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続・風花の庭

朝がほの凋まぬほどに降り晴れて雨より後の秋のあつさは(上田秋成)

15年の思い

  posted by さや at 20:52:16 │EDIT
豪栄道の綱とりが期待された昨年の九州場所でしたが、終盤を待たず黒星を重ね早々に脱落。
優勝したのはしばらく存在感が希薄だった鶴竜でした。14勝1敗、やっと横綱らしい相撲を見せてくれました。
白鵬は上位を相手に土をつけられなんと4敗。日馬富士も満身創痍で12勝。琴奨菊は負け越し、照ノ富士もけがを抱えて勝ち越しがやっと。
振るわぬ上位陣の中、星取だけなら鶴竜に続いたのは稀勢の里。3横綱2大関を破る活躍でした。が、成績は12勝3敗。黒星はすべて平幕相手、ふたつは中日を前にくらったものです。

あいかわらずの稀勢の里。

琴奨菊が日本出身力士として10年ぶりに優勝を飾ったのは、ちょうど一年前のことでした。その時、稀勢の里について「もう語るべくもない」「毎場所のように期待しては早々に裏切られてきた」と書きました。
2016年も「やっぱりな」の連続でした。

2017年。連覇のかかった鶴竜は早々に負けがこんで休場。日馬富士もそれより前に休場。豪栄道も序盤から星を落とし、カド番の琴奨菊は負け越し、強行出場を続ける照ノ富士も踏ん張りきかず勝てません。
優勝争いは、早々に白鵬と稀勢の里のふたりに絞られました。

もう誰もが知っています。アナウンサーも解説者も、口をそろえて言いました。
「稀勢の里に優勝の期待がかかりますが、期待すると稀勢の里は~…」
期待すればするぶんだけ裏切られてきて、もう誰も、「やっぱりな」とは思いたくないのです。

稀勢の里が星ひとつリードしての中日、優勝争いに向けて盛り上がりつつあるところ、相手は平幕の隠岐の海。普段であれば苦にしない相手ですが、プレッシャーのかかる場面ではなぜか大型力士にめっぽう弱い稀勢の里。この日も腰高の怪しい立ち合いでした。しかしここでなんとかかんとか勝てたことで、少し風が吹いてきたかもしれません。その翌日、連敗中で陥落寸前の琴奨菊にガブられた際は「やっぱり…」と言いかけましたが、その直後白鵬が稀勢の里の弟弟子である高安に土をつけられたことで、その語尾は吹き消されました。
さらに上位陣は軒並み休場&不調の嵐。疲れの出る終盤13日目に、豪栄道が休場して不戦勝という追い風はさらに強くなりました。

勝負の14日目。
「白鵬が貴ノ岩に負けるはずないから、稀勢の里は逸ノ城に勝つことは絶対条件として、千秋楽の結びで白鵬に勝って文句なしの優勝といきたいところだな。本割で負けて決定戦で勝っても締まらないからなあ」
モンスターぶりを取り戻してきた逸ノ城とはいえ普段なら苦にしませんが、トラウマの平幕大型力士。ドキドキしながら時間を待ちました。
逸ノ城が立ち合い、手をつきかけました。微動だにしない稀勢の里。逸ノ城は立ち合いでぶつかれず、この時点で勝負ありました。
勝負は千秋楽か――。と、気の抜けた状態で結びの一番を眺めていたのですが。

白鵬が寄り切られた瞬間、稀勢の里の優勝決定の喜びよりも、驚きとともに悲しみが湧いてきました。

あんなに勝ちまくって、憎らしいほど強くて、史上最強横綱として土俵に君臨していた白鵬が、初顔合わせの相手に敗れる、しかも一場所に二番も――。

こんな白鵬の姿を見ることになるなんて。

いつまでも強くあり続けることなんてできるわけがない。それでも、白鵬にはまだまだ横綱でいてほしい。下からの突き上げを受け止めてはね返す壁であってほしい。みずからの衰えを受け止めて、それをさらに凄みある強さに変える。大横綱・白鵬ならばきっとできるはず。

さて稀勢の里。
優勝の瞬間は支度部屋、というのもまた、稀勢の里らしいというかなんというか。
報道陣に背を向けて、ふーっとひと息。ようやく振り返ったと思えばボソボソと言葉少なのインタビュー。いつもの稀勢の里かと思いきや目元は赤く、最後にはつーっとひと筋、頬を伝うものが光りました。積年の思いが詰まった涙でした。
入門から15年。どれだけ苦しかったろう。大きな期待を背負って入幕し、年を追うごとに期待値は高まるも、歓声がため息に変わる瞬間を何度も背中で受け止め、あとわずかのところで優勝を逃すこと数度。賜杯のいちばん近くまでたどりついておきながら、次々日本人大関に先を越された2015年。悔しさをその体に押し込めながら相撲道に邁進するしかなかった日々。
ひと筋の涙に込められた15年の思いは、美しい輝きに昇華しました。

全相撲ファンが待ちわびた結果で終えた初場所。
稀勢の里の横綱昇進は、ほぼ決まりのようです。

琴奨菊が陥落し、高安や御嶽海ら若手が躍進し、大きく様相を変える春場所の番付表。
大阪の土俵で咲き誇るのはどの力士か。あるいは、荒れる春場所の言い回しのように、思いもよらぬ千秋楽が待っているのか。

2017年も予想のつかぬ大相撲であってほしいものです。



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ドラマ寸評(2017年第1期②)

  posted by さや at 15:35:07 │EDIT
『カルテット』
『逃げ恥』の後枠ですが、前作とはずいぶん趣の異なるサスペンス。
初回は、坂元裕二らしいかみあわない会話と理屈っぽいセリフの応酬。これ、いつも気になるのですが、なぜ初回でやるのでしょうかね。松たか子の小さすぎる声も最初だけでしたし。わざわざ不快感を催させるのは視聴者の振り落としなのでしょうか。それさえしのげば、あとはジェットコースターのように面白い展開が待っているのもいつものことですが。
夫が失踪中の真紀。真紀の夫の母からひそかに真紀の調査を依頼されているすずめ。何やらうさんくさい男に付け狙われている家森。著名な音楽家の家系である司。カラオケボックスで「偶然」出逢ったカルテット。それぞれの抱える秘密、思惑が軽井沢の別荘に響く美しい音色の下で交錯します。
恋愛模様も描かれるようですが、ひと筋縄でいかないのが坂元裕二作品。謎だらけで先が見えないストーリーももちろんですが、椎名林檎の楽曲に女優陣の色っぽい歌声が絡むエンディングまで目が離せません。

『東京タラレバ娘』
キャスティングには魅力を感じなかったのですが、原作の1巻が無料だったので試し読みしたら案外面白かったので、視聴してみました。随所に漫画そのままの表現がされていて、気楽に楽しめる作品です。
テーマとしてはありきたりなので、どんな目新しいオチが用意されているのかも気になるところ。

『スーパーサラリーマン左江内氏』
これまたお気楽に見られる作品。藤子・F・不二雄の原作漫画は読んだことがありませんが、パーマンかエスパー魔美の中年版といったところでしょうか。深夜でなくどちらかといえば若者向けの土9枠なのには驚きましたが。
堤真一が大真面目にスーパーマンのコスプレをしていることに始まり、キャスティング全員が振り切った演技をしています。ムロツヨシや佐藤二朗はお手のものであるとしても、白目を剥く賀来賢人は意外なコメディアン適性が見えました。
鬼嫁でダラ嫁のキョンキョンは一見救いようがないようでいて、夫を悪く言われると少しふてくされるかわいいところがあります。しかしスーパーサラリーマンであることは秘密。父への敬意のかけらもない娘と息子も、さえない姿しか知りません。職場でも家庭でも哀愁漂う左江内氏、はからずして負ってしまった大きな責任から逃れることはできるのか…。

ドラマ寸評(2017年第1期①)

  posted by さや at 13:00:00 │EDIT
『おんな城主 直虎』

題材からして期待値は低く、良作となるか否かは『ごちそうさん』や『天皇の料理番』の脚本を手がけた森下佳子の手腕にかかっていると想像していましたが、二話まで見た限り、やはり今後の評価は脚本次第であると感じました。

放送前に「実は男性だった」ことを示す資料が発見されたと報道された井伊直虎。謎の多い人物だけに、いわゆる史実と創作をミックスできる自由度は高いですが、一歩間違えると歴史の冒涜と評されても仕方ない駄作になってしまいます(どの作品とは言いませんが)。まだ勢力弱く、戦国の傍観者でいるだけの井伊家ですが、今後歴史の中心に近づくにあたって、どのようなアレンジを加えてくるのか、期待と不安半々で待ち受けたいと思います。

子役時代が一か月続くようですが、とわ・鶴・亀の幼なじみトリオはまるで少女漫画に出てくるような関係性です。『ごちそうさん』の序盤も少女漫画チックでしたが。この子役たち、実に子役らしくて魅力的。とくに鶴・亀は高橋一生と三浦春馬にそっくりで、よく見つけてきたなと思うほど。とわは柴咲コウよりも、オファーされていた(と父親が暴露したらしい)杏に似ているような…。

初回、成長後の主役をチラリと見せてから、幼少期に変わるのは大河ドラマのお約束ですが、冒頭に登場した直虎は少し軽さがありました。さすがに『信長協奏曲』の帰蝶のような演技にはならないと思いたいのですが…。『軍師官兵衛』の岡田くんも、初回の冒頭と実際のシーンではまったく雰囲気が違っていましたし…。『篤姫』の宮崎あおいもぐんぐん貫禄が出てきたので、柴咲コウもそんな成長曲線を見せてほしいですね。



『お母さん、娘をやめていいですか?』

親子というより友達のような仲良し母娘。過干渉と依存でつながるふたりの関係性に、ひとりの男性が現れたことで変化が生じる…というお話。

セーラー服のスケバンだった斉藤由貴も、すっかり母親役が板につきました。それでも、ふんわりワンピースや避暑地のセレブと思わせるお帽子が似合うかわいらしさ。しかしこのドラマでは、そのかわいらしさが逆に怖さを醸し出しています。

母・顕子は無邪気に娘・美月を愛する。娘に似合うと思う服を与え、教師である娘に頼られればアドバイスを送り、果ては新居を世話した住宅メーカーの男性と交際するよう勧める。自分の行いはすべて娘のため。そしてそれを正しいと信じ疑わない。

あなたのため。そんな言葉に縛られてきた美月。松島に指摘されてようやくそのいびつさに気づいた美月は、はじめて母へ反発する。娘が自分から離れようとしていることに、顕子はみずから我が婿に最適と認めた松島の存在がその原因と知るや、愛しているはずの娘を貶めて手を引かせようとする。

顕子が愛しているのは、美月なのか。それとも、美月を愛している自分なのか。

美月を思いどおりの娘に仕立て上げることは、愛ゆえなのか。それとも顕子が趣味にしている人形作りと同じ行為なのか。

美月は人形から人間に戻ることができるのか。パンドラの箱を開けた松島は、ふたりにとってどのような存在になっていくのか。リストラ対象であることを家族に隠している父親は、崩れはじめた家族の構造を立て直すことができるのか。

ゾゾーっとする斉藤由貴の怪演と、今後の展開が気になるドラマです。





今日までのストーブリーグ

  posted by さや at 20:58:14 │EDIT
1/8 まみれてみろい!

「野球まみれ」

…あんまり良い響きではありませんが…ま、まあ、それくらい野球に対して一生懸命、否、一“勝″懸命になれという上からのメッセージですね。

昨年は、このキャッチフレーズ発表会に出席するはずだった安達が、潰瘍性大腸炎による入院療養のため欠席となってしまいました。
奇しくもその一年後である今年、同じ病気で入寮延期となってしまったのが、智弁学園出身で育成5位の中道捕手。
幸いにも病状は安定していて12日には無事入寮、自主トレにも合流できたようで何より。安達もサポートを買って出てくれているようですが、同じ病気の先輩がいるというのは心強いことだろうと思います。個人的に応援しているので、ぜひとも元気にシーズンを過ごし、一日も早く支配下枠を獲得してほしいものです。

1/18 WBC戦士誕生?
「オリックスから誰も選ばれないし、今回のWBCは(も?)気楽に見られるわ~( ゚∀゚)アハハ」
いや、負け惜しみではありません。前回は確かにちょびっと悔しかったけれど(結果的にトレードで来た糸井が出場していたのですが我がチームメンバーという実感がなかったので)、実際に金子や西が代表で試合に出ていると、保護者のような気持ちになってドキドキしてしまい試合に集中できなくなるので、いち野球ファンとして客観的に楽しむためには、その方が良いということに気づいたのです。

…が。

最後の最後で、平野選出だとぉーーーーーー!!!???

正式発表でないのは気になりますが、NPBとは球が違いますしサッカーのようなサプライズ選出が通用しません。内々に通知されたということで間違いないでしょう。
おそらく最後のひと枠で残していたメジャー組との交渉がまとまらなかったのでしょうが、なぜにここで平野??? 12球団で唯一選出のなかったオリックス、中でも昨シーズン結果を残している平野に白羽の矢が立ったのか?
平野は一度たりとも代表に選ばれたことがありません。もちろん強化試合も経験していません。つまりさまざまな投手を悩ませてきた、かのWBC球に触ったことがありません。それを、本番まであと二か月を切ったこの時期にいきなり指名されて、対応できるものなのでしょうか?
いったんは12球団で唯一出場者ナシと報道されて悲しかったですし情けなかったので、うれしいことはうれしいのですが、これはこれで平野のコンディションが心配になりますね…。
ただ選ばれたからには、オリックス代表として矜持を示してきてほしい!
願わくば、日本の勝利の瞬間にマウンドでガッツポーズする平野を見たいと思います。だぶんその瞬間までテレビを正視できないでしょうが…。


「ゆ」 その拾肆

  posted by さや at 12:48:11 │EDIT
北陸二日目は、朝から昨日実行するはずだった氷見観光。

藤子不二雄Aがデザインしたキャラクターが立ち並ぶまんがロードへ。

いきなり喪黒福造がお出迎え。



海にまつわるキャラクターがずらり。
前に立つと自己紹介のアナウンスが流れます。

   
  
 
  

多彩な個性です。

もちろん、彼らもいます。






まんがロードとは言いながら、実は商店街でシャッター街。

 

そのシャッターもこんな感じでアレンジ。

 

ロードの最後にはからくり時計。

 

時間になるとハットリくんたちが現れるそうなのですが、冬季はお休みなのだそうです…残念。

ロード途中には、藤子不二雄Aの生家があります。

 

お寺の子だったのですね。



参拝はできませんが、こんな石像が迎えてくれます。

来た道を戻り、10時までベンチで休憩。





そして、開館したばかりの潮風ギャラリーへ。


 
 

 

小さなギャラリーですが、生原稿からトキワ荘の再現、読書スペースまでもりだくさん。怪物くんとハットリくんと喪黒福造しか知らないAですが、原作は読んだことがありません。
話の途中まで展示されている原稿を読んで、ハットリくんのお金持ちぶりにびっくりしました。
A氏が生まれ故郷である氷見とその風景を大切に思っていることも伝わってきました。



お昼はひみ番屋街へ。
魚市場なので、回転寿司もあればどんぶりもある。しかし魚は昨日堪能したので、口が違うものを欲している…。
で、ひみカレーにしました。


氷見牛が入っています。ちなみに氷見牛ステーキの店ものぞきましたが入口のメニューの値段を見てすごすご退散しました。

おなかいっぱいになった後は、バスで高岡へ。

Aを楽しんだ後はF。
高岡市が故郷である藤子・F・不二雄ふるさとギャラリーへ向かいます。

しかし、ここでもまた問題が。目的地は高岡からJRでひと駅。しかしその電車がこれまた30分以上ありません。天気がよければ歩くつもりでいたのですが、小雨模様のうえ、昨日よりあきらかに気温が低い。お土産屋さんや待合室で時間を潰してふたたびハットリくん列車に乗って越中中川駅へ。

ふるさとギャラリーは高岡市美術館の二階にあります。
どこでもドアのかたちをしている入口をくぐると、映写機で語られる少年時代と高岡市の風景が。なんとこの映写機、F先生の手作り。幼いころからものづくりへの興味があったのですね。
他にも手塚治虫からもらったハガキや、はじめて描いた漫画の原稿など、こちらも(川崎の藤子・F・不二雄ミュージアムに較べれば)こぢんまりしたギャラリーですが、ショートムービーの上映もあって楽しめます。もっとも、時間がなくて見られませんでしたが…。
 


なにせ、滞在時間は一時間。これを過ぎると金沢に戻れなくなってしまいます。

みたびハットリくん列車に乗って高岡に戻り、金沢からサンダーバードで帰阪。

思わぬアクシデントには見舞われましたが、おおかたの計画どおり行くところは行けたので、まあよしとしよう。

おみやげは、潮風ギャラリーで買ったハットリくんの卓上カレンダーと、


ふるさとギャラリーで手に入れたドラえもん手ぬぐい。
 

藤子不二雄をめぐる旅、終了。

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さや
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