤児を生み出すテロ行為はどうしても正しいとは思えず、あまり感情移入できませんでした。ですが父親としての愛情を随所に滲ませるベキは非常に人間的でしたし、乃木もそれを全身で感じていました。ですから乃木がベキを殺害するラストは受け入れられそうにありません。乃木や野崎の意味深なセリフが示唆するように、ベキとその仲間は生かされたはずです。タイトル「VIVANT」の意味はそこにあったのでしょう。 ただ、良いドラマだったからこそ細かいところもひっかかってしまいました。乃木の二重人格設定は必要だったのか? 小日向文世をただの不倫おじさんで終わらせて良いのか? 黒須は別班員なのに表の姿で目立ちすぎじゃないか? テロリストの息子に見えないノコルやハッカーに見えないブルーウォーカーはもっと適役がいたのではないか? …等々。まあ、前ふたつは続編で解決すると信じます。ジャミーンが野崎になつかなかった理由や「奇跡の子」の意味も説明されていませんし。しかし早く撮影しないとジャミーン役の子が成長してしまいませんかね。 『らんまん』 万太郎と寿恵子の冒険は、植物図鑑の完成で幕を閉じました。 その謝辞には多くの人の名前が記されていました。数多の植物、そして数多の人々。この図鑑は、万太郎の人生そのものでした。かつては植物と自分のことしか見えていなかった万太郎が、周りの人びとによって己が支えられ生かされていることを知った。そして自分の使命は植物に名前をつけることではなく、植物の姿を後世に残すことだと気づいた。図鑑の完成とともに、万太郎の成長もまたうれしく感じました。 天真爛漫な万太郎に皆が巻き込まれていきましたが、唯一彼の天性の魅力に抗ったのが田邊教授。しかし彼にも彼の矜持があったこと、家族を愛するひとりの人間であったことが明確に描かれていたため、決して悪人とは感じませんでした。海外帰りの徳永も、植物を諸外国に対抗する手段として扱うような場面がありましたが、そういう考えを持つようになった背景が端的に表現されていましたし、台湾でのピストル携帯や震災後の自警団の描写など、さりげなくしかし明確に時代や人物像を映し出す脚本は素晴らしかったです。 寿恵子があの時代において受け身でもなく出張りすぎることもなく、万太郎と一緒に人生を走り抜けたヒロインだったことも、このドラマの質を上げた要因であったと思います。貧乏、子の早逝、震災とさまざまな困難に遭いながら、寿恵子はいつも前向きでした。『八犬伝』マニアの彼女のあこがれは八犬士さながらの冒険劇。万太郎のそばにいることで寿恵子もまた自分の夢を叶えられたのだと思います。呼び方が「万太郎さん」から時折「万ちゃん」になるのもかわいらしかったですし、対等なふたりの関係性を感じました。 図鑑の最後を飾ったのは、「スエコザサ」。ふたりの名を冠した学名に、これで永久に一緒にいられるとはかなく笑う妻を抱きしめ「愛しちゅう」。…こんなに悲しくも美しいラブシーンがあったでしょうか。バックに流れる『愛の花』の歌詞がまたふたりの生きざまそのもので、あふれる涙を禁じえませんでした。 ふたりの冒険を見守ってきた今は満足感しか残っていません。 時には脇役にスポットを当てつつ、中だるみする展開がひとつもなかった、濃密な半年間だったと思います。 PR
9/23 vsH ○
今年の残り13戦は初の消化試合となりました。いや、さきおととしまでも夏頃からずーっと消化試合だったのだけれども…。 控えメンバーの顔触れがガラッと変わりました。ポストシーズンへ向けてのふるい落としと主力の休養を兼ねての入れ替えなのでしょう。 初回に打った方を褒めるしかない今宮のホームランで先制された田嶋ですが、その後は得点を与えず8回1失点と最高の出来。打線は3回に若月のタイムリーで逆転、4回にはTの犠飛と紅林のタイムリーで中押しすると8回には森がダメ押しタイムリーと理想的な展開。優勝した次の試合というとなんとなく崩れがちなイメージがありましたが、文句なしの快勝でした。まったく観られなかったのが惜しまれる…。最後のワゲスはちょっとヒヤヒヤしましたが(一球速報で)。 9/24~26 vsL ○○● 京セラに帰り、最後の西武3連戦。前回は黒星を喫してしまった山本-森のバッテリーですが、いきなり先頭の源田にヒットをくらうも後続を抑えて危なげない立ち上がり。その後もスイスイとアウトを重ねていきます。しかし同じく隅田の前にスイスイ凡退していくオリ打線。ゼロ行進のまま試合はスイスイ6回に。 ようやく均衡を破ったのは技ありの一発でした。森友哉! またの名を天才! 逆方向に放った打球はそのままスタンドへ! マウンドで悔しさをあらわにした隅田には少なからぬダメージが与えられたようでした。2アウトからセデーニョが四球を選ぶと続く杉本には死球。そしてゴンザレスの一打は、打った瞬間の3ランホームラーーーーン!! ニコリともせずベンチを一瞥するマーゴ。なんてクールなんだ…。 山本に4点あれば怖いものなしですが、8回から宇田川に交代。ところがいきなり四球を出す宇田川。さらに暴投+四球でみずからピンチを招く宇田川。1失点で済んだものの、ランナーを出さないと気が済まないのですかね…。逆に9回は平野が三者凡退であっけなく終え、これで山本もなんだかんだで15勝をマーク。今年もタイトル総ナメが見えてきました。 2戦目は一塁セデーニョ・左翼Tというファイヤーなスタメンに。しかも先発はまだ白星のない曽谷。初回のピンチを凌ぎ、2回も三者凡退で終えると、その裏Tのヒットを皮切りに宗が先制タイムリー。3回も紅林のタイムリーで2点の援護をもらいます。 あと6アウトで初勝利…だったのですが、そううまくはいきませんでした。4回表、三連続四球で無死満塁にすると、山野辺の内野安打で1点返され、ゲッツーの間に2点目を失ってしまいます。せめて同点で終えてほしかったのですが、西川のタイムリーであっけなく逆転。 交代するかなと思いきや、曽谷は5回もマウンドに上がりました。消化試合だったからにせよ、続投の判断は首脳陣の曽谷への期待のあらわれだと思います。それに応えゼロで終えた曽谷は、ベンチに戻ると悔し涙にくれていました。宮城だの山下だの、一軍に上がってすぐ結果を出す若手ばかりで勘違いしそうになりますが、まだ一年目ですから…。もともと素材型という評判でしたし、勝負は来年からでしょう。今日の涙を糧にして、このオフはいろんな宿題をこなしてくれることを願います。 6回からは小木田・山田が得点圏に走者を背負うもゼロに抑えます。こういう試合展開で、簡単にあきらめたりしないのが今年のしぶといオリックス。心の片隅に、「これ逆転あるのでは…」という予感が湧き始めていました。 ポジティブな予感もたまには的中するもの。7回裏、2アウトから代走の宜保が盗塁を決めると、宗の当たりは今日何度も好守でチャンスを潰されていた西川のグラブの中には収まらず、タイムリー三塁打に! 同点に追いついた直後の8回表、阿部が三者凡退に抑えると、予感はますます確信に変わります。 そして8回裏! 今日も出た、ここぞの一発! 森友哉! 天才すぎる!! 今日の日替わり抑え、山岡が三者凡退で〆て連勝!! これで3戦目は気楽に観られます。なにせ先発は齋藤響介。ドラフト3位の高卒ルーキー、誕生日前でまだ18歳です。顔つきもインタビューも初々しさ全開ですが、出番こそなかったものの8月に一度一軍昇格させていたことからわかるように、有望株一番手の逸材です。ワクワクしながら見守った初回はストレートで押して無失点(三塁打は杉本の守備のせい…)。2回はすっぽ抜けの死球もありましたがプロ初三振もあり無失点。3回も死球から始まるも、今日スタメン捕手の石川が盗塁を刺して結果三凡。4回も2アウトからピンチを招きますが得点は許さず、4回73球無失点で一軍初登板を終えました。いやー、来年が楽しみな投手がまた現れました! 直球で押していく球の強さも魅力ですが、何よりムエンゴに負けない、ストライクをズバズバ入れていくメンタルの強さが良いです! 変化球の精度を上げれば来季のローテも夢ではありません。 試合は5回から登板した黒木が暴投で先に失点してしまいます。若月や森なら…と思わないでもない一球でしたが、実戦経験が少ない石川でしたから仕方ない部分はあったかもしれません。 しかしその裏。それまで松本の前に抑えられてきたオリ打線でしたが、宜保が四球を選ぶと、前の打席で移籍後初安打を放っていた石川が進塁打。福田三振で2アウトになると、西武ベンチは森敬遠を選択。しかしここでやってくれるのが無敵の中川! センター前に打ち返しすぐさま同点! ここから試合は膠着状態に。回またぎの黒木・ワゲスが抑えるも、オリ打線はなぜかダブルスチールを敢行するというお試しに出てもちろん失敗。8回は宇田川がまたも先頭を出し佐藤龍の胸に死球をぶつけるというよろしくない事態を招くもなんとか無失点で凌ぎます。ですが、今日は良い予感があまり湧いてきませんでした。いつもベンチを盛り上げている石川がスタメンのため普段と違う雰囲気だったこともあるかもしれませんが、8回裏、4番からの攻撃にもかかわらず田村にあっさり三者凡退に抑えられたあたりで、むしろネガティブな空気を感じていました。 そしてそういう予感はいつも当たるのです。 9回表、登板したのは山﨑颯。うーん、消化試合の同点で出さなくても良かったのではないのか…? 優勝決定試合以来のマウンドでしたが、今までと違い画面から威圧感が伝わってきませんでした。簡単に打ち返されていたところから、球にも力感がなかったのでしょう。 3点取られたあたりで洗いものを始めたのでその後は観ていないのですが、テレビから絶え間なく歓声が聞こえてきたのでエライことになっていることは薄々感じていました。まさか一気に6失点とは…。 翌日、山﨑颯の怪我が判明しました。乱調はそのせいだったのかもしれません。 それにしても、ここに来て離脱者が増えてしまっているのはCSに向けて不安材料です。幸いまだ時間がありますし、それまでに戻ってこられることを祈りますが…。 優勝しても気が休まることがありませんね…。
9/20 vsM ○
大事な大事な先発を任されたのは山﨑福。本拠地優勝&10勝という目標を前に、気負いも多少あったでしょうか。毎回ランナーを背負う苦しい内容。3回には荻野の長打に始まり、ゴロの間の先制を許してしまいます。 相手先発はカスティーヨ。前回サッパリ打てなかったのでイヤな予感はしていましたが、1番中川のまったく合っていない三振を見て予感は実感に変わりました。3回までの出塁は紅林の内野安打のみ。4回にようやくセデーニョが長打を放つも得点にはつながらず。あわやホームランの当たりでしたが、これが入らなかった時点で今日はツキがないようにも感じました。 直後の5回。2アウトから岡に長打を打たれ、ブロッソーはレフト前ヒット。杉本の懸命のバックホームもわずか届かず岡は生還、点差は2点と開いてしまいます。 次の山口に四球を出したところでヤマサチは降板。10勝チャレンジはまたもお預けとなりました。 マウンドに上がったのは小木田。暴投で進塁を許すも、中村を抑えてピンチ脱出。 その裏、昇格即スタメンで大歓声を浴びたT-岡田がヒットを放ち、さらにスタンドを沸き上がらせるも紅林がゲッツーと何も起こらず…。 この日、スタンドの応援は凄かったです。外野フライが上がっただけで歓声が起きる京セラははじめて見たかもしれません。この期待に応えられないのか…まさかカスティーヨをここまで打てないとは…。 6回も続投した小木田。先頭を出すも後続を抑えます。 その裏もあっさり2アウト。すると西野の打席で、ロッテベンチが動きました。カスティーヨはまだ75球。余裕で8回まで行くであろう内容でしたが、球数制限でもあったのでしょうか。まったく手も足も出なかった先発が交代、これが転機となりました。 小木田は7回もマウンドに立ちました。この回も先頭荻野に打たれ、結果的に追加点は許さなかったものの、後で冷静に思い返すとどうして中嶋監督は小木田を2.1回も投げさせたのかがわかりません。延長もあると考えていたのでしょうか。つまり追いつく算段があったのか…。 ファンとしても、カスティーヨが降板すればチャンスはあるかもと一縷の期待を抱いていました。 いよいよ試合も終盤。この回から代わった横山に森・セデーニョが打ち取られ、あっさり2アウト。しかしゴンザレスが死球を受け出塁すると、沈みかけていたスタンドが大きく沸きました。杉本は追い込まれてからもファウルで粘ります。一球ごとに大きくなっていく拍手と歓声。それが横山の動揺を誘ったのでしょうか。暴投でゴンザレスが進塁すると、客席のボルテージはさらに上昇しました。きわどいボールも見極められ、敬遠という選択肢もあったと思いますが、バッテリーは勝負を選びました。 そしてついに9球目、杉本が打ち返した打球はセンターへ抜けていきました! まず1点! カーニバルが流れますます盛り上がる京セラドーム、打席に迎えるはT-岡田。大前さんの実況もかき消されるくらい響き渡る応援歌。それはマウンドにも大きな圧をかけていたに違いありません。暴投で進塁後、敬遠ぎみの四球となります。 そして紅林。いつもと違い、引き締まった表情をしていました。必ず決めてくれる。そんな確信に近いものを感じました。 逆方向の打球は一・二塁間! ライト荻野が返球するも間一髪セーフ! 吉井監督がリクエストするも、二塁ランナー杉本の足が一瞬早く入っており判定はそのまま。 同点!! こうなれば一気呵成。打席は今日誕生日の野口。フルスイングで運んだ打球は一塁手の頭の上、ライト線ぎりぎりに落ちました。二塁ランナー代走の山足が還ってぎゃくてーーーん!!! 歓喜するベンチ、そして観客席。 こうなるともう止まりません。代わった岩下から中川が2点タイムリー三塁打、さらに西野がタイムリーでこの回一挙6得点!! 滲む涙は叩きすぎて手が痛いせいだけではありません。 この7回裏は永久保存版となりました!! 8回表、登板したのは宇田川。2三振を含む三凡で弾みをつけます。 その裏には安達が代打で登場。9回、そのままセカンドの守備につきました。 この日、平野はベンチ外。最後を任されたのは山﨑颯一郎でした。 1アウトごとに沸き上がるスタンド。いよいよ、その時を迎えます。 最後は狙いに行ったという三振で〆!! 3連覇達成ーーー!!! *☆**☆* *☆*★★★*☆* `*☆*★※※※★*☆* *☆★※☆☆☆※★☆* *☆キタ━(゚∀゚)━!!☆* *☆★※☆☆☆※★☆* `*☆*★※※※★*☆* *☆*★★★*☆* *☆**☆* 颯一郎が高く放り上げたグラブは安達が見事にキャッチ。名場面の裏で起きていた「28個目のアウト」でした。そして歓喜の輪が解けた後、そのグラブがマウンド近くに放置されていたことにも笑わされました。 今までと違い、マジック点灯、そして本拠地で勝って決めた優勝は格別です。 春先から貯金を重ね、上位を追い上げ、首位に立ったあとも追撃を許さず、マジックを順調に消化し、そして2位以下に圧倒的なゲーム差をつけてつかみ取った優勝。 普通に強くなったのだとしみじみ感じます。 CSまでまだ一ヶ月もあり、慣れない調整となりますが、オリックスは決して気を抜かないはず。 日本一連覇へ、まだまだ戦いは続きます!!
今回は! 祝勝会から共同記者会見、ビールかけまで見届けました!!
これも本拠地優勝で試合後すぐに行われたからですね!! 3回目となればいろんな意味で手慣れたものです。 余韻に浸って寝不足のまま、今年も「優勝したらオリックス一面のスポーツ新聞全部買いするんだ!」という夢を実現させるべくコンビニへ。いつも出遅れるので、今回は起きてすぐ家を出たものだから半分寝惚けていました。並んでいるスポーツ新聞すべて持ってレジに向かったら、「これは2紙でいいんですか?」。同じ新聞を2段に分けて置いていたみたいで、5紙のはずが6部手に取ってしまっていました。店員さんすみません…。 いやー、今年も壮観です! 阪神と同日にならなくて良かったです…。 ニッカンは真柴さんがいなくなってもさすがの取材力でした。 我が家の解説者はオリックスが優勝した要因について、 「特例抹消という制度を最大限に活かして、一・二軍の入れ替えを去年より激しく行った。メンバーを固定して勝つのがいちばん楽だが、そんな簡単にうまくいくわけがない。それでも固定にこだわる監督は考えることを放棄しているだけ。中嶋は常に考え続けている」 「中嶋監督は二軍の試合も全部観ているに違いない。二軍コーチからの報告だけでは把握しきれない。自分の目で絶対に確かめているはずだ」 と、熱く語っていたのですが、それを裏付ける記事が書かれていました。割とさらっと触れられていましたけれども、これってすごいことだと思うのですが…。一軍の試合を采配するだけでも大変なのに、二軍選手の状態を映像でチェックして、明日はこの選手と選手を入れ替えよう、打順や守備位置をこう組み替えよう、中継ぎは誰々を外して…と、あれこれ考えだせば寝る暇もないはずです。勝った試合の後もベンチで頭を抱えている監督の姿を何度も目にしましたが、その脳裏には明日の一戦に向けてのいろんな選択肢をめぐりめぐらせていたのだろうと察します。 「入れ替えが多ければその時もっとも調子の良い選手を使うことができるし休みも取れる。さらに終盤を見据え適度に負け試合を作って中継ぎ陣の疲労を軽減し、波のない状態を維持し続けることができた。オリックスの優勝要因は、『好投手が次々出てくる』だの『森の補強と頓宮の活躍で吉田正尚の穴が埋まった』だのと言われるが、いちばんは『中嶋監督も成長していること』、これに尽きる!」…だそうです。 確かに!! 3年前の8月の自分に教えてあげたい…「来年から3連覇するよ」。 絶対信じないだろう!! 今でも信じられないんだから!! 【追伸:ヤスオーの野球坊主】 昔々、中嶋聡が初めて一軍監督になったシーズンの開幕前、NHKのプロ野球ニュースでパリーグ6球団の監督の座談会が行われていました。僕は強大な戦力を持つ楽天イーグルスが圧倒的に優勝するだろうと思っていたのですが、中嶋聡が、楽天の先発ローテをおっさんばかりだと鼻で笑っているような空気を感じ取りました。僕は、こいつは勝負に勝つより若手が生き生きとプレイする姿が観たいだけの、2軍監督マインドのつまらん監督だなと思いました(実際に前年の代行時代に若手をかなり抜擢していた)。しかし実際このシーズンは、僕が優勝候補だと思っていたおっさんローテの楽天は、序盤はずっと首位でしたが7月ぐらいから徐々に怪しくなり、結局3位でした(おっさんが1個ずつ年をとった翌年も、序盤はずっと首位で7月ぐらいから徐々に怪しくなり、結局4位)。ちなみにオリックスは逆で、打たないし守備も下手な太田を2塁で固定したりして最初はだらだらと5割弱の勝率でしたが、6月7月と調子を上げていき優勝しました(ちなみに翌年も同じように最初は低空飛行で、6月7月と調子を上げていき優勝しました)。 西武ライオンズという昔からファンだった球団の監督に、今年、満を持して元楽天イーグルスの星野チルドレン松井嫁頭夫が就任しました。ある日の試合中、ベンチのこの人が映りました。目を見開いて穏やかな顔で試合を観ていました。その横に平石という松井と同じ新興宗教を母体とした高校出身のヘッドコーチがやってきて、松井にニヤニヤして話しかけました。松井も一緒にニコニコし、セラミックのキラキラ光る白い歯が見えました。また違う日に交流戦を観ていると、松井平石と同じ新興宗教を母体とした高校の出身の立浪の横に、これまた同じ高校出身の西山バッテリーコーチがニヤニヤして話しかけ、立浪も一緒にニコニコしていました。オリックスの中嶋監督は、まあもちろん味方がホームランを打ったりしたらコーチ達と一緒にニコニコしていますが、コーチがニヤニヤしながら中嶋監督に話しかけ、中嶋が一緒にニコニコするという姿を3年間一度も見たことがありません。我が家はオリックスの観戦率が圧倒的に多いのにです。中嶋監督は選手達には気さくでハートウォーミングな人だという報道をよく見ますが、コーチ達の中嶋監督への接し方を見るに、コーチ会議での中嶋は間違いなく気さくではないでしょう。選手に気さくに接するのはチームにとってプラスで、マスコミやコーチにおもねるのはマイナスだということだけでしょう。ちなみに、新興宗教を母体とした高校の出身者が監督をしているチームは、今年2チーム共Bクラスです。 九州のある球団は、松井とはまた違う新興宗教を母体とした高校出身の藤本という監督が率いているのですが、この藤本が、昔の黄金時代西武のようにレギュラーが固定化されるのが理想と個人的な思想をマスコミにペラペラと語っていました。この語りだけでも、藤本がどのような人かはわかります。「黄金時代西武が強かったのはレギュラーが固定化されていたからだ、ソフトバンクもレギュラーが固定化されたら強いチームになるだろうという、ある一面だけにしか注意が向かない考え方」「たまたま自分が現役時代に強かった西武がレギュラーが固定化されていただけで、すべての強いチームはレギュラーが固定化されていると考える、一つの事象を過度に一般化する考え方」「レギュラーたるものは休んではいけない、毎試合出場すべきという、~であるべきという考え方」「レギュラーである選手、レギュラーでない選手、というわかりやすいラベルをつけてその選手のイメージを固定化するレッテル貼り」といった、とても認知の歪んだ監督でしょう。この監督のチームは総年俸は1位ですが、勝率は5割くらいです。上でさや氏も言っているように、オリックスは1軍2軍の入れ替えが非常に激しく、スタメンなんぞは毎日変わっているレベルです。おそらく藤本が中嶋のかわりにオリックスを率いていたとしたら、捕手は変わらないとしても、内野がT岡田、安達、大城、西野あたりで、外野は杉本や中川は出てこなでしょうから死滅していたでしょう。宮城や山下シュンペーターは、今よりスケールが小さくなっているでしょうし、宇田川や山﨑颯一郎いたっては育っていないでしょう。百歩譲って藤本が今年から中嶋オリックスを引き継いだとしても、1番福田、2番宗、3番シュウインデル、4番森、5番杉本、6番ゴンザレス、7番中川、8番紅林、9番安達か西野、みたいなしょうもない打順を組み、シュウインデルが5月ぐらいにいなくなり、3番が中川、7番が西野、9番が安達か大城になるぐらいで、ずっと夏までこの打順でいくでしょう。森が怪我をした時だけ若月を使います。頓宮は2軍で4番を打っています。代打要員はT岡田がいますし。宇田川、山﨑颯一郎、ワゲスパック、阿部、平野を1年間酷使し、山岡はずっと先発ローテーションでしょう。東は存在していません。こんなマネジメントでパリーグの貯金をひとりじめできたでしょうか。
三連覇あああーーーーーーー!
まだ信じられないよーーー!! うわあああーーーーーん!!! 。・゚・ヽ(゚`Д´゚)ノ゚・゚・。 |
* カレンダー *
* 最新記事 *
* ブログ内検索 *
|