かすむ夜の光を花とにほふにぞ月のかつらの春もしらるる(二条為明)
《女子》
SPの坂本選手は滑走前の表情が少し硬かったように見えましたが、ジャンプが決まった中盤からいつものスピードと力強さが戻ったように思います。貫禄の首位発進でFSに臨みます。
最終滑走の坂本選手のひとつ前、イ・ヘイン選手がパーフェクトな演技を披露しました。プレッシャーがかかるのではと心配しましたが、いい意味でマイペースを貫けるのも坂本選手の強み。滑り出しからトップスピードに乗り、途中までは完璧。いける、と感じましたが、最後にコンビネーションジャンプでミスが出てしまいました。そのことが悔しくて、演技終了後から涙が止まらない坂本選手。こんな泣き顔を見たのは初めてかもしれません。しかしフリーこそ得点は2位だったものの、総合力では追随を許さず連覇達成。
「上手い」「きれい」、フィギュアにはいろいろな形容詞がありますが、坂本選手にぴったりなのは「強い」だと思います。坂本選手のスケートにはあふれる生命力を感じます。画面を通して伝わってくるそのパワーに圧倒されてばかりです。
そして今回のうれしさに優る悔しさは、より坂本選手を高みに押し上げるのではないかと期待します。
初の表彰台となった2位のイ選手も素晴らしい演技でした。韓国勢ではキム・チェヨン選手も6位に入っており、楽しみな若手が出てきました。3位のルナ・ヘンドリクス選手も今年も魅せてくれました。
三原選手はようやくつかんだ世界切符でしたが、最後にミスが出て5位。それでも三原ワールドは健在でした。渡辺選手も今大会唯一トリプルアクセル2本に挑み、成功こそなりませんでしたが、前向きなコメントが印象的でした。来年の進化に期待です。
《男子》
SP録画に失敗してしまった…。
山本選手はミスが続き悔しい世界選手権になってしまったようです。しかし飛躍した今季のスケートは気品に加え自信も備わったように見えました。世界の表彰台常連となる日も遠くないように感じます。
代打ではなく自力で勝ち取った代表として、友野選手は堂々滑り切りました。ジャンプミスはもったいなかったですが、見せ場のコレオシークエンスでは会場を巻き込む絶品の演技でした。来季も個性あふれるプログラムで魅せてくれることを期待します。
FS最終グループは感動的でした。ジェイソン・ブラウン選手が極上のスケーティングで会場をうっとりさせれば、ケビン・エイモズ選手がノーミス演技で喜びを爆発させる姿にこちらも万感の思いにかられました。そして今季で引退を表明しているキーガン・メッシング選手は日本でも大人気のスケーター。ジャンプやスピンでミスがあったものの、最後まで途切れない万雷の拍手と本人の感極まった表情には涙があふれました。もう彼の演技が観られないのかと思うと淋しさでいっぱいです。
トップ3は圧巻の演技の連続でした。まずはチャ・ジュンファン選手が完璧な演技を披露。高得点をたたき出しました。続いて登場したイリア・マリニン選手は4Aに始まり、6本の4回転を組み込んだ高難度のプログラムにチャレンジ。しかし演技構成点が伸びず、チャ選手を下回ります。
最終滑走は宇野選手。試合前練習で足を負傷したという報道がありましたが、それを感じさせない演技でSPトップでFSを迎えました。
足の痛み、ライバルたちの好演、連覇と自国開催のプレッシャー。いろいろなものを背負いながらの滑走だったと思いますが、それらすべてをはねのける、闘志みなぎる4分間でした。
フィニッシュ後氷上に大の字になった宇野選手は、まるで戦いを終えたファイターのようでした。
連覇達成後、これからもまだ高みを目指すと語った宇野選手。来季はさらにスケールアップした表現者・宇野昌磨が見られることでしょう。
ペアではりくりゅうが日本勢初の金メダル、グランドスラム達成という快挙を成し遂げました。FS後はミスに涙する三浦選手の姿がありましたが、りくりゅうペアの進化ぶりには目を瞠るばかりです。来季はさらに高難度のリフトにチャレンジするとのこと。来年は演技後満開に咲くふたりの笑顔が観られますように。
アイスダンスのかなだいもノーミスで『オペラ座の怪人』を堪能させてくれました。今後競技を続けていくかどうかは明言しませんでしたが、にわかには信じがたかったアイスダンス転向にチャレンジしここに至るまで戦ってきた高橋選手。夢のような時間を与えてくれたことに感謝しています。今はゆっくり休養してほしいと思います。
あっという間に今年のフィギュアシーズンも終わってしまいました。GPFも全日本選手権も観たはずなのにレビューを書く余裕がなく…。
オリンピック以来、少し冷めてしまったせいもあると思います。
ロシア選手のいないフィギュアスケートはもの足りません。
ロシア勢が競技会に出られない直接の要因はウクライナ侵攻ですが、ドーピング問題も決着を見たとは思っていません。戦争の罪は選手になくとも、そちらの闇が解決しない限り、今後純粋な思いでロシアを応援することはできません。いろんなことが悲しいし、残念です。
SPの坂本選手は滑走前の表情が少し硬かったように見えましたが、ジャンプが決まった中盤からいつものスピードと力強さが戻ったように思います。貫禄の首位発進でFSに臨みます。
最終滑走の坂本選手のひとつ前、イ・ヘイン選手がパーフェクトな演技を披露しました。プレッシャーがかかるのではと心配しましたが、いい意味でマイペースを貫けるのも坂本選手の強み。滑り出しからトップスピードに乗り、途中までは完璧。いける、と感じましたが、最後にコンビネーションジャンプでミスが出てしまいました。そのことが悔しくて、演技終了後から涙が止まらない坂本選手。こんな泣き顔を見たのは初めてかもしれません。しかしフリーこそ得点は2位だったものの、総合力では追随を許さず連覇達成。
「上手い」「きれい」、フィギュアにはいろいろな形容詞がありますが、坂本選手にぴったりなのは「強い」だと思います。坂本選手のスケートにはあふれる生命力を感じます。画面を通して伝わってくるそのパワーに圧倒されてばかりです。
そして今回のうれしさに優る悔しさは、より坂本選手を高みに押し上げるのではないかと期待します。
初の表彰台となった2位のイ選手も素晴らしい演技でした。韓国勢ではキム・チェヨン選手も6位に入っており、楽しみな若手が出てきました。3位のルナ・ヘンドリクス選手も今年も魅せてくれました。
三原選手はようやくつかんだ世界切符でしたが、最後にミスが出て5位。それでも三原ワールドは健在でした。渡辺選手も今大会唯一トリプルアクセル2本に挑み、成功こそなりませんでしたが、前向きなコメントが印象的でした。来年の進化に期待です。
《男子》
SP録画に失敗してしまった…。
山本選手はミスが続き悔しい世界選手権になってしまったようです。しかし飛躍した今季のスケートは気品に加え自信も備わったように見えました。世界の表彰台常連となる日も遠くないように感じます。
代打ではなく自力で勝ち取った代表として、友野選手は堂々滑り切りました。ジャンプミスはもったいなかったですが、見せ場のコレオシークエンスでは会場を巻き込む絶品の演技でした。来季も個性あふれるプログラムで魅せてくれることを期待します。
FS最終グループは感動的でした。ジェイソン・ブラウン選手が極上のスケーティングで会場をうっとりさせれば、ケビン・エイモズ選手がノーミス演技で喜びを爆発させる姿にこちらも万感の思いにかられました。そして今季で引退を表明しているキーガン・メッシング選手は日本でも大人気のスケーター。ジャンプやスピンでミスがあったものの、最後まで途切れない万雷の拍手と本人の感極まった表情には涙があふれました。もう彼の演技が観られないのかと思うと淋しさでいっぱいです。
トップ3は圧巻の演技の連続でした。まずはチャ・ジュンファン選手が完璧な演技を披露。高得点をたたき出しました。続いて登場したイリア・マリニン選手は4Aに始まり、6本の4回転を組み込んだ高難度のプログラムにチャレンジ。しかし演技構成点が伸びず、チャ選手を下回ります。
最終滑走は宇野選手。試合前練習で足を負傷したという報道がありましたが、それを感じさせない演技でSPトップでFSを迎えました。
足の痛み、ライバルたちの好演、連覇と自国開催のプレッシャー。いろいろなものを背負いながらの滑走だったと思いますが、それらすべてをはねのける、闘志みなぎる4分間でした。
フィニッシュ後氷上に大の字になった宇野選手は、まるで戦いを終えたファイターのようでした。
連覇達成後、これからもまだ高みを目指すと語った宇野選手。来季はさらにスケールアップした表現者・宇野昌磨が見られることでしょう。
ペアではりくりゅうが日本勢初の金メダル、グランドスラム達成という快挙を成し遂げました。FS後はミスに涙する三浦選手の姿がありましたが、りくりゅうペアの進化ぶりには目を瞠るばかりです。来季はさらに高難度のリフトにチャレンジするとのこと。来年は演技後満開に咲くふたりの笑顔が観られますように。
アイスダンスのかなだいもノーミスで『オペラ座の怪人』を堪能させてくれました。今後競技を続けていくかどうかは明言しませんでしたが、にわかには信じがたかったアイスダンス転向にチャレンジしここに至るまで戦ってきた高橋選手。夢のような時間を与えてくれたことに感謝しています。今はゆっくり休養してほしいと思います。
あっという間に今年のフィギュアシーズンも終わってしまいました。GPFも全日本選手権も観たはずなのにレビューを書く余裕がなく…。
オリンピック以来、少し冷めてしまったせいもあると思います。
ロシア選手のいないフィギュアスケートはもの足りません。
ロシア勢が競技会に出られない直接の要因はウクライナ侵攻ですが、ドーピング問題も決着を見たとは思っていません。戦争の罪は選手になくとも、そちらの闇が解決しない限り、今後純粋な思いでロシアを応援することはできません。いろんなことが悲しいし、残念です。
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3/22 vsアメリカ ○
いよいよこの時を迎えました。
正直、あきらめていました。相手はメジャーのオールスター軍団、どこからでもホームランが打てる隙のない打線。しかもアウェー。いくら日本の投手陣をもってしても、勝つのは容易ではないと。
しかし、日本には大谷がいました。試合前の円陣で、メジャーMVPの放つ言葉は違いました。「今日だけは彼らへのあこがれを捨てて、勝つことだけを考えていきましょう」。
あこがれてしまっては超えられない。
そのとおりです。背筋が伸びました。
最初から気持ちで負けていては、勝つことなどできません。
アメリカはトラウト、日本は大谷が旗手となり、両チームの入場で始まった決勝戦。
後攻の日本、先発は今永。準決勝の劇勝後、歓喜に沸く日本チームの中ひとり緊張していたそうですが、今日も安定感は健在でした。トラウトに二塁打を打たれるも、後続を断って無失点で初回を終えます。
しかしアメリカチーム主将トラウトの二塁へのヘッドスライディングには、この一戦にかける気迫を感じました。
日本の攻撃も無得点で迎えた2回、ターナーにソロホームランを打たれてしまいます。ベネズエラ戦で8回に逆転満塁ホームランを放ち、準決勝のキューバ戦でも2本打っている恐怖の9番打者は、この日6番に打順を上げていました。今永はその後もピンチを招きますが、追加点は許しませんでした。
先制された日本。反撃はその直後でした。
初球、ど真ん中のストレートを迷わず振り抜きいた村上。それは三冠王の見慣れた放物線でした。一瞬の同点劇。そしてそれだけにはとどまらず、次の岡本がヒットで出ると一死満塁と相手を攻めたてます。代わった投手からヌートバーのゴロの間に1点、勝ち越しに成功します。
今日は迷わず継投に出た栗山監督。二番手は戸郷。いきなりトラウトから三振を奪いますが、さすがはアメリカ。すぐさまフォークに対応しボール球を見きわめられ、二死から連続四球で一・二塁でターナーを迎えます。しかしカウントを有利にして投じた4球目のフォークで空振り三振! 2イニング目も三者凡退とこの大一番で最高の仕事をやってのけました。
4回裏には岡本が今度こそスタンドインのホームランで貴重な貴重な追加点!! 差を2点に広げます。
5回に登板したのは高橋宏。いきなり内野安打でランナーを出してしまいますが、さすがは20歳で代表に選ばれただけあります。トラウト、ゴールドシュミットを連続三振。アレナドにはヒットを打たれるものの次のシュワーバーをセンターフライに抑え、ピンチを凌ぎます!
いよいよ試合も後半戦。四番手は伊藤でしたが、こちらの緊張感が緩和するくらいのサクサク三凡。1イニングなのがもったいないくらいの安定感でした。
このあたりから、ダルビッシュや大谷がブルペンに向かい始めました。ということは…。
6回裏、日本は二死満塁まで攻めるも無得点。
7回表は大勢が登板。栗山監督は本当にダル→大谷の継投で行くつもりなのだなと、この時確信しました。
そのためには何としてもリードを守ってバトンを渡さなければいけません。しかし先頭代打の左打者に四球を出してしまいます。1番に戻りヒットでつながれ、無死一・二塁。トラウトはなんとかライナーで抑えるものの、続くはゴールドシュミット。必死で祈る3球目のフォーク、ひっかけたゴロの転がった先には源田! 山田・岡本と渡ってゲッツー! 心臓が持ちません!!
その裏は大谷の全力疾走で内野安打をもぎとりますが、吉田がゲッツー返しで無得点。
いよいよ、ブルペンからダルビッシュが登場します。
このWBC、侍ジャパンがここまで来られたのは実力ももちろんですが、別々の場所から集まってきた一流選手たちがワンチームとして機能しているからです。その結束力を生んでいるのは、ダルビッシュの存在に他なりません。この起用は、栗山監督がダルビッシュへ捧げる感謝の意もあったでしょう。
しかし正直、本調子でないダルビッシュには一抹の不安がありました。先頭はフライに打ち取るも、次のシュワーバーにはファウルで粘られます。そして10球目。大歓声とともに、打球はスタンドへ運ばれていきました。
1点差…。
一気に上がる心拍数。しかも次の打者にヒットを打たれ、一発で逆転のピンチに追い込まれてしまいます。しかし8回という終盤、追い込まれているのは相手も同じ。リアルミュートは初球を打ち上げて内野フライ。続くマリンズも初球を振ってセンターフライに打ち取りました!
なんとか点差を広げて大谷を楽にさせたい日本。しかし変則投手のチェンジアップに対応できず、あっさりツーアウトを献上。山田が選んでこの日ふたつ目の盗塁を決めるもホームまでは到達できませんでした。
ついにやってきました、最終回。
終盤にかけて何度もベンチとブルペンを往復していた大谷が、マウンドへ上がります。
顔はあきらかにこわばっていました。イタリア戦の時のように一球ごと吼えることもありません。大谷でも緊張する時があるのだなと、なぜか平常時のような観察をしてしまいました。しかしこの正念場、大谷以外の誰に任せられるというのでしょう。失点すればそれも致し方なし。どこか達観している自分がいました。
先頭マクニールは冷静に四球を選び、会場が大きな歓声に包まれます。
しかし続くベッツの2球目は山田の前に転がり、源田・岡本と渡ってゲッツー完成。雄叫びを上げた大谷も、テレビの前もボルテージは最高潮。
ツーアウト、ランナー無し。
打席に立つは、トラウト。
「世界最高のふたりを観たくない人なんているだろうか?」
大谷の決勝登板を許可したエンゼルス・ネビン監督が予言したとおりになりました。
9回裏ツーアウト。1点差。
ピッチャー大谷、バッタートラウト。
偶然にしてはできすぎな、漫画でも描けないドラマチックな状況が生まれました!
2球空振りを奪って追い込むも、5球目のストレートが力んで大きく外れ、フルカウントになった6球目——。
それは、2006年、藤田が最後に投じた、
2009年、ダルビッシュが最後に投じた、
同じ球種のスライダー!!
トラウトのバットが空を切った瞬間、鬼の形相でグラブと帽子を放り投げた大谷。ベンチを飛び出したいくつもの笑顔。なぜか転んでいる吉田。マイアミにできた歓喜の輪。
最高だ!
最高だ!!
「侍ジャパン、世界一!!」
もう一度この言葉を聞く日が来ようとは!
宮崎キャンプから始まり、強化試合、そして始まった東京ラウンドを経て、アメリカまで。最高のメンバーが最高の試合をくり広げる、最高の日々でした。
今は思い出されるすべてが名場面です。
そして侍ジャパンの誰ひとり欠けても、この多幸感はありませんでした。
誰もがヒーローで、誰もがMVPです!
そして同時に、もう終わってしまうのかという、祭りのあとのような淋しさもあります。
東京ラウンドでの各国との交流や敗戦相手からのエールなど、日本において肯定的な報道ばかり目につくからでしょうか。本当に素晴らしい大会だったと思います。
また、チェコやイギリスのような野球後進国のヨーロッパからの初出場があったり、メジャーリーガーの多くが参加したり、回を重ねるごとWBCという大会の価値が上がってきたように感じます。
もちろん良いことばかりでなく、残された課題は少なくありません。アジアラウンドとアメリカラウンドの格差や、突然の日程変更疑惑、キューバから亡命した選手たちの複雑な背景も、キューバ代表として参加が許可されたからといってすぐに解決できる問題ではないようです。
2026年、第6回のWBCはいったいどんな大会になるのでしょうか。
日本代表も、顔ぶれは大きく変わるでしょう。栗山監督も勇退となりました。
今回以上のドラマはもうないだろうと、今は思います。しかし2017年終了時、メジャーリーガー大谷がアウェーの球場でも大歓声を受けて胴上げ投手になるなんて、吉田正尚がベストナインになるなんて、オリックスから4人も派遣されるなんて、想像すらしていませんでした。きっと誰も予想もできない未来が待っているはずです。
その日を楽しみに、とりあえず目の前のペナントに備えたいと思います…。
いよいよこの時を迎えました。
正直、あきらめていました。相手はメジャーのオールスター軍団、どこからでもホームランが打てる隙のない打線。しかもアウェー。いくら日本の投手陣をもってしても、勝つのは容易ではないと。
しかし、日本には大谷がいました。試合前の円陣で、メジャーMVPの放つ言葉は違いました。「今日だけは彼らへのあこがれを捨てて、勝つことだけを考えていきましょう」。
あこがれてしまっては超えられない。
そのとおりです。背筋が伸びました。
最初から気持ちで負けていては、勝つことなどできません。
アメリカはトラウト、日本は大谷が旗手となり、両チームの入場で始まった決勝戦。
後攻の日本、先発は今永。準決勝の劇勝後、歓喜に沸く日本チームの中ひとり緊張していたそうですが、今日も安定感は健在でした。トラウトに二塁打を打たれるも、後続を断って無失点で初回を終えます。
しかしアメリカチーム主将トラウトの二塁へのヘッドスライディングには、この一戦にかける気迫を感じました。
日本の攻撃も無得点で迎えた2回、ターナーにソロホームランを打たれてしまいます。ベネズエラ戦で8回に逆転満塁ホームランを放ち、準決勝のキューバ戦でも2本打っている恐怖の9番打者は、この日6番に打順を上げていました。今永はその後もピンチを招きますが、追加点は許しませんでした。
先制された日本。反撃はその直後でした。
初球、ど真ん中のストレートを迷わず振り抜きいた村上。それは三冠王の見慣れた放物線でした。一瞬の同点劇。そしてそれだけにはとどまらず、次の岡本がヒットで出ると一死満塁と相手を攻めたてます。代わった投手からヌートバーのゴロの間に1点、勝ち越しに成功します。
今日は迷わず継投に出た栗山監督。二番手は戸郷。いきなりトラウトから三振を奪いますが、さすがはアメリカ。すぐさまフォークに対応しボール球を見きわめられ、二死から連続四球で一・二塁でターナーを迎えます。しかしカウントを有利にして投じた4球目のフォークで空振り三振! 2イニング目も三者凡退とこの大一番で最高の仕事をやってのけました。
4回裏には岡本が今度こそスタンドインのホームランで貴重な貴重な追加点!! 差を2点に広げます。
5回に登板したのは高橋宏。いきなり内野安打でランナーを出してしまいますが、さすがは20歳で代表に選ばれただけあります。トラウト、ゴールドシュミットを連続三振。アレナドにはヒットを打たれるものの次のシュワーバーをセンターフライに抑え、ピンチを凌ぎます!
いよいよ試合も後半戦。四番手は伊藤でしたが、こちらの緊張感が緩和するくらいのサクサク三凡。1イニングなのがもったいないくらいの安定感でした。
このあたりから、ダルビッシュや大谷がブルペンに向かい始めました。ということは…。
6回裏、日本は二死満塁まで攻めるも無得点。
7回表は大勢が登板。栗山監督は本当にダル→大谷の継投で行くつもりなのだなと、この時確信しました。
そのためには何としてもリードを守ってバトンを渡さなければいけません。しかし先頭代打の左打者に四球を出してしまいます。1番に戻りヒットでつながれ、無死一・二塁。トラウトはなんとかライナーで抑えるものの、続くはゴールドシュミット。必死で祈る3球目のフォーク、ひっかけたゴロの転がった先には源田! 山田・岡本と渡ってゲッツー! 心臓が持ちません!!
その裏は大谷の全力疾走で内野安打をもぎとりますが、吉田がゲッツー返しで無得点。
いよいよ、ブルペンからダルビッシュが登場します。
このWBC、侍ジャパンがここまで来られたのは実力ももちろんですが、別々の場所から集まってきた一流選手たちがワンチームとして機能しているからです。その結束力を生んでいるのは、ダルビッシュの存在に他なりません。この起用は、栗山監督がダルビッシュへ捧げる感謝の意もあったでしょう。
しかし正直、本調子でないダルビッシュには一抹の不安がありました。先頭はフライに打ち取るも、次のシュワーバーにはファウルで粘られます。そして10球目。大歓声とともに、打球はスタンドへ運ばれていきました。
1点差…。
一気に上がる心拍数。しかも次の打者にヒットを打たれ、一発で逆転のピンチに追い込まれてしまいます。しかし8回という終盤、追い込まれているのは相手も同じ。リアルミュートは初球を打ち上げて内野フライ。続くマリンズも初球を振ってセンターフライに打ち取りました!
なんとか点差を広げて大谷を楽にさせたい日本。しかし変則投手のチェンジアップに対応できず、あっさりツーアウトを献上。山田が選んでこの日ふたつ目の盗塁を決めるもホームまでは到達できませんでした。
ついにやってきました、最終回。
終盤にかけて何度もベンチとブルペンを往復していた大谷が、マウンドへ上がります。
顔はあきらかにこわばっていました。イタリア戦の時のように一球ごと吼えることもありません。大谷でも緊張する時があるのだなと、なぜか平常時のような観察をしてしまいました。しかしこの正念場、大谷以外の誰に任せられるというのでしょう。失点すればそれも致し方なし。どこか達観している自分がいました。
先頭マクニールは冷静に四球を選び、会場が大きな歓声に包まれます。
しかし続くベッツの2球目は山田の前に転がり、源田・岡本と渡ってゲッツー完成。雄叫びを上げた大谷も、テレビの前もボルテージは最高潮。
ツーアウト、ランナー無し。
打席に立つは、トラウト。
「世界最高のふたりを観たくない人なんているだろうか?」
大谷の決勝登板を許可したエンゼルス・ネビン監督が予言したとおりになりました。
9回裏ツーアウト。1点差。
ピッチャー大谷、バッタートラウト。
偶然にしてはできすぎな、漫画でも描けないドラマチックな状況が生まれました!
2球空振りを奪って追い込むも、5球目のストレートが力んで大きく外れ、フルカウントになった6球目——。
それは、2006年、藤田が最後に投じた、
2009年、ダルビッシュが最後に投じた、
同じ球種のスライダー!!
トラウトのバットが空を切った瞬間、鬼の形相でグラブと帽子を放り投げた大谷。ベンチを飛び出したいくつもの笑顔。なぜか転んでいる吉田。マイアミにできた歓喜の輪。
最高だ!
最高だ!!
「侍ジャパン、世界一!!」
もう一度この言葉を聞く日が来ようとは!
宮崎キャンプから始まり、強化試合、そして始まった東京ラウンドを経て、アメリカまで。最高のメンバーが最高の試合をくり広げる、最高の日々でした。
今は思い出されるすべてが名場面です。
そして侍ジャパンの誰ひとり欠けても、この多幸感はありませんでした。
誰もがヒーローで、誰もがMVPです!
そして同時に、もう終わってしまうのかという、祭りのあとのような淋しさもあります。
東京ラウンドでの各国との交流や敗戦相手からのエールなど、日本において肯定的な報道ばかり目につくからでしょうか。本当に素晴らしい大会だったと思います。
また、チェコやイギリスのような野球後進国のヨーロッパからの初出場があったり、メジャーリーガーの多くが参加したり、回を重ねるごとWBCという大会の価値が上がってきたように感じます。
もちろん良いことばかりでなく、残された課題は少なくありません。アジアラウンドとアメリカラウンドの格差や、突然の日程変更疑惑、キューバから亡命した選手たちの複雑な背景も、キューバ代表として参加が許可されたからといってすぐに解決できる問題ではないようです。
2026年、第6回のWBCはいったいどんな大会になるのでしょうか。
日本代表も、顔ぶれは大きく変わるでしょう。栗山監督も勇退となりました。
今回以上のドラマはもうないだろうと、今は思います。しかし2017年終了時、メジャーリーガー大谷がアウェーの球場でも大歓声を受けて胴上げ投手になるなんて、吉田正尚がベストナインになるなんて、オリックスから4人も派遣されるなんて、想像すらしていませんでした。きっと誰も予想もできない未来が待っているはずです。
その日を楽しみに、とりあえず目の前のペナントに備えたいと思います…。
3/21 vsメキシコ ○
疲れた…_( _´ω`)_
朝から疲労困憊…。
後攻の日本、先発は佐々木朗希。慣れないマウンド、しかも大舞台でどんな投球を見せるのか正直不安でした。しかしより重要な第二先発には山本が控えていますから、どんどん飛ばしていけるはず。初回は三者凡退と上々の立ち上がり。
一方、メキシコ先発のサンドバルは左に強い左投手。左打者が並ぶ上位打線を三者三振と、こちらも最高のスタートです。
2回の佐々木は打球をお腹に受けながらも、無失点に抑えます。その裏、先頭の吉田正尚が初ヒットを放つも、村上三振、岡本ゲッツーと何も起きず…。
サンドバルの攻略への道筋を描けないまま、試合は4回へ。ツーアウトからヒットで出塁されると、次の打球は不運なポテンヒット。初回から飛ばしてきた佐々木は少し疲れていたように見えました。交代した方がいいのでは…と思わないでもありませんでしたが、ツーアウトでしたし続投の判断はやむなしでしょう。しかし相手はアメリカに打ち勝ったチーム。佐々木の浮いてしまったフォークを見逃してはくれませんでした。打球はレフトスタンドへ…メキシコに3点先制されてしまいます。
援護をもらってサンドバルの心にわずかな揺れが生まれたのか、近藤・吉田にいい当たりが続き、二死一・三塁のチャンスを作るも村上三振で追い上げできず。
5回からマウンドに上がったのは山本。まさかビハインドで出ることになるとは思いませんでしたが、山本らしく変化球を駆使した投球で無失点に抑えます。
その裏、先頭岡本の打球は大きな弧を描いてスタンドイーン! …かと思いきや、フェンス際でレフトのアロサレーナがジャンピングキャッチ! 会心のドヤ顔に「嘘やーん!」と頭を抱えました。そのアロサレーナ、乱れてきたサンドバルが交代している間にスタンドのファンへサインボールをプレゼント。なんと自由な…。そして日本は二死満塁の大チャンスを作りますが、レフトフライでチェンジ。
6回裏には先頭大谷がヒットで出塁。吉田は併殺崩れ、村上は三振でツーアウト。そこから岡本・山田が四球を選んで満塁になるも、源田が打ち上げた先にはアロサレーナ! またおぬしか! もう憶えたぞ!
いよいよ試合は終盤戦。緊張感も高まってきます。
7回表はワンアウトから四球を出した山本。次のバッターもフルカンと粘られ、8球目のフォークで空振り三振。甲斐が二塁送球するも、ランナーは忍者のような動きで源田のタッチをかいくぐった…ように見えましたが、栗山監督がチャレンジ。長い検証の末、判定覆ってアウト! テレビ画面ではセーフのように見えましたが、NPBと違ってきっといろんな角度のカメラがあるのでしょう!
これで流れは侍ジャパンに! …と言いたいところでしたが、裏の攻撃はあっさりツーアウトを取られてしまいます。しかし近藤がヒットで出塁すると、大谷のところで左投手に交代。我が家の解説者は「メキシコは後ろが弱いらしい」との情報を得ていました。そこに望みをかけるしかありません。
代わった投手から大谷はストレートの四球。
そして打席は吉田正尚!
またの名を神!!
片手一本運んだ打球はライト方向、ポールの横の柱にぶつかる同点スリーランホームラーーーーーン!!!
日本シリーズ第5戦並みに大絶叫してしまいました!!!
さあ、同点。投手交代するかと思いきや山本が続投。ちょっと不安があったのです。7回の山本は少し球数を要していましたし、チャレンジで間が空きましたし。いやちょっとだけ。たぶん山本なら大丈夫…。
じゃなかったーーーー!!!
連続二塁打で勝ち越し点を献上してしまいました。しかもメネセスにまで打たれて一・三塁(オリックス時代は全然打ってなかったやん…)。まさか山本がこんなピンチを招いて降板するなんて…。
とんでもない場面を任されたのは湯浅。顔つきからも緊張が見て取れましたが、まずは空振り三振でツーアウト。「あとひとり頑張れ!」と祈りを捧げるも、フォークをうまくすくわれレフト前。悔しそうに帽子を振り下ろした湯浅でしたが、二塁ランナーの生還は許しませんでしたし、よく踏ん張ったと思います。最後のフォークも決して悪い球ではありませんでした。三振したバッターも膝でバットをふたつ折りして悔しがっていましたが、互いの執念のぶつかり合いだったように感じます。
点差は2点。残り2回。
昨年よく見た展開です。来い、8回のオリックス!
先頭岡本。代わった投手からいきなり死球をもらいます。代走に中野が起用され、続く山田がヒットで続き、無死一・二塁とチャンスを作った侍ジャパン! そして源田はバントの構え。ファウルで追い込まれるも、5球目をきっちり転がしスリーバント成功! 怪我は痛むはずですが、最高の仕事をしてくれました!
そして甲斐の代打に山川登場。捕手が大城しかいなくなりますが、あとのない状況では仕方ありません。高めのストレートを振り抜いた瞬間、逆転どすこいを期待するもフェンスは超えられず。それでも最低限の犠牲フライで1点差とします。
9回表は大勢がマウンドへ。3球でツーアウトを取り、次の左打者には死球を出すも次を三振に抑えて攻撃に弾みをつけます。
いよいよ、最終回。
先頭は大谷。
打席に入った大谷には、強い意志が漲っていました。初球、振り抜いた打球は外野の間を割っていきました。走りながらヘルメットを脱ぎ捨てた大谷は一気に二塁ベースへ到達。両手を振り上げ大きく吼える姿に、球場の空気が変わったような気がしました。
そして吉田は四球。一塁へ歩く際、吉田がネクストへ向けて何か合図したように見えました。そこにいたのは村上。この日も3三振の村上でしたが、いったいどんな声をかけたのか。きっとここまで一緒に戦ってきた者同士だから伝えられる言葉があるのでしょう。
初球はファウル。ボール球を見逃し、3球目のストレート。
村上は迷わず振り抜きました!
打球はセンターを超え、外野フェンス一直線!
大谷はもちろん、一塁代走の周東も凄い勢いでホームベースへ生還!!
なんて劇的な逆転サヨナラ決勝進出決定タイムリー!!
かつて福留が、イチローがそれまでの不振を払拭する一打を放ったように、村上もここぞで決めてくれました!
最後まで信じた栗山監督の勝ちです。
もちろん殊勲者は彼らだけではありません。牧原以外の野手を使い切る総力戦でしたが、全員が全員やるべきことを果たしました。大谷頼みにならず、全員が後ろにつなぐ意識を持っている、そんな理想的な野球ができています。明日は投手も総力戦です。やってくれると信じています。
そう、ついに、ついに来ました!
決勝戦でアメリカが待っています!
準決勝でキューバを叩きのめした恐ろしい打線には、正直勝てる気がしません。
しかし日本代表の結束力は世界一だと思います。投手も野手も一丸となって大きな敵に立ち向かう、そんな侍たちの最後の勇姿を見届けたいと思います。
疲れた…_( _´ω`)_
朝から疲労困憊…。
後攻の日本、先発は佐々木朗希。慣れないマウンド、しかも大舞台でどんな投球を見せるのか正直不安でした。しかしより重要な第二先発には山本が控えていますから、どんどん飛ばしていけるはず。初回は三者凡退と上々の立ち上がり。
一方、メキシコ先発のサンドバルは左に強い左投手。左打者が並ぶ上位打線を三者三振と、こちらも最高のスタートです。
2回の佐々木は打球をお腹に受けながらも、無失点に抑えます。その裏、先頭の吉田正尚が初ヒットを放つも、村上三振、岡本ゲッツーと何も起きず…。
サンドバルの攻略への道筋を描けないまま、試合は4回へ。ツーアウトからヒットで出塁されると、次の打球は不運なポテンヒット。初回から飛ばしてきた佐々木は少し疲れていたように見えました。交代した方がいいのでは…と思わないでもありませんでしたが、ツーアウトでしたし続投の判断はやむなしでしょう。しかし相手はアメリカに打ち勝ったチーム。佐々木の浮いてしまったフォークを見逃してはくれませんでした。打球はレフトスタンドへ…メキシコに3点先制されてしまいます。
援護をもらってサンドバルの心にわずかな揺れが生まれたのか、近藤・吉田にいい当たりが続き、二死一・三塁のチャンスを作るも村上三振で追い上げできず。
5回からマウンドに上がったのは山本。まさかビハインドで出ることになるとは思いませんでしたが、山本らしく変化球を駆使した投球で無失点に抑えます。
その裏、先頭岡本の打球は大きな弧を描いてスタンドイーン! …かと思いきや、フェンス際でレフトのアロサレーナがジャンピングキャッチ! 会心のドヤ顔に「嘘やーん!」と頭を抱えました。そのアロサレーナ、乱れてきたサンドバルが交代している間にスタンドのファンへサインボールをプレゼント。なんと自由な…。そして日本は二死満塁の大チャンスを作りますが、レフトフライでチェンジ。
6回裏には先頭大谷がヒットで出塁。吉田は併殺崩れ、村上は三振でツーアウト。そこから岡本・山田が四球を選んで満塁になるも、源田が打ち上げた先にはアロサレーナ! またおぬしか! もう憶えたぞ!
いよいよ試合は終盤戦。緊張感も高まってきます。
7回表はワンアウトから四球を出した山本。次のバッターもフルカンと粘られ、8球目のフォークで空振り三振。甲斐が二塁送球するも、ランナーは忍者のような動きで源田のタッチをかいくぐった…ように見えましたが、栗山監督がチャレンジ。長い検証の末、判定覆ってアウト! テレビ画面ではセーフのように見えましたが、NPBと違ってきっといろんな角度のカメラがあるのでしょう!
これで流れは侍ジャパンに! …と言いたいところでしたが、裏の攻撃はあっさりツーアウトを取られてしまいます。しかし近藤がヒットで出塁すると、大谷のところで左投手に交代。我が家の解説者は「メキシコは後ろが弱いらしい」との情報を得ていました。そこに望みをかけるしかありません。
代わった投手から大谷はストレートの四球。
そして打席は吉田正尚!
またの名を神!!
片手一本運んだ打球はライト方向、ポールの横の柱にぶつかる同点スリーランホームラーーーーーン!!!
日本シリーズ第5戦並みに大絶叫してしまいました!!!
さあ、同点。投手交代するかと思いきや山本が続投。ちょっと不安があったのです。7回の山本は少し球数を要していましたし、チャレンジで間が空きましたし。いやちょっとだけ。たぶん山本なら大丈夫…。
じゃなかったーーーー!!!
連続二塁打で勝ち越し点を献上してしまいました。しかもメネセスにまで打たれて一・三塁(オリックス時代は全然打ってなかったやん…)。まさか山本がこんなピンチを招いて降板するなんて…。
とんでもない場面を任されたのは湯浅。顔つきからも緊張が見て取れましたが、まずは空振り三振でツーアウト。「あとひとり頑張れ!」と祈りを捧げるも、フォークをうまくすくわれレフト前。悔しそうに帽子を振り下ろした湯浅でしたが、二塁ランナーの生還は許しませんでしたし、よく踏ん張ったと思います。最後のフォークも決して悪い球ではありませんでした。三振したバッターも膝でバットをふたつ折りして悔しがっていましたが、互いの執念のぶつかり合いだったように感じます。
点差は2点。残り2回。
昨年よく見た展開です。来い、8回のオリックス!
先頭岡本。代わった投手からいきなり死球をもらいます。代走に中野が起用され、続く山田がヒットで続き、無死一・二塁とチャンスを作った侍ジャパン! そして源田はバントの構え。ファウルで追い込まれるも、5球目をきっちり転がしスリーバント成功! 怪我は痛むはずですが、最高の仕事をしてくれました!
そして甲斐の代打に山川登場。捕手が大城しかいなくなりますが、あとのない状況では仕方ありません。高めのストレートを振り抜いた瞬間、逆転どすこいを期待するもフェンスは超えられず。それでも最低限の犠牲フライで1点差とします。
9回表は大勢がマウンドへ。3球でツーアウトを取り、次の左打者には死球を出すも次を三振に抑えて攻撃に弾みをつけます。
いよいよ、最終回。
先頭は大谷。
打席に入った大谷には、強い意志が漲っていました。初球、振り抜いた打球は外野の間を割っていきました。走りながらヘルメットを脱ぎ捨てた大谷は一気に二塁ベースへ到達。両手を振り上げ大きく吼える姿に、球場の空気が変わったような気がしました。
そして吉田は四球。一塁へ歩く際、吉田がネクストへ向けて何か合図したように見えました。そこにいたのは村上。この日も3三振の村上でしたが、いったいどんな声をかけたのか。きっとここまで一緒に戦ってきた者同士だから伝えられる言葉があるのでしょう。
初球はファウル。ボール球を見逃し、3球目のストレート。
村上は迷わず振り抜きました!
打球はセンターを超え、外野フェンス一直線!
大谷はもちろん、一塁代走の周東も凄い勢いでホームベースへ生還!!
なんて劇的な逆転サヨナラ決勝進出決定タイムリー!!
かつて福留が、イチローがそれまでの不振を払拭する一打を放ったように、村上もここぞで決めてくれました!
最後まで信じた栗山監督の勝ちです。
もちろん殊勲者は彼らだけではありません。牧原以外の野手を使い切る総力戦でしたが、全員が全員やるべきことを果たしました。大谷頼みにならず、全員が後ろにつなぐ意識を持っている、そんな理想的な野球ができています。明日は投手も総力戦です。やってくれると信じています。
そう、ついに、ついに来ました!
決勝戦でアメリカが待っています!
準決勝でキューバを叩きのめした恐ろしい打線には、正直勝てる気がしません。
しかし日本代表の結束力は世界一だと思います。投手も野手も一丸となって大きな敵に立ち向かう、そんな侍たちの最後の勇姿を見届けたいと思います。
《フルフルール》
スイーツプレートは季節のフルーツに焼き芋、フルーツゼリーと飲み物に加え、ケーキを2種類選べます。
ショコラとゆずにしてみました。
いちごも日によってブランドが変わるようです。
たまにはこんな甘い贅沢もいいな…。
スイーツプレートは季節のフルーツに焼き芋、フルーツゼリーと飲み物に加え、ケーキを2種類選べます。
ショコラとゆずにしてみました。
いちごも日によってブランドが変わるようです。
たまにはこんな甘い贅沢もいいな…。
3/16 vsイタリア ○
ついに準々決勝、一発勝負の負けられない戦いが始まりました。
前日にはキューバ-オーストラリアが行われました。オーストラリアが先制すればキューバが逆転。その直後オーストラリアが1点差に追い上げる2ランを放つなど、熱い一戦となりました。
キューバにはデスパイネやモイネロ、マルティネスなどNPBで活躍する選手が多いので観客はキューバ寄りかと思いきや、オーストラリアにも多くの声援が送られていました。理由のひとつにはかわいらしい応援団長の存在もあったかもしれません。日本戦でオーストラリアの攻撃中、静かな球場に響き渡った「レッツゴージョージ!」。その声に応えるかのように粘るジョージの打席中、その応援はずっと聞こえていました。カメラはすぐその少女を捉えましたが、彼女は観ている者の心も捉えました。
そしてキューバ戦。1点差で迎えた9回裏2アウト、打席はジョージ。球場は「レッツゴージョージ」の声で一体となりました。あえなく三振で試合は終了してしまいましたが、その後球場全体から沸き起こった大きな拍手は勝者にも敗者にもひとしく送られた称賛でした。どんなスポーツも、国境や言語の違いを超え人びとの心をひとつにさせる力があります。今まで日本戦以外であれほど盛り上がった東京ドームは見たことがありません。サッカーのように誰もが容易に観られる視聴環境であってほしかったと思います。
さて、日本-イタリア戦。先発の大谷は初回から160キロストレートとスライダーで三者凡退。相手の攻撃時は静かな球場で、一球ごとに大谷の声が響いていました。これほど気合いの入った大谷を観るのははじめてのような気がします。CSでも日本シリーズでもお目にかかれなかった、本気の大谷でした。
1回裏、先頭ヌートバーがヒット、近藤が四球と、この大会の得点パターンで大谷を迎えるも、大胆な右寄りシフトに阻まれました。そして4番に入った吉田も逆方向を意識するあまり邪飛に終わり、5番村上もフルカウントまで粘るも微妙なコースで見逃し三振と無得点。
大谷はひとりのランナーも出さない気迫の好投を続けます。打線が応えたのは3回裏。代わった投手から近藤が四球で出塁すると、次の大谷はシフトの逆をつくセーフティバント! これが相手のエラーを誘って一・三塁の大チャンス! そして打席は吉田正尚! ショートゴロの間に近藤が還って日本先制(シフトがなければセンター前でしたが…)!
続く村上は四球を選び、なおもチャンスが続きます。そして6番岡本、泳ぎながらも放った打球はレフトスタンド! 見事なスリーラン!! 試合の流れは一気に日本へ傾きました!
…と、思っていたのですが、大谷は初回から飛ばした疲れが出てきたのか、いきなりヒットを浴びると四球も出して二死一・二塁。相手打者の打球はレフトフェンス際へ! フェン直長打かと思われたその打球を、フェンスに激突しながらキャッチし落とさなかったのは吉田正尚! 実況も一瞬何が起きたのかわからないくらいの超ファインプレーでした(吉田比)!!
もう交代かと思われた次の回もマウンドに立った大谷。おそらくこのWBC最後の登板でしょうから、ギリギリまで行きたいという本人の意志もあったのかもしれません。しかしやはり序盤の大谷ではなくなっていました。2死球とヒットでツーアウトランナー満塁。そして次のフレッチャー弟にライトへ弾き返され、2点を失ってしまいます。
71球投じていた大谷はここで降板。こんな悔しそうな大谷を観るのもはじめてでした。
なおも一・三塁のピンチで、「宇田川が出てくるのでは…」とドキドキしていましたが、コールされたのは伊藤。ここでも追いロジンは忘れない強心臓はやはり頼もしかった! 追い込んでからストライクくさいコースをボール判定されても乱されることなく、しっかり内野フライに打ち取りました! ここで追加点を取られていれば、流れは完全にイタリアへ行っていたかもしれません。正直、この試合のMVPはこのアウトを取った伊藤だと思っています。あまりクローズアップされないのが不思議…。
ピンチのあとにはチャンスあり。直後、先頭の大谷がストレートの四球を選ぶと、吉田は死球(やーめーてーもう何個目よ?)。そして交代した投手の初球を、村上が弾き返しました! 4番を降りて気が楽になったのか、村上らしい大きな飛球はセンターオーバー! そして岡本も続き3点を追加します!
5点差になった日本、マウンドに上がったのは今永。今日ももったいないくらいの好投でした。
そして7回表、ダルビッシュがベンチを出ると大きな歓声が。日本で投げるダルを観られるのはおそらくこれが最後です。栗山監督は、おそらくどんな点差であってもダルビッシュをマウンドに上げ、観客にその雄姿を目に焼きつけてもらいたかったのでしょう。
最後といえば、日本で打席に立つ吉田正尚を観られるのもこの試合が最後です。
昨年、オリックス本拠地最終打席で放ったのは観客を総立ちにさせたホームランでした。
そして、日本の本拠地最終打席も、打った瞬間それとわかる大きなホームランでした!!
涙が出てきます。あと2試合で吉田とはサヨナラなのだと…。
日本打線はとどまるところを知らず、村上が二塁打を放つと、源田のタイムリーで追加点。骨折した小指に痛々しいテーピングを施しながら、この試合源田はスタメンに復帰していました。そして打球を処理するたび大きな拍手を浴びていましたが、平均視聴率48%を獲得したこの試合、瞬間最高を記録したのはこの源田のタイムリーの場面でした。誰もが心を揺さぶられずにはいられない瞬間だったでしょう。
ダルビッシュは8回にソロホームランを浴びるものの、日本での最終登板の2回を投げ終えました。パドレスは当初の予定を覆しアメリカでのダルビッシュの登板を許可したようですが、ダルは、そして栗山監督はどういう選択をするでしょう。
9回は大勢。今までと異なる緊張感があったのか、いきなりランナーをふたり出すものの、最後は最高のストレートで見逃し三振を奪い準決勝進出を決めました!
新聞一面は全紙大谷のバントでしたが、全員がそれぞれ見どころを作ったチーム一丸で獲得した勝利だったと思います!! まさに全員が主役の全員野球! 「全員で勝つ!」チームは強い!
さあ、いよいよ舞台はアメリカに移ります。
プールCはメキシコ・アメリカが勝ち抜け。激戦区のプールDはベネズエラが全勝で1位、そしてプエルトリコが続き、優勝候補ドミニカが敗退となりました。
21日に迎える準決勝の相手は、メキシコ-プエルトリコの勝者。ここまで来ると、どちらが来ても強者に違いはありません。
いざ出陣! 勇敢な侍たちはやってくれると信じています!
そして有休を取った22日を歓喜の一日にさせてー!
ついに準々決勝、一発勝負の負けられない戦いが始まりました。
前日にはキューバ-オーストラリアが行われました。オーストラリアが先制すればキューバが逆転。その直後オーストラリアが1点差に追い上げる2ランを放つなど、熱い一戦となりました。
キューバにはデスパイネやモイネロ、マルティネスなどNPBで活躍する選手が多いので観客はキューバ寄りかと思いきや、オーストラリアにも多くの声援が送られていました。理由のひとつにはかわいらしい応援団長の存在もあったかもしれません。日本戦でオーストラリアの攻撃中、静かな球場に響き渡った「レッツゴージョージ!」。その声に応えるかのように粘るジョージの打席中、その応援はずっと聞こえていました。カメラはすぐその少女を捉えましたが、彼女は観ている者の心も捉えました。
そしてキューバ戦。1点差で迎えた9回裏2アウト、打席はジョージ。球場は「レッツゴージョージ」の声で一体となりました。あえなく三振で試合は終了してしまいましたが、その後球場全体から沸き起こった大きな拍手は勝者にも敗者にもひとしく送られた称賛でした。どんなスポーツも、国境や言語の違いを超え人びとの心をひとつにさせる力があります。今まで日本戦以外であれほど盛り上がった東京ドームは見たことがありません。サッカーのように誰もが容易に観られる視聴環境であってほしかったと思います。
さて、日本-イタリア戦。先発の大谷は初回から160キロストレートとスライダーで三者凡退。相手の攻撃時は静かな球場で、一球ごとに大谷の声が響いていました。これほど気合いの入った大谷を観るのははじめてのような気がします。CSでも日本シリーズでもお目にかかれなかった、本気の大谷でした。
1回裏、先頭ヌートバーがヒット、近藤が四球と、この大会の得点パターンで大谷を迎えるも、大胆な右寄りシフトに阻まれました。そして4番に入った吉田も逆方向を意識するあまり邪飛に終わり、5番村上もフルカウントまで粘るも微妙なコースで見逃し三振と無得点。
大谷はひとりのランナーも出さない気迫の好投を続けます。打線が応えたのは3回裏。代わった投手から近藤が四球で出塁すると、次の大谷はシフトの逆をつくセーフティバント! これが相手のエラーを誘って一・三塁の大チャンス! そして打席は吉田正尚! ショートゴロの間に近藤が還って日本先制(シフトがなければセンター前でしたが…)!
続く村上は四球を選び、なおもチャンスが続きます。そして6番岡本、泳ぎながらも放った打球はレフトスタンド! 見事なスリーラン!! 試合の流れは一気に日本へ傾きました!
…と、思っていたのですが、大谷は初回から飛ばした疲れが出てきたのか、いきなりヒットを浴びると四球も出して二死一・二塁。相手打者の打球はレフトフェンス際へ! フェン直長打かと思われたその打球を、フェンスに激突しながらキャッチし落とさなかったのは吉田正尚! 実況も一瞬何が起きたのかわからないくらいの超ファインプレーでした(吉田比)!!
もう交代かと思われた次の回もマウンドに立った大谷。おそらくこのWBC最後の登板でしょうから、ギリギリまで行きたいという本人の意志もあったのかもしれません。しかしやはり序盤の大谷ではなくなっていました。2死球とヒットでツーアウトランナー満塁。そして次のフレッチャー弟にライトへ弾き返され、2点を失ってしまいます。
71球投じていた大谷はここで降板。こんな悔しそうな大谷を観るのもはじめてでした。
なおも一・三塁のピンチで、「宇田川が出てくるのでは…」とドキドキしていましたが、コールされたのは伊藤。ここでも追いロジンは忘れない強心臓はやはり頼もしかった! 追い込んでからストライクくさいコースをボール判定されても乱されることなく、しっかり内野フライに打ち取りました! ここで追加点を取られていれば、流れは完全にイタリアへ行っていたかもしれません。正直、この試合のMVPはこのアウトを取った伊藤だと思っています。あまりクローズアップされないのが不思議…。
ピンチのあとにはチャンスあり。直後、先頭の大谷がストレートの四球を選ぶと、吉田は死球(やーめーてーもう何個目よ?)。そして交代した投手の初球を、村上が弾き返しました! 4番を降りて気が楽になったのか、村上らしい大きな飛球はセンターオーバー! そして岡本も続き3点を追加します!
5点差になった日本、マウンドに上がったのは今永。今日ももったいないくらいの好投でした。
そして7回表、ダルビッシュがベンチを出ると大きな歓声が。日本で投げるダルを観られるのはおそらくこれが最後です。栗山監督は、おそらくどんな点差であってもダルビッシュをマウンドに上げ、観客にその雄姿を目に焼きつけてもらいたかったのでしょう。
最後といえば、日本で打席に立つ吉田正尚を観られるのもこの試合が最後です。
昨年、オリックス本拠地最終打席で放ったのは観客を総立ちにさせたホームランでした。
そして、日本の本拠地最終打席も、打った瞬間それとわかる大きなホームランでした!!
涙が出てきます。あと2試合で吉田とはサヨナラなのだと…。
日本打線はとどまるところを知らず、村上が二塁打を放つと、源田のタイムリーで追加点。骨折した小指に痛々しいテーピングを施しながら、この試合源田はスタメンに復帰していました。そして打球を処理するたび大きな拍手を浴びていましたが、平均視聴率48%を獲得したこの試合、瞬間最高を記録したのはこの源田のタイムリーの場面でした。誰もが心を揺さぶられずにはいられない瞬間だったでしょう。
ダルビッシュは8回にソロホームランを浴びるものの、日本での最終登板の2回を投げ終えました。パドレスは当初の予定を覆しアメリカでのダルビッシュの登板を許可したようですが、ダルは、そして栗山監督はどういう選択をするでしょう。
9回は大勢。今までと異なる緊張感があったのか、いきなりランナーをふたり出すものの、最後は最高のストレートで見逃し三振を奪い準決勝進出を決めました!
新聞一面は全紙大谷のバントでしたが、全員がそれぞれ見どころを作ったチーム一丸で獲得した勝利だったと思います!! まさに全員が主役の全員野球! 「全員で勝つ!」チームは強い!
さあ、いよいよ舞台はアメリカに移ります。
プールCはメキシコ・アメリカが勝ち抜け。激戦区のプールDはベネズエラが全勝で1位、そしてプエルトリコが続き、優勝候補ドミニカが敗退となりました。
21日に迎える準決勝の相手は、メキシコ-プエルトリコの勝者。ここまで来ると、どちらが来ても強者に違いはありません。
いざ出陣! 勇敢な侍たちはやってくれると信じています!
そして有休を取った22日を歓喜の一日にさせてー!
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