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いかに寝て起くる朝に言ふことぞ昨日をこぞと今日をことしと(小大君)
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5/2 vsE ○
金子はこれで開幕から5連勝。ようやく楽天にも土をつけ、1差に迫りました。最後は少し悔しい降板となりましたが、楽天キラーの名を取り戻す好投でした。
攻撃では2回にKoboスタを得意とするTのホームランから始まり、中島が連続弾、さらには武田のヒットからペゲーロの拙守に乗じて一気に3得点。金子にはじゅうぶんな援護でしたね。
9回にも武田が猛打賞となるタイムリーで貴重な追加点。相手が左腕の辛島ということでのスタメン起用が大当たり。大きなアピールになりました。
勝負のGWはエースの勝ち星からスタート。幸先良いです。

5/3 vsE ●
ほぼ無抵抗に近い負け。
好投手の則本をオリックスはなぜか得意としていたのですが、どれも早い段階で得点し逃げ切っていたように記憶しています。つまり、2回のチャンスを潰したのが痛かった。
無死一・二塁で駿太がバント。次が鈴木昂&若月でのバントは果たして最善の策と言えるのか…。
前日は武田がチャンスをものにしましたが、鈴木昂はアピールできませんでした。それにしても攻守で酷かった。
宮崎はすっかり元気がありません。なぜか負けているのに守備から小田に代わる始末。安達も体調が良くないのか、守備まで精彩を欠いています。そもそも3番を打たせる成績ではありませんし、負担が大きすぎます。てっきり前日活躍した武田がスタメンゲットかと思いきや、まさかの鈴木昂…うーん。
松葉の調子は決して悪くなかったにもかかわらず、この日も負け投手に。ただ、茂木の2ランは完全に余計でした。てっきり敬遠と思って画面見ていませんでしたよ。

5/4 vsE ●
この予告先発で負けるとは思いもしませんでした。
ディクソンは勝ちがついてもおかしくない投球内容でした。野手陣が満塁のチャンスを二度潰し、前回KOした古川を打ち崩せないどころか、守乱で相手に点を献上。完全にチームの調子が狂っています。
大城はみずからチャンスを手放すようなエラーでした。小谷野もあわてる必要のないところでの送球ミス。お疲れですかね?
安達を下位に回し、小谷野からの打順を上げたまでは良いけれど、宮崎は完全に電池切れ。安達は完全休養が必要ではないかと思われます。打つほうではまったくといっていいほど機能していない若月の前でなぜ伊藤がバントするのか意味不明。これではクリーンアップが勝負してもらえません。
楽天の得点はゴロの間の1点や犠飛、相手のミスにつけこむ攻撃。オリックスもこういう野球ができていた間は勝てていたのですがね…。ホームに戻って、今までを思い出してほしいです。
これで楽天に1勝5敗…苦手チームを作ってしまいました。
しかも3G差をつけられたどころか、ふと振り返れば3位のソフトバンクと0.5G差に…。

5/5 vsF ●
西はヨーイドンで3失点。監督の信頼のもとカードの頭に配置されて、悪い流れを止めてくれると信じていたのですが…。
不調の宮崎をはずし、吉田雄が初スタメン。それは良いとして、なぜはじめてスタメンに入るような若手を2番に置くのだろうか…? 2番はクリーンアップにつなげる大事な役目。案の定、初回から1番駿太が二塁打で出塁するも、吉田雄はアッサリ打ち上げてランナーを進めることができず、その後も出塁の気配すらありませんでした。さすがに荷が重かったのではないでしょうか。
その後も無死満塁で無得点だったり、打線は泥沼。終盤に押し出しとホームランで得点するも時すでにはるか遅し。
まずい、チームが連休状態になってきたぞ…。

5/6 vsF ●
低調になってきた打線の中で唯一元気なのが小谷野・T・中島のクリーンアップなのですが、初回その三人でひさびさに先制。…が、先発コークが死球から乱れてアッサリ逆転。4割打者の近藤が欠場しているにもかかわらず、矢野に打たれすぎじゃないですかね…。
同点に追いついたあたり連敗中にはなかった粘りを見せてくれましたが、中田に勝ち越しタイムリーを打たれた場面は安達の状態の悪さが痛手となりました。普段ならアウトは無理でも止めるくらいは可能な打球に見えました。その後交代となりましたが…判断が遅い。
blackな休日の唯一の光明は武田が2安打と結果を残したこと。うーん、ずっとスタメンでよかったのでは。

5/6 vsF ○
ずっと好投なのに勝ちに見離されていた山岡ですが、この日は制球定まらず、連勝中で気炎を吐く日ハム打線に力負け。こういうこともあります。試合には勝ったのですから、肩を落とさず次回に向けて修正してほしいですね。
で、山岡が降板したら打ち出すのはどういうわけか。
ただ、押せ押せのチャンスで凡退してしまった宮崎は、完全にバランスを崩しているようです。オリックスの勝敗は宮崎の調子と連動しています。吉田正が戻るまでは持ちこたえてほしかったのてすが…そううまくはいきませんね。
駿太と打順が逆だったなら、と考えるのはタラレバにすぎませんが、このところ下降ぎみだった駿太がサヨナラ打を含む復活の4安打。頼もしいセンターが帰ってきました。
ブルペンは大山以外全員登板の執念の継投。山岡の後を継いだ山崎福は田中への一球だけが悔やまれますが、3イニングを投げきりました。海田には何しに来た、と言いたいけれど吉田一が踏ん張りました。中田から三振を奪ったストライクは興奮しました。黒木、平野×2とつないで最後は赤間。一軍に戻っていきなり緊張する場面でしたが、2イニングをしっかり抑えてプロ初の勝ち投手ゲット。被災地出身ということもあり翌朝には大きく取り上げられ、ご両親もさぞ喜んでいることでしょう。去年から良い働きをしてくれます。
うーん、でもねー。
どうしても言いたいのは、なぜこのタイミングで伏見を落とし、代わりの第三捕手を昇格させなかったのかということ。
つまり、若月に代打が出せません。
もちろん甘い球をしとめた同点タイムリーは素晴らしかったですが、フルで守らせ、チャンスでそのまま打席に立たせるのは、あまりにも荷が重いです。代打を出せる状況なら、延長になることもなかったかもしれませんしね。


(結果)17勝12敗
大型連休中(4/29~5/7)の勝敗→3勝5敗…やっぱり今年もGolden Weakだった…。
ホームの勝率もいっそう下がりましたし。
早々にローテを変更してカードの頭に持ってきた西が二週連続で撃沈。それでもまだ投手陣は粘り強さを失ってはいませんが、打撃陣に陰りが見えてきました。4月はつながっていた打線にあと一本が出なくなりました。チームに勢いをつける役目だった宮崎がいつ失速するかが不安でしたが、意外に早かったな…。
こういう時こそベンチワークの出番なのですが、今年もあまり(かなり?)期待できないコーチ陣。ここから昨年の二の舞は、もうごめんですよ…。






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行楽地、乗車率、高速渋滞…テレビからは大型連休ならではのニュースが続きますが、
どこ吹く風の今日この頃。

たまにはシャバに出てみるか。

スーパーでタダ券をもらった写真展。




さま変わりしてから、行くたび迷う大阪駅。ひさしぶりの都会です。

阪急はめったに行きませんでした。母が「人が多いし広くて疲れる」と敬遠して、我が家はJR寄りの大丸や阪神ばかり利用していたのです。改装したのはずいぶん前だったと思いますが、それ以降はじめてかもしれません。

到着したのは9時半。開店前…。
バーゲンでもないのに、扉の前にはすでに人だかりができています。さすが「天下のだぁいきゅう」。
ところが開店直後、半分近くの人はエスカレーターを下に降りていきました。話題のコロロかバトンドール目当てだったのか?

9階に上がると、恐竜がお出迎え。家族連れも続々フロアに入ってきます。何かのイベントらしい。
その奥の『ふるさとのねこ』展は、そこまで混雑していませんでした。

岩合光昭さんの猫の写真は大好き。
とくに野良猫。我が家の壁には「のら」のカレンダーもかかっています。
野良猫の持つたくましさ、ふてぶてしさ、その中に隠れる愛嬌、そして生命力。写真からはそれらが伝わってきます。
今回の写真が追うのは、北国のりんご農家の納屋に住む猫一家。新たな生命が生まれ、自然に囲まれながら少しずつ成長し、季節と人とともに生き、やがて大人になって子を儲ける。半野良の猫たちが刻む生のいとなみです。
小さな手足で大地を踏み、懸命に生きる命が、そこにはあります。
世間は空前の猫ブームですが、動物のブームには必ずといっていいほど、命の軽視が隣り合わせにあります。
店頭で売り買いされる動物たちはいかにして目の前のガラスケースへやってくるのか、そして売れ残った動物たちはガラスケースからどこへ行くのか、なぜそこへ目を向けないのか。先進国である日本が命に値札を張り、お金で命を売買していることに、なぜ疑問を持たないのか。
野良猫の輝く命を切り取る岩合光昭さんの写真を見るたび、愛しくて微笑んでしまうと同時に、そんなことを思って悲しくなります。
ようやく安易な猫ブームに警鐘を鳴らす報道も増えつつありますが、日本で動物の店頭販売が禁止されるまでの道のりは、まだ長くかかりそうです。

おみやげを買った後、9階から1階まで全スルーして地下鉄へ。
次なる目的地は、天保山。



こいのぼりが踊る海遊館。チケット売り場前の行列を見ているだけで熱射病になりそうです。

そこには並びません。



海遊館の隣の、ここ!

『藤城清治 光の楽園』展!

去年、奈良県立美術館で行われたメルヘン展は引っ越しやら何やらで行けずじまいで悔しかったので、今年は楽しみにしていました。

御年90歳を超えてもなお精力的に作品を生み出す藤城清治さんの指先。
今回のために制作された新作も展示されています。

天保山の観覧車と少女。天神祭りのあざやかな花火。
その一方で、静かに鎮座する仏像、ご神体。
静と動が交互に現れる影絵の世界。
しかし、そのどれにも確かに息づく命があります。

昨年、テレビ番組で見た作品を見られたのはうれしかったです。舞い散る桜、飛び立つゼロ戦。羽ばたく鳥たち、そしてこびと。特攻へ旅立った友、そのゆく先は平和の光だった。作品にこめられた思いに圧倒されました。
戦争でも震災でも、描かれているのは喪失のはずなのに、そこにはいつも希望があります。
原爆の炎に巻かれる病院には、緑の芽吹きがありました。
負の遺産のまわりには、鳥が飛び、花が咲いていました。

いくたびの試練を与えられようと、大地はそこに在る。その上に立ち、人は明日を生きていく。
未来にはいつも、希望があるのです。

ショップでポストカードとマウスパッドを購入し、退館。

上本町へ戻って遅いお昼を食べ、帰宅。

…の前に、近鉄をちょっとのぞいてみました。



初日のサイン会の後、こうの先生が描いたイラストが!



やっぱりキランとしている…。


4/25 vsL ○
初回、西武キラー・西野の出塁から好調のクリーンアップで先制し、同じく西武キラー・モレルのタイムリーで追加点。4点リードで順調に中盤まで持っていったまでは良かったのですが、ディクソンが突発的炎上病を発症し、あっという間に同点に…さすが、強敵ライオンズ。とくに上位打線は気が抜けません。
が、そんな不穏な空気を一掃したのは我らが主砲、T-岡田の特大ホームラン。神戸の夜には、Tの描く放物線がよく似合う。
その後、海田・吉田一・黒木・平野が無失点でしのぎ、単独2位を手にしました。

4/26 vsL ○
中5で回る金子ですが、ゴロと三振で球数を重ねず試合を進めていきます。昨年はコントロールに苦しみ、思いどおりにいかないとズルズル崩れていくもろさがありましたが、今年は理想よりも結果を追求しているように感じます。
相手先発・高橋光成からなかなかチャンスを作れなかった打線は5回裏、四球からランナーを溜めて宮崎がついに先制打を放ちます。そこからは一気呵成で4得点。金子の調子を考えればこのまま有利に進むか…と思われましたが、そううまくはいきません。西武の前評判を覆す好調ぶりは、2番ショートに定着した源田にあるというのが大方の見立てですが、守備固めがせいぜいと思われていたこのドラフト下位の守備職人が攻守ともにここまでの活躍を見せるとは、いったい誰が予想したでしょうか。いや、我が家の西武ファンだって想像だにしていなかったに違いない。
で、その源田に長打をくらって4点あったリードは今日もわずか1点に。
次も中5で回る金子ですから完投は考えにくいですし、連投となる中継ぎ陣に連日の僅差を守り抜けるか…との不安はすべて杞憂に終わりました。今年のひと味違う金子は最後までマウンドに立ち、119球で完投。最後のピンチも金子らしい併殺で切り抜けました。エクセレント!

4/27 vsL ○
3連戦3連勝、単独2位をがっちり固めて試合のない首位楽天に肉薄、京セラドームの勝率もぐぐっとUP!
と、いいことずくめながら喜べないのは、打線の調子が少し下降気味だからでしょうか…。
もともと苦手にしていた相手先発の十亀ですが、二軍でも不調だと聞いていたので期待していたら、やっぱり打てない。押し出しで先制するものの、モレルの三振でみすみすチャンスを手放してしまいました。
西武キラー・松葉は今日も好投するものの、相手にワンチャンスをものにされ同点に追いつかれてしまいます。結果論ですが、おかわりと無理に勝負しなくても良かったような…。しかもすでに守備固めで宮崎を降ろしていました。案の定、9回のチャンスの代打は小田。9球放らせた粘りは認めますが、左の代打の不在がオリの弱点でしょうかね…。
それはさておき、2アウトと追い込まれ、本日休養日だった小谷野がとっておきの代打で登場。ぼてぼてのサードゴロでしたが、おかわりのエラーでまさかのサヨナラ…。
今年のオリには、ツキもあります。
しかしこのサヨナラ勝ちを引き寄せたのは、駿太のツーベース。4の3で打率3割。駿太が打てばチームは強くなると言われてきました。もう守備専ではない、不動のセンターの座を駿太は自力でつかみつつあります。

4/28 vsH ●
ホークスキラーの西でしたが、この日は撃沈。打線も荒れ荒れ中田を打ち崩せず。
前回当たった時はお休みモードだったデスパイネが完全に目を覚ましていました。しかも西は昨年ロッテが苦手でデスパイネにもそこそこ打たれていましたから、厄介な選手が移籍してしまいました。
コントロールピッチャーがコントロールに苦しむと、立ち直るきっかけを見いだせずどんどん悪循環に陥ってしまいます。西は終始マウンドで落ち着きがありませんでした。死球を与えた柳田に代わって出場した福田に、相手のミスで同点に追いついた直後勝ち越し弾を打たれる始末。しかもこの日一軍登録された川崎の初ヒットからのホームラン、相手はノリノリでした。
せっかくの近鉄vs南海の復刻試合でたが、いてまえ打線は復刻できず、無抵抗のまま終了。どうも中田に当たるとリズムが崩れてしまいます…。

4/29 vsH ○
岸田-攝津という、まったくもって展開が読めない復刻2試合目。そして今日に限ってなぜかナイター。のっけからお互いランナーを溜めまくり、試合終了は深夜に及ぶのではないかと心配になる序盤でした。
どうぞどうぞと言わんばかりに与え合うチャンスを最初にものにしたのは近鉄。西野に代わって2番セカンドに入った大城が攻守で良い仕事をしました(川崎にコメントで褒められ、大城本人も喜んでいるのでは)。モレルも走者一掃の長打でお立ち台ゲット。小谷野→T→中島が次々本塁に駆け込んでくる様相はドスドス効果音まで聞こえてきそうでした。
5点リードをもらったところで、岸田はお役御免。なぜ1失点で済んだのか不思議なくらいの投球でした。攝津といい、ベテランの衰えた姿は悲しいなあ。
深夜ペースの試合のテンポを速めたのは二番手コーク。危ない場面もありましたがなんとか切り抜け、2勝目ゲット。吉田一はこの日で9イニングノーヒットと、地味に活躍!
で、このままアッサリ勝利…かと思いきや、どうしてこうなるホークス戦。海田は僅差だと抑えるのに、点差があると乱れるのは何故なのか? この状況で2四球はありえません。
結局平野が登板することに。海田のランナーだけは全員返すという抑えの真骨頂ともいえる投球で、なんとか逃げ切り成功。最後は、記録こそ投ゴロでしたが、平野の優れたフィールディングあってこそのアウトでした。
前日は近鉄のユニフォームの上にBsの上着を羽織っていた福良監督。この日は敗戦を受けての厄落としなのか、きちんと脱いでいました。阪急OBとして複雑な気持ちもわからないでもありませんが。

4/30 vsH ●
早々に先制して「よし、今日こそ山岡が勝利をいただき!」と拳を握ったものの、行き場を失ってしまいました。
なぜ…なぜなんだ。
なぜ、山岡には援護がないんだー!
悪いなりに粘りました。内川の併殺時にはこちらも熱くなりました。
想像ですが、勝ちを意識するがあまり野手陣も固くなってしまっているのでしょうねえ…。
ゲスト解説の有田も絶賛していましたから、勝ち星はそのうちついてくるはずです。それまでしばしの我慢です…。
いっぽう、有田にけなされ続けたのが若月。里崎といい元捕手には厳しい評価を受けています。ウーン、素人から見てもまだまだ未熟な面が見られますから仕方ないですね。
しかし吉田一は褒めると打たれるな…もう褒めないでおこうかな。
平野もね…デスパイネに打たれすぎです。
結局復刻カードは1勝2敗。猛牛ユニが泣いているぞ。
それにしてもかっこいいデザインです。今風の選手(とくに山岡)には似合いませんでしたが。
当時、大阪の少年の頭は大半が阪神のタテジマ、次に巨人あるいはこの近鉄のキャップでした(そんな中ひとりだけ青いライオンズキャップをかぶっていたという我がツレ)。


(結果)15勝8敗 2位
借金3から始まり、終わってみれば貯金7。月間成績もマルばかり! うそん!
ランキングもホームラン数1位のTに始まり、金子&ディクソンの勝利数1位、金子防御率2位とチームをひっぱるべき人が期待どおりの活躍を見せてくれています。
さあ、いよいよ鬼門のゴールデンウィーク。開幕で絶望させられた楽天戦から始まります。3つの負け越しを取り返し、首位も奪取するチャンスです。
今年こそ、Golden weakとは言わせない、Goldenなweekを過ごさせてください!








『あなたのことはそれほど』
原作の1巻だけ読んでみましたが、登場人物の誰にも感情移入できないわりに、妙にリアルでした。
激しい愛情なく結婚する。
罪悪感なしに不倫できる。
現実は、およそそんなもの。
しかし作り物のドラマでは、受け手側の感覚を揺さぶるために、なんらかのアレンジを施します。結婚は恋人同士が確かな愛のもとで行い、見ている側も幸せを感じられるものとなる。不倫は罪悪感に苦しみつつも抑えられない激情に見ている側も心を寄せ応援してしまう。どちらも現実社会においては非現実的で、だからこそ「ドラマ」チックになりうるのです。
しかしこのお話は違う。初恋の人と偶然再会して、ホテルへ直行。帰宅後、夫に平然と「ただいま」と言いながら、心の中では幸福感にひたり運命を感じている。そんな美都には嫌悪感しかない。
中学の頃、つきあってもいない同級生を抱いた有島は、15年後、同じ女を、妻帯していることを言わずに、言う必要もないかのごとくに再び抱いた。もちろん不快感しか抱きようがない。
不倫の被害者である美都の夫・涼太は、仕事中にも関わらずささいなメッセージを妻の携帯に日がな一日送り続けたり、寝ている妻の枕元から携帯を取り不審な記録がないかチェックしたりする「重い」男。
もうひとりの被害者である有島の妻・麗華は、学生時代クラスで孤立していた。同級生の人気者だった有島を「落とし」たことは、自分を貶め続けた彼女たちを見返すひとつの手段だったのかもしれない。だから麗華は外面のいい有島を、ことあるごとに見事なタイミングで牽制する。有島は見事にそれにひっかかる。軽くチャラい人物を装いながら、他人の中での自分の立ち位置をはかり調整し続けている有島もまた、「あんな人が彼女だったら兄のことを見直す」と妹に批評された麗華を手放せない。
それぞれがそれぞれの思惑で互いを利用し、自分の足元を固めようとする。
現実は、およそそんなもの。
読み進めるのに苦痛を伴いそうな原作ですから、これをドラマにするのは難しいと思われます。
夢見る夢子の美都がズルズル不倫に溺れていくのには無理があるし、波瑠のイメージともかけ離れている。有島の複雑さを表現するのも鈴木伸之では困難そう。麗華はもっと地味な外見でないと有島とのギャップがなくなるし、涼太はイケメンすぎて冬彦さんにはなれそうもない。
ただただ、不倫が不愉快なだけ。今後見続けるかどうか悩みます。

『リバース』
湊かなえは『告白』しか読んでいませんが、なんとも後味の悪い作品でした。人と人、あるいは社会との関係を構築するうえで、どうしてもみずからの足場を確固たるものにするために保身に走りがちな人間の狡猾さ、いやらしさ、言いわけ、それらが行間からにじみ出ているようで、読後感は最悪と言ってもよいものでした。ただ、作品を美しい言葉や表現で飾りたてることで、作り手も受け手も美しいものを美しいと感じられる美しい心を持った気になれる、それもまた狡い人間の営みのひとつでもあります。そんな偽りの装飾をかなぐり捨てたような湊作品は、心に直接爪を立ててくるような破壊力があります。
このドラマも、導入部から何ともいえない暗鬱な空気が漂います。
かつて大学生だった四人は友人を雪山の事故で失う。それぞれが己を守るためにはからずも共通でついた嘘。事故を事件と確信して追い続ける元刑事。今になって掘り返される過去。誰がなんの目的で彼らを陥れようとしているのか、謎は最後まで明かされそうにもありません。
キャスティングも絶妙で、それぞれの演技力が光ります。藤原竜也と戸田恵梨香は『デスノート』を思い起こしますが、当時の面影など完全に消し去るくらい役になりきっています。藤原竜也は追い詰められる役ばかりですが、作品ごとに異なるキャラクターで異なる追い詰められ方を見せてくれるのはさすがのひとこと。
視聴するたびに胸が痛む思いですが、見ごたえのあるミステリーです。

『小さな巨人』
警視庁にはどれだけイケメンが存在するのか、と叫びたくなる今期の警察ドラマ。
中でもこのドラマは、『半沢直樹』スタッフの作品だけあってアップの多用が多いせいか、長谷川博己と岡田将生のツーショットにずきゅんずきゅん。隣の雑音も気になりません。
もちろんビジュアルだけでなく、ストーリー自体も骨太で、見ごたえがあります。本庁と所轄の対立構図は『下町ロケット』をほうふつとさせますが、きっと同じように爽快なラストが待っているだろうと期待が持てます。
香川照之の濃い演技は飽食ぎみですが、腹黒で野心家の上司を演じさせたら彼の右に出る者はいないでしょう。桂文枝も千利休の記憶を思い出す悪役ぶりで、敵と味方がはっきりしている構造がドラマに入り込みやすくさせてくれます。
『平清盛』の頃は男前ぶりと反比例する演技力にガッカリ感があった岡田将生ですが、今回はハセヒロと安田顕の実力者ふたりにひっぱられて、質を損なわない演技を見せてくれています。しかし、なぜに「山田」? いや、山田哲人みたいなイケメンもいるんだけど…。「香坂」に較べるとどうも地味感がありまして。
あと、芳根京子ちゃんの存在価値が今ひとつわからないので、今後の活躍を期待します。

『おんな城主 直虎』
知識と期待値はほぼゼロの状態で視聴し始めたこともありますが、今のところまずまず面白い大河ドラマです。
直虎が領主となって場を締めるベテランがほとんどいなくなったこともあり、若手俳優陣ばかりの場面が多いことと、オリジナルストーリーのご都合主義的な軽さはやや目立つものの、脚本家の意図が現場にしっかりと伝わっているのか、スピード感は失われていません。戦国時代と言いながら戦場面がほとんどないため、お家と人間関係を整理しながら観なければいけないのが衰えた頭にはつらいですが…。
とわ&鶴&亀の幼なじみ同盟が解消され、次なる三人組は直虎&六左&之の字の主従トリオ。まるで気まぐれなペルシャ猫のうしろに控える気の弱い大型犬とキャンキャンうるさい小型犬といった雰囲気ですが、安易にイケメンがキャスティングされなくて逆に良かったと思います。直虎にすっかり毛嫌いされた小野政次が時折見せる苦悩の表情に身もだえする奥様方の情が移ってしまいますから…。
それにしても今川と井伊の板ばさみとなっている政次の立場は切ない。今後の情勢を考えれば、あまりしあわせな展開にはなりそうもありません。唯一の理解者であるなつとのシーンがわずかばかりの救いとなっています。
ムロツヨシが家臣となり、柳楽優弥も登場して、ますます盛り上がりそうな今後に期待します。




なぜか近鉄大阪上本町店で始まったこうの史代の原画展。
初日にさっそく、行ってきました。

この日はサイン会も行われるということでしたが、チケットは朝10時から先着順ということで、あきらめました。

会場階に着くと、普段は閑散としているフロアに長蛇の列。どうやらサイン会に並んでいる人たちのようです。その先にはこうの先生が。あー、うらやましいなあ…。

人だかりをかきわけて場内へ。

「デビュー作から『この世界の片隅に』そして話題の作品たち」というサブタイトルのとおり、『街角花だより』から最新作までほぼ全作品がズラリと並んでいました。

最初に展示されていたのは『夕凪の街 桜の国』。数ページながら胸がしめつけられます。
『ぼおるぺん古事記』は本当にボールペンなのだなあとしみじみ鑑賞。『日の鳥』のカラー表紙のスケール感は迫力でした。『荒神』挿絵の美しさは実家に新聞を取っておいてもらえばよかったと後悔。『ギガタウン』ははじめて見ましたが、こうの先生らしいユーモアセンスに思わずクスリ。
そして『この世界の片隅に』では、紅筆で描かれたというリンの過去の原画がありました。本当に紅色で感動。すずのメモを意味する鉛筆書きの部分、「左手で書いた世界」も、その筆致を見るだけで改めて作品の質の高さを感じました。

下書きの線の残る原稿からは、作品を作り上げていく過程を垣間見ることができた気がしました。一本の線から命が、世界が生まれていく。まるですずさんが描いたいくつもの日常のよう。世界は単純で平凡のようでいて、実はいろんな奇跡にあふれている。シンプルな絵柄の奥にこそ、無限の世界は広がっている。
改めて、こうの先生の凄みを感じました。



それにしても、なぜ阿倍野や梅田でなく上本町だったのか…人が少なくて良かったけれど。



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