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いかに寝て起くる朝に言ふことぞ昨日をこぞと今日をことしと(小大君)
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3/4 vsT ○

開幕投手候補の山岡ですがまだ肌寒い屋外球場だったせいもあるのか、制球乱れ球数を要しました。攻撃はルーキー杉澤の先頭出塁、来田のタイムリーと若手がアピール。そして特筆すべきは、7回に登板した山下舜平大! ついにベールを脱いだ秘密兵器! 最後の1球以外は全球156・7・8キロのストレートで圧倒!! これは期待せずにはいられない!!!


3/5 vsT ○

同じく開幕投手候補の田嶋。キャンプ中から好調でしたが、この日もストレートが走っていました。森との相性も問題なしのようでひと安心。打線は頓宮が絶好調!
2番手のルーキー曽谷は150キロのストレートと大きな変化球でアウトはすべて三振という、期待を寄せずにはいられないピッチング…のはずが、井上に2ランを浴び、次の回は連続四球で満塁にして降板と、ほろ苦いデビュー戦になってしまいました。回の途中で肩を落としながらベンチに戻ってきた曽谷に田嶋が大丈夫と励ますように出迎える場面は、なんだか胸が熱くなりました。


3/7 vs侍 ●

オリ目線で見ると酷い試合でしたね…。種市・岩下をまったく打てない打線はいつもの見慣れたオリックス。阪神戦で浮かれた気分に冷や水を浴びせられました。コールドにならなかったのも、準備していた投手を投げさせるため代表側があえて手を抜いたとしか思えない…。代表に勝利した中日打線の頑張りや、大谷やヌートバーにも立ち向かっていた阪神の投手陣を見習ってほしかったです。中嶋監督は「ふわふわしていた」と表現していましたが、誰もかれも集中力を欠いた打席ばかりでした。「どうせ負けないといけない試合」だったにしろ、選手もそう思っていたのだろうか…。
まずい外野守備がふたつもありました。野口・杉澤はまだ慣れていませんし歓声もあったでしょうから仕方ないにしても、福田・中川は何やっとんねんとテレビにツッコんでしまいました。


3/9 vsT ●

初回にゴンザレスがタイムリー。…で、得点はそれだけ。7安打2四球で1点…。
先発の村西は4回に初ヒットを許すとそこから崩れて3失点。フォームは変わったようだが、こういうところはあまり変わっていないようですね。


3/10 vsG ○

先発シュンペーターが4回途中5三振の好投! ほぼストレートとカーブ(と落ちないフォーク?)だけでこの内容は末恐ろしさを感じます。まだまだ発展途上ですから、一軍登板は今シーズン後半くらいかもしれません。打線はまだ冬眠中ですかね…。好調だった頓宮の怪我も痛いですね…。


3/11 vsG ○

田嶋→山岡という開幕投手候補ふたりのリレーでしたが、両者とも2失点というどっちつかずのような結果に…。打線も5安打5得点で、いいんだか悪いんだか…いや菅野をまったく打てない時点で悪いような…。


3/12 vsF ●

先発黒木は足を攣って途中降板となりましたが、6番手に名乗りを上げることができたのではないでしょうか。打線は今日も11安打2点というストレスの溜まる展開に。育成ルーキー茶野はいいアピールをしているようです。相手スタメンで伏見がコールされると大きな拍手が起こった京セラ。伏見もこちらの石川も互いにヒットが出たのでウィンウィンということで。ちなみに我が家の西武ファンは、森・若月・石川が横一線で正捕手争いをしていることに納得がいっていないようです。まあ確かに…。


3/14 vsE △

静岡遠征は若手のみなのか…? 相手に較べるとあきらかに見劣りする面々でしたが、結果は引き分け。若手に混じってなぜかスタメンだった西野がいいアピールを続けています。代打の神様になるはずが…それもこれも期待されている選手が今ひとつだから…。太田はこれじゃ本当にミスターSOKKENになってしまうぞ! 紅林も地元でエラーしている場合か! 東はよく無失点で済んだなという内容のようでした。


3/15 vsE ●

いくら苦手の早川相手といっても、もう少し何とかならんかったんかいと思わないでもありませんが、二軍のようなスタメンでは厳しいか…。それにしても4番内藤とは、期待感の大きさをひしひし感じます。もちろんまだまだこれからの選手ですが、投手の育成メソッドはあれだけ確立しているのに(おそらくこの日投げた入山や西濱も伸びてくるはず)、なぜ野手はいつまでたっても生えてこないのでしょうか。


3/17 vsC △

各球団開幕投手が調整に入っている金曜日、いまだ公表されていないオリックスは山下舜平大が先発。今日はフォークのお試し日で80球限定のようでした。2失点したものの10奪三振。観るたび成長している姿にはワクワクします。しかし打線は森・中川で4得点取るもその後は沈黙。いつものやつですね…。


3/18 vsC ○

先発山岡はエラーがらみの1失点にとどめるものの球数多く、開幕に不安を残す結果となりました。今日は山岡→山﨑福リレー。さあ、開幕はどの山だ…?
打つ方は来田が好調キープ。しかしオープン戦くらい打ち勝つ試合が観たいですね…。


3/19 vsC △

中継ぎが打たれて負け試合濃厚でしたが、なぜか最近マツダが得意なオリックス。9回に劇的逆転…のはずが、その裏に追いつかれて結局引き分け。負けなかったからまあいいか…。
打撃好調な野口が先頭打者ホームラン。ショートかセンターで開幕スタメン濃厚ですね!


3/21 vsD ○

ホーム開幕が内定している田嶋が立ち上がりに2失点するも、しり上がりに調子を上げて6回100球7三振。打つ方は中川・杉本にホームランが生まれ、茶野もタイムリーで絶賛アピール中。一方、今年こそスタメン二遊間と信じていた太田・紅林は二軍戦に出ていました。開幕スタメンに赤信号が煌々と灯っています。


3/22 vsD ○

黒木→コットン→近藤で完封勝ち! 攻撃もいきなり1番野口が出塁して先制すると、中川・杉本という打つべき人、茶野・杉澤という打ってほしい人がしっかり結果を残して6得点、ひさびさの気持ちいい快勝ゲーム! まあ、WBC優勝の直後の試合だったのでほぼほぼ観ていなかったのですが…。


3/24 vsT ○

いよいよオープン戦もラスト3試合となりました。開幕はちょうど一週間後、しかし先発は山下…。ということは…? やはり…(*ºωº*)
そのシュンペーター、今日も155キロ超を連発! フォークの精度も上がってきたのか、3回までは無失点と好投していましたが、4回に大山に先制2ランを浴びてしまいました。しかし失点はそれだけ、6回90球7三振で降板。中嶋監督は案の定明言こそしませんが、いよいよ現実味を帯びてきました。
野口や中川は良い打撃を続けています。西野も好調です。少し心配なのは森。開幕すれば大丈夫…と思いたい。
試合前に支配下登録が決定した茶野ですが、落球にノーヒットといいところは見せられませんでした。


3/25 vsT ●

京セラながら阪神主催で行われたゲームは完敗。山﨑福が大山に連日のホームランを打たれるなど4失点。石川とのバッテリーでしたが、まだ組み慣れていないのですかね。攻撃陣は秋山に手も足も出ませんでした。
そしてTが6番DHに復帰! …が、まったく気づかないほど存在感がありませんでした。 


3/26 vsT ○

先制点は初回の杉本の2ランでした。ホームラン王を取った時のラオウが戻ってきた! …と思いたい。3回には野口にも一発。お見事な技ありホームランはシーズンに期待が持てます。ちなみにこの日、BS松竹東急の中継の解説が坂口でした。1番(今日はショートでしたが)野口…ぐっちの再来…と思いたい。
さらには颯一郎→宇田川の侍リレーが実現! なんて豪華なファンサービス! …が、その回だけ見逃すという痛恨のミスを犯してしまいました。
オープン戦のしめくくりは、中継ぎ以降無失点、上位打線で稼いだ得点を守り切るという実にオリックスらしい勝ち試合でした。

…で、オープン戦1位ってホント?
いつも下の方をウロウロしていたオリックスが!? 
2005年以来18年ぶりだそうです。そら青天の霹靂なわけだ…。
もちろん、オープン戦の順位などシーズンには関係ありませんが、完全最下位を回避できたことは安堵しています(←トラウマ)。

今年こそ胃の痛くならない試合をたくさん観られますように…と期待していましたが、今年も神経をすり減らすことになるような気がします…。というか、今年もきっと混戦パ・リーグ、まず上位争いに食い込むことが大事なのですが。

まずは開幕戦! シュンペーター(たぶん)を援護して、高橋光成を打ち崩して、開幕戦連勝を続けられますように!




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《女子》
SPの坂本選手は滑走前の表情が少し硬かったように見えましたが、ジャンプが決まった中盤からいつものスピードと力強さが戻ったように思います。貫禄の首位発進でFSに臨みます。
最終滑走の坂本選手のひとつ前、イ・ヘイン選手がパーフェクトな演技を披露しました。プレッシャーがかかるのではと心配しましたが、いい意味でマイペースを貫けるのも坂本選手の強み。滑り出しからトップスピードに乗り、途中までは完璧。いける、と感じましたが、最後にコンビネーションジャンプでミスが出てしまいました。そのことが悔しくて、演技終了後から涙が止まらない坂本選手。こんな泣き顔を見たのは初めてかもしれません。しかしフリーこそ得点は2位だったものの、総合力では追随を許さず連覇達成。
「上手い」「きれい」、フィギュアにはいろいろな形容詞がありますが、坂本選手にぴったりなのは「強い」だと思います。坂本選手のスケートにはあふれる生命力を感じます。画面を通して伝わってくるそのパワーに圧倒されてばかりです。
そして今回のうれしさに優る悔しさは、より坂本選手を高みに押し上げるのではないかと期待します。
初の表彰台となった2位のイ選手も素晴らしい演技でした。韓国勢ではキム・チェヨン選手も6位に入っており、楽しみな若手が出てきました。3位のルナ・ヘンドリクス選手も今年も魅せてくれました。
三原選手はようやくつかんだ世界切符でしたが、最後にミスが出て5位。それでも三原ワールドは健在でした。渡辺選手も今大会唯一トリプルアクセル2本に挑み、成功こそなりませんでしたが、前向きなコメントが印象的でした。来年の進化に期待です。

《男子》
SP録画に失敗してしまった…。
山本選手はミスが続き悔しい世界選手権になってしまったようです。しかし飛躍した今季のスケートは気品に加え自信も備わったように見えました。世界の表彰台常連となる日も遠くないように感じます。
代打ではなく自力で勝ち取った代表として、友野選手は堂々滑り切りました。ジャンプミスはもったいなかったですが、見せ場のコレオシークエンスでは会場を巻き込む絶品の演技でした。来季も個性あふれるプログラムで魅せてくれることを期待します。
FS最終グループは感動的でした。ジェイソン・ブラウン選手が極上のスケーティングで会場をうっとりさせれば、ケビン・エイモズ選手がノーミス演技で喜びを爆発させる姿にこちらも万感の思いにかられました。そして今季で引退を表明しているキーガン・メッシング選手は日本でも大人気のスケーター。ジャンプやスピンでミスがあったものの、最後まで途切れない万雷の拍手と本人の感極まった表情には涙があふれました。もう彼の演技が観られないのかと思うと淋しさでいっぱいです。
トップ3は圧巻の演技の連続でした。まずはチャ・ジュンファン選手が完璧な演技を披露。高得点をたたき出しました。続いて登場したイリア・マリニン選手は4Aに始まり、6本の4回転を組み込んだ高難度のプログラムにチャレンジ。しかし演技構成点が伸びず、チャ選手を下回ります。
最終滑走は宇野選手。試合前練習で足を負傷したという報道がありましたが、それを感じさせない演技でSPトップでFSを迎えました。
足の痛み、ライバルたちの好演、連覇と自国開催のプレッシャー。いろいろなものを背負いながらの滑走だったと思いますが、それらすべてをはねのける、闘志みなぎる4分間でした。
フィニッシュ後氷上に大の字になった宇野選手は、まるで戦いを終えたファイターのようでした。
連覇達成後、これからもまだ高みを目指すと語った宇野選手。来季はさらにスケールアップした表現者・宇野昌磨が見られることでしょう。

ペアではりくりゅうが日本勢初の金メダル、グランドスラム達成という快挙を成し遂げました。FS後はミスに涙する三浦選手の姿がありましたが、りくりゅうペアの進化ぶりには目を瞠るばかりです。来季はさらに高難度のリフトにチャレンジするとのこと。来年は演技後満開に咲くふたりの笑顔が観られますように。
アイスダンスのかなだいもノーミスで『オペラ座の怪人』を堪能させてくれました。今後競技を続けていくかどうかは明言しませんでしたが、にわかには信じがたかったアイスダンス転向にチャレンジしここに至るまで戦ってきた高橋選手。夢のような時間を与えてくれたことに感謝しています。今はゆっくり休養してほしいと思います。

あっという間に今年のフィギュアシーズンも終わってしまいました。GPFも全日本選手権も観たはずなのにレビューを書く余裕がなく…。
オリンピック以来、少し冷めてしまったせいもあると思います。
ロシア選手のいないフィギュアスケートはもの足りません。
ロシア勢が競技会に出られない直接の要因はウクライナ侵攻ですが、ドーピング問題も決着を見たとは思っていません。戦争の罪は選手になくとも、そちらの闇が解決しない限り、今後純粋な思いでロシアを応援することはできません。いろんなことが悲しいし、残念です。







3/22 vsアメリカ ○

いよいよこの時を迎えました。
正直、あきらめていました。相手はメジャーのオールスター軍団、どこからでもホームランが打てる隙のない打線。しかもアウェー。いくら日本の投手陣をもってしても、勝つのは容易ではないと。
しかし、日本には大谷がいました。試合前の円陣で、メジャーMVPの放つ言葉は違いました。「今日だけは彼らへのあこがれを捨てて、勝つことだけを考えていきましょう」。
あこがれてしまっては超えられない。
そのとおりです。背筋が伸びました。
最初から気持ちで負けていては、勝つことなどできません。

アメリカはトラウト、日本は大谷が旗手となり、両チームの入場で始まった決勝戦。
後攻の日本、先発は今永。準決勝の劇勝後、歓喜に沸く日本チームの中ひとり緊張していたそうですが、今日も安定感は健在でした。トラウトに二塁打を打たれるも、後続を断って無失点で初回を終えます。
しかしアメリカチーム主将トラウトの二塁へのヘッドスライディングには、この一戦にかける気迫を感じました。
日本の攻撃も無得点で迎えた2回、ターナーにソロホームランを打たれてしまいます。ベネズエラ戦で8回に逆転満塁ホームランを放ち、準決勝のキューバ戦でも2本打っている恐怖の9番打者は、この日6番に打順を上げていました。今永はその後もピンチを招きますが、追加点は許しませんでした。
先制された日本。反撃はその直後でした。
初球、ど真ん中のストレートを迷わず振り抜きいた村上。それは三冠王の見慣れた放物線でした。一瞬の同点劇。そしてそれだけにはとどまらず、次の岡本がヒットで出ると一死満塁と相手を攻めたてます。代わった投手からヌートバーのゴロの間に1点、勝ち越しに成功します。
今日は迷わず継投に出た栗山監督。二番手は戸郷。いきなりトラウトから三振を奪いますが、さすがはアメリカ。すぐさまフォークに対応しボール球を見きわめられ、二死から連続四球で一・二塁でターナーを迎えます。しかしカウントを有利にして投じた4球目のフォークで空振り三振! 2イニング目も三者凡退とこの大一番で最高の仕事をやってのけました。
4回裏には岡本が今度こそスタンドインのホームランで貴重な貴重な追加点!! 差を2点に広げます。
5回に登板したのは高橋宏。いきなり内野安打でランナーを出してしまいますが、さすがは20歳で代表に選ばれただけあります。トラウト、ゴールドシュミットを連続三振。アレナドにはヒットを打たれるものの次のシュワーバーをセンターフライに抑え、ピンチを凌ぎます!
いよいよ試合も後半戦。四番手は伊藤でしたが、こちらの緊張感が緩和するくらいのサクサク三凡。1イニングなのがもったいないくらいの安定感でした。
このあたりから、ダルビッシュや大谷がブルペンに向かい始めました。ということは…。
6回裏、日本は二死満塁まで攻めるも無得点。
7回表は大勢が登板。栗山監督は本当にダル→大谷の継投で行くつもりなのだなと、この時確信しました。
そのためには何としてもリードを守ってバトンを渡さなければいけません。しかし先頭代打の左打者に四球を出してしまいます。1番に戻りヒットでつながれ、無死一・二塁。トラウトはなんとかライナーで抑えるものの、続くはゴールドシュミット。必死で祈る3球目のフォーク、ひっかけたゴロの転がった先には源田! 山田・岡本と渡ってゲッツー! 心臓が持ちません!!
その裏は大谷の全力疾走で内野安打をもぎとりますが、吉田がゲッツー返しで無得点。
いよいよ、ブルペンからダルビッシュが登場します。
このWBC、侍ジャパンがここまで来られたのは実力ももちろんですが、別々の場所から集まってきた一流選手たちがワンチームとして機能しているからです。その結束力を生んでいるのは、ダルビッシュの存在に他なりません。この起用は、栗山監督がダルビッシュへ捧げる感謝の意もあったでしょう。
しかし正直、本調子でないダルビッシュには一抹の不安がありました。先頭はフライに打ち取るも、次のシュワーバーにはファウルで粘られます。そして10球目。大歓声とともに、打球はスタンドへ運ばれていきました。
1点差…。
一気に上がる心拍数。しかも次の打者にヒットを打たれ、一発で逆転のピンチに追い込まれてしまいます。しかし8回という終盤、追い込まれているのは相手も同じ。リアルミュートは初球を打ち上げて内野フライ。続くマリンズも初球を振ってセンターフライに打ち取りました!
なんとか点差を広げて大谷を楽にさせたい日本。しかし変則投手のチェンジアップに対応できず、あっさりツーアウトを献上。山田が選んでこの日ふたつ目の盗塁を決めるもホームまでは到達できませんでした。

ついにやってきました、最終回。

終盤にかけて何度もベンチとブルペンを往復していた大谷が、マウンドへ上がります。

顔はあきらかにこわばっていました。イタリア戦の時のように一球ごと吼えることもありません。大谷でも緊張する時があるのだなと、なぜか平常時のような観察をしてしまいました。しかしこの正念場、大谷以外の誰に任せられるというのでしょう。失点すればそれも致し方なし。どこか達観している自分がいました。
先頭マクニールは冷静に四球を選び、会場が大きな歓声に包まれます。
しかし続くベッツの2球目は山田の前に転がり、源田・岡本と渡ってゲッツー完成。雄叫びを上げた大谷も、テレビの前もボルテージは最高潮。 

ツーアウト、ランナー無し。
打席に立つは、トラウト。

「世界最高のふたりを観たくない人なんているだろうか?」

大谷の決勝登板を許可したエンゼルス・ネビン監督が予言したとおりになりました。
9回裏ツーアウト。1点差。
ピッチャー大谷、バッタートラウト。
偶然にしてはできすぎな、漫画でも描けないドラマチックな状況が生まれました!
2球空振りを奪って追い込むも、5球目のストレートが力んで大きく外れ、フルカウントになった6球目——。

それは、2006年、藤田が最後に投じた、
2009年、ダルビッシュが最後に投じた、
同じ球種のスライダー!!

トラウトのバットが空を切った瞬間、鬼の形相でグラブと帽子を放り投げた大谷。ベンチを飛び出したいくつもの笑顔。なぜか転んでいる吉田。マイアミにできた歓喜の輪。

最高だ!
最高だ!!

「侍ジャパン、世界一!!」

もう一度この言葉を聞く日が来ようとは!

宮崎キャンプから始まり、強化試合、そして始まった東京ラウンドを経て、アメリカまで。最高のメンバーが最高の試合をくり広げる、最高の日々でした。
今は思い出されるすべてが名場面です。
そして侍ジャパンの誰ひとり欠けても、この多幸感はありませんでした。
誰もがヒーローで、誰もがMVPです!

そして同時に、もう終わってしまうのかという、祭りのあとのような淋しさもあります。
東京ラウンドでの各国との交流や敗戦相手からのエールなど、日本において肯定的な報道ばかり目につくからでしょうか。本当に素晴らしい大会だったと思います。
また、チェコやイギリスのような野球後進国のヨーロッパからの初出場があったり、メジャーリーガーの多くが参加したり、回を重ねるごとWBCという大会の価値が上がってきたように感じます。
もちろん良いことばかりでなく、残された課題は少なくありません。アジアラウンドとアメリカラウンドの格差や、突然の日程変更疑惑、キューバから亡命した選手たちの複雑な背景も、キューバ代表として参加が許可されたからといってすぐに解決できる問題ではないようです。
2026年、第6回のWBCはいったいどんな大会になるのでしょうか。
日本代表も、顔ぶれは大きく変わるでしょう。栗山監督も勇退となりました。
今回以上のドラマはもうないだろうと、今は思います。しかし2017年終了時、メジャーリーガー大谷がアウェーの球場でも大歓声を受けて胴上げ投手になるなんて、吉田正尚がベストナインになるなんて、オリックスから4人も派遣されるなんて、想像すらしていませんでした。きっと誰も予想もできない未来が待っているはずです。
その日を楽しみに、とりあえず目の前のペナントに備えたいと思います…。






3/21 vsメキシコ ○

疲れた…_( _´ω`)_

朝から疲労困憊…。

後攻の日本、先発は佐々木朗希。慣れないマウンド、しかも大舞台でどんな投球を見せるのか正直不安でした。しかしより重要な第二先発には山本が控えていますから、どんどん飛ばしていけるはず。初回は三者凡退と上々の立ち上がり。
一方、メキシコ先発のサンドバルは左に強い左投手。左打者が並ぶ上位打線を三者三振と、こちらも最高のスタートです。
2回の佐々木は打球をお腹に受けながらも、無失点に抑えます。その裏、先頭の吉田正尚が初ヒットを放つも、村上三振、岡本ゲッツーと何も起きず…。
サンドバルの攻略への道筋を描けないまま、試合は4回へ。ツーアウトからヒットで出塁されると、次の打球は不運なポテンヒット。初回から飛ばしてきた佐々木は少し疲れていたように見えました。交代した方がいいのでは…と思わないでもありませんでしたが、ツーアウトでしたし続投の判断はやむなしでしょう。しかし相手はアメリカに打ち勝ったチーム。佐々木の浮いてしまったフォークを見逃してはくれませんでした。打球はレフトスタンドへ…メキシコに3点先制されてしまいます。
援護をもらってサンドバルの心にわずかな揺れが生まれたのか、近藤・吉田にいい当たりが続き、二死一・三塁のチャンスを作るも村上三振で追い上げできず。
5回からマウンドに上がったのは山本。まさかビハインドで出ることになるとは思いませんでしたが、山本らしく変化球を駆使した投球で無失点に抑えます。
その裏、先頭岡本の打球は大きな弧を描いてスタンドイーン! …かと思いきや、フェンス際でレフトのアロサレーナがジャンピングキャッチ! 会心のドヤ顔に「嘘やーん!」と頭を抱えました。そのアロサレーナ、乱れてきたサンドバルが交代している間にスタンドのファンへサインボールをプレゼント。なんと自由な…。そして日本は二死満塁の大チャンスを作りますが、レフトフライでチェンジ。
6回裏には先頭大谷がヒットで出塁。吉田は併殺崩れ、村上は三振でツーアウト。そこから岡本・山田が四球を選んで満塁になるも、源田が打ち上げた先にはアロサレーナ! またおぬしか! もう憶えたぞ!
いよいよ試合は終盤戦。緊張感も高まってきます。
7回表はワンアウトから四球を出した山本。次のバッターもフルカンと粘られ、8球目のフォークで空振り三振。甲斐が二塁送球するも、ランナーは忍者のような動きで源田のタッチをかいくぐった…ように見えましたが、栗山監督がチャレンジ。長い検証の末、判定覆ってアウト! テレビ画面ではセーフのように見えましたが、NPBと違ってきっといろんな角度のカメラがあるのでしょう!
これで流れは侍ジャパンに! …と言いたいところでしたが、裏の攻撃はあっさりツーアウトを取られてしまいます。しかし近藤がヒットで出塁すると、大谷のところで左投手に交代。我が家の解説者は「メキシコは後ろが弱いらしい」との情報を得ていました。そこに望みをかけるしかありません。
代わった投手から大谷はストレートの四球。
そして打席は吉田正尚!
またの名を神!!
片手一本運んだ打球はライト方向、ポールの横の柱にぶつかる同点スリーランホームラーーーーーン!!!
日本シリーズ第5戦並みに大絶叫してしまいました!!!

さあ、同点。投手交代するかと思いきや山本が続投。ちょっと不安があったのです。7回の山本は少し球数を要していましたし、チャレンジで間が空きましたし。いやちょっとだけ。たぶん山本なら大丈夫…。
じゃなかったーーーー!!!
連続二塁打で勝ち越し点を献上してしまいました。しかもメネセスにまで打たれて一・三塁(オリックス時代は全然打ってなかったやん…)。まさか山本がこんなピンチを招いて降板するなんて…。
とんでもない場面を任されたのは湯浅。顔つきからも緊張が見て取れましたが、まずは空振り三振でツーアウト。「あとひとり頑張れ!」と祈りを捧げるも、フォークをうまくすくわれレフト前。悔しそうに帽子を振り下ろした湯浅でしたが、二塁ランナーの生還は許しませんでしたし、よく踏ん張ったと思います。最後のフォークも決して悪い球ではありませんでした。三振したバッターも膝でバットをふたつ折りして悔しがっていましたが、互いの執念のぶつかり合いだったように感じます。
点差は2点。残り2回。
昨年よく見た展開です。来い、8回のオリックス!
先頭岡本。代わった投手からいきなり死球をもらいます。代走に中野が起用され、続く山田がヒットで続き、無死一・二塁とチャンスを作った侍ジャパン! そして源田はバントの構え。ファウルで追い込まれるも、5球目をきっちり転がしスリーバント成功! 怪我は痛むはずですが、最高の仕事をしてくれました!
そして甲斐の代打に山川登場。捕手が大城しかいなくなりますが、あとのない状況では仕方ありません。高めのストレートを振り抜いた瞬間、逆転どすこいを期待するもフェンスは超えられず。それでも最低限の犠牲フライで1点差とします。
9回表は大勢がマウンドへ。3球でツーアウトを取り、次の左打者には死球を出すも次を三振に抑えて攻撃に弾みをつけます。

いよいよ、最終回。
先頭は大谷。
打席に入った大谷には、強い意志が漲っていました。初球、振り抜いた打球は外野の間を割っていきました。走りながらヘルメットを脱ぎ捨てた大谷は一気に二塁ベースへ到達。両手を振り上げ大きく吼える姿に、球場の空気が変わったような気がしました。
そして吉田は四球。一塁へ歩く際、吉田がネクストへ向けて何か合図したように見えました。そこにいたのは村上。この日も3三振の村上でしたが、いったいどんな声をかけたのか。きっとここまで一緒に戦ってきた者同士だから伝えられる言葉があるのでしょう。
初球はファウル。ボール球を見逃し、3球目のストレート。
村上は迷わず振り抜きました!
打球はセンターを超え、外野フェンス一直線!
大谷はもちろん、一塁代走の周東も凄い勢いでホームベースへ生還!!
なんて劇的な逆転サヨナラ決勝進出決定タイムリー!!
かつて福留が、イチローがそれまでの不振を払拭する一打を放ったように、村上もここぞで決めてくれました!
最後まで信じた栗山監督の勝ちです。
もちろん殊勲者は彼らだけではありません。牧原以外の野手を使い切る総力戦でしたが、全員が全員やるべきことを果たしました。大谷頼みにならず、全員が後ろにつなぐ意識を持っている、そんな理想的な野球ができています。明日は投手も総力戦です。やってくれると信じています。

そう、ついに、ついに来ました!
決勝戦でアメリカが待っています!
準決勝でキューバを叩きのめした恐ろしい打線には、正直勝てる気がしません。
しかし日本代表の結束力は世界一だと思います。投手も野手も一丸となって大きな敵に立ち向かう、そんな侍たちの最後の勇姿を見届けたいと思います。










《フルフルール》



スイーツプレートは季節のフルーツに焼き芋、フルーツゼリーと飲み物に加え、ケーキを2種類選べます。

ショコラとゆずにしてみました。
いちごも日によってブランドが変わるようです。

たまにはこんな甘い贅沢もいいな…。





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さや
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プロ野球&連ドラ視聴の日々さまざま。
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