花がたみ目ならぶ人のあまたあれば忘られぬらむ数ならぬ身は(読人知らず)
3/8 vsオーストラリア ○
準々決勝進出がかかる、しかも天覧試合という大事な一戦の前、昼間に行われた韓国-台湾戦をなにげなく観ていました。
これがまた興奮を抑えきれない大熱戦!
台湾は負ければ1次ラウンド敗退という崖っぷちでしたが、ホームランで先制すると、投手陣も前夜日本を燃やした韓国打線を序盤ゼロに封じ込めます。5回に追いつかれるもすぐさま勝ち越し。しかし韓国も負けてはいません。直後に2ランを放って逆転。その後は意地と意地のぶつかり合い。8回表、台湾が2ランで勝ち越せば、その裏に韓国が同点タイムリーと、手に汗握る展開となりました。9回では決着つかず、延長へ。
10回表。無死二塁から始まるタイブレーク、二塁ランナーに送られた代走は陳傑憲。初戦で指を骨折し、その後は欠場していました。先頭打者は送りバント。キャプテンはその左手から三塁へヘッドスライディングする気迫を見せ、これがセーフに! そして次打者のスクイズで生還! 客席を埋める台湾ファンから大歓声が上がります。
その裏、韓国も送りバントで一死三塁と同点のチャンスを作ります。しかし次の打者は一ゴロ、バックホームでランナーアウト(呉念庭の好守備)。そして最後もファウルフライに打ち取り、台湾が土俵際で踏みとどまりました!
歓喜の涙を流す台湾チーム、ベンチで動けずにいる韓国の選手たち。激闘の余韻はいつまでも東京ドームを満たし、こちらも何度もハイライトを見返しては胸を熱くさせました。
さて、台湾が勝ったことで日本の準々決勝が決まったわけですが、1位突破にはオーストラリアに勝たねばなりません。
先発は菅野。受けるのは、菅野から評価されていた若月です。初回、ランナーを出しながら無失点に抑えると、その後も持ち味の粘りで得点を許さない菅野。ところが、日本もなんやかんやとチャンスは作るものの、打線がつながりません。鈴木と近藤の打順入れ替えも機能せず。4回には、二死満塁で大谷と絶好機を作るものの、二塁ランナーの牧がなぜか飛び出し牽制アウト。何やら不穏な空気が漂い始めます。天覧試合で固くなっているのか…?
5回から隅田へ継投。三振も奪って好調ぶりがうかがえました。しかしイニングまたぎの6回、二塁ランナーに走られたところで若月が三塁へ送球…が、これが暴投に! ランナー還って先制したのはオーストラリア!
若月のミスにボーゼンのオリファン。その裏、日本同点のチャンスで打順は若月。隅田が続投するためか代打なくそのまま打席に立つも、挽回できませんでした。
早くも試合は終盤。追い詰められつつある7回裏、先頭の大谷が四球を選ぶも、鈴木・近藤と打ち取られ2アウト。
そして打席は吉田正尚!
またの名を神!!
(ああこの異名を書くのも久しぶり;;)
内角のスライダーにバット一閃!
カッコよすぎるバット置き!
日本を、そして若月を救う一打にオリファン号泣。「吉田はもうオリックスの選手と違うで」という隣からのツッコミは右から左。
8回表のマウンドは種市。ロッテでは先発を担う投手がまさかの連投も、完璧なピッチングで相手を圧倒。この大会で種市は一気に名を上げましたね。
その裏、先頭村上が四球を選ぶと代走周東がしっかり盗塁を決め、牧が意地の進塁打で一死三塁。源田にはストレートの四球で、続く若月の代打は佐藤。レフト線へ落とすタイムリー二塁打で大きな2点が入ります。大谷は敬遠されるも鈴木に押し出し。そして近藤の打順ですが、今日もノーヒットの近藤に対して代打森下が送られました。これは井端監督のひとつの決断なのか…。しかしゲッツーで追加点はならず。
3点差で9回、もちろん抑えは大勢です。…が、ホームランで1点差。あれ?
二死となるも、またホームラン。あれ…?
肝が冷やされるも、最後はゴロに打ち取り、なんとか勝利! これで1次ラウンド1位突破が決定しました!
それは喜ばしいのですが、今後に向けて不安が大きくなっているのも事実。.000の近藤がクローズアップされがちですが、岡本も村上も牧も好調とはほど遠く、守備も源田以外は安心感がありません。チェコ戦は控え組の調整試合となるのでしょうが、井端監督にとってもなかなか難しい見きわめを迫られそうですね。
3/9 オーストラリアvs韓国
8日の試合で混沌となったプールCの2位争い。大一番の一戦、勝ち抜くために韓国は勝利はもちろん、5点差以上2失点以内が条件となります。2チームの点差によっては台湾にもチャンスがあるものの、絶対的に有利なのはオーストラリア。
しかし、いざ蓋を開けてみれば、韓国打線が爆発。キム・ヘソンの負傷欠場もなんのその、先制2ランに始まり、3回にも2得点。5回にも1点追加で5-0と突き放し、突破条件をクリアします。
投手陣も、先発緊急降板というアクシデントにもかかわらずゼロに抑えていましたが、5回裏、ホームランで1点返されます。するとすぐさま1点取り返し、再び5点差に。
このままなら韓国勝ち抜け。そうはさせじと、オーストラリアも意地を見せます。8回裏、先頭四球から送りバント。一塁ランナーが転んでしまい万事休すも、韓国側が気づかず一塁をアウトにしたため二塁セーフに。韓国にとっては痛恨のミスでした。続く打者にタイムリーを打たれ、再び4点差にされてしまいます。
追い込まれた韓国。最終回、無得点なら試合に勝っても1次ラウンド敗退が決まってしまいます。
先頭打者が四球を奪うも、ライトフライで1アウト。次は韓国のキャプテンイ・ジョンフ。打球はショート正面ゲッツー…かと思いきや、投手が伸ばしたグラブに当たって方向が変わり、ショート(デール…!)が焦ったのか送球がそれ、実質試合終了のはずが一・三塁の大ピンチに!
一方、韓国にとってはこの大チャンスを逃して良いはずがなく、4番打者がセンターへ飛球を放ち、ランナー還って勝ち越し点が入ります!
次の打者は打つ気なく三振でチェンジ。なぜならもし8点目を取った場合、裏にオーストラリアに1点入って8-3のスコアで終われば、なんと台湾が逆転突破となるからです! 複雑すぎる勝ち抜き条件!
8回からマウンドへ上がっていた韓国のクローザー。一死から四球を与えランナー一塁、次打者の打球はライトへ。一瞬抜けたかと思ったその打球に追いついたのはイ・ジョンフ! スライディングキャッチでツーアウト! なんてイケメン!!
そして最後の打球は内野へ大きく打ち上がり、ファーストがつかんで試合終了!
最後の最後までわからなかった2位争い。マイアミ行の切符を手にしたのは、「5点差以上、2失点以内」という難題をギリギリで解決した韓国でした! マウンドにできた歓喜の輪、その外で嬉し涙にうずくまる選手もいました。一方、オーストラリアベンチも茫然としたまま立ち上がれない様子でした。
喜びと悔しさ、両方の涙に分かれた東京ドーム。応援は圧倒的に韓国側が大きかったものの、敗れたオーストラリアにも大きな拍手が送られました。
点差だけ見れば一方的ながら、1次ラウンド突破条件からすると展開が目まぐるしく変わり目が離せず、手に汗握る展開でした。本当に奇跡を見たかのような気持ちです。
韓国-台湾戦もそうですが、この感動も地上波放送なら味わえなかったのですよね…。これも怪我の功名というものなのかな…。
3/10 vsチェコ ○
いわゆる消化試合とあって、森下・佐藤・小園・牧原など、これまで控えだった選手をスタメンに入れてきた1次ラウンド最終戦。先発は初登板の高橋ですが、速球が走っており頼もしく感じました。
一方打線は、前回大会でも大谷から三振を奪いその名を轟かせたチェコの電気技師(実は事務職)サトリアのチェンジアップに悪戦苦闘。ヒットを放っても後続続かず、なかなか得点できません。4回には吉田の三塁線ギリギリの秘打から岡本のフェン直長打で、先制の期待がふくらみましたが後続続かず。
サトリアは5回途中、二死二塁になったところで67球に達し、交代となりました。ベンチに戻りチームメイトたちとハグを交わすサトリア。彼は今大会での代表引退を表明していました。3三振無失点の素晴らしいラストダンスに、球場から大きな拍手が送られます。
高橋も4.2回で宮城に交代。宮城はイニング途中からの登板もなんのその、回またぎも難なくこなしました。マイアミでの出場も期待が持てそうです。
侍打線はチェコの2番手コヴァラにもきりきり舞い。6回には4番DH吉田の代打若月(!?)が相手エラーを誘って出塁するもやはり得点できず。いくら主力が休みでも、さすがに0点はどうかと…。
7回からは金丸が登板。緊急招集にもかかわらず、2回で5三振を奪う快投を見せます。
試合はついに8回裏。いいかげん打たないと…と焦りも募ってきたところで、先頭佐藤が死球で出塁。大事なさそうでひと安心でしたが、続く村上は三振。そして4番DH(!?)若月、バントを試みるも追い込まれてしまいます。そこからファウルで粘り、9球目。得意の右打ち炸裂! ライトの送球エラーもあって一気に佐藤が生還、ようやく日本が先制します!
そして小園の四球でランナー一・二塁から、周東の3ランが飛び出し4-0。ようやくコヴァラ攻略に成功した侍打線、箍が外れたかのようにチェコ投手陣に襲いかかります。ヒットと四球でランナーを溜めると押し出しの後、ついに出た村上のホームランは満塁弾! なんとこの回9得点!
最後を〆たのは北山、3三振で試合終了。日本は全勝で1次ラウンドを終え、いざマイアミへ旅立ちます!
しかしこの試合、いちばん大きな感動をもたらしたのは侍ジャパンではなく、チェコのサトリアでした。試合後、日本側へ歩み寄り宮城・高橋とハグを交わします。肩を組んで写真撮影した後、自軍ベンチへ戻りがてら、立ち止まって球場をぐるりと見まわしました。万感の思いに浸り、別れを惜しむかのようなサトリアの表情。自然と拍手が湧き起こります。まるで映画のワンシーンのようでした。
チェコはもちろん、どのチームも素晴らしかったです。プールCに限りません。どのチームも国を背負い、懸命に戦い、野球を楽しんでいます。各国の試合を目にすることができる今大会は、とくにそれを感じます。オリンピックもそうですが、こういう雰囲気に心動かされるし、観ている者はそれを楽しみたいと思っているのです。特定の誰かを切り取った映像ではなく。
しかしやっぱり、日本には勝ち上がってほしいというのが本音。
いよいよベスト8です。
日本の相手はベネズエラに決まりました。先発山本には心配していませんが、破壊力打線相手に投手陣は総動員でかからなければなりません。そして打線の奮起は必要不可欠。
ここまで絶不調の近藤は、果たしてスタメン起用されるのでしょうか。過去のWBCでは福留・イチロー・村上と、不振の選手が「ここぞ」で打ち、優勝に貢献してきましたから、近藤にもついついその再来を期待してしまうのですが…。状態の良くない選手が他にもいますし、佐藤が少ない打席で結果を残していますから、一発勝負の試合で賭けに出るのかどうか井端監督にとってはいずれにしても難しい決断になりそうです。
そしてベネズエラでは、マチャドが抑えで頑張っています。日本には勝ってほしい…でもマチャドが打たれるところは見たくない…日本を抑えるマチャドも見たくない…。
プールBではアメリカがあわや敗退の危機から、他力本願で勝ち上がりを決めました。ドミニカのパワーは圧倒的だし、快進撃のカナダも怖い存在(しかしカナダではまったく話題に上がっていないらしい)。エスプレッソ一気飲みセレブレーションがユニークなイタリアは、前回どうやって勝ったのだろうと不思議になる強さです。あのモリーナが監督のプエルトリコもプールAパナマ戦でのサヨナラホームランが印象的。どこが勝ち上がってもおかしくない面々です。
準々決勝は週末だから観られるけれど、準決勝以降が平日朝とは…気になって仕事に集中できないやーん! 仕方ないけど!
準々決勝進出がかかる、しかも天覧試合という大事な一戦の前、昼間に行われた韓国-台湾戦をなにげなく観ていました。
これがまた興奮を抑えきれない大熱戦!
台湾は負ければ1次ラウンド敗退という崖っぷちでしたが、ホームランで先制すると、投手陣も前夜日本を燃やした韓国打線を序盤ゼロに封じ込めます。5回に追いつかれるもすぐさま勝ち越し。しかし韓国も負けてはいません。直後に2ランを放って逆転。その後は意地と意地のぶつかり合い。8回表、台湾が2ランで勝ち越せば、その裏に韓国が同点タイムリーと、手に汗握る展開となりました。9回では決着つかず、延長へ。
10回表。無死二塁から始まるタイブレーク、二塁ランナーに送られた代走は陳傑憲。初戦で指を骨折し、その後は欠場していました。先頭打者は送りバント。キャプテンはその左手から三塁へヘッドスライディングする気迫を見せ、これがセーフに! そして次打者のスクイズで生還! 客席を埋める台湾ファンから大歓声が上がります。
その裏、韓国も送りバントで一死三塁と同点のチャンスを作ります。しかし次の打者は一ゴロ、バックホームでランナーアウト(呉念庭の好守備)。そして最後もファウルフライに打ち取り、台湾が土俵際で踏みとどまりました!
歓喜の涙を流す台湾チーム、ベンチで動けずにいる韓国の選手たち。激闘の余韻はいつまでも東京ドームを満たし、こちらも何度もハイライトを見返しては胸を熱くさせました。
さて、台湾が勝ったことで日本の準々決勝が決まったわけですが、1位突破にはオーストラリアに勝たねばなりません。
先発は菅野。受けるのは、菅野から評価されていた若月です。初回、ランナーを出しながら無失点に抑えると、その後も持ち味の粘りで得点を許さない菅野。ところが、日本もなんやかんやとチャンスは作るものの、打線がつながりません。鈴木と近藤の打順入れ替えも機能せず。4回には、二死満塁で大谷と絶好機を作るものの、二塁ランナーの牧がなぜか飛び出し牽制アウト。何やら不穏な空気が漂い始めます。天覧試合で固くなっているのか…?
5回から隅田へ継投。三振も奪って好調ぶりがうかがえました。しかしイニングまたぎの6回、二塁ランナーに走られたところで若月が三塁へ送球…が、これが暴投に! ランナー還って先制したのはオーストラリア!
若月のミスにボーゼンのオリファン。その裏、日本同点のチャンスで打順は若月。隅田が続投するためか代打なくそのまま打席に立つも、挽回できませんでした。
早くも試合は終盤。追い詰められつつある7回裏、先頭の大谷が四球を選ぶも、鈴木・近藤と打ち取られ2アウト。
そして打席は吉田正尚!
またの名を神!!
(ああこの異名を書くのも久しぶり;;)
内角のスライダーにバット一閃!
カッコよすぎるバット置き!
日本を、そして若月を救う一打にオリファン号泣。「吉田はもうオリックスの選手と違うで」という隣からのツッコミは右から左。
8回表のマウンドは種市。ロッテでは先発を担う投手がまさかの連投も、完璧なピッチングで相手を圧倒。この大会で種市は一気に名を上げましたね。
その裏、先頭村上が四球を選ぶと代走周東がしっかり盗塁を決め、牧が意地の進塁打で一死三塁。源田にはストレートの四球で、続く若月の代打は佐藤。レフト線へ落とすタイムリー二塁打で大きな2点が入ります。大谷は敬遠されるも鈴木に押し出し。そして近藤の打順ですが、今日もノーヒットの近藤に対して代打森下が送られました。これは井端監督のひとつの決断なのか…。しかしゲッツーで追加点はならず。
3点差で9回、もちろん抑えは大勢です。…が、ホームランで1点差。あれ?
二死となるも、またホームラン。あれ…?
肝が冷やされるも、最後はゴロに打ち取り、なんとか勝利! これで1次ラウンド1位突破が決定しました!
それは喜ばしいのですが、今後に向けて不安が大きくなっているのも事実。.000の近藤がクローズアップされがちですが、岡本も村上も牧も好調とはほど遠く、守備も源田以外は安心感がありません。チェコ戦は控え組の調整試合となるのでしょうが、井端監督にとってもなかなか難しい見きわめを迫られそうですね。
3/9 オーストラリアvs韓国
8日の試合で混沌となったプールCの2位争い。大一番の一戦、勝ち抜くために韓国は勝利はもちろん、5点差以上2失点以内が条件となります。2チームの点差によっては台湾にもチャンスがあるものの、絶対的に有利なのはオーストラリア。
しかし、いざ蓋を開けてみれば、韓国打線が爆発。キム・ヘソンの負傷欠場もなんのその、先制2ランに始まり、3回にも2得点。5回にも1点追加で5-0と突き放し、突破条件をクリアします。
投手陣も、先発緊急降板というアクシデントにもかかわらずゼロに抑えていましたが、5回裏、ホームランで1点返されます。するとすぐさま1点取り返し、再び5点差に。
このままなら韓国勝ち抜け。そうはさせじと、オーストラリアも意地を見せます。8回裏、先頭四球から送りバント。一塁ランナーが転んでしまい万事休すも、韓国側が気づかず一塁をアウトにしたため二塁セーフに。韓国にとっては痛恨のミスでした。続く打者にタイムリーを打たれ、再び4点差にされてしまいます。
追い込まれた韓国。最終回、無得点なら試合に勝っても1次ラウンド敗退が決まってしまいます。
先頭打者が四球を奪うも、ライトフライで1アウト。次は韓国のキャプテンイ・ジョンフ。打球はショート正面ゲッツー…かと思いきや、投手が伸ばしたグラブに当たって方向が変わり、ショート(デール…!)が焦ったのか送球がそれ、実質試合終了のはずが一・三塁の大ピンチに!
一方、韓国にとってはこの大チャンスを逃して良いはずがなく、4番打者がセンターへ飛球を放ち、ランナー還って勝ち越し点が入ります!
次の打者は打つ気なく三振でチェンジ。なぜならもし8点目を取った場合、裏にオーストラリアに1点入って8-3のスコアで終われば、なんと台湾が逆転突破となるからです! 複雑すぎる勝ち抜き条件!
8回からマウンドへ上がっていた韓国のクローザー。一死から四球を与えランナー一塁、次打者の打球はライトへ。一瞬抜けたかと思ったその打球に追いついたのはイ・ジョンフ! スライディングキャッチでツーアウト! なんてイケメン!!
そして最後の打球は内野へ大きく打ち上がり、ファーストがつかんで試合終了!
最後の最後までわからなかった2位争い。マイアミ行の切符を手にしたのは、「5点差以上、2失点以内」という難題をギリギリで解決した韓国でした! マウンドにできた歓喜の輪、その外で嬉し涙にうずくまる選手もいました。一方、オーストラリアベンチも茫然としたまま立ち上がれない様子でした。
喜びと悔しさ、両方の涙に分かれた東京ドーム。応援は圧倒的に韓国側が大きかったものの、敗れたオーストラリアにも大きな拍手が送られました。
点差だけ見れば一方的ながら、1次ラウンド突破条件からすると展開が目まぐるしく変わり目が離せず、手に汗握る展開でした。本当に奇跡を見たかのような気持ちです。
韓国-台湾戦もそうですが、この感動も地上波放送なら味わえなかったのですよね…。これも怪我の功名というものなのかな…。
3/10 vsチェコ ○
いわゆる消化試合とあって、森下・佐藤・小園・牧原など、これまで控えだった選手をスタメンに入れてきた1次ラウンド最終戦。先発は初登板の高橋ですが、速球が走っており頼もしく感じました。
一方打線は、前回大会でも大谷から三振を奪いその名を轟かせたチェコの電気技師(実は事務職)サトリアのチェンジアップに悪戦苦闘。ヒットを放っても後続続かず、なかなか得点できません。4回には吉田の三塁線ギリギリの秘打から岡本のフェン直長打で、先制の期待がふくらみましたが後続続かず。
サトリアは5回途中、二死二塁になったところで67球に達し、交代となりました。ベンチに戻りチームメイトたちとハグを交わすサトリア。彼は今大会での代表引退を表明していました。3三振無失点の素晴らしいラストダンスに、球場から大きな拍手が送られます。
高橋も4.2回で宮城に交代。宮城はイニング途中からの登板もなんのその、回またぎも難なくこなしました。マイアミでの出場も期待が持てそうです。
侍打線はチェコの2番手コヴァラにもきりきり舞い。6回には4番DH吉田の代打若月(!?)が相手エラーを誘って出塁するもやはり得点できず。いくら主力が休みでも、さすがに0点はどうかと…。
7回からは金丸が登板。緊急招集にもかかわらず、2回で5三振を奪う快投を見せます。
試合はついに8回裏。いいかげん打たないと…と焦りも募ってきたところで、先頭佐藤が死球で出塁。大事なさそうでひと安心でしたが、続く村上は三振。そして4番DH(!?)若月、バントを試みるも追い込まれてしまいます。そこからファウルで粘り、9球目。得意の右打ち炸裂! ライトの送球エラーもあって一気に佐藤が生還、ようやく日本が先制します!
そして小園の四球でランナー一・二塁から、周東の3ランが飛び出し4-0。ようやくコヴァラ攻略に成功した侍打線、箍が外れたかのようにチェコ投手陣に襲いかかります。ヒットと四球でランナーを溜めると押し出しの後、ついに出た村上のホームランは満塁弾! なんとこの回9得点!
最後を〆たのは北山、3三振で試合終了。日本は全勝で1次ラウンドを終え、いざマイアミへ旅立ちます!
しかしこの試合、いちばん大きな感動をもたらしたのは侍ジャパンではなく、チェコのサトリアでした。試合後、日本側へ歩み寄り宮城・高橋とハグを交わします。肩を組んで写真撮影した後、自軍ベンチへ戻りがてら、立ち止まって球場をぐるりと見まわしました。万感の思いに浸り、別れを惜しむかのようなサトリアの表情。自然と拍手が湧き起こります。まるで映画のワンシーンのようでした。
チェコはもちろん、どのチームも素晴らしかったです。プールCに限りません。どのチームも国を背負い、懸命に戦い、野球を楽しんでいます。各国の試合を目にすることができる今大会は、とくにそれを感じます。オリンピックもそうですが、こういう雰囲気に心動かされるし、観ている者はそれを楽しみたいと思っているのです。特定の誰かを切り取った映像ではなく。
しかしやっぱり、日本には勝ち上がってほしいというのが本音。
いよいよベスト8です。
日本の相手はベネズエラに決まりました。先発山本には心配していませんが、破壊力打線相手に投手陣は総動員でかからなければなりません。そして打線の奮起は必要不可欠。
ここまで絶不調の近藤は、果たしてスタメン起用されるのでしょうか。過去のWBCでは福留・イチロー・村上と、不振の選手が「ここぞ」で打ち、優勝に貢献してきましたから、近藤にもついついその再来を期待してしまうのですが…。状態の良くない選手が他にもいますし、佐藤が少ない打席で結果を残していますから、一発勝負の試合で賭けに出るのかどうか井端監督にとってはいずれにしても難しい決断になりそうです。
そしてベネズエラでは、マチャドが抑えで頑張っています。日本には勝ってほしい…でもマチャドが打たれるところは見たくない…日本を抑えるマチャドも見たくない…。
プールBではアメリカがあわや敗退の危機から、他力本願で勝ち上がりを決めました。ドミニカのパワーは圧倒的だし、快進撃のカナダも怖い存在(しかしカナダではまったく話題に上がっていないらしい)。エスプレッソ一気飲みセレブレーションがユニークなイタリアは、前回どうやって勝ったのだろうと不思議になる強さです。あのモリーナが監督のプエルトリコもプールAパナマ戦でのサヨナラホームランが印象的。どこが勝ち上がってもおかしくない面々です。
準々決勝は週末だから観られるけれど、準決勝以降が平日朝とは…気になって仕事に集中できないやーん! 仕方ないけど!
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3/6 vs台湾 ○
いよいよ開幕したWBC。5日に行われたプールCの2試合は、オーストラリア・韓国が勝利。日本に次いで有力視されていた台湾が敗れたことは大きく報じられていました。何が起きるかわからないのが短期決戦。絶対に突破しなければならない1次ラウンドではありますが、当然ながら油断は禁物です。
さて、日本の初戦は台湾。おととしのプレミア12の決勝で敗れた相手ではありますが、その時いなかったメジャー組が打線に並ぶだけでなく、先発もWSMVPの山本由伸です。日本での登板は初ですが、オープン戦でしっかり調整を積んできました。山本ですから何の心配もしていません。
その山本が投げる前、日本の攻撃は1番大谷から始まります。壮行試合でノーヒットだったためちょっとだけ(ほんのちょっと)心配されていた大谷ですが、やはり大谷は大谷。初球をあっさり打って二塁打に。が、後続打ち取られ先制はならず。
そしてマウンドに上がった山本。受けるのは若月です。黄金バッテリー復活に感慨深いオリファンですが、それよりも大舞台での緊張感がまさります。何の心配もしていませんが。
もちろん三者凡退で終えた直後。先頭の村上が四球を選ぶと、牧がヒットで続きます。続く源田の初球が足をかすめ、チャレンジの末死球判定に。無死満塁で若月! …が、全部ボール球なのになぜか無理に振っていって捕邪飛( ゚Д゚)
い、いや、これは最低限! 若月がゲッツー打ったら一塁が空いて歩かされちゃうからね!
やっぱり大谷に見せ場を作らなきゃね!
↓
ほらー!!(。-∀︎-)
いや、やっぱり大谷ってスゴイわ…。
いきなり4点先取した日本。これで勝負あり、と確信したものの、侍たちの攻撃はとどまりませんでした。鈴木四球のあと、吉田が火の出るようなタイムリー二塁打で追加点。岡本が四球で続き、村上の内野安打でさらに1点。交代した投手から牧四球→源田タイムリー→若月今度はタイムリーで9点目。そしてまたまた大谷タイムリーでなんとこの回10得点!
その裏、あまりにも攻撃が長すぎて肩が冷えたのか、山本は先頭に四球を出すもののゲッツーで打ち取り、反撃を許しません。
次の回も日本は攻撃の手を緩めず3点追加、コールド勝ちも見えてきました。
3回裏の山本。エラーでランナーを背負うと二死から連続四球を出してしまいます。ここまでやや球数を要していましたが、この回はよくわからないピッチクロック違反もあり、少し冷静さを欠いていたようにも見えました。「山本は3イニング」となぜかドジャースの監督がおおっぴらにしていましたが、その3イニング目、50球を超えたこともあって、二死満塁という局面で交代となります。憮然とした表情でマウンドを降りた山本。次の機会には必ずやこの悔しさをぶつけてくれることでしょう。
代わって出てきたのは藤平。数少ない中継ぎ専門投手は頼もしかった。フォークで空振り三振を奪い、失点のピンチを逃れます。
4回からは第2先発の宮城が登板。ゾーンの違いもあってやや制球に苦しむところはあったものの、スライダーで空振りを奪うなど要所でらしさを見せます。6回からは北山が登板。初ヒットを許すものの進塁すらさせずに3アウトを取ります。
4回以降追加点はならなかったものの、10点差以上つけているため7回抑えればコールド成立。その局面で登板したのは曽谷。緊張する暇もないままあっさり3人で終え、試合を〆ました! 日本、初戦は快勝です! そしてオリ(元オリ含め)全員大活躍!
3/7 vs韓国 ○
初戦はチェコに大勝した韓国。その好調な打線に、初回から襲いかかられました。オリ戦でも立ち上がりに打ちこまれた菊池ですが、この試合もたった5球で3連打、先制されてしまいます。さらに二死後、2点タイムリーを浴びて3失点。いきなり追う展開となりました。
しかしその裏、大谷四球から鈴木の2ランが飛び出します。初回、センターを抜かれて失点を許した自分自身に思うところがあったのか、打球を見届けた鈴木は大きく吠えてガッツポーズを繰り出しました。
菊池は2回から立ち直り、ゼロを並べます。すると3回裏、大谷の2試合連発は値千金の同点ホームラン! (ひとり飛ばして)鈴木も負けじとホームラン! 投手交代後、吉田も続いてホームランとこの回一挙3得点!!
メジャーすご…。
で、ついつい「勝った」と思っちゃったわけですが、次の回。代わった伊藤がいきなり死球を与えると、キム・ヘソンに同点ホームランを打たれてしまいます。メジャーすご…。
しかもその裏、源田の盗塁アウトでチャレンジを試みるも失敗。権利を失い、やや重い空気がたれこめます。
その後は互いに投手の頑張りでゼロが並びます。7回裏、伊藤に代わってマウンドに上がった種市はなんと三者連続三振の圧巻のピッチング! これが流れを呼び寄せました。次の回、先頭牧が四球を選ぶと源田がしっかり送りバントを決めます。坂本の代打に送られた佐藤は一ゴロもランナー進塁。塁が空いたため大谷は敬遠。打席はホームラン攻勢の回でひとり飛ばされた近藤。絶不調中でも選球眼は健在でした。代わった投手からしっかり四球を選んで満塁に。さらに鈴木に対してもストライク入らず、押し出しで日本勝ち越し!
そして打席は吉田正尚、ここで打たないわけがない(断言)! からの2点タイムリーで、日本が3点を勝ち越します。
しかし韓国打線は好調でした。8回表、松本裕樹がタイムリーを打たれて2点差に。なおも満塁でドキドキさせられるも、最後の打者を見逃し三振に切って取りピンチ脱出。
最終回を任されたのは大勢。フェンス直撃かという大きな当たりを打たれますが、そこにいたのは周東。走って振り向いてジャンプ一番でキャッチ! 実況解説は大絶賛、球場も大盛り上がり。いやいや周東だから、まあ普通のプレーやね!
というわけで、日本は見事2連勝。勝ち抜けに一歩前進です。
いよいよ開幕したWBC。5日に行われたプールCの2試合は、オーストラリア・韓国が勝利。日本に次いで有力視されていた台湾が敗れたことは大きく報じられていました。何が起きるかわからないのが短期決戦。絶対に突破しなければならない1次ラウンドではありますが、当然ながら油断は禁物です。
さて、日本の初戦は台湾。おととしのプレミア12の決勝で敗れた相手ではありますが、その時いなかったメジャー組が打線に並ぶだけでなく、先発もWSMVPの山本由伸です。日本での登板は初ですが、オープン戦でしっかり調整を積んできました。山本ですから何の心配もしていません。
その山本が投げる前、日本の攻撃は1番大谷から始まります。壮行試合でノーヒットだったためちょっとだけ(ほんのちょっと)心配されていた大谷ですが、やはり大谷は大谷。初球をあっさり打って二塁打に。が、後続打ち取られ先制はならず。
そしてマウンドに上がった山本。受けるのは若月です。黄金バッテリー復活に感慨深いオリファンですが、それよりも大舞台での緊張感がまさります。何の心配もしていませんが。
もちろん三者凡退で終えた直後。先頭の村上が四球を選ぶと、牧がヒットで続きます。続く源田の初球が足をかすめ、チャレンジの末死球判定に。無死満塁で若月! …が、全部ボール球なのになぜか無理に振っていって捕邪飛( ゚Д゚)
い、いや、これは最低限! 若月がゲッツー打ったら一塁が空いて歩かされちゃうからね!
やっぱり大谷に見せ場を作らなきゃね!
↓
ほらー!!(。-∀︎-)
いや、やっぱり大谷ってスゴイわ…。
いきなり4点先取した日本。これで勝負あり、と確信したものの、侍たちの攻撃はとどまりませんでした。鈴木四球のあと、吉田が火の出るようなタイムリー二塁打で追加点。岡本が四球で続き、村上の内野安打でさらに1点。交代した投手から牧四球→源田タイムリー→若月今度はタイムリーで9点目。そしてまたまた大谷タイムリーでなんとこの回10得点!
その裏、あまりにも攻撃が長すぎて肩が冷えたのか、山本は先頭に四球を出すもののゲッツーで打ち取り、反撃を許しません。
次の回も日本は攻撃の手を緩めず3点追加、コールド勝ちも見えてきました。
3回裏の山本。エラーでランナーを背負うと二死から連続四球を出してしまいます。ここまでやや球数を要していましたが、この回はよくわからないピッチクロック違反もあり、少し冷静さを欠いていたようにも見えました。「山本は3イニング」となぜかドジャースの監督がおおっぴらにしていましたが、その3イニング目、50球を超えたこともあって、二死満塁という局面で交代となります。憮然とした表情でマウンドを降りた山本。次の機会には必ずやこの悔しさをぶつけてくれることでしょう。
代わって出てきたのは藤平。数少ない中継ぎ専門投手は頼もしかった。フォークで空振り三振を奪い、失点のピンチを逃れます。
4回からは第2先発の宮城が登板。ゾーンの違いもあってやや制球に苦しむところはあったものの、スライダーで空振りを奪うなど要所でらしさを見せます。6回からは北山が登板。初ヒットを許すものの進塁すらさせずに3アウトを取ります。
4回以降追加点はならなかったものの、10点差以上つけているため7回抑えればコールド成立。その局面で登板したのは曽谷。緊張する暇もないままあっさり3人で終え、試合を〆ました! 日本、初戦は快勝です! そしてオリ(元オリ含め)全員大活躍!
3/7 vs韓国 ○
初戦はチェコに大勝した韓国。その好調な打線に、初回から襲いかかられました。オリ戦でも立ち上がりに打ちこまれた菊池ですが、この試合もたった5球で3連打、先制されてしまいます。さらに二死後、2点タイムリーを浴びて3失点。いきなり追う展開となりました。
しかしその裏、大谷四球から鈴木の2ランが飛び出します。初回、センターを抜かれて失点を許した自分自身に思うところがあったのか、打球を見届けた鈴木は大きく吠えてガッツポーズを繰り出しました。
菊池は2回から立ち直り、ゼロを並べます。すると3回裏、大谷の2試合連発は値千金の同点ホームラン! (ひとり飛ばして)鈴木も負けじとホームラン! 投手交代後、吉田も続いてホームランとこの回一挙3得点!!
メジャーすご…。
で、ついつい「勝った」と思っちゃったわけですが、次の回。代わった伊藤がいきなり死球を与えると、キム・ヘソンに同点ホームランを打たれてしまいます。メジャーすご…。
しかもその裏、源田の盗塁アウトでチャレンジを試みるも失敗。権利を失い、やや重い空気がたれこめます。
その後は互いに投手の頑張りでゼロが並びます。7回裏、伊藤に代わってマウンドに上がった種市はなんと三者連続三振の圧巻のピッチング! これが流れを呼び寄せました。次の回、先頭牧が四球を選ぶと源田がしっかり送りバントを決めます。坂本の代打に送られた佐藤は一ゴロもランナー進塁。塁が空いたため大谷は敬遠。打席はホームラン攻勢の回でひとり飛ばされた近藤。絶不調中でも選球眼は健在でした。代わった投手からしっかり四球を選んで満塁に。さらに鈴木に対してもストライク入らず、押し出しで日本勝ち越し!
そして打席は吉田正尚、ここで打たないわけがない(断言)! からの2点タイムリーで、日本が3点を勝ち越します。
しかし韓国打線は好調でした。8回表、松本裕樹がタイムリーを打たれて2点差に。なおも満塁でドキドキさせられるも、最後の打者を見逃し三振に切って取りピンチ脱出。
最終回を任されたのは大勢。フェンス直撃かという大きな当たりを打たれますが、そこにいたのは周東。走って振り向いてジャンプ一番でキャッチ! 実況解説は大絶賛、球場も大盛り上がり。いやいや周東だから、まあ普通のプレーやね!
というわけで、日本は見事2連勝。勝ち抜けに一歩前進です。
2/27・28 vsD ○○
メジャーリーガーが合流し、いよいよ盛り上がってきました。
壮行試合の中日戦は狭くなったバンテリンドームのお披露目でもあります。先発は宮城。初回・2回を三者凡退、3回にランナーを背負うも失点なしと、上々です。4回は種市、5回から曽谷が登板。回をまたいだところで細川に2点タイムリーを打たれますが、5回終了後のインターバルもありましたし、まずまずといったところでしょう。打線は初回にサトテルが3ランを放ち先制。ポジションがメジャー組とかぶるためスタメンの予想がしづらいところですが、実に頼もしい。好リードの若月は、先頭出塁からゲッツーという「らしさ」を見せました…。
翌日の2戦目は序盤から牧・森下にホームランが飛び出し、5回には打線がつながり一挙5得点と試合を優位に進めますが、先発の伊藤が3回2失点と少し不安な内容でした。投球間にロジンをたっぷりつけるなど割と時間をかけるタイプですから、ピッチクロックにやや苦戦しているのかもしれません。強化試合でピリッとしなかった隅田もいきなりホームランを打たれました。まあ、飛びやすいWBC球だし相手も細川だし…。
8・9回は地元凱旋のお助け侍・東松が登板し、緊張するオリファン。ランナーを背負いつつも無失点で切り抜けました。宮城や曽谷がニコニコ見守っていたのも良かったですね。
3/2 vsB ○
…おっと、●だった。
オリファンとしては「そこそこ見せ場を作って最後は侍に気分よく勝ってもらう」が理想でしたが、まさかのオリ勝ち!
前回、東やT才木が覚醒するきっかけとなった強化試合、先発に抜擢されたのは寺西。京セラは超満員、もちろんオリファンはいますがほぼ侍応援でしょう。しかもこの試合からメジャーリーガーたちも出場。新喜劇にゲスト出演した際、珠代のダンスを何度も事前練習していたという緊張しぃの寺西ですから、こっちもドキドキしてしまいます。
ところが! 150キロのストレートに鋭いフォークで、1番近藤から三振を奪います。そして打席は大谷、もちろん球場は大歓声! しかし寺西は臆することなく全球ストレート勝負でレフトフライに打ち取ります。さらには鈴木誠也。こちらもストレートで内野フライに! ぎえー!
侍の先発は菊池雄星。西武時代にはコテンパンにされた相手ですが、日本初登板で本調子ではなかったのか。先頭麦谷がヒットで出塁すると、西川は三振するものの、太田が初球を打ち返して一・三塁(←ここ大事、ちゃんと進んでいる!)。そして杉本のタイムリーであっさり先制。さらに森も続き、西野のゴロが相手エラーを招いて3点目。ええ…これ本当に雄星相手のオリなのか…。
寺西は2回も名だたる侍たちを三者凡退に抑えます。2年目の無名投手の快投にざわつくSNS。問題はこれを長いイニングでできるかどうかなのですよね…。
3回からは田嶋が登板。はじめてメジャー志向を口にして思うところがあったのか、いつもの田嶋ではなかったような…。回またぎの4回には大谷から空振り三振を奪います。ええ…。
菊池はなんだかんだ尻上がりに調子を上げ、2回以降は無失点に抑えます。そして5回表、マウンドは九里。打席は吉田正尚。内角のカットボールを弾き返したその打球はライトスタンド! この京セラで何度も見た吉田の放物線! これにはオリファンも大歓喜!
その裏、種市からロッテキラー麦谷のタイムリーでオリが1点取り返します。
7回は大谷・鈴木・村上・吉田というメジャーが並ぶところでなんと入山が登板。吉田にはヒットを打たれますがサトテルを抑えて無失点。顔を真っ赤にしてベンチに帰ってきました(という画像をSNSで見た)。
しかし8回、山﨑が若月にタイムリーを打たれ(まあ、良い)1点返されると、9回も椋木があと一死のところで牧に打たれて1点差。しかしネクストが助っ人湯浅だったこともあり、本塁憤死で試合終了。4-3でオリの勝ちとなりました。良いのか悪いのか…。
それにしても、実況がオリ情報をしっかり伝えてくれたのは好印象でしたが、それに対して解説がまったく触れないのは知識も興味もないであろうし百歩譲って仕方ないにしても、ベンチをまったく映さないのはどうかと思うんだよ…。岸田監督がベンチにいたのかどうかすらわからなかったよ…。
3/3 vsT ○
侍ジャパン、本番前最後の対戦相手は阪神。先発伊藤将司から初回に鈴木がホームラン。3回には代わった投手から近藤がタイムリーを放ち2点目が入ります。その後も着々と点を重ね、投手も高橋→金丸→藤平→大勢と無失点リレーで調整完了。今日のオリ要素は7回から出場した若月のみ。8回に登板した助っ人侍の仲地が乱調で右往左往させられたものの、打席ではヒットを放ち、まずまずの調整を終えます。
さあ、いよいよWBC。吉田・鈴木がさすがのパワーを見せつけた一方、大谷はノーヒット。まあ、心配はいらないでしょう。
ネットフリックスもしっかり契約しました。準備万端です。
メジャーリーガーが合流し、いよいよ盛り上がってきました。
壮行試合の中日戦は狭くなったバンテリンドームのお披露目でもあります。先発は宮城。初回・2回を三者凡退、3回にランナーを背負うも失点なしと、上々です。4回は種市、5回から曽谷が登板。回をまたいだところで細川に2点タイムリーを打たれますが、5回終了後のインターバルもありましたし、まずまずといったところでしょう。打線は初回にサトテルが3ランを放ち先制。ポジションがメジャー組とかぶるためスタメンの予想がしづらいところですが、実に頼もしい。好リードの若月は、先頭出塁からゲッツーという「らしさ」を見せました…。
翌日の2戦目は序盤から牧・森下にホームランが飛び出し、5回には打線がつながり一挙5得点と試合を優位に進めますが、先発の伊藤が3回2失点と少し不安な内容でした。投球間にロジンをたっぷりつけるなど割と時間をかけるタイプですから、ピッチクロックにやや苦戦しているのかもしれません。強化試合でピリッとしなかった隅田もいきなりホームランを打たれました。まあ、飛びやすいWBC球だし相手も細川だし…。
8・9回は地元凱旋のお助け侍・東松が登板し、緊張するオリファン。ランナーを背負いつつも無失点で切り抜けました。宮城や曽谷がニコニコ見守っていたのも良かったですね。
3/2 vsB ○
…おっと、●だった。
オリファンとしては「そこそこ見せ場を作って最後は侍に気分よく勝ってもらう」が理想でしたが、まさかのオリ勝ち!
前回、東やT才木が覚醒するきっかけとなった強化試合、先発に抜擢されたのは寺西。京セラは超満員、もちろんオリファンはいますがほぼ侍応援でしょう。しかもこの試合からメジャーリーガーたちも出場。新喜劇にゲスト出演した際、珠代のダンスを何度も事前練習していたという緊張しぃの寺西ですから、こっちもドキドキしてしまいます。
ところが! 150キロのストレートに鋭いフォークで、1番近藤から三振を奪います。そして打席は大谷、もちろん球場は大歓声! しかし寺西は臆することなく全球ストレート勝負でレフトフライに打ち取ります。さらには鈴木誠也。こちらもストレートで内野フライに! ぎえー!
侍の先発は菊池雄星。西武時代にはコテンパンにされた相手ですが、日本初登板で本調子ではなかったのか。先頭麦谷がヒットで出塁すると、西川は三振するものの、太田が初球を打ち返して一・三塁(←ここ大事、ちゃんと進んでいる!)。そして杉本のタイムリーであっさり先制。さらに森も続き、西野のゴロが相手エラーを招いて3点目。ええ…これ本当に雄星相手のオリなのか…。
寺西は2回も名だたる侍たちを三者凡退に抑えます。2年目の無名投手の快投にざわつくSNS。問題はこれを長いイニングでできるかどうかなのですよね…。
3回からは田嶋が登板。はじめてメジャー志向を口にして思うところがあったのか、いつもの田嶋ではなかったような…。回またぎの4回には大谷から空振り三振を奪います。ええ…。
菊池はなんだかんだ尻上がりに調子を上げ、2回以降は無失点に抑えます。そして5回表、マウンドは九里。打席は吉田正尚。内角のカットボールを弾き返したその打球はライトスタンド! この京セラで何度も見た吉田の放物線! これにはオリファンも大歓喜!
その裏、種市からロッテキラー麦谷のタイムリーでオリが1点取り返します。
7回は大谷・鈴木・村上・吉田というメジャーが並ぶところでなんと入山が登板。吉田にはヒットを打たれますがサトテルを抑えて無失点。顔を真っ赤にしてベンチに帰ってきました(という画像をSNSで見た)。
しかし8回、山﨑が若月にタイムリーを打たれ(まあ、良い)1点返されると、9回も椋木があと一死のところで牧に打たれて1点差。しかしネクストが助っ人湯浅だったこともあり、本塁憤死で試合終了。4-3でオリの勝ちとなりました。良いのか悪いのか…。
それにしても、実況がオリ情報をしっかり伝えてくれたのは好印象でしたが、それに対して解説がまったく触れないのは知識も興味もないであろうし百歩譲って仕方ないにしても、ベンチをまったく映さないのはどうかと思うんだよ…。岸田監督がベンチにいたのかどうかすらわからなかったよ…。
3/3 vsT ○
侍ジャパン、本番前最後の対戦相手は阪神。先発伊藤将司から初回に鈴木がホームラン。3回には代わった投手から近藤がタイムリーを放ち2点目が入ります。その後も着々と点を重ね、投手も高橋→金丸→藤平→大勢と無失点リレーで調整完了。今日のオリ要素は7回から出場した若月のみ。8回に登板した助っ人侍の仲地が乱調で右往左往させられたものの、打席ではヒットを放ち、まずまずの調整を終えます。
さあ、いよいよWBC。吉田・鈴木がさすがのパワーを見せつけた一方、大谷はノーヒット。まあ、心配はいらないでしょう。
ネットフリックスもしっかり契約しました。準備万端です。
フィギュアに夢中になっている間も、他の競技で盛り上がりました。
今大会メダルを量産しているスノーボード競技ですが、スロープスタイルでも男子で長谷川選手が銀、女子は深田選手が金、村瀬選手が銅と素晴らしい結果を残しました。ルールがまったくわからないまま観ていましたが、女子ではメダリスト3人とも最後の試技で最高点を出すというスリリングな展開でした。エアだけではなく最初のレールが重要というのもはじめて知りました。奥深いですね。
ノルディック複合では最後のオリンピックと公言していたベテランの渡部選手が出場。メダルには届きませんでしたが、最後の雄姿を目に焼きつけました。競技後の詩的なコメントも心に刻まれした。存続が危ぶまれているノルディック複合ですが、なんとか残される道筋を見つけてほしいと願います。
1000m・500mですでに銅メダルを獲得している高木選手、3つ目のメダルを目指しチームパシュート。スムーズな先頭交代が印象的でしたが、今のトレンドは隊列を変えず、後ろの選手が先頭を押しながら進むそうです。つまり先頭の高木選手の負担は半端ないわけですが、今大会も過密スケジュールの高木選手を後ろの2人がサポートします。
準決勝の相手は強敵オランダ。予選で首位に立てず厳しい戦いを強いられることになりました。中盤まで先行されるも、終盤に逆転。最後の一周は解説の高木菜那さんの声にも力が入ります。こちらも手に汗握りましたが、ゴールはわずか0.11秒差でオランダが先着。2大会連続の決勝進出はなりませんでした。
夜中に行われた3位決定戦。大丈夫だろう…と信じて眠り、翌朝開いたスマホには銅メダル獲得の報。結果を知ってから観ても、スタート直後の野明選手の出遅れや、途中でつまづきかけた場面にはドキリとしました。初出場がメダルマッチ、緊張感は相当なものだったでしょう。
笑顔の銅メダル。しかし、高木選手が見据えていたのは本命の1500mでの金メダルでした。
集大成と位置づけた最後のレース、菜那さんも実況席から声を送り続けました。途中まではメダル争いのタイムを刻むも終盤に失速。結果は6位でした。バンクーバーから16年。どれだけ苦難の道程を重ねても、順位はついてしまう。「挑戦は終わった」という言葉にこめられた思いを想像することすらおこがましく感じます。高木選手が残したのは、オリンピックメダル10個という結果以上に、挑戦する姿の潔さ、鍛えられた心身の美しさ。あと16年経ったとしても決して色あせることはありません。
正直、日本のメダルはこれで終わりかなと思っていました。残り2日となった18日、6冠目のクレボステップ(クロスカントリー50キロ)を見届けて、ふとスマホに目を落とすと、スキークロスで古野選手が決勝進出の報が。あわててチャンネルを合わせます。
この競技の中身をまったく知りませんでした。4人で争う決勝、ひとりだけメダル圏外になるとはなんて残酷なんでしょう。海外選手に囲まれた古野選手はとりわけ小さく見えます。スタートダッシュも、やはり体格の大きい方が有利なのか遅れて見えました。最後尾で前を追います。何度も前に出ようとするもなかなか出られず、それでもだんだん距離が縮まってきます。解説と一緒に「いけーっ!」と熱くなりました。最後まで死力を尽くすも、わずか及ばず。古野選手の名前の横には「4」が示されました。
外国人に体格も体力も劣る古野選手が短時間で何レースもこなして疲労困憊の中、メダルまでわずか0.08秒まで迫った、その瞬間に立ち会えた。感動で、胸がいっぱいになりました。まだこんな瞬間がオリンピックに残っていたなんて。
その日の夜中にはフィギュアのエキシビションが行われました。千葉選手が選ばれなかったのはガッカリですが、美の饗宴を楽しみました。
オープニングはカロリーナ・コストナー。またコストナーの演技が観られるなんて! 現役時代と変わらない美しいスケーティングに酔いしれました。ペトロキナ+男子選手は、全員演技派。アンバーの力感と色気にもうっとり。
坂本選手のエキシビションはこの日のために作り上げたオリジナルプログラムでした。今までの振り付けが少しずつ入ったまさに集大成の作品。解説しながら鈴木明子さんがだんだん涙声になっていき、最後の「ありがとう、かおちゃん」にはこちらの涙腺も崩壊しました。
最後は金メダリストたちの登場。が、シャイドロフ選手は金メダリストとは思えないカンフーパンダの着ぐるみでした。おなじみとはいえ、ここでもそれやる? 最後のジャッキー・チェン登場には目がテン。
りくりゅうは、本番ではできないジャイアントスイングで会場を沸かせました。しかしりくちゃんの衣装のチャック全開は、ネットニュースで知っていたとはいえ笑っちゃいました。
トリを飾るのはアリサ・リュウ。ふわふわスカートの青い衣装がキュートでした。
全員集合のフィナーレは壮観。マリニン&アダム・シャオ・イム・ファのWバックフリップ! かおちゃんのセルフィーの腕前も素晴らしい! ここでもペトロシアンに気を配るアンバー姐さん、さすがです。
終わるのが名残惜しい、最高のエキシビションでした。
かくして、オリンピック終了。
ロスです…。
今大会メダルを量産しているスノーボード競技ですが、スロープスタイルでも男子で長谷川選手が銀、女子は深田選手が金、村瀬選手が銅と素晴らしい結果を残しました。ルールがまったくわからないまま観ていましたが、女子ではメダリスト3人とも最後の試技で最高点を出すというスリリングな展開でした。エアだけではなく最初のレールが重要というのもはじめて知りました。奥深いですね。
ノルディック複合では最後のオリンピックと公言していたベテランの渡部選手が出場。メダルには届きませんでしたが、最後の雄姿を目に焼きつけました。競技後の詩的なコメントも心に刻まれした。存続が危ぶまれているノルディック複合ですが、なんとか残される道筋を見つけてほしいと願います。
1000m・500mですでに銅メダルを獲得している高木選手、3つ目のメダルを目指しチームパシュート。スムーズな先頭交代が印象的でしたが、今のトレンドは隊列を変えず、後ろの選手が先頭を押しながら進むそうです。つまり先頭の高木選手の負担は半端ないわけですが、今大会も過密スケジュールの高木選手を後ろの2人がサポートします。
準決勝の相手は強敵オランダ。予選で首位に立てず厳しい戦いを強いられることになりました。中盤まで先行されるも、終盤に逆転。最後の一周は解説の高木菜那さんの声にも力が入ります。こちらも手に汗握りましたが、ゴールはわずか0.11秒差でオランダが先着。2大会連続の決勝進出はなりませんでした。
夜中に行われた3位決定戦。大丈夫だろう…と信じて眠り、翌朝開いたスマホには銅メダル獲得の報。結果を知ってから観ても、スタート直後の野明選手の出遅れや、途中でつまづきかけた場面にはドキリとしました。初出場がメダルマッチ、緊張感は相当なものだったでしょう。
笑顔の銅メダル。しかし、高木選手が見据えていたのは本命の1500mでの金メダルでした。
集大成と位置づけた最後のレース、菜那さんも実況席から声を送り続けました。途中まではメダル争いのタイムを刻むも終盤に失速。結果は6位でした。バンクーバーから16年。どれだけ苦難の道程を重ねても、順位はついてしまう。「挑戦は終わった」という言葉にこめられた思いを想像することすらおこがましく感じます。高木選手が残したのは、オリンピックメダル10個という結果以上に、挑戦する姿の潔さ、鍛えられた心身の美しさ。あと16年経ったとしても決して色あせることはありません。
正直、日本のメダルはこれで終わりかなと思っていました。残り2日となった18日、6冠目のクレボステップ(クロスカントリー50キロ)を見届けて、ふとスマホに目を落とすと、スキークロスで古野選手が決勝進出の報が。あわててチャンネルを合わせます。
この競技の中身をまったく知りませんでした。4人で争う決勝、ひとりだけメダル圏外になるとはなんて残酷なんでしょう。海外選手に囲まれた古野選手はとりわけ小さく見えます。スタートダッシュも、やはり体格の大きい方が有利なのか遅れて見えました。最後尾で前を追います。何度も前に出ようとするもなかなか出られず、それでもだんだん距離が縮まってきます。解説と一緒に「いけーっ!」と熱くなりました。最後まで死力を尽くすも、わずか及ばず。古野選手の名前の横には「4」が示されました。
外国人に体格も体力も劣る古野選手が短時間で何レースもこなして疲労困憊の中、メダルまでわずか0.08秒まで迫った、その瞬間に立ち会えた。感動で、胸がいっぱいになりました。まだこんな瞬間がオリンピックに残っていたなんて。
その日の夜中にはフィギュアのエキシビションが行われました。千葉選手が選ばれなかったのはガッカリですが、美の饗宴を楽しみました。
オープニングはカロリーナ・コストナー。またコストナーの演技が観られるなんて! 現役時代と変わらない美しいスケーティングに酔いしれました。ペトロキナ+男子選手は、全員演技派。アンバーの力感と色気にもうっとり。
坂本選手のエキシビションはこの日のために作り上げたオリジナルプログラムでした。今までの振り付けが少しずつ入ったまさに集大成の作品。解説しながら鈴木明子さんがだんだん涙声になっていき、最後の「ありがとう、かおちゃん」にはこちらの涙腺も崩壊しました。
最後は金メダリストたちの登場。が、シャイドロフ選手は金メダリストとは思えないカンフーパンダの着ぐるみでした。おなじみとはいえ、ここでもそれやる? 最後のジャッキー・チェン登場には目がテン。
りくりゅうは、本番ではできないジャイアントスイングで会場を沸かせました。しかしりくちゃんの衣装のチャック全開は、ネットニュースで知っていたとはいえ笑っちゃいました。
トリを飾るのはアリサ・リュウ。ふわふわスカートの青い衣装がキュートでした。
全員集合のフィナーレは壮観。マリニン&アダム・シャオ・イム・ファのWバックフリップ! かおちゃんのセルフィーの腕前も素晴らしい! ここでもペトロシアンに気を配るアンバー姐さん、さすがです。
終わるのが名残惜しい、最高のエキシビションでした。
かくして、オリンピック終了。
ロスです…。
フィギュア競技最後を飾る女子。SPは、2番滑走のAINアデリア・ペトロシアン選手が予想どおり高得点を出し、ずっと暫定1位席に座り続けることに。
中井選手が登場したのは第4G1番滑走。いきなり3Aを成功させました。続く3Lz+3Tも成功、高い加点を得ます。最後の3Loも完璧に決め、スピン・ステップもすべてレベル4。ジャンプを着氷するたび笑顔が増し、初出場とは思えないほどのびのびした演技を披露しました。その得点はPBの78.71点。暫定1位に躍り出ます。
いよいよ最終G。最初に登場したのはアリサ・リュウ選手。団体戦ではややミスのあったSPですが、この日はコンビネーションに回転不足がついた以外はほぼ完璧。しっとり穏やかに演じ切り観る者を魅了しました。PBの76.59点も中井選手は抜けず。暫定2位となります。
続いて同じアメリカのイザボー・レビト選手。ふわりと柔らかいジャンプと美しいスケーティングは健在。しかし回転不足とレベルの取りこぼしがあり、得点を伸ばせません。
続いてジョージアのアナスタシア・グバノワ選手は、終わってみれば上位ではペトロシアン&中井両選手とともに唯一回転不足を取られないジャンプでPBを更新します。
そして、坂本選手がリンクイン。
男子やペアの選手がミスする姿に、「怖い」「毎日泣いている」と不安を隠そうともしませんでした。最後のオリンピック、金メダルに賭ける思いは誰よりもあったでしょう。表情は硬く、緊張感は隠し切れませんでした。それでも最初の3Lz(!は付いたものの)を着氷すると、2Aはプロトコルにほぼ5が並ぶ素晴らしいジャンプに。スケートの伸びは最後まで欠けることなく、最後のスピンを終えると何度も大きなガッツポーズを繰り出しました。しかし3-3で回転不足を取られ、0.64点及ばず暫定2位となります。は? 回転不足? どこが? なんで?
続いてアンバー・グレン選手。最初の3Aは2点以上加点のつく素晴らしいジャンプに。感動したのも束の間、最後の3Loが2回転になり、0点となってしまいます。あまりにも痛すぎるミスに、キス&クライで涙するグレン選手。メダル候補だっただけに、さらには個人的に応援していた選手だけに、にわかには信じられませんでした。暫定12位の低得点にどよめく会場。
最終滑走は千葉選手。やや異様な雰囲気の中でしたが、浜田コーチの思いきり身を乗り出してのおでこゴツンに表情がやわらぎました。GPF以降、全日本でも不安を抱えたような硬い演技が続いていましたが、この大舞台で千葉選手らしさが戻りました! 最初の3-3はやや詰まって回転不足を取られたものの、残りのジャンプもすべて着氷。スピンもステップも音楽に乗り、会場を沸かせます。最後のスピンはオール5!!! 演技構成点も高い評価を受け、74.00点と暫定4位となりました。
日本の3選手がいずれも個性を発揮し、高得点を得たSPとなりました!
いよいよ、運命のFS。
まさかの第2G滑走となったアンバー・グレン選手。今日も3Aは大きな加点のつく素晴らしさ。続く3-3も見事に決めます。どんどんボルテージが上がる観客席。その拍手に背を押されるかのように、グレン選手は羽ばたきました。スケール感たっぷりのスケーティングに高くて大きなジャンプ。これぞアンバーのスケート! 最後の3Loで手をついてふっと微笑むも、スピンを終えてのフィニッシュはいつもの凛とした彼女でした。147.52点の高得点をたたき出します。
第3Gも見ごたえある演技が続きました。ソフィア・サモデルキナ選手やニーナ・ペトロキナ選手のノーミス演技。イ・ヘイン選手の感情豊かなステップ。イザボー・レビト選手は最初に転倒しながらもしなやかなスケートを見せてくれました。怪我から復活のルナ・ヘンドリクス選手はパーフェクトとはいきませんでしたが、まだまだ滑る姿を見ていたい演技でした。
そして、最終Gの滑走です。
衣装の背中が印象的なグバノワ選手。3Lzのステップアウトで減点を受けるも、抒情的な表現力が素敵でした。
ペトロシアン選手は女子で唯一の4回転にチャレンジします。冒頭の4Tで転倒したことで次のジャンプは3回転に変更。しっかり着氷し、その後は確実に加点を重ねます。4年前、時代を席捲したロシアも今回出場者は1人。しかもはじめての国際大会。今のロシアのスケーターがどのような演技をするのか、興味がありました。感想としては、「やっと私の好きなフィギュアに戻ってくれた」です。4年前の北京、まだ幼さの残る少女たちの技術力は確かに凄まじかった。ただ、フィギュアに限らず、オリンピックは選手たちの夢の舞台で、彼ら彼女らの生きざまを表現する場所のはず。彼女たちからそれは感じられませんでした。フィギュアへの愛も、日々の苦しみも、その体温すら感じませんでした。技術は進化していくべきだ、ただこれは正常な進化なのだろうか。悶々としながら応援する、そうしたタイミングでの転機でした。北京以降の4年間、ロシアが排除されたフィギュア界は、高難度ジャンプだけではないスピードやつなぎの濃さといった技術力と、音楽を表現しながらみずからの個性を発揮する芸術性、両方を備えた選手が高く評価を受ける方向へ舵を向けました。ロシアのスケーターたちは、それらを習得する前に引退を強いられるのです。それが正常な状態であるはずがない。
ペトロシアンも、もし何ごとも起きなければきっとオリンピックには出ることなく、ただ消費されるだけの選手だったでしょう。
技術力はさすがでした。身体能力の高さはずば抜けているし、スケートも上手い。ただ、やっぱり、ここ最近のフィギュアを観ている身からするともの足りない。今のフィギュアの潮流から乖離したロシアのスケート界の現状を垣間見た気がしました。
4回転を決めて高得点を得ていたら結果はわかりませんでしたが、グレン選手を抜くことはできず暫定2位に。
ペトロシアン選手の得点が出るまで、やや時間を要しました。次に滑る千葉選手への影響は果たしてなかったのかどうか。
今日もコーチとルーティンをこなし、開始位置へ。最初の3F-3Tを着氷し、続く3Lo、3S。全日本でも意識して見えた2本のジャンプをしっかり決め、「よしっ!」と、拳に力が入ります。なめらかなスケーティングも美しいポジションのスピンも、最後まで千葉選手らしさは失われませんでした。3つの回転不足で得点は伸びを欠くも、合計はPBの217.88点。暫定1位に躍り出ます。
続いてはSP3位のアリサ・リュウ選手。『マッカーサー・パーク』の音楽が始まると、そこはもうアリサの世界。彼女の魅力がスケートの軌跡からこぼれるようにリンクを満たしていきます。スケートが楽しい、観客と一体になるこの瞬間が楽しくてたまらない。そんな声が聞こえてきそうな、こちらもしあわせになる4分間でした。競技前、「メダルはいらない」と豪語していたリュウ選手。それは偽らざる本音でしょう。北京以降、さまざまな経験を経てリンクに戻ってきた彼女は、メダルにも国の威信にも縛られない、自由なスケートを手に入れていました。こちらもオリンピックのメダルマッチであることを忘れるほどののショータイムでした。
高得点で千葉選手を抜き首位に立ちます。
坂本選手の顔はあきらかにこわばっていました。それでも中野コーチに力強く送り出され、『愛の讃歌』が鳴り始めると、一瞬で柔らかい表情に変わります。
まるでメロディーを奏でるかのような流れのあるジャンプ。スピンやステップのみならず助走すらも表現のひとつになる、濃密で雄大、それが坂本花織のスケート。
途中ですでに泣いていました。まさに集大成と感じる演技に、もう坂本選手が頂点に立つことを信じて疑わなかったのです。
ところが後半の3F-3T。3Fの着氷がうまくいかず、3Tにつながりませんでした。最後の3Loにコンビネーションをつけるのかという実況には、リカバリーをほとんど見たことがないだけに不安になりましたが、坂本選手はそれを選びませんでした。最後のスピンを完遂し、フィニッシュポーズを解いた坂本選手は複雑な笑顔で何度かうなずきました。しかしリンクサイドに戻ってくると、中野コーチの肩に顔をうずめて涙。
得点源であったはずのコンビネーションが単独となった3Fは、リピート扱いになってしまいます。リカバリーできていたら…1Tだけでも付けられていたら…いろいろ考えが渦巻きました。解説の鈴木明子さんが、「3Loにコンビネーションをつけたら後のスピンに影響するからできなかった」と言いました。坂本選手のプログラムは、そんな余白など残されていない、最高密度を全力疾走で駆け抜けなければならない4分間だったのです。坂本花織は最後まで坂本花織であろうとした。そしてそれこそが、表現者としての矜持だった。
演技構成点は唯一9点台を並べる高得点でした。1本ジャンプが抜けても合計は224.90点。しかしリュウ選手には1.89点及びませんでした。
最終滑走は中井選手。てっきりプレッシャーを抱えているのかと思いきや、まったくそれを感じさせない笑顔でリンクイン。今日もイキイキと滑り始めた中井選手、今日も3Aを見事に成功させました! しかし続く3-3は2本目が2回転に。それでも最後までのびのびあかるく、中井選手らしさを失いませんでした。
フィニッシュ後、片手を口元に当てて首を傾げるなんとも可愛らしい仕草を見せましたが、3Aはともかく他の部分で成功した確信がなかったのでしょう。実際、回転不足もあってFSの得点は9位。会場からはブーイングのような声も響きました。中井選手もコーチも無反応。まあまあ、仕方ないか…そんな様子に見えました。ちょっと! 横に「3」ってあるよ!
気づいたのは数秒後。「あれっ、3位?」と中井選手が確認を求めたのは1位席にいるリュウ選手。「そうよ、あなたが3位よ!」の答えに思わず飛び出した中井選手。コーチそっちのけで抱き合うふたり。リュウ選手は、笑顔いっぱいの中井選手の両手を高く掲げました。ひとりそっと涙を拭う中庭コーチ。美しい光景でした。
歓喜の一方で、その隣には悔し涙がありました。4位に落ちてしまった千葉選手。肩を落として後ろへ引き上げていく姿がちらりと映りました。その画面の中心には泣き崩れる坂本選手。
中井選手の演技中、こらえきれない千葉選手と坂本選手が抱き合って泣いていました。言葉もなく、ただ涙を流すだけだったと後で語っていました。外から見た限りでは、メダルは無理だと悟った千葉選手を坂本選手が慰めているようにも映りますが、金メダルを逃した坂本選手の無念さに千葉選手が共感したゆえの涙という想像もありますし、互いに完璧とはいかなかった演技を悔やむ一方やりきることはやりきったというないまぜの感情も垣間見えます。外部が理解することは不可能ですし、その心中をうまく言語化することは本人たちにもできないように思います。
日本人が2人もメダルを取ってすごくうれしい、けれど同時にとても悲しい。こちらも両方の涙を流すのみでした。
表彰台、ともすれば涙こぼれる坂本選手。それでもリュウ選手を讃え、メダルにぬいぐるみを固定してあげる姿がありました。中井選手をからかうように頬をつまんだり、カーペットにひっかからないよう声をかけたり、銅メダリストに任されるセルフィーを代わってあげたり、気配りを忘れないいつもの坂本選手でした。だからこそ、いちばん高い場所に立ってほしかったと思わずにはいられませんでした。それでもやはり、今回はリュウ選手が素晴らしすぎたと言わざるをえません。その出自まで詳らかに報道されて思うところがないとは思えませんが、すべてが自分の人生の物語の一部であり、その作者はあくまで自分だ。誰にも何にも惑わされない、解放感にあふれていました。自分の金メダルより先に中井選手を祝福したのも彼女らしいし、それが彼女の生き方。
「スケートが好きだ」という気持ちが伝わるスケーターが金メダリストになったオリンピックで良かったとも思います。もう「からっぽ」なんて言葉は聞きたくありません。
なごやかな表彰式のあとは、終わってしまった喪失感とともに、しあわせな時間を過ごすことができた満足感がありました。日本選手3人とも、ベストを尽くしました。もちろん悔しい思いもあるだろうけれど、2・3・4位とは過去に類を見ない好成績です。しかも国内にはまだまだ代表クラスの選手がいます。坂本選手が現役を去っても、日本選手が世界のトップを席捲し続けるであろうことは間違いありません。4年後、千葉選手も中井選手もオリンピックに出られるとは限りません。それでもまた、ふたりがリベンジを果たすところを観てみたい。そう願わずにはいられません。
試合後のSNSで、涙する千葉選手に寄り添うグレン選手の写真を目にしました。また、泣いている坂本選手を撮影しようとしたカメラクルーから守ってくれていたことも知りました。ありがとう、アンバー。演技も人柄も、本当に素敵です。
中井選手が登場したのは第4G1番滑走。いきなり3Aを成功させました。続く3Lz+3Tも成功、高い加点を得ます。最後の3Loも完璧に決め、スピン・ステップもすべてレベル4。ジャンプを着氷するたび笑顔が増し、初出場とは思えないほどのびのびした演技を披露しました。その得点はPBの78.71点。暫定1位に躍り出ます。
いよいよ最終G。最初に登場したのはアリサ・リュウ選手。団体戦ではややミスのあったSPですが、この日はコンビネーションに回転不足がついた以外はほぼ完璧。しっとり穏やかに演じ切り観る者を魅了しました。PBの76.59点も中井選手は抜けず。暫定2位となります。
続いて同じアメリカのイザボー・レビト選手。ふわりと柔らかいジャンプと美しいスケーティングは健在。しかし回転不足とレベルの取りこぼしがあり、得点を伸ばせません。
続いてジョージアのアナスタシア・グバノワ選手は、終わってみれば上位ではペトロシアン&中井両選手とともに唯一回転不足を取られないジャンプでPBを更新します。
そして、坂本選手がリンクイン。
男子やペアの選手がミスする姿に、「怖い」「毎日泣いている」と不安を隠そうともしませんでした。最後のオリンピック、金メダルに賭ける思いは誰よりもあったでしょう。表情は硬く、緊張感は隠し切れませんでした。それでも最初の3Lz(!は付いたものの)を着氷すると、2Aはプロトコルにほぼ5が並ぶ素晴らしいジャンプに。スケートの伸びは最後まで欠けることなく、最後のスピンを終えると何度も大きなガッツポーズを繰り出しました。しかし3-3で回転不足を取られ、0.64点及ばず暫定2位となります。は? 回転不足? どこが? なんで?
続いてアンバー・グレン選手。最初の3Aは2点以上加点のつく素晴らしいジャンプに。感動したのも束の間、最後の3Loが2回転になり、0点となってしまいます。あまりにも痛すぎるミスに、キス&クライで涙するグレン選手。メダル候補だっただけに、さらには個人的に応援していた選手だけに、にわかには信じられませんでした。暫定12位の低得点にどよめく会場。
最終滑走は千葉選手。やや異様な雰囲気の中でしたが、浜田コーチの思いきり身を乗り出してのおでこゴツンに表情がやわらぎました。GPF以降、全日本でも不安を抱えたような硬い演技が続いていましたが、この大舞台で千葉選手らしさが戻りました! 最初の3-3はやや詰まって回転不足を取られたものの、残りのジャンプもすべて着氷。スピンもステップも音楽に乗り、会場を沸かせます。最後のスピンはオール5!!! 演技構成点も高い評価を受け、74.00点と暫定4位となりました。
日本の3選手がいずれも個性を発揮し、高得点を得たSPとなりました!
いよいよ、運命のFS。
まさかの第2G滑走となったアンバー・グレン選手。今日も3Aは大きな加点のつく素晴らしさ。続く3-3も見事に決めます。どんどんボルテージが上がる観客席。その拍手に背を押されるかのように、グレン選手は羽ばたきました。スケール感たっぷりのスケーティングに高くて大きなジャンプ。これぞアンバーのスケート! 最後の3Loで手をついてふっと微笑むも、スピンを終えてのフィニッシュはいつもの凛とした彼女でした。147.52点の高得点をたたき出します。
第3Gも見ごたえある演技が続きました。ソフィア・サモデルキナ選手やニーナ・ペトロキナ選手のノーミス演技。イ・ヘイン選手の感情豊かなステップ。イザボー・レビト選手は最初に転倒しながらもしなやかなスケートを見せてくれました。怪我から復活のルナ・ヘンドリクス選手はパーフェクトとはいきませんでしたが、まだまだ滑る姿を見ていたい演技でした。
そして、最終Gの滑走です。
衣装の背中が印象的なグバノワ選手。3Lzのステップアウトで減点を受けるも、抒情的な表現力が素敵でした。
ペトロシアン選手は女子で唯一の4回転にチャレンジします。冒頭の4Tで転倒したことで次のジャンプは3回転に変更。しっかり着氷し、その後は確実に加点を重ねます。4年前、時代を席捲したロシアも今回出場者は1人。しかもはじめての国際大会。今のロシアのスケーターがどのような演技をするのか、興味がありました。感想としては、「やっと私の好きなフィギュアに戻ってくれた」です。4年前の北京、まだ幼さの残る少女たちの技術力は確かに凄まじかった。ただ、フィギュアに限らず、オリンピックは選手たちの夢の舞台で、彼ら彼女らの生きざまを表現する場所のはず。彼女たちからそれは感じられませんでした。フィギュアへの愛も、日々の苦しみも、その体温すら感じませんでした。技術は進化していくべきだ、ただこれは正常な進化なのだろうか。悶々としながら応援する、そうしたタイミングでの転機でした。北京以降の4年間、ロシアが排除されたフィギュア界は、高難度ジャンプだけではないスピードやつなぎの濃さといった技術力と、音楽を表現しながらみずからの個性を発揮する芸術性、両方を備えた選手が高く評価を受ける方向へ舵を向けました。ロシアのスケーターたちは、それらを習得する前に引退を強いられるのです。それが正常な状態であるはずがない。
ペトロシアンも、もし何ごとも起きなければきっとオリンピックには出ることなく、ただ消費されるだけの選手だったでしょう。
技術力はさすがでした。身体能力の高さはずば抜けているし、スケートも上手い。ただ、やっぱり、ここ最近のフィギュアを観ている身からするともの足りない。今のフィギュアの潮流から乖離したロシアのスケート界の現状を垣間見た気がしました。
4回転を決めて高得点を得ていたら結果はわかりませんでしたが、グレン選手を抜くことはできず暫定2位に。
ペトロシアン選手の得点が出るまで、やや時間を要しました。次に滑る千葉選手への影響は果たしてなかったのかどうか。
今日もコーチとルーティンをこなし、開始位置へ。最初の3F-3Tを着氷し、続く3Lo、3S。全日本でも意識して見えた2本のジャンプをしっかり決め、「よしっ!」と、拳に力が入ります。なめらかなスケーティングも美しいポジションのスピンも、最後まで千葉選手らしさは失われませんでした。3つの回転不足で得点は伸びを欠くも、合計はPBの217.88点。暫定1位に躍り出ます。
続いてはSP3位のアリサ・リュウ選手。『マッカーサー・パーク』の音楽が始まると、そこはもうアリサの世界。彼女の魅力がスケートの軌跡からこぼれるようにリンクを満たしていきます。スケートが楽しい、観客と一体になるこの瞬間が楽しくてたまらない。そんな声が聞こえてきそうな、こちらもしあわせになる4分間でした。競技前、「メダルはいらない」と豪語していたリュウ選手。それは偽らざる本音でしょう。北京以降、さまざまな経験を経てリンクに戻ってきた彼女は、メダルにも国の威信にも縛られない、自由なスケートを手に入れていました。こちらもオリンピックのメダルマッチであることを忘れるほどののショータイムでした。
高得点で千葉選手を抜き首位に立ちます。
坂本選手の顔はあきらかにこわばっていました。それでも中野コーチに力強く送り出され、『愛の讃歌』が鳴り始めると、一瞬で柔らかい表情に変わります。
まるでメロディーを奏でるかのような流れのあるジャンプ。スピンやステップのみならず助走すらも表現のひとつになる、濃密で雄大、それが坂本花織のスケート。
途中ですでに泣いていました。まさに集大成と感じる演技に、もう坂本選手が頂点に立つことを信じて疑わなかったのです。
ところが後半の3F-3T。3Fの着氷がうまくいかず、3Tにつながりませんでした。最後の3Loにコンビネーションをつけるのかという実況には、リカバリーをほとんど見たことがないだけに不安になりましたが、坂本選手はそれを選びませんでした。最後のスピンを完遂し、フィニッシュポーズを解いた坂本選手は複雑な笑顔で何度かうなずきました。しかしリンクサイドに戻ってくると、中野コーチの肩に顔をうずめて涙。
得点源であったはずのコンビネーションが単独となった3Fは、リピート扱いになってしまいます。リカバリーできていたら…1Tだけでも付けられていたら…いろいろ考えが渦巻きました。解説の鈴木明子さんが、「3Loにコンビネーションをつけたら後のスピンに影響するからできなかった」と言いました。坂本選手のプログラムは、そんな余白など残されていない、最高密度を全力疾走で駆け抜けなければならない4分間だったのです。坂本花織は最後まで坂本花織であろうとした。そしてそれこそが、表現者としての矜持だった。
演技構成点は唯一9点台を並べる高得点でした。1本ジャンプが抜けても合計は224.90点。しかしリュウ選手には1.89点及びませんでした。
最終滑走は中井選手。てっきりプレッシャーを抱えているのかと思いきや、まったくそれを感じさせない笑顔でリンクイン。今日もイキイキと滑り始めた中井選手、今日も3Aを見事に成功させました! しかし続く3-3は2本目が2回転に。それでも最後までのびのびあかるく、中井選手らしさを失いませんでした。
フィニッシュ後、片手を口元に当てて首を傾げるなんとも可愛らしい仕草を見せましたが、3Aはともかく他の部分で成功した確信がなかったのでしょう。実際、回転不足もあってFSの得点は9位。会場からはブーイングのような声も響きました。中井選手もコーチも無反応。まあまあ、仕方ないか…そんな様子に見えました。ちょっと! 横に「3」ってあるよ!
気づいたのは数秒後。「あれっ、3位?」と中井選手が確認を求めたのは1位席にいるリュウ選手。「そうよ、あなたが3位よ!」の答えに思わず飛び出した中井選手。コーチそっちのけで抱き合うふたり。リュウ選手は、笑顔いっぱいの中井選手の両手を高く掲げました。ひとりそっと涙を拭う中庭コーチ。美しい光景でした。
歓喜の一方で、その隣には悔し涙がありました。4位に落ちてしまった千葉選手。肩を落として後ろへ引き上げていく姿がちらりと映りました。その画面の中心には泣き崩れる坂本選手。
中井選手の演技中、こらえきれない千葉選手と坂本選手が抱き合って泣いていました。言葉もなく、ただ涙を流すだけだったと後で語っていました。外から見た限りでは、メダルは無理だと悟った千葉選手を坂本選手が慰めているようにも映りますが、金メダルを逃した坂本選手の無念さに千葉選手が共感したゆえの涙という想像もありますし、互いに完璧とはいかなかった演技を悔やむ一方やりきることはやりきったというないまぜの感情も垣間見えます。外部が理解することは不可能ですし、その心中をうまく言語化することは本人たちにもできないように思います。
日本人が2人もメダルを取ってすごくうれしい、けれど同時にとても悲しい。こちらも両方の涙を流すのみでした。
表彰台、ともすれば涙こぼれる坂本選手。それでもリュウ選手を讃え、メダルにぬいぐるみを固定してあげる姿がありました。中井選手をからかうように頬をつまんだり、カーペットにひっかからないよう声をかけたり、銅メダリストに任されるセルフィーを代わってあげたり、気配りを忘れないいつもの坂本選手でした。だからこそ、いちばん高い場所に立ってほしかったと思わずにはいられませんでした。それでもやはり、今回はリュウ選手が素晴らしすぎたと言わざるをえません。その出自まで詳らかに報道されて思うところがないとは思えませんが、すべてが自分の人生の物語の一部であり、その作者はあくまで自分だ。誰にも何にも惑わされない、解放感にあふれていました。自分の金メダルより先に中井選手を祝福したのも彼女らしいし、それが彼女の生き方。
「スケートが好きだ」という気持ちが伝わるスケーターが金メダリストになったオリンピックで良かったとも思います。もう「からっぽ」なんて言葉は聞きたくありません。
なごやかな表彰式のあとは、終わってしまった喪失感とともに、しあわせな時間を過ごすことができた満足感がありました。日本選手3人とも、ベストを尽くしました。もちろん悔しい思いもあるだろうけれど、2・3・4位とは過去に類を見ない好成績です。しかも国内にはまだまだ代表クラスの選手がいます。坂本選手が現役を去っても、日本選手が世界のトップを席捲し続けるであろうことは間違いありません。4年後、千葉選手も中井選手もオリンピックに出られるとは限りません。それでもまた、ふたりがリベンジを果たすところを観てみたい。そう願わずにはいられません。
試合後のSNSで、涙する千葉選手に寄り添うグレン選手の写真を目にしました。また、泣いている坂本選手を撮影しようとしたカメラクルーから守ってくれていたことも知りました。ありがとう、アンバー。演技も人柄も、本当に素敵です。
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