10/25 vsE ○
オリックスは、今までCSや優勝のかかった「ここぞ」という試合を何度も落としてきました。 しかし、大躍進を遂げた今季最終戦、負けて終わるわけにはいかない。なにせ、先発は今や日本のエース山本です。オリンピックという大舞台も経験したのです。今までとは違う。そう信じてる。 山本は今季200個目の三振から始まる順当な立ち上がり。しかし、二死走者なしから浅村が打ち上げた平凡なフライを安達が落球! ここぞでソレかい! ところが、アウトと思ってか全力疾走していなかった浅村が二塁で刺されチェンジ。助けられたのは安達…ホンマ頼むよ…。 一方、相手先発は田中。登場曲を『あとひとつ』に変更したのは、もしかしたら仙台で投げるのはこれで最後というファンへのメッセージもこめられていたのでしょうか。気合いが伝わってきました。中盤までヒットどころかランナーも出せません。ただこちらの山本も、いい具合に力が抜けていました。点を取られる気配がありません。 そしてその頃ZOZOマリンでは、ロッテが大量リードを奪われる展開。残り試合には余裕がありますから、今日大敗したところでオリックスも負ければ痛みはありません。だからこそ、こちらは負けるわけにはいかないのです。 5回、一死からTが四球で出塁。安達のエンドランで二塁に進むと、続く紅林の打球はしぶとく三遊間を割っていきました! 必死で走るT! 最後は腹這いスライディングでオリックス先制!! 点をもらった山本。その裏、先頭を出しますがバント失敗とゲッツーで失点を回避。6回にはファウルフライを若月が落球するというミスもありましたが、そんなことで乱れはしない山本のメンタル。紅林の好守備も光りました。 そして7回、ラベロのヒットと相手のエラーで一・三塁のチャンス。ここでふたたび回ってきたのは紅林。今度は右方向に打ち上げた打球はライト前、貴重な貴重な2点目を手に入れました! そして最後の見せ場は9回にやってきました。ブセニッツから先頭ラベロがヒット、そして杉本も続き、ラベロの代走佐野が三塁へ。今日ノーヒットだった杉本は途中で下がって打率を守る選択肢もあったはずなのに、4打席立って3割達成させるとは、さすがラオウ!(いや北斗の拳はよく知らないけど) 杉本の代走後藤が盗塁し二・三塁となり(ここで三振するT…は、まあ激走したから許す)、打席は安達。スクイズの可能性が高いと実況もこちらも読んでいましたが、まさか2ランスクイズとはまるっきり予想していませんでした。 転がした瞬間ホームに達していた佐野の速さもさりながら、三塁線に絶妙な打球を転がし、かつ(どこかで解説者が指摘していたように)わざとゆっくり走って鈴木の送球を遅らせた安達の頭脳プレーも、二塁からまったくスピードを落とさずホームまで駆け抜けた後藤も、迷うことなくグルグル回した風岡コーチも、誰もがファインプレーでした! ベンチでも「高校野球!」と声が飛んでいましたが、まさに金足農を思い出す2ランスクイズ! ベンチの雰囲気もこちらの気分ももう最高!! そしてその裏、浅村の大飛球を後藤がフェンスに背中をぶつけながら好捕! 京セラのロッテ戦では大事な場面で失点につながるエラーをしてしまった後藤でしたが、最後の最後でもらったチャンスを、きっちりモノにしましたね! 7年前悔しい思いをしたひとりである後藤がこうしてリベンジしていることが本当にうれしいです。 山本は結局、122球で完封勝ち。これで勝率タイトルでも宮城を抜きました。防御率・勝利数・奪三振・投球回・勝率・完封…とにかくありとあらゆる投手部門で1位! シーズン後のNPB表彰式は呼ばれっぱなしになるやん! これはもう間違いなくMVPです。オリックスの、はもちろんですが、パ・リーグのMVPも間違いなしです。前半戦、負けが先行した時にはどうなることかと思いましたが、休みがない中でもしっかり修正して立て直してくれました。終盤の安定感といったら表す言葉が見つかりません。 前後半で別人といえば、紅林もです。開幕戦でエラーして真っ青になっていた紅林は、もうどこにもいません。ショーバンを難なくさばき、深い位置から遠投でアウトにし、捕手からの送球を無駄のない動きで走者にタッチして盗塁を刺すその守備は、ビジターの解説者もベタ褒めするくらいでした。打つ方でも二桁ホームラン、吉田正の代役として3番に入るなど大活躍でした。もしあの時骨折していたらと思うと、今でも背筋がヒヤリとします。最後の最後までよく頑張ってくれました。 勝ち方も爽快でしたが、とにかく全員が笑顔で終われたことが良かったです。 いろんなことはありましたが、今季143試合、悔いを残すことなくやりきれたと思います。 ロッテが残り3試合、全部勝つか2勝1分で優勝はロッテのものになります。それならそれでもう仕方ない。素直に相手を讃えるしかありません。 人事は尽くしました。 あとは天命を待つのみです。 PR |
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