8/31~9/2 vsF ●●△
なぜこの日程でデーゲーム…。ちなみに8月のスマホデータ使用量がギリギリだったため、日中経過はいっさい見ず、家に帰ってドア開ける間も惜しく野球速報を開いた瞬間くずおれました。どんだけ上沢を打てないのだ…。 そしてナイターの翌日は打線爆発でした。日ハムが。前カードから絶好調とはいえ、いかんせん田嶋がダメダメでした。後半戦に入ってから勝っていません。三本柱がこれでは困るのだが…。打線もバーヘイゲンを攻略できず、9回に1点取っただけ。日ハムにお得意様を何人作る気だ。 こうなると流れは悪くなるもので、3戦目も河野相手に何度もチャンスを作りながら2点だけ。ソフトバンク戦であれだけ喜ばせておきながら、日ハム相手にサンタテで早くも絶望させるのかと、情緒不安定になりそうなオリックスファン。しかし9回、あきらめの悪いオリックスがようやく目を覚ましました。福田の四球から宗がつなぎ、吉田正がタイムリーを放つと、杉本がとどめのホームランという、今年のオリの勢いを象徴する福宗正杉で4点を追いつき同点に! そして同点だと危ない平野の代わりにバルガスが抑えたことは好材料。勝てなかったことは残念ですが、貯金を1減らさなかったとポジティブに考えましょう。 しかし、石井の盗塁失敗が日ハムのリクエストで覆らなかったのには驚きました。他球団の試合でも時折、タッチプレーは当初の判定どおりという結果を目にします。オリファンから観ても映像ではっきりセーフと感じたのですが、どこでどうアウトと判断されたのかまったく理解できません。これではリクエストの意味がありません。相手チームながら怒りすら感じました。 9/3~5 vsH ○●● このカード前、宮城が土曜から火曜に移動することが判明しました。1.5G差しかないロッテ相手に現状の裏ローテで挑むのは危険すぎますからね…。シーズンもあと二ヶ月、いよいよ中嶋監督が動き出しました。 もちろん、負けられる試合なんてものはありません。ましてや山本の登板日です。…が、前回も打てていないマルティネス相手に得点はモヤのホームランだけ。あっという間に試合は終盤。山本はこの回までかなと考えていた8回、ランナーを二塁に置いて、失投は本当にその一球だけだったように思います。それを逃さなかった栗原を褒めるしかありません。あそこまで悔しそうな山本は久しぶりに見ました。そんなエースの姿に奮起したのか、最後のチャンスが吉田正の激走で訪れました。しかし杉本斃れて2アウト。代打ジョーンズもあっさり追い込まれ、「あーもうアカン! せめて引き分けてくれ…」とあきらめていた3球目! これまた板東の失投を逃さない代打の神様! その裏は1000投球回の平野が〆て、山本単独トップの12勝目! ロッテも勝ちましたがゲーム差は守りました! …ただ…。 吉田正がベンチに戻る時、足を痛めた様子だったのが気にかかっていました。翌日、抹消はされなかったもののスタメン落ち。福田も途中交代し、福宗正杉はTシャツが販売告知されてすわ崩壊。投手陣も崩壊。翌々日にはやっぱり吉田正抹消。そして試合はもちろん崩壊。こちらのメンタルも崩壊。……。 そりゃ吉田正尚の存在は大きいけれど、もうちょっと頑張ろうよ…。投げる方もさあ…山本宮城でしか勝てないと毎週ふたつ負け越すってことだよ。 踏ん張り時に踏ん張れない…。 アレは夢と消え果ててしまうのか…( ༎ຶ ◡༎ຶ) PR
『おかえりモネ』(承前)
まったくもって無防備でした。 かの「おいで」砲に匹敵する新たな伝説に出逢うことになろうとは…。 「どうしたの」 その破壊力ときたら…!!! ようやく、ふたりが物理的に触れ合う時が訪れました。サヤカさんではありませんが、じれったいふたりでした。 「付き合ってください」「はい」なんて言葉は必要ないものなのですね。まったく無粋な人間でした。 相手のことを知りたい。わかりたい。人と人とが結ばれる、スタートはいつもそこから。 それでも相手のことを百パーセント理解するなんて不可能だから、不安になったり怖くなったりするけれど、それでも知りたい。出逢う前のことも含めて、相手の喜びも悲しみも全部共有したい。だからもっと一緒にいたいし話したいし触れ合いたい。それが恋。そして相手の心を受け止める、それが愛。 「わかりたい」という菅波の寛容と、「わかってんでしょ」という一方通行の亮。対照的なふたりの言葉が、それぞれの想いを表現していました。 亮が疑似恋愛に擬態させた苦しみをモネが受け止めたとしても、それで彼は救われはしない。島を出て、揺れ動いていた自分の足元を固めることができたモネにはわかっていました。本当に亮が苦しみから脱却するには、大好きな人を失った怖さから立ち直ること、誰かのためでなく自分のために生きること、その道を見つけること。その逃げ場所はモネではない。 彼の帰る気仙沼には、妻の死亡届と、そして息子と向き合う決意をした新次が待っています。彼ら親子が面と向かって話すその時、ふたりはあの日からようやく一歩を踏み出せるのかもしれません。 そしてまだ完全には吹っ切れていないように見える未知も、島に戻って自分らしい生き方を定められるのか気になります。未知は一見大人びていますが、芯は子どものまま大人の殻をかぶっているように感じます。きっと13歳で被災し、島のために働くことを決意したその時から、みずから大人びることを課したのでしょう。モネを「正しいけれど冷たい」と感じる未知は、やっぱりまだ大人になりきれていないのだと思います。「誰かのため」という言葉に縛られていたモネが、菅波に同じ言葉をぶつけた時のように。 亮も同じです。亮にも未知にも、モネにとっての菅波のような大人の手が必要です。未知は亮のそばにいると言いましたが、未熟なふたりが安易に寄り添うのは良いことにならないような気がします。 ただ、仲間ではじめて震災のことを語り、三夫の言葉もあって、未知も少し気づき始めたように思います。自分が島で働くのは「自分のため」と。あと少しです。誰かが手を貸せば、きっと姉への複雑な思いも緩和すると思います。 この作品には通常のドラマにはあまりない手触りを感じます。感情や状況を端的に表すセリフはほとんどありません。震災、遺体、行方不明といった刺激的な単語がないのも視聴者への配慮だけでなく、被災者である主人公たちが意図的に口にするのを避けているのであろうと推測され、それが逆に彼らの記憶の重さを感じさせます。「恋」「好き」という言葉より先に「会いたい」「いなくなるのが怖い」といったストレートな欲求が出てくるのも、本来それが自然な感情の揺さぶりながらドラマとしてはあまり描かれない流れでした。思いを伝えるのはセリフだけではなく、演者の表情、指先、背景の陰影、それらすべてなのだと改めて気づかされました。小さな水滴が大きな波紋を広げるような表現方法には感じ入ります。 あと二ヶ月、モネだけでなく、他の人びとにも救いが訪れることを願いながら見守りたいと思います。
例年より長い夏が終わりました。
代表校が決まったのも、ずいぶん前のことのように思えます。 奈良大会決勝に進出したのは、智弁と高田商でした。高田商は準決勝、逆転サヨナラで天理を破ると、決勝も序盤で大量点を奪われながら徐々に追撃、最後まで王者を追い詰めました。一歩及ばずも、伝統校ここにありと存在感を示す見事な粘りでした。 1年の頃からレギュラーとして活躍してきた西村・小畠両投手、スラッガーの前川選手を擁する智弁学園は大会前から優勝候補として注目されており、2年ぶりに開催される夏の甲子園に期待は高まっていましたが、開会式から雨天順延。その後も度重なる雨天中止に見舞われました。 大阪桐蔭-東海大菅生の試合はちょうどテレビ観戦していたのですが、あまりにも酷いグラウンド状態に怪我人が出やしないかとハラハラしました。これ以上日程を延期できない事情もわかりますし、最後まで試合させたいという運営側の思いもあったでしょうし、誰にもどうにもできない状況だったとはいえ、互いに心残りとなったであろう結末には胸が痛みました。 雨のみならず、コロナ禍にも否応なく巻き込まれた大会でした。宮崎商・東北学院がコロナの影響により不戦敗となり、宮崎商は一試合も経験できずに甲子園を去ることになりました。こちらもまた無念であり、不運としか言いようがありません。 103回目の大会は、何もかもが異例なものとなりました。 しかしもちろん、変わらない景色はあるもので。 1回戦の明徳-県岐阜商。馬淵監督vs鍛治舎監督という甲子園を知り尽くした名将同士の一戦は、最後の最後まで手に汗握る展開となりました。劇的なサヨナラで勝ち上がった明徳の次なる相手は、秋田・明桜。プロ注目の風間投手相手にどんな馬淵采配を見せてくれるか楽しみにしていました。高知には森木投手というこれまたプロ注目の速球派がおり、彼を倒すことが明徳の第一目標だったのですが、それを見事に成功させた明徳の選手たちには、監督の指示した風間対策も難題ではなかったのかもしれません。追い込まれたらファウルで粘り、出塁すれば足でかき回し、風間投手のペースは大きく乱れ、途中降板せざるを得ませんでした。決して大型ではないチームが一丸となって好敵手を倒していく。高校野球の醍醐味とも言えるこの勝ち方が、馬淵監督にとっての美学であり、また至上の喜びであるように感じます。 そしてもし馬淵監督が関西の高校にいたら、毎年どんな戦いを見せてくれるのだろうと想像する相手が大阪桐蔭。伝統に裏打ちされた試合巧者ぶりとユニフォームの威圧感は健在で、今夏も優勝候補の一角と目されていました。しかし近畿同士の対戦となった2回戦で敗れ、校歌を歌うことなく甲子園を去ることになりました。序盤に4点先取されてもあきらめず、粘り強く得点を重ねた近江。名前負けせず挑戦者として立ち向かっていく姿勢が印象的でした。近江ブルーも個性的な応援歌も大好きで(そして金足農戦のインパクトも大きく)、応援したくなる高校でした。準決勝で惜しくも敗退しましたが、滋賀初の頂点も決して遠くない夢に感じます。 一日で行われた準々決勝は、4試合中3試合がサヨナラで決まるという熱い展開になりました。3回戦後には「クジ引かないで」と冗談交じりに話していたことが本当になってしまった智弁-明徳戦。9回の攻防は速報を追うだけでゾクゾクしましたし、第4試合も近江が9回に4点差を追いつかれながらその裏に勝ち越すという劇的な幕切れとなりました。 そして近畿勢4校が残った準決勝。馬淵監督が指摘したとおり、長引く雨天順延中に練習場を確保できない地方校と、自校に戻って練習できる近畿勢との間の有利不利は、確かに生まれたかもしれません(近畿勢の実力が上がっていることもきちんと付け加えていましたが)。コロナで安易に練習場を貸し出せないことも災いとなりました。大会前はコロナそして猛暑対策を中心に運営を考えていたのでしょうが、それに加えての豪雨は想定外だったかもしれません。本当に気候の読めない時代になりました。ドーム球場での開催は困難かもしれませんが、継続試合の導入の実現化は遠くないと思われます。 決勝は智弁和歌山-智弁学園という智弁対決になりました。 甲子園で一度行われた智弁対決は観ていなかったので、改めて同じユニフォームがグラウンドに並ぶ姿に、どっちがっどっちかわからなくなり、序盤は袖の地名に目をこらしてばかりでした。途中からやっと微妙な色合いと「辯」の違いに気づきましたが。 試合は開始早々に智弁和歌山打線が西村投手を打ち崩し、リードを奪う展開に。智弁学園も2点を返すものの、以降はなかなかチャンスをものにできません。 智弁和歌山の試合をまともに観たのは準決勝だけですが、伝統的な破壊力ある打線に加え、驚かされたのは守備の堅さでした。とくにショートの好守備には、何本もヒットを阻まれたように感じました。 一方智弁学園は、西村投手から小畠投手に継投した6回、エラーから失点してしまいました。試合が膠着していた時間帯の追加点は、中西投手に勇気を与えたことでしょう。前日完投の影響を感じさせずテンポ良く投げこんでいく中西投手に対し、同じく前日完投した小畠投手は追う立場ゆえの重圧と数字以上の疲労を背負っていたのか、失点を重ねてしまいましたが、それでも9回まで投げ切りました。足をつっても最後までマウンドは譲りませんでした。 3アウトを取り、足をひきずるようにベンチに帰っていく小畠投手の横で、号泣する植垣捕手の姿がありました。「まだ終わってないぞ!」という仲間の言葉にも涙をこらえることはできず。初戦で顎を強打しながら正捕手としてふたりのエースをリードして勝ち続け、悲願の優勝まであとひとつのところまでたどりついたのに、最後の最後で相手打線を抑えられなかった悔しさが爆発したのでしょう。それはテレビの前から「君は立派だよ、じゅうぶん頑張ったよ」と何度も声をかけてしまうほど悲痛な姿であったと同時に、高校生がここまでの覚悟とプライドを持って戦っていたのかと圧倒もされました。 そして敗者の涙を前に、勝者が歓喜の輪を作ることはありませんでした。礼に始まり礼に終わるという選手みずからが決めた選択は、高校野球の原点でありながら新鮮で、また尊くもありました。 勝敗は分かれましたが、智弁和歌山も智弁学園も、すべての選手が全力を尽くしたと思います。さまざまなことがあった103回目の夏をしめくくるにふさわしい熱いゲームでした。そしてあふれる思いを抑えるようにインタビューを受けていた中谷監督は、楽天で捕手をしていた時のイメージはもうないですね。おめでとう。 そして準優勝という新たな歴史を刻んだ智弁学園。1年の頃から見てきた選手たちの成長ぶりが観られたのもうれしかったです。プロを目指すという前川選手が上の世界でどんな飛躍を遂げるのか、それもまた楽しみです。 素晴らしい大会でしたが、ブラスバンドも満員の観衆もない甲子園はやはり淋しいものでした。 104回目の夏は、選手たちにとって最適な環境で行われますように。
8/24~26 vsE ☂△●
月曜日の告示にてT-岡田抹消。前日の途中交代は、点差が開いたので休ませただけと思っていたのに。大ショック…。 そんな中の雨天中止は助かりました。予告先発時点ですでに分が悪かったし…。 さて2戦目の先発は田嶋。平日ローテの中心ですから絶対に取らなくてはいけないカード。が、イマイチな投球。打線もTの存在の大きさを改めて実感する圧の弱さ…。同点にするのがせいいっぱいで、痛い引き分けとなりました。 翌日はオリの天敵クローザー・松井が抹消され、大チャンス! と思いきや、中盤で6点差をつけられ「意味ないやん…」と嘆く展開。山﨑颯一郎も雨天スライドで調整に難儀したのかもしれませんが、前回の好投とは程遠くガッカリでした。 しかし、今年はなんといってもあきらめが悪いオリックス。6回、先発の天敵・則本から杉本&ジョーンズの連続ホームランで一気に3点をもぎとると、次の回には2点を加えて1点差。中継ぎ陣も無失点で踏ん張り、最終回。抑えは代役の宋家豪。オリックスの若手連中は言わずもがな、先日もH坂東が乱れたように、急造抑えは何かと炎上しがち。しかも吉田正からと好打順。何とか! 1点を! あわよくば2点を! …という淡い期待は瞬息の三凡で潰えました。なんじゃそりゃ。 それでもぐいぐい追い上げてT不在のオリ打線でもプレッシャーは与えられたであろう、と、良かった探しもしてみるのであった。 8/27~29 vsH ○△○ 中嶋監督は上位争いの佳境を迎えるにあたり、楽天やロッテよりソフトバンクを脅威と見なしているように感じます。山本・宮城の両輪をソフトバンク戦が固まっている週末に配置しているのもその表れでしょう(もちろん、ふたりとも屋外が苦手でドームが得意というのもあるでしょうが)。おかげで平日ローテは心もとないですが…。 しかしそれは裏を返せば、このふたりで星を落とすことは絶対に許されないということです。若いふたりにとってそれがプレッシャーになりやしないか懸念はあったものの、今のところは杞憂に終わっています。 とくに山本。オリンピックの経験が、彼をさらにランクアップさせたように感じます。得意のソフトバンク戦とはいえ、終始相手を見下ろし、ねじ伏せていました。味方が3イニング連続ゲッツーという離れ業をやってのけてもどこ吹く風。唯一のピンチだった無死一・二塁の場面も、相手のバント失敗と暴走で二死一塁になるというツキはありましたが、三塁から転送を受けた安達が落球した時、山本は笑っていたのです。苦笑いでなく普通にアハハと。併殺失敗すれば普通はガックリくると思うのですが、どういうメンタルをしているのでしょう。 2-0で完封がかかった最後も、ランナーを背負って柳田。ネガ慣れしたオリファンは「同点2ラン…いや、ここは四球で栗原に3ランもあるな…」と常に最悪の状況を想定してしまいますが、最近は「山本だから大丈夫」という安心感の占める割合も増えてきています。そしてそれを裏切らないのが山本。怖くて観られなかったけども…。 打線は苦手のマルティネスから点を取れない中、西村が併殺のない場面でようやく2打点を叩き出しました。なかなかチャンスをものにできずに来ましたが、T不在の危機を埋めてくれる活躍をこれからも期待したいと思います。 山本に勝ち星で並ばれた翌日、すぐさま追い越してきたのが宮城。が、左打者の多いソフトバンク相手にはやはり投げにくいのか、球数を重ねてしまいました。1失点でこらえるところはさすが宮城といったところですが。降板後に打線が追いついて黒星が消えたのも、やはり何か持っているのかもしれません。安達の同点タイムリーは見事でした(杉本の本塁憤死も状況を考えるとやむを得ないですし)。9回裏無死一・三塁の場面でも打ってくれれば言うことありませんでしたが…。それなら代打の神様・ジョーンズ様でサヨナラだったのに…。来田・西野では荷が重かった…。やはりTの不在は痛すぎる…。 しかし山本&宮城で負けはしなかったのですから、計算どおり! ということにしておきましょう。 すなわち3戦目は負け覚悟。まだ未知数のスパークマンと天敵和田、しかも安達休養日。甲子園決勝日だったので中継は最初の一時間しか観なかったのですが、和田に手も足も出ない様子に「負け越さなかっただけ良し」とあきらめ境地で以降は一球速報をチラチラのぞくだけでした。 まさかあの展開から勝てるとは! しかも起点は安達の代役・山足のセーフティ。さらに左殺しの嘉弥真から宗・吉田正がタイムリー。ソフトバンクに引導を渡すには充分の結果です。これで6G差。中嶋監督の目算は大当たりといったところでしょう。もちろん相手が飛車角落ち(グラシアルとモイネロ)だったのもありますが。 Tを欠いた今週、E・H戦をできれば五分、せめて負け越し1くらいで乗り切ってくれればと願っていましたが、2勝1敗2分1雨は嬉しい誤算です。しかし予断は許しません。しれっと2位に上がってきているのはロッテ。オリックスが現時点で唯一負け越しているチームです。マーティンも戻ってきていますし、次に当たる時が怖い…。 とはいえシーズンもあと二ヶ月。とにかく一勝を積み重ねるしかありません。平日ローテには不安が残りますが、山本・宮城以外でもなんとかチーム一丸となって勝つべし! 勝つべし! 勝つべし!
『おかえりモネ』(承前)
パラアスリートの鮫島をサポートすることでスポーツ気象にかかわり、さらには中継キャスターとしての第一歩を踏み出したモネ。菅波との距離も徐々に縮まり、順風満帆に見えた東京生活ですが、新たな暗雲がその行く道を暗くさせます。 光があれば陰がある。 ただ、モネは決して光ではありません。震災という過去、そしてそれによって生まれた罪悪感は彼女の心にずっと暗い陰を落としてきました。罪悪感から始まった今の道だからこそ、迷いも生まれる。しかしモネは逃げることも間違いでないと諭す言葉に支えられ、自分の選んだ道は正しいと信じ直し、光の方へ歩いていきます。出発点は間違いなく暗闇なのです。 しかし未知はそうは思わない。姉は島から逃げたのに、いつの間にかテレビに出て、親の自慢の娘になっている。島から逃げず大学進学もせず島の仕事に就き、優秀な職員としてこれからも島のために働き続けるはずの自分は、いつの間にか姉の光の陰になっていると感じている。親から向けられる愛情や関心の差に敏感な姉妹間にはただでさえ複雑な嫉妬心が絡まるのに、そこへりょーちんをめぐる想いや震災時の共感性の欠如もあって、未知の怒りの原点は複雑です。 モネも思いをぶつければいいのに、震災の時未知を孤独にした罪悪感からそれができない。そんなモネの罪悪感すら、ひとりですべて抱えていると思い込んでいる未知にとっては「ずるい」のかもしれない。モネ、そして未知の涙は、まだ大人として歩み寄れない未熟なふたりにできた距離そのもので、あまりにも痛々しい。 ドラマにとって言葉は大事なファクターです。しかしこの朝ドラはそれをギリギリまでそぎ落とし、真意は言葉によって語られません。モネも、未知も、りょーちんも、菅波も、皆心のすべてを他者に明かすことはしません。しかし人と人は、言葉がなくても相手の思いの端緒を感じ取ることはできます。それがすべてでないにしても、それをきっかけに心はつながる。少しずつ、その距離は埋まる。モネと未知も、きっとこれからなのだと思います。震災をきっかけに生まれてしまった姉妹の乖離は、隠してきた感情を相手に向けることによって埋まっていくのではないでしょうか。 亮と新次親子もまた、震災の喪失感から歩み出せずにいます。行方不明の美波の母は、老い先短い自分があの世に行った時のことを考え、美波の死亡届に判を押してほしいと望む。しかしそれは自分が妻を殺すことだと、ふたたび酒に溺れてしまった新次。父を思い、母を思い、船に乗ることを選んだ亮は、何もかもがつらくなり船を降りてしまいます。 モネも、未知も、亮も、若い彼らは「誰かのため」にその道を選んだ。大人たちはそんなこと望んでいないのに、震災が彼らにその道を選ばせてしまいました。莉子が言ったように、「誰かのため」というのは、実は「自分のため」なのです。それに気づけば、きっと新しい世界も見えてくる。モネは莉子や菅波、祖父の言葉に救われたけれど、早く未知や亮にもその瞬間が訪れてくれればと思います。 あまりにも心の痛む週末となりましたが、前半はモネ&菅波のかわいらしい恋模様が描かれました。はっきりとは口にしないものの、モネへの気持ちが高まっていくにつれ、なぜかどんどん恋するヒロイン化している菅波。週末会う約束しただけでドヤ顔したり、デートにはちょっとオシャレなシャツを着てきたり、父親に会って頭を下げられたことも追い風になったか、もはやすっかり彼氏気分ダダ漏れ。奥手のモネには決定的な言葉が必要だと思うのですが(いわゆる「つきあってください」「はい」のやりとり)大丈夫なのか…? おまけにデートはお流れ、亮の上京と、菅波にとっては波乱の恋路になりそうです。 亮の事情はいったん置いておいて、「果たして亮はモネを好きなのか」問題です。彼氏がいると聞いた時の真顔や、モネには気持ちを吐露するあたり、他の幼なじみとは一線を画した存在になっていることは確かでしょうが、なんだか蛇足の展開になりそうで不安です。おそらく震災で抱えた重荷のことを告白できるのは、関係者でありながらあの場にいなかったモネだけなのかなという気がします。その時の感覚を共有した他の友人に自分だけが苦しみを吐き出すわけにはいかず、よけいなことを言わず話を聞いてくれるモネには話しやすいのかなと。もちろんそれを恋と呼んでも不思議ではないのですが、そうあってほしくはないです。未知の片想いという設定がありながら亮の心にモネを配置するのは残酷です。完全に菅波に捉われているモネの心が、今さら亮に変わるとも考え難いですし…。ただ、亮の心に寄り添える誰かは必要です。それがモネなのか未知なのか…願わくば、新次であってほしい。父親として、苦しむ我が子に向き合ってほしいです。 『青天を衝け』(承前) 時代は明治へ。栄一もパリから帰国してきました。 栄一不在の間、日本は大政奉還そして戊辰戦争と、激動の時を刻んできました。 当然ながらリアルタイムで他国の現状を知ることができない時代。栄一は、ひとの口から何があったかを聞くことになります。観る者も栄一と同じ目線で、慶喜、そして平九郎の顛末を知ることになりました。 草彅剛演じる慶喜は、英知に優れていたがために時代に翻弄されざるを得なかった悲しみの将軍像を体現しています。裏切りと暗躍渦巻く京に放り込まれ、生涯の友のようだった忠臣をも失い、時代の奔流にもまれ続ける我が人生。それでも運命を受け容れることを覚悟したその姿は、崇高なまでの透明感に溢れていました。そんな彼に心惹かれて、栄一も攘夷の志を捨て、海の外へ飛び出したのです。 慶喜と栄一が、いったいどんな再会を果たすのか。敗将となった慶喜は、そして見立て養子を失った栄一は、何を語り合うのか。 戦は、さまざまな人の命を奪っていきました。消えゆく江戸に絶望した川路聖謨はみずからを拳銃で撃ち、新しい世を目指していた小栗上野介は同じ新しい世を求めたはずの薩長に首を斬られました。そして栄一の子となった平九郎。武士になりたいという若者らしい憧れは抱いていても、彼の生来持つ心やさしさは、戦など無縁の血洗島でていと所帯を持ち、お蚕様を育て畑を耕す人生のほうが向いていたのかもしれません。もちろん、彼を養子に向かえた時は、こんな結末が待っていようとは栄一も予想だにしなかったでしょう。時代の歯車は誰もの想像を遥か超えるスピードで彼らを巻き込んでいったのです。 そして戦はまだ終わっていません。北の大地で、今も戦う者たちがいます。 幕府軍の一員として刀を振るう喜作。そして土方歳三。絶望的とも言える抵抗を、彼らは続けています。幕府への忠誠心か、薩長憎しか、大義名分はきっとそれぞれあるでしょう。時代に翻弄されてもなお、己の心にあるそれぞれの義は最後まで守り通さずにはいられないのです。そして討手に選ばれたのは慶喜の弟、昭武。古き世の残党は古き世みずからの手で滅ぼせというのです。 無血開城により江戸の町が焼失することはなかったものの、明治維新で多くの血が流されたのは言うまでもありません。 栄一が新しい世で羽ばたくには、まだもう少し辛い展開を乗り越えなくてはならないようです。 |
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