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いかに寝て起くる朝に言ふことぞ昨日をこぞと今日をことしと(小大君)
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東京では日時指定入場制が敷かれるほど混雑していたという『フェルメール展』。
大阪でも終盤には混みあうだろうと思い、早めに鑑賞することにしました。

平日の昼間だったのですが、さすがにガラガラというわけではありませんでした。
しかし北斎展を思えば、余裕余裕…。

展示は、フェルメールと同時代の画家の作品から始まり、最後にフェルメールが登場します。

日本初公開ともあって目玉になっていた『取り持ち女』。
女に金を渡しその胸をまさぐる男。その隣でいやらしい笑みを浮かべる遣り手婆。娼婦の服がとりわけあかるい黄色である以上に、とりわけ目立っていたのは男の指に挟まれた銀貨でした。
たまたま鑑賞した立ち位置からは、いちばん左端の男の顔が陰になっていてよく見えませんでした。場所を変えてようやく現れたその表情に、ドキリとさせられました。眼前でくり広げられる醜悪な欲望のやりとりを揶揄するような、あるいはみずからもその一員であることを自覚しているような。
そのあとに展示されている作品群の、きらめく恋の一瞬とはまるで異なっています。

電話やメールで簡単につながれるようになってしまった現在は、愛しい人のことを想いながら文字をしたためることもなくなってしまいました。便箋の向こうに相手の顔を思い浮かべる時、その表情はきっと幸福に満たされ、世界は優しい。『手紙を書く女』も『手紙を書く婦人と召使い』も、絵画の中に差し込む光は柔らかく、主人公を包み込んでいます。
まるで心通う主従のやりとりを覗き見してしまったような『恋文』。メイドに本心を見抜かれた女主人の動悸さえ聞こえてきそうです。

グッズ売り場では、フェルメール作品のクリアファイルやマグネットが販売されていたのですが…。
本家『真珠の耳飾りの少女』の隣に、バッタもんが並んでいました。なにやら見憶えがあります。それもそのはず、『コンフィデンスマンJP』でダー子が描いたあの贋作!
コラボしていたのですね。思わず手に取ってしまいました。買わなかったけど…。



美術館を出て、あべのハルカスでお買い物&お昼ごはん。



パスタはペペロンチーノ。おいしかったです。とってもおいしかったのですが…にんにくがゴロンゴロン入っていたので、「明日やべー」と青ざめました。
そしてセットのバゲット。その名も「バケッ塔」、なんと30センチの焼きたてフランスパン。味が12種類もあります。なにかめずらしい味にしたくて、オマール海老バターをチョイスしました。濃厚でおいしい!
でも苦しい…。

そしてデザートもついてきます。



がんばって完食したけどね!

ちょうど、東北フェアをやっていたのですが、お腹がいっぱいすぎて購買意欲がわきませんでした。無駄遣い防止にはちょうどよかったかも。



お団子だけ買って帰りました。
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●ホビット 決戦のゆくえ:★★☆☆☆

決戦のゆくえは、また大鷹が敵を全員倒して終わったようです。大鷹は完全無敵のヒーローですね。こいつが一番すごいです。トーリンが改心したいきさつとか、財宝の分配や統治はどうなるかとか、アーケン石は何だったんだとか、色々と釈然としない終わり方でした。このシリーズは結局良かったのは1作目だけで、後はイマイチでしたね。

●いぬやしき:★★★☆☆
 
何の感動もないし得るものもないですが、娯楽作としてそれなりには面白いです。犬屋敷の家族の描き方が10年前のホームドラマを見ているようでしょうもなかったですが、獅子神のストーリーは面白かったです。僕も貧乏育ちなので、金持ちの家族は見るだけでイライラしますし、獅子神には感情移入できました。ラストはすっきりしませんが、続編を狙っているんですかね。

●ミスター・ノーバディ:★☆☆☆☆
 
この映画の主人公は人生を巻き戻したり違う選択肢を選んだりしてますが、結局はいつも惚れた腫れたばっかりなんですよ。こいつの人生で恋愛以外に価値あるものはないのでしょうか。結局アンナが好きだったんだろとしか言いようがないです。前田有一とかいう映画批評家がベタ褒めしている記事をネットでたまたま見つけたので観ましたが、もうこいつは信用しません。

・クワイエット・プレイス:★★★☆☆
 
ツッコミどころはきりがないです。ラストも人類をほぼ滅亡させた宇宙人をおばはんが普通に倒したりとかむちゃくちゃです。ただ、面白かったです。「ミスター・ノーバディ」みたいな深い意味を匂わせてつまらない映画より、こっちの方がよっぽどいいです。ただ、死ぬ前の父親は、どうせ開き直って声出すならウォーとかじゃなく、感動的なセリフを言ってほしかったですね。

・あの頃ペニー・レインと:★★★★★
 
この映画はいい映画ですよ。ただ、僕が童貞で衝動しかなかった10代の頃に観たかったなあと悔しいですね。主人公はペニー・レインが好きなんですが、恋愛映画ではありません。成就してませんし。美しい青春の思い出かといわれれば、トラブルがむしろ目立つしそんなに美しくもないです。しかし何ともいえない切ない余韻があります。青春ってこんなものだと思いますね。

●グエムルー漢江の怪物ー:★★☆☆☆
 
兄弟3人が目的は一緒なのに最後まで全く仲良くないしお互いを信用していないところや、主人公の娘が結局死ぬところはハリウッド映画とは違いますが、面白かったわけではなく、こういう映画はハリウッド作品の方が面白いですね。韓国の政府や警察の現状、大学生の就職事情、米韓の関係性あたりも風刺しているんでしょうが、知識も興味もないので何も思いませんでした。

●ピエロがお前を嘲笑う:★★☆☆☆
 
ユージュアル・サスペクツにそっくりの、信頼できない語り手の話でストーリーが進む映画ですね。そしてその話に翻弄されて騙されるのが警察官ですね。本当に一緒ですね。面白さは100分の1ぐらいですが。ジャケットに「トリックは100%見破れない」とありますが、別に見破るためだけに映画を観てないですし、特に驚くほどのトリックでもなかったです。


●未来のミライ:★☆☆☆☆
 
まず、明らかに世帯所得が平均以上で、全員健康で、介護すべき親もいないモデルファミリーの、両親の子育ての悩みや長男のワガママぶりを見るだけでも不愉快です。長男が家族の過去の世界に行ったり、成長した妹がこっちの世界に来たりして、長男が精神的に成長するストーリー自体も、それぞれのエピソードに繋がりや必然性が感じられず、何が面白いのかわかりません。

●嫌われ松子の一生:★★★★☆

この映画の中島哲也監督がセンスがあるのは「下妻物語」など他の映画でわかっていますし、今回も、ひたすら悲惨な主人公の人生を、パワフルな映像と音楽でテンポ良くコミカルに描くという試み自体は成功しています。ただ、何か心に残ったかと言われればそうでもないし、観ている間は楽しめる完成度の高い娯楽映画というだけですね。ラストもちょっとしつこいですね。

●ジグソウ:ソウ・レガシー:★★☆☆☆
 
単品で評価すると凡作ですが、ソウシリーズは7作全て観ているので、おふくろの味のような安心感があります。ジグソウが実は生きていた!みたいな描写も、また時間軸ずらしか!2でやっただろ!と思いながら、ジグソウが出てきただけで嬉しいです。ラストで明らかになる犯人も、普通の復讐か!ジグソウの美学は?と思いながら、続編を匂わせた終わり方で嬉しいです。

●オーロラの彼方へ:★★★☆☆
 
伏線の張り方も上手いし、ストーリーはきれいにまとまっていますし、完成度の高い映画です。ただ、善人悪人がはっきりしているところと、ラストのモデルファミリー万歳みたいなところが好みではないですね。万人受けはするんでしょうが。中盤からのサスペンス要素も、どうせこういう映画は善人側はみんな助かるだろうなと思って観てますから、スリルを味わえませんし。

●ダウト~あるカトリック学校で~:★★★★☆
 
地味な映画ですね。悪くはないんですが。「ザ・マスター」のように、主演2人の演技合戦を観るための映画ですかね。「常識的にマイナスの行為も人によってはプラスであることもある。」とか、「正しいことをするために悪いことをしてしまうことは本当に正しいのか?」とか、「そもそも正義とは何か」?とか地味ながらも色々考えさせてくれる映画ですね。



主人公は警察官、30年前とつながった無線機、話す相手と協力して過去の事件を解決、目の前で変わる歴史…。
どこかで見たような…。
ドラマ『シグナル』です。それもそのはず、この映画のドラマ版のタイトルは『シグナル』。ドラマ版のストーリーは知りませんが、坂口健太郎主演のドラマとはラストの余韻がまるで異なっています。
オーロラの出現した夜に起きた奇跡。最初の消防隊のシーンから迫力満点で、たたみかけるような展開と、最後まで二転三転する「歴史」は惹きつけられました。
ドラマ『シグナル』では赤の他人のつながりでしたが、父と息子が協力して事件を解決するというのもアメリカ映画的で良い。息子を全力で守る父、父の背中を押す息子、絵になります。
「ヤフー」をめぐるひと幕もオチがきいていて、心があたたかくなりました。
たぶん、映画を観る喜びとは、こういう余韻を味わうものなのだなあと感じる佳作でした。









グラミー賞歌手のノラ・ジョーンズをはじめ、ジュード・ロウ、ナタリー・ポートマン、レイチェル・ワイズという錚々たる俳優陣をそろえたウォン・カーウァイ監督作品。なんともオサレなポスターからオサレ系ラブストーリーを想像していましたが、ちょっと味わいが違っていました。
『恋する惑星』はたぶん観ていないと思うのですが、カラフルで奥行きのある映像は既視感があります。香港のネオン街のようです。
ひとつの恋を終わらせるため、旅に出たエリザベス。港でけなげに待つ女、という演歌のような価値観はもう古い。この作品で待つのは男。返信先のない手紙を受け取って、なおいっそう想いを募らせるばかり。
いっぽうNYから遠く離れたエリザベスは、旅先でさまざまな出逢いと経験を経て古い鍵を捨てる強さを手に入れていきます。
破れた恋は、ただ、相手に選ばれなかっただけ。
売れ残ったブルーベリーパイのように。
恋なんて一方通行なもの。中の意思はおかまいなしに、鍵があればいつでも外から開けられる。ただ、中にいる者がいつまでも開けられることを待っているとは限らない。そして知らないうちに、開かなくなっていることだってある。鍵の持ち主は、鍵が変わっていやしないか、びくびくしながら鍵穴に差し込むようになる。そしてそのうち、差し込む勇気さえ持てなくなってしまう。
でも、鍵は捨てられない。
恋なんていつだって一方通行で、自分勝手で、それなのに臆病で、厄介。
それでも人は恋することをやめられない。あの味を知ってしまったら。ブルーベリーパイの上でとろりとろけるアイスのように甘くて、ブルーベリーのように酸っぱくて、魅了されてやみつきになる。
食べる人のいないブルーベリーパイとともにエリザベスの帰りを待ち続けるジェレミー。彼もまた、捨てられない鍵を持っていました。そしてその鍵を捨てる勇気をくれたのはエリザベス。カフェ・クルーチの鍵を持たないエリザベスのために、いつも鍵を開けて待っていました。
一方通行だった恋が、交わる時。それはとてつもなく甘美で、色鮮やかで、美しい。
これは、なんでもない話。それぞれの恋が終わり、新しい恋が始まる、そんなありふれた話。
恋は太古からくり返されてきた人のいとなみ。
今もどこかで誰かが甘酸っぱくて美味しいブルーベリーパイを味わっている。
なんでもない日常のありふれた光景。
それでも恋は、美しい。
きっと恋に色をつけたら、こんなグラデーションになるのかもしれない。そんな映像と甘さにひたる、90分でした。











朝ドラより先行して企画された作品ながら、公開がドラマより後になったことであまり評価は芳しくありません。
時間をかけて丁寧に説明を入れながら水木しげるの成功譚を描いたドラマに対し、この作品は見知らぬ男に嫁ぎ見知らぬ土地で暮らしとんでもない貧乏ととんでもない夫に振り回される妻の心模様の変化を紡いでいます。同じ原作を使いながらアプローチの手法は異なるのですが、結果的に比較されることになってしまったのはもったいない気がします。
水木しげる役の宮藤官九郎は、清潔感皆無の売れない漫画家をリアルに演じています。そういえばもともと俳優でした。実際クリエイターなんて変わり者でプライド高くて扱いにくいものであろうし、嫁をもらうことなんて背中を流してくれたりごはんを出してくれる助っ人くらいの感覚だったのかもしれませんし、布枝さんから見た水木先生も当初はこんな感じだったのでしょう。
思いやりのない夫、お金のない生活、プレッシャーをかけてくる姑、たまったツケ払いの追い立て、薄暗い部屋で絶望していく布枝。それでもある日仕事場で目にした原画によって、夫への見方が変わります。
それは戦地に重なる無数の死体。傷ついた兵士の顔からぽろっと取れた眼球。水木先生独特のとぼけたタッチではあるものの、その衝撃的な絵は布枝の心に肯定的な革命を起こしたのでした。
それからは夫の仕事を手伝うようになったり、原稿を届けに行ったり、プチ家出して迎えに来てもらったり、貧しくとも子を産む決意を宣言したりしながら、夫婦として心を通わせていきます。
そしてようやく、好きな題材を好きなように描ける機会がやってきます。できあがった原稿を届けに出かける茂、見送る布枝。観る者はその後の水木しげるを知っているだけに、ふたりにはいつもと同じ朝でも、それが転機となる出発であることを感じながら、物語は幕を閉じます。
昭和とは思えない風景であったり、少ないセリフに対する余白の多い映像であったり、水木しげるや妖怪を知らなければ楽しめなかったりするところはありましたが、想像とは異なりいかにも映画らしい映画でした。新婚の布枝のまわりに現れては徘徊して追い詰めていくイカル(姑)の幻影は不気味でしたし、人間なのか妖怪なのかよくわからない二階の住人(ドラマでも中森さんは妖怪風でしたが)、本当の妖怪に加えて一宿一飯のもてなしを与えた安井や街ですれ違う親子まで妖怪風である描写など、非常に面白い演出でした。
ただ水木しげるの今後の姿をクドカンがどのように演じるのか、売れてからの姿も見てみたかったですし、布枝の心理描写も展開の速さからやや薄く感じました。やはりふたりの長い道のりは、ドラマでじっくり描くほうが合っていたのかもしれません。






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