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いかに寝て起くる朝に言ふことぞ昨日をこぞと今日をことしと(小大君)
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『正直不動産』
リアルタイムで放送されていた際は「不動産? 嘘がつけない? ウーン…あまり惹かれない…」と録画をせず、あとでその評判の良さを知り悔しい思いをしたものですが、このたび『2』が放送されるにあたって再放送をチェックすることができました。
そういえば山Pのドラマは『白虎隊』以来でした。17年前…。いつの間にかこんないい歳の重ね方をして、こんないい役者さんになっていたのだな…。
主人公はカスタマーファーストを掲げる純粋素朴な新入社員の月下ではなく、嘘をつくことでエリートにのしあがったやり手営業マンの永瀬。彼が嘘をつけなくなったところから物語は始まります。不動産といえば嘘とハッタリであることは、一般庶民でも知っています。彼らは嘘をつかずにどうやって家を売っていくのでしょう。
…という素朴な疑問はすぐに解消されました。嘘をつけないことを受け入れ、正直営業を始めた永瀬。今までのようにお金や成績ではなく目の前の顧客と向き合うことで、彼の世界は広がりました。もちろんいつもうまくはいきません。それでも人の人生を良い方向へ導く、家を売る仕事の本質に誇りを持ちながら働く永瀬の姿は、月下や十影、花澤など周囲の人に影響を与えていきます。
超イケメン山Pの三枚目ぶりはもちろん、キャストの面々が皆魅力的で、人間ドラマを描くのが巧みな根本ノンジの脚本にピタリとハマっています。今回は見逃さなくて良かった…。

『沈黙の艦隊 シーズン1 東京湾大海戦』
原作は未読ですが、なんとなく世界観の大きさを感じていたので、映画化されると知った時は「2時間でまとまるん?」と不思議だったのですが、今回配信されたドラマ版は全8話。映画はどれほどコンパクトだったのだろうか…。
それにしても内容の濃さには圧倒されました。原作は30年前の連載ですから武器の性能も世界情勢も当時とは異なりますし、かなり改変されているのだろうとは思います。しかし展開がスピーディで戦闘シーンは緊迫感があり、言ってしまえば荒唐無稽な設定もさして気にならず、一気に8話を観てしまいました。
そもそも海江田という男につかみどころがなく、なぜこんな暴挙(日本国視点でいうと)に出たのか、彼の語る思想に完全に共感はできません。そして「やまと」の乗組員たちがなぜ皆粛々と海江田に従っているのかもわかりません。一方深町艦長率いる「たつなみ」は和気あいあいとしており、副長とソナーマンが良き補佐として一体感を強めていることが伝わります。観ている者はどちらかというと人間味のある深町視点に寄ってしまうため、ますます海江田の本心がわからなくなります。
深町の困惑は海江田を知るからこそですが、パニックになるのはもちろん総理官邸もです。いかにも頼りなさげな竹上総理にこの難局を乗り越えることができるのか、最初は不安になりますが、マスコミやアメリカと対峙していくに従って徐々にその目に強い力が宿っていくのが印象的でした。彼も彼なりに日本国を愛し戦争に対する明確な信念を持っており、それに従うと決断してからの竹上総理の立ち振る舞いは登場時とまるで人が変わったようでした。そんな総理を支えるのが若くて柔軟な官房長官の海原。「こんなイケメンでエネルギッシュな官房長官いないし!」と言いたくなるような非現実的キャラではありますが、シーバット計画の黒幕である父親への反骨芯は、おそらく今後どこかで海江田の本心に触れるきっかけになるのではないかと思います。
30年前は核戦争が目の前と言われていた時代。そして今も戦火は地球上のあちこちで燃え盛ってやみません。独立国やまとの語る理想の世界は、30年を経てもなお理想のまま。だからこそ、製作側はこの作品を映像化する価値を見出したのでしょう。そしてその着地点をどこに見出すか、30年前の結末から変えるのか変えないのか、想像もつきません。
シーズン2の放送はいつになるのやら…今から待ち遠しくなります。









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