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続・風花の庭

朝がほの凋まぬほどに降り晴れて雨より後の秋のあつさは(上田秋成)

猫の日の夜。

  posted by さや at 14:59:27 │EDIT
夜中、なにやら重くて目を覚ますと、
お互い背を向けて眠る私とツレの間に、ミーコが寝そべっていました。

冬の一時期、寝る前にベッドで本を読んでいるとなぜかいつもやってきて、
枕元に座り込んで「入れて」とアピール。
仕方なくふとんを持ち上げると、のそのそもぐって腕を枕におさまります。
何しろ8キロの巨体ですから、痺れてくるのも時間の問題。
腕を抜いて反対を向くと、しばらくは背中によりかかっているのですが、そのうちあきらめて出ていきました。なぜかそれが冬の彼のルーティンでした。

その時と同じ、重みでした。
背中にずっしり感じるのはミーコの重みでした。

ああ、帰ってきたんだな。

目を覚ますと、実家でした。父と母と食卓を囲んでいると、ミーコがやってきて鳴きました。
「どしたの、またトイレしてきたの」
神経質なミーコは、トイレが終わると「掃除して」と訴えに来るのです。
そのおしりには、忘れ物がありました。
「お母さん、またミーコがぶらさげて帰ってきてる!」
「あーあーもう、仕方ないねえ」と、ティッシュでお尻を拭かれるミーコ。

粗相をするようになってから旅立ちまで、一、二年のことでした。

せっかく戻ってきてくれたのに。

またくり返すのかな。

老いて弱って細っていくミーコを、また見なきゃいけないのかな。

またあんな辛い思いをしなくちゃいけないのかな。


・・・


目覚めると夜明け前でした。
2月23日午前5時。

寄りかかってくる感触は、まだはっきりと背中に残っていました。

そういえば、昨日は猫の日だった。
だから帰ってきてくれたのかな。
写真をもらってからしばらく思い出にふけっていたから、気まぐれに寄ってみたのかな。

どうしていつまでもこんなに悲しいのだろう。
どうしたら涙を流すことなく思い出せるのだろう。

どうしたらまた会えるのだろう。





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日本を味わう@CAFE大阪茶会

  posted by さや at 14:11:23 │EDIT
場所は天神橋筋商店街、大阪天満宮のすぐそばにある日本茶カフェ。

「市中の山居」のコンセプトのとおり、うつわと日本茶の組み合わせは、心を安らかにしてくれます。

まず席に案内されて、そのあとカウンターに戻って注文という方式。

もらったメニューはなぜかアマイモノオンリー…。
お茶は?? と思いつつ、はじめてのお店で勝手がわからないので、ひさびさのカフェ訪問もあってとりあえずゼイタクに。



さすがのボリューム!

苦すぎず甘すぎない絶妙なグリーンソフト。
JALのファーストクラスで提供されているというお茶大福。
そしてもっちりパンナコッタ! しかも黒豆入り!

ゆっくりと味わう至福の時間。

満たされたあとはやはり飲みたい、あったかいお茶…。

ちょうどティータイムとあってお客さんが増えてきましたが、注文がひととおり済んだところをみはからってふたたびカウンターへ。

お茶を、というとメニューを出してくれました。
茶葉は滋賀県の朝宮茶、丹波茶、和歌山茶、鹿児島茶から選べます。聞きなれなかったので朝宮茶をチョイス。
しかもいただくうつわは、展示されてある中から自分で選ぶスタイル。なんとも風雅。迷ってしまいます。

注文を受けてから挽いて粉茶にしてくれるので、しばし時間がかかります。

ようやく到着。

 

お皿のお豆の食べ方がよくわからない…。けれど、ほんのり甘くて、お茶の苦みを和らげてくれます。

じんわりと身体に沁みる香り。
これぞ、ニッポニア・ニッポンの誇れる歴史の味です。

こういうカフェが近所にあれば良いのにな。


たからもの

  posted by さや at 14:54:50 │EDIT


新たに実家からもらった猫の写真。

ぶっさいくやな~…。

日付は2000年ですから、ふたりが13~4歳の頃でしょうか。
例によって、写ルンですのフィルムが余っていたのでしょう。
しかも、思いっきりフラッシュたいて撮ってしまっています。
あの頃は今のようにいろいろな情報を得るすべがなくて、猫たちに対してかなり雑な扱いをしていました。
よく長生きしてくれたものだと、今になって思います。

こたつに足を入れるたび、ゴロンと真ん中を占領していたふたりを思い出します。
なぜこっちが気を遣わにゃならんのか…とボヤきつつ、足を縮めていました。
また、疲れて帰宅してベッドに倒れこむと、下から「うぎゃっ」とうめき声。
どうやって寝具を乱さずにおさまるのか、かけ布団と毛布の間でふたり猫だんごになっているのでした。

もう10年以上前のはなし。
冬になると、いくつもの記憶が昨日のことのようにあざやかによみがえってきます。


今日までのキャンプ

  posted by さや at 13:04:45 │EDIT
2/1 キャンプスタート!

さあ、ついに2017年シーズンが始まりました!
今年こそ、今年こそ―! の思いで、みんな目の色変えてレギュラー競争に挑んでくるはず!

…のはずが。
早くも、一軍から降格第一号が…。

そのべー…。
ニュースの写真を見て、あまりのぽっちゃり感にガクゼンとなりました。昨年終盤にチャンスをもらってヒーローインタビューまで受けて、今年の期待度は相当高まっていたというのに、このふがいなさ。いきなり信頼を失って、ここから這い上がるのは至難の業です。身体以上にその心を鍛え直してほしいものですが。胃腸炎で待機の奥浪といい、ちょっと危機感が足りないようですね。


2/3 大谷、WBC代表外れる

どうしてWBCをめぐっては、こうもゴタゴタがなくならないのでしょう?
前回は出る出ないでもめて、今回は出す出さないでもめて…。
代表チームを常設し、来る本番に備えてきたにもかかわらず、結局各球団の消極的な姿勢は変わらなかった、むしろ、さまざまな要因から消極的にならざるをえなかったということなのでしょうか…。
この問題は、各方面のコメント内容が異なったことであらぬ憶測を招き、大谷と栗山監督が早々に謝罪会見を開いたことでなんとか収まりましたが、今後の動静によっては波紋を呼ぶことになりそうです。
報道されている限りにおいては、日ハム球団側の姿勢に疑問を感じます。投手起用が不可能な事実が公になっていなかったことは連絡の行き違いであったとしても、野手としての出場についてはなぜか明言を避け、小久保監督に全権を委ねました。「出場させない」以外の選択肢はないのですから、みずからはっきりと「辞退」の意思を示し責を果たすべきではなかったかと思います。また、シーズンとWBCを天秤にかければ前者がより重要なのは明白なことであり、やむを得ない辞退であったにもかかわらず、本来であれば必要のない「謝罪」をしなければならなかった大谷には、代表の顔としてスポンサーがらみの事情含め大きな責任感を背負わされていたことをあらためて感じ、WBCの存在意義にも疑問を抱かざるを得ませんでした。
チーム編成から投手起用までいちから練り直さなくてはならなくなった小久保監督はひとり割を食ってしまった感がありますが、開幕までもうわずか。開き直って大会に臨んでほしいですね。
たとえ大谷がいなかろうと、いろいろのゴタゴタがあろうと、始まったら始まったで盛り上がるものです。
代役・武田含め、誰ひとり怪我することなく、大会を楽しんでほしいと思います。



「普通」であることの美しさ

  posted by さや at 12:00:00 │EDIT


やっと…やっと…。
奈良で公開されました…。

待ちわびたこの日までに、さまざまな映画賞を総ナメし、キネマ旬報ベスト・テンでも第1位を獲得。いろんなメディアで取り上げられました。もちろんクローズアップ現代も視聴済。
この素晴らしい作品が多くの人に知ってもらえて、ファンとしては喜びでいっぱいです。

席についてハンカチ握りしめ、準備は万端。

コトリンゴの澄んだボーカルのオープニングだけで、もう涙があふれそうです。

スクリーンの中で動いておしゃべりするすずさん。
予告編を見た時に、のん(能年玲奈)の声に正直、違和感を抱いていました。
のんのふわふわしたキャラクターはすずのイメージにぴったりで(ドラマ版の北川景子も好演でしたが、原作に忠実なドラマとはいかなかったので)、すず役決定と聞いた時はうれしかったものです。しかし生身での演技とアニメの声をあてることはまるで異なります。俳優が声優を兼ねることはめずらしくなくなりましたが、演技が上手な人でもアテレコが不自然なことは多々あります。逆に意外な才能を見せることもありますが(『ハウルの動く城』の木村拓哉はその典型)。
予告編でののんの台詞回しはややぎこちなく、そして声が特徴的なこともあり、聞いているだけだとどうしてものんの顔をイメージしてしまって、数分間の映像とはいえ作品との一体化を感じることができず、不安になってしまいました。
しかし公開後は、のんに対して絶賛の評しか聞こえてきませんでした。イロイロあってメディア露出が控えめになっていたのんですが、そんな大人の事情をも吹き飛ばすほどの賛辞の嵐でした。
そうなのか…実際に映画館で見たら印象変わるのかな…。

すぐに変わりました。
少女時代から成長後まで通して演じたのんですが、いつの間にか作品世界に溶け込んでいました。そこにいたのはすずさんでした。紙媒体で何度も、何度もボロボロになるまで読み返し、私の心の中で息づいていたすずさんでした。8年を経て、今、私の目の前で動いているのは、のんによって命を吹き込まれたすずさんでした。
こういうことなのか…。観終わった後に嘆息しました。やはりのんは稀有な才能の持ち主です。台本の文字から、きらめく命を生み出したのです。

すずさんは、生きていた。

「普通」の日々を生きていた。

普通に見知らぬ町へ嫁ぎ、普通に新しい家族と心を通わせ、普通に生活の知恵をめぐらし、普通に笑って、普通に怒って、普通に失敗して、普通に立ち直って。大事な人を失い、傷つきもしたけれど、また普通に生きていく。
普段は見向きもしないたんぽぽの綿毛のように、あたりまえにある日常。
それが突然戦争であったり、天災であったり、事件であったり、事故であったり、自分ではどうにもできない何かに巻き込まれて消えていく。失ってから後悔する。泣いて悔やんで、そしてまた明日を迎える。自分ではどうにもできない何かに抗い、自分の力で起き上がる。それもまた誰しもが歩む普通の人生。

エンディングでいつの間にかボロボロと顔を汚していた涙は、そんな「普通」の美しさ、尊さにあらためて気づかされたからであったのかもしれません。



リンさんのエピソードがごっそり抜かれていたのは少し残念でした。
「この世界に居場所なんてそうそう無うなりゃせんよ」とのセリフが、すずの回想で唐突に出てきましたが、この時のすずとリンとの会話やそれまでに至るエピソードはこの話の根幹を担っている(周作との過去を絡めなかったとしても)と感じていたので、初見の観客には少しわかりづらかったのではないでしょうか(実際、一緒に見たツレはわかっていなかった)。

こうの作品が高く評価されて、うれしい限りです。これから他作品にも注目が集まって、メディア化が広まっていくかもしれません。二次元での表現方法が突出しているので難しいかもしれませんが、以前『まれ』の感想でも書いた『さんさん録』のドラマ化はぜひ実現を…! 主演は田中泯で(ちょっと参さんの年齢を超えているが)! ビジュアルは違うが三浦友和でもいいよ!







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