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いかに寝て起くる朝に言ふことぞ昨日をこぞと今日をことしと(小大君)
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『アトムの童』
日曜劇場らしい対立構造からのどんでん返し的な結末でしたが、突然現れてきた宮沢ファミリーオフィスにあまりラスボス性が感じられず、どうもハマりきれないまま終わってしまいました。
アトムが解散してしまったこともその理由かもしれません。那由多たち若者とじいさんズが一緒にワイワイやっている場面が微笑ましかったので、それぞれが別々の場所で動くようになってから少し興味が薄れてしまいました。
ゲーム業界という導入自体は目新しくて良かったと思いますが、日曜劇場のテイストとはうまく混ざらなかったように思います。

『闇金ウシジマくん外伝 闇金サイハラさん』
最後にようやくウシジマ登場(声)! なんだかうれしかったです。
債務者のエピソードは薄く、サイハラさんとサイハラさんを陥れようとする悪者たちの構図で話は展開しましたが、愛沢がいいアクセントになっていたように思います。他にもウシジマくんに登場したさまざまなキャラが再出演していて、同じスタッフならではの遊び心も目立っていました。
もう一度ウシジマくんの1話から見返したくなりました。
柄崎たちもあいかわらずでしたが、村井もいいキャラです。マキタスポーツが『エルピス』に登場した時も村井にしか見えず、「絶対に怪しい…」と疑いの目でしか見られなかったです。

『silent』
どうにも手触りのない作品でした。批判ではありません。会話も、歌も、目に見えない言葉というものが作り出す人と人とのかかわりに手触りはありません。それは直接心に響くもの。だからこそ、言葉は大切なのだと思います。
ひとつの恋が終わり、またひとつの恋がやってきてまた終わり、さらにまた恋が始まる。
世の中いたるところでそんな営みがくり返されていて、かつその出会いと別れはどれもこれもふわっとしているようにも感じますが、物語で描かれるそれらにはいつもスタートラインとゴールラインがしっかり引かれています。湊と別れた後、ふわっとしたまま紬と想の距離が縮まっていったことに憶えた違和感はそれだと思います。
そして主人公の恋敵はどうしても悪役になりがちですが、奈々に関してはむしろこちらに感情移入してしまうほど、その心情が伝わってきて切なかったです。これは演じた夏帆の演技力によるところが大きいですが、逆に紬が悪者のように見えないこともありませんでした。
これもふわっとしたまま、奈々は想をあきらめることになります。もちろんそこには奈々にも紬にも想にもいろいろな葛藤があってのことなのですが、この作品はすべてを語りません。昨今のドラマにはめずらしい余白の多い手法です。字幕が多いこともありますが、画面から目を離すと展開についていけなかったと思います。
紬と想が互いの気持ちを言葉にして語り合ったのは、ようやく最後になってからでした。
最初から言葉の大切さは説かれていました。想のスピーチや、スピッツの歌によって。しかし人はどうしてもそれをおろそかにしがちです。声でなくても、耳が聞こえなくても、言葉によって思いは届くし、自分を伝えることもできる。自分が自分らしくあるための最初の道具、それが言葉。過去の思い出、今ある感動、未来への希望。これからも紬と想は無数の言葉で語り合いながら、肩を並べて歩いていくのだろうと思います。

『エルピス―希望、あるいは災い―』
恵那と岸本が事件の真相に近づけば近づくほど、遠ざかっていく真実の解放。『フライデーボンボン』は放送終了、村井と岸本は左遷、斎藤に別れを告げられた恵那はニュース8のキャスターに戻るも日々の業務に忙殺されてしまいます。
恵那と岸本がバディを組んで冤罪事件に挑む構図は、謎のベールがひとつずつ剝がされていくようで昂揚感をかきたてられたのですが、異動になってからは岸本の奮闘がなかなか報われず、互いの思いもかみあわないもどかしさがありました。とはいえ、このドラマの趣旨は謎解きではありません。報道とは何か。真実とは何か。希望とは何か。冤罪に象徴されるこの世の歪みを今まで正すことができなかった恵那、岸本、そして村井たちが、パンドラの箱に最後に残った希望の意味を知る物語であったように思います。
大門のスクープを報じないよう牽制に来た斎藤に、恵那は真っ向から立ち向かいます。斎藤は自分なら説得させられると考えていたのでしょうが、もう恵那は彼に泣きながらすがりついた時の彼女ではありません。希望とは、誰かを信じること。そして真実を隠さず報道することで誰かに希望を与える、それが報道する側の、自分の使命だと覚悟を決めたのでしょう。
しかし斎藤が見ているのは、誰かの希望ではなく、この国の未来でした。副総理である大門が失脚すればこの国はどうなる。その責任を負えるのか——それもまた、真実ではあるでしょう。
恵那は斎藤に交換条件を出します。大門のスクープの代わりに「本城彰を逮捕させること」。これがギリギリの譲歩でした。
斎藤が言う「いつか自分がこの国のありかたを正す」という誓いはにわかに信じがたいものがあります。しかし目の前に迫っている本城の報道の、「明日になれば君は出られなくなる」という助言は真実だと思います。それもまた、恵那の希望となったのでしょう。
オンエア後、恵那は岸本と一緒に牛丼をかきこみます。薬漬けになっていた恵那が、ようやく口にした食事だったかもしれません。
そういえばいつも、希望が見えるたび、食事のシーンがありました。吐いてばかりいた恵那が口にしたおいしくないカレー。病んでいた岸本ががっついた雑炊。そしてこの夜の牛丼。おそらく村井も交えて。
食べることは生きること。そして信じあえる誰かとともにする食事は、何よりもしあわせをもたらすものだと思います。さくらは釈放された松本のためにカレーを作り、ともにケーキをほおばりながら涙しました。きっと隣の松本も同じ表情をしていたでしょう。
そこには確かに、苦しみの闇を抜けて灯った希望の光がありました。
しかし、これで万事解決したわけではありません。大門の不祥事もみ消し事件はあかるみにはなっていませんし、もちろんその陰ではもうひき返せないところにいる斎藤が暗躍しているはずです。すべてが丸くおさまらなかったところは、現実社会そのものです。
松本の冤罪は証明されましたが、そこがゴールではありません。このドラマはフィクションではありますが、いくつものノンフィクション資料を題材にして描かれています。実際の事件においても、無辜の民から日常を奪った大門のような誰かが罪に問われることはありません。そして、真犯人が今もどこかでのうのうと生活していること知らされた住民は、もしかしたらいつかその犠牲になるのかもしれないという恐怖に脅え続けることになるのです。
それでも希望を捨てず、求め続けて人は生きていく。
まだ民放ドラマでもこんな挑戦的で心に訴えかけられる秀作を作れるのだと感嘆しました。熱演した俳優陣だけでなく、佐野亜裕美・渡辺あや・大根仁という優れた制作スタッフ全員の熱意の賜物だと思います。稀に見る質の高さでした。






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11/25 NPBアワード

ベストナインは山本・吉田正・宗の3選手が受賞。まさか宗までとは…感慨深い…。
優勝ってスゴイ!!
しかし残念ながら、阿部の新人賞受賞はなりませんでした。西武のホームページがフライングしたことでなんとなく察しはついていたものの、タイトルホルダーには勝てませんでした。でも特別賞くらいくれても良かったんじゃ!?
MVPはもちろん! 2年連続で山本!! しかし流行語大賞にも輝いた村神様に較べると、たいして話題になっていないような…。2年連続投手4冠だってスゴイことなのに…。


12/9 ようこそオリックスへ

まずは1日、トライアウトに参加した元日ハム・上野を育成で獲得。手薄な内野手の補強ということでしょうか。最近はどの球団もトライアウトからの獲得は盛んではありませんが、成功例になればいいなと思います。
そして9日には、話題になっていた現役ドラフトが非公開で開催。いったいどういう仕組みなのか、何度説明を聞いてもよくわからなかったのですが、どうやらオリックスの指名順は最後まで残ったようです。非公開のはずなのに情報がダダ洩れしていることをはじめ、さまざまな問題点が取りざたされていますが、はじめてのことですから手探り状態の球団も多かったでしょう(たぶんオリックスはその典型だろう…)。それでも本来の趣旨は出場機会に恵まれない選手に新天地で活躍するチャンスを与えることだったはずですから、獲得したヤクルトの渡邉外野手が「現役ドラフトは成功だった!」と言えるような活躍をしてくれれば良しです。
で、オリックスから獲得されたのは、大下でした。まあだいたいこのあたりだろうな…とは思っていましたが、移籍先が同一リーグのロッテとは…。今年もあのダミ声を聞く機会がありそうで何よりです。ただ、神戸でスタメンはやめてね。


12/12 近藤ソフトバンクへ…

ご縁がありませんでしたね。ハイ。
本気出したソフトバンクに勝てるはずもなく。
来年が怖いですね…。


12/15 張奕が西武へ

森のFA加入にともない、避けられないのが補償選手の移籍。ネットで勝手に作られたプロテクトリストを見てはやきもきしていましたが、噂されていたベテラン選手ではなくてちょっとホッとしてしまった…。
我が家の西武ファンは「絶対に投手を取る」と言い切っていましたが、そのとおりとなりました。西武ファンの希望とは違っていたようですが、西武は台湾と縁の深い球団ですし、メットライフドームで好投したこともありましたから、西武にとっても本人にとっても良いチャンスなのではないでしょうか。
オリックスでは開花させることのできなかった張のポテンシャルが西武で発揮されることを願います。


12/15 いってらっしゃい!

吉田正がボストン・レッドソックスに移籍が決まりました。交渉開始で即決定。その年俸は5年で124億円とな…目がくらむ…。
淋しくはありますが、正尚にはファンとして感謝の念しかありません。
「オリックスで日本一になる」という夢を掲げ、こちらにも夢を見せてくれたうえ、それを実現してくれたのですから!
次は球団が、本人の夢をかなえてあげる番です。福良GMなら首を横に振ることはないだろうと思っていましたが、そのとおり快く送り出してくれました。これでもしアメリカから帰ってくるようなことになっても、その時はまたオリックスのユニフォームを着てくれるはず…。いや、メジャーで思う存分活躍して、向こうで引退できるくらいの選手になってくれるのがいちばんなのですが。
WBCにも出るのかな? オリックスとの強化試合は、きっとものすごい声援が待っていますよ! なにせあの日本シリーズ第5戦サヨナラホームラン以来の京セラなのですから! 楽しみです!


12/23 金子千尋引退

日ハムを戦力外になった金子が引退、日ハムのコーチの道を選ぶことになりました。
S坂口といい、オリックスを応援し始めた頃の主力選手が現役を去っていくのはやっぱり淋しいものがありますね…。
CSをあとわずかで逃し涙する姿、ノーヒットノーラン未遂、いろんなネコさんを思い出します。そしてどの思い出も悔しさがついてくるのです。
あの時のオリックスは本当に弱かった…。
移籍する時はいろんな思いがあったけれど、日ハムに移籍した後の金子の様子から、きっと本人にとってそれが正しい選択だったのだろうと感じました。成績や優勝だけではない、オリックスの時には決して得られなかったものがそこにあったのだろうと思いました。一度は断られながらコーチの職を用意してくれたのも、金子が日ハムで評価されていた証拠です。
引退セレモニーはオリックス戦でしてくれないかなあ…。




流行語大賞にノミネートされた「ヌン活」…。
なんぞや? と思いきや、「アフタヌーンティー活動」だそうな。
今年の流行語ということは、今まで数々のアフタヌーンティーを経験してきたミルフィーユの会は流行の先端だったのか…。

天王寺のホテル内にある《ハニトーカフェ》のクリスマスプラン。



鳥かごのようなスタンドでやってきました!



下のお皿はマカロンやパウンドケーキにミートローフのパイ包み、



上のお皿は、サンタと雪だるまが乗ったタルトや抹茶のスコーン、ガトーショコラも。



別皿のセイヴォリーはハンバーグサンドに野菜やチーズもついています。

さらにはスープや20種類の紅茶やドリンクが飲み放題!
ミルクティーにタピオカを入れることもできます。おなかいっぱいで断念しましたが…。

クリスマス限定の他に「推し色」プランもあるようで、まわりのテーブルはカラフルに彩られ、お店の隅に並べられていた小道具を駆使した撮影会が行われていました。最近のヌン活は映えも大事なのですね〜。

来年もおいしいお茶をおともに、楽しい時間を過ごすことのできる世の中でありますように。





今年の決勝進出者は意外な面々でした。
流行り風に言うならば、Mー1も新しい景色を目指そうとしているのかな? という印象です。
ちなみに三連単予想はさっぱり見当がつかなかったので、男性ブランコ・さや香・敗者復活組にしました。もちろん願望です。男性ブランコは去年の敗者復活でとても面白かったので好きになりました。
ちなみに今年の準々決勝もすべて視聴しました。名のあるコンビが次々敗退したことが話題になっていましたが、それもやむなしというくらい、全員の気合と緊張と質の高さを感じました。Mー1はお笑い賞レースという枠を超えた、それこそ『Number』で特集されても不思議ではない、立派なひとつの競技なのだなと実感しました。予選は甲子園の地方大会のようなもの。優勝はもちろん出場するだけでも人生が変わる、本大会はあこがれの聖地になりつつあります。
だからこそ、「面白い!」と思ったコンビには「来年つかんでほしいなあ」と願います。
1組目はシシガシラ。ネタ番組でもちょこちょこ見かけるようになりましたが、我知らず自虐の道を突っ走らされている脇田さんにゲラゲラ笑っちゃいます。…が、昨今の風潮を慮ってかハゲネタは封印していました。ちょっと残念でした。
2組目は鬼としみちゃむ! まっっっったく知りませんでした。ビックリするくらい面白かったです。周囲の芸人たちから喝采を浴び、どうやら本人たちも手ごたえを感じていたようで、準々決勝敗退後の配信での凹みっぷりといったら涙を誘われるものがありました。やっぱり見てくれも大事なのですかね…。
こう並べると、自分がトシになったせいか、中年を応援する風潮がありますね…。錦鯉もそうだった…。

《敗者復活戦》
寒空のうえ風が強く、音響が悪かったような。からし蓮根は身長差のせいかマイクが遠い伊織のセリフが聞き取れなくて残念でした。ハイツ友の会のようなボソボソしゃべるコンビは圧倒的に不利でしたし。
THIS IS パンの吉田はシンクロック時代から好きな芸人でしたし、岡下の器用さも際立っていてとても面白かったです。3組にいれるか悩んだのですが…。令和ロマン・オズワルド・ビスケットブラザーズにしました。
令和ロマンは若者にしかわからないような流行りのフレーズが多くツカミも「?」だったものの、なんだかんだでいちばん面白かったです。ビスブラは優勝したキングオブコントのネタがトリッキーすぎて世間で物議を醸していましたが、ytbの時の漫才は好きでしたし、今回のネタもツボに入りました。オズワルドはやっぱり「復活してほしいな」という気持ちです。もちろんさすがオズワルドといった完成度でしたし面白かったですが。
で、結果はオズワルド。しかし全国的にはまだ無名と思われる令和ロマンが善戦していましたから、来年に期待です。
それにしてもかもめんたる…あれどういうつもりやったんや?

《カベポスター》
思ったより点が伸びなかったなあ…。「1組目は不利」問題のせいなのでしょうか。大吉は順番は一切考慮せず、自分の基準に基づいて審査したと放送後のラジオで説明していましたが、山田邦子は「84じゃなく86点にすればよかった」と言っていましたし(それでもたいして変わらんという事実はともかく…)。去年の敗者復活からずっと応援していて、今年ローカルのお笑い賞レースをふたつも制し、いよいよかと期待していたのですが…。

《真空ジェシカ》
どうやら山田邦子は放送前から真空ジェシカ好きを公言していたらしく、高得点を出すだろうと我が家のお笑いフリークが断言していました。そのため1組目と2組目で11点も点差がついたことで、山田邦子の審査に対しネットが荒れたようですが、その後の審査を見るに単純に好き嫌いなのでしょう。松本人志が唯一銀色の88点(結果的に下から3番目)をつけたことにあまり触れられないのが不思議です。これも好き嫌いだろうに…。

《オズワルド》
極寒の敗者復活会場から走ってきて、少し口がまわっていないのかなという感じがしました。観客の反応も少し鈍く見えましたが、敗者復活と同じネタだったからなのでしょうか。今の時代はいろいろとやりにくさがありますね…。

《ロングコートダディ》
昨年の「肉うどん」のようなネタを期待していたら…笑い飯みたいなスタイルになっていました。M-1向けに細かい笑いを詰め込んでくるスタイルに変えるコンビは少なくありませんが、ロングコートダディもかあ…。
我が家周辺の調査では、「シェフの帽子」や「はじかみ」が笑えない人は笑ったが、「シェフの帽子」や「はじかみ」が好きな人は笑わないという結果になりました。

《さや香》
昨年の「か・ら・あ・げ・4!」は来年のための隠れ蓑…という推理をネットで見かけましたが、「ボケとツッコミを入れ替える」というのは確かに隠しておくべき必殺技だったかもしれません(といってもローカルの漫才番組で見たので知っていたが)。
このネタは初見だったのですが、いやー、笑いました。ボケならちょっとうるさい新山のテンションもツッコミなら心地いいし、間の取り方も伏線回収も、これぞ漫才! と唸らされるようなクオリティで納得の1位通過。ひさびさに関西吉本からチャンピオンが…と(この時は)ワクワクしました。

《男性ブランコ》
「音符を運ぶ」という理解不能な設定がまずツボりました。演技力もさすがでしたし、めっちゃ面白かったー! 面白かったのにー! 惜しかったー!
好き嫌いの匙加減でしたね…。

《ダイヤモンド》
数年前の準々決勝で観た「スタバ」のネタが面白くて名前を憶え、その後『おもしろ荘』で優勝するも跳ねず…「雑誌」や「紙幣」もいいネタなのに準々決勝の壁を超えられなかったダイヤモンドが、いきなり一足飛びで決勝進出! 大丈夫か!? という心配が現実になってしまいました…。ネタ中に「こりゃダメだ」と本人たちが感じていると、演技から伝わってきてしまうのですよね…。漫才に限らずスポーツでもよくあります。放送後に小藪や千鳥から優しい言葉をかけられて野澤が泣きそうになっていましたが、「ダイヤモンドはこんなもん」と認知されるのは辛いですね…。といいますか、このネタも決して面白くないはずがないのですが…。

《ヨネダ2000》
『THE W』では漫才を封印してコントを披露し惜しくも準優勝でしたが、相変わらずトリッキーでした。誠の頭の中はいったいどうなっているのでしょう。まんべんなく点数をもらうもトップ3には惜しくも届かず。まだ若いですし、今後が末恐ろしいコンビです。

《キュウ》
ヨネダ2000が呼ばれた瞬間、ぴろがちょっとキレていたように見えました。この芸風ですから、後になればなるほど不利なのですよね…。でも低得点の理由は、順番ではないのかもしれません。準決勝とネタを変えたのはキュウだけだったようです。うーん、あのネタやあのネタを見たかったな。

《ウエストランド》
また10番目か! 前回も最後まで残り、滑って終わってしまいましたが、今回は違いました。シュッとした今風の若手が毒舌や悪口を連発するとただの嫌味ですが、小型犬が自分より大きな生き物にキャンキャン吠えていても微笑ましいだけのように、井口がやるから許されるし笑えるのです。今年は東野にさんざん見た目をいじられて、さらにひと皮剥けたようにも見えました。
4分があっという間でした。もっと聞きたい! とまで思わされました。途中で河本がネタを間違えたようですが、まったく気づきませんでした。これも井口のテクニックの凄さなのでしょう。

《最終決戦》
今年の登場順は3位→2位→1位と最初から決まっていたようです。これがウエストランドの追い風となったかもしれません。「もっと聞きたい!」が現実になったのですから。さや香は緊張が見て取れましたし、いきなり噛んでしまったのがマイナスでしたかね…。打ち上げで、「今から来年だねと言われるのが辛い」というような愚痴をこぼしていましたが、偽らざる本音なのだろうなと感じました。大舞台を逃して涙するアスリートに「また来年!」「また4年後!」と気軽に声をかけられるわけありませんしね。ロコディはまったく印象に残りませんでした。キングオブコントも面白かったのに評価されませんでしたから、やりたいことはわかるのですが…。今までのスタイルの漫才が見たいです。

決勝進出者も審査員も、予想もしなかったメンバーでしたから、来年もどうなるかまったく想像つきません。
とりあえず、鬼としみちゃむをローカル番組で観られるようになったらいいなー。





12/5 vsクロアチア ●

夜中の3時まで見届けました。
結果的に、初のベスト8には進出できませんでした。
それでも、この4試合で得た昂揚感、期待感、興奮、感動、そして一瞬の落胆の直後に湧き上がった惜しみない称賛、すべてが今までにない衝動で、それらがおそらく彼らが与えてくれた新しい景色そのものであったのではないかと感じます。

前回準優勝のクロアチア。日本は板倉の出場停止に久保の体調不良と不安材料は少なくありませんでしたが、この日も強敵に真っ向から立ち向かいました。
相手の攻撃に耐える時間が続くも、懸命に守る日本。試合が動いたのは前半も終わり際。コーナーキックからのチャンスで前田がシュート! いつも最前線で駆け続け体を張って守備をする前田の姿は強く印象に刻まれていましたから、彼が決めたことをとてもうれしく感じました。
そしてこれはこの大会、日本がはじめて奪った先制点。このまま後半を乗り切れば…と言いたいところですが、点が入れば試合が動き出すというのは野球でもよく見る展開です。サッカーも同じだったようです。
後半開始10分。同点ゴールは一瞬のことでした。「あっ」と思ったわずかな隙も見逃してはくれない、これが世界の強敵が集うワールドカップという舞台。
そこから選手を入れ替え勝ち越しを狙うも、日本の攻撃パターンを徹底して研究されてきたのかゴールを割ることができません。しかしこちらも必死の守りで、相手に得点を許さず、戦況は一進一退。やがて後半終了のホイッスルが鳴らされ、延長戦へ。
互いに気力も体力も振り絞った攻防は、決着つかぬままついに120分を刻みました。

運命は、PK戦に託されることとなりました。
2010年南アフリカ大会、PKの末パラグアイに敗退した一戦は、今でもはっきりと憶えています。
今度こそ、あの悔しさを乗り越えて、新しい景色へ到達してほしい。
正座して手を合わせ、画面の向こうへ祈りを捧げました。

しかし今回も、勝利の女神が日本に微笑むことはありませんでした。
PKの結果が運なのか戦略なのか、サッカー素人にはわかりません。
日本にPK職人がいないという指摘もあるようです。順番が指名ではなく立候補制だったことを批判する記事も目にしました。
ただ、相手キーパーの冷静さと優れた観察眼は素人目にも卓越していたように見えましたし、沈黙を破って真っ先に手を挙げた南野の気概は讃えられるべきと思います。「PKをはずすことができるのはPKを蹴る勇気を持った者だけ」という過去の金言もあります。あの場所、あの状況で、一番手を買って出ることのできる人間がいったいどれだけいるというのか。世界中の視線を背中に浴びるプレッシャーがいかほどであったか、想像すらできません。
とはいえ、重圧があったのはクロアチアの選手も同じかと思います。3人目が失敗したものの4人目でしっかり決めきりました。もちろんメンタルだけがすべてではありませんが、次の試合格上と思われていたブラジルをまたもPKで破ることができたのは、クロアチアチーム全体の心の強さも要因なのではないかと感じました。

しかしそのクロアチアもアルゼンチンの前に敗れ、2大会連続の決勝進出はなりませんでした。
ワールドカップは各国のスーパースターが勢揃いする場でもありますが、その多くがベテランの域にさしかかっています。
アルゼンチンの英雄であるメッシもそのひとり。
そして決勝は、メッシと、フランスの若きスター・エムバペの競演となりました。

メッシのPKなどで前半2得点で有利に試合を進めたアルゼンチン。後半も30分を過ぎ、ここからフランスが追いつくなんて思いもしなかったのでしょう。ベンチでは早くも感極まる選手もいたようです。
しかし、スポーツは本当に何が起きるかわからない。
エムバペの同点ゴールは、まるで炎を纏ってゴールネットに突き刺さる、漫画に出てくるような弾丸シュート。火の玉そのものでした。
あと10分で終わるはずの試合が、まさかの延長戦突入。そして延長後半、メッシが勝ち越しゴールを決めれば、終了間際にフランスがPKをもぎとりエムバペがきっちり決める、決勝はまさに世界最高峰を決めるにふさわしい、ドラマのような一戦となりました。
そしてPK戦の末、優勝トロフィーは、失敗することのなかったアルゼンチンの手に渡りました。

日曜日の深夜(しかもMー1の後)で視聴を断念したのがつくづく悔やまれます。もっともリアルタイムで観ていたら、興奮して一睡もできなかったかもしれませんが…。

こんな素晴らしい試合をいつか日本も戦うことができるだろうか。メッシやエムバペ、クリスティアーノ・ロナウド、ネイマール、モドリッチなどなど、世界中から称賛されるスター選手がいつか日本からも生まれるのだろうか。
そんな妄想が尽きません。
サッカー素人のにわかでも心躍らされたひと月でした。
さあ、次は野球の番です。WBCです。
世界を驚かせたジャパンブルーにサムライたちが続けますように。





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