かすむ夜の光を花とにほふにぞ月のかつらの春もしらるる(二条為明)
「令和の怪物」の最後の夏。大船渡・佐々木選手の甲子園で活躍する姿を見ることはできませんでした。
高校野球はチームスポーツですから、佐々木選手がいかに突出した実力を持った投手だとしてもそれだけでは勝ち上がることはできません。ましてや複数投手はあたりまえ、打撃も守備も合わせた総合力が必要とされる現代において、エースで4番の奮闘だけで甲子園に出場するなんて世界は漫画の中だけ(そんな展開もたぶん今では許されない)。日本代表クラスの佐々木選手がいることで、他の選手への刺激は大きかったでしょうし、相乗効果もあったでしょう。全国的に私学優位の傾向で、岩手ももちろんその例外ではありません。ましてや佐々木選手のおかげで注目度が上がる中、決勝まで勝ち上がってきたのは称賛に値する結果であったと思います。
佐々木選手が決勝に登板しなかったことが物議を醸しています。野球評論家から一般市民まで賛否両論、新聞からワイドショーまで喧々囂々でしたが、正しい答えなどあるはずがありません。守るべきは佐々木選手の将来か、部員全員の思いか。それを決めるのは、部外者ではありません。そして佐々木選手たちが夢に届かなかった結果、監督が自身の采配に悔いを残した発言をすることなど決して許されるわけがないのです。
ただ、結局のところ投げさせても投げさせなくても批判は浴びることになったでしょう。決して強豪校ではない公立校の、知識も経験も浅い若い監督が、佐々木という日本野球界の至宝を預かることになってからの苦悩はいかばかりであったか、想像を絶します。もし大船渡に未完成な彼の身体をケアできる一流の設備やスタッフがいたなら。彼を守りきれる潤沢な予算があったなら。あらゆる意味でこれが公立の限界だったのかもしれません。
ただ、大船渡から甲子園を目指した佐々木選手たちの経験は、一生輝くものとなって残るはずです。
昨今、甲子園の注目度が上がっていて、地方大会前から「甲子園のヒーロー(となってほしい選手)」を作りがちですが、ヒーローはマスコミやファンではなく、甲子園が作るものだと思っています。勝ち上がるたび隠れていた力が発揮され、活躍が注目される。そんな可能性を、甲子園は秘めています。世界大会やオリンピックでも、無名選手が突然自己ベストを出してメダルを取ってしまうことがあります。それが大舞台の面白さだとも思います。
昨年で言えば金足農の吉田輝星がまさしくそれでした。
そしてカナノウ旋風を確実なものにしたのが、準々決勝の近江戦、劇的な逆転サヨナラツーランスクイズの場面でした。球場の大歓声、歓喜する金足農とともに、そこだけ取り残されたかのように呆然とする近江の2年生バッテリーの姿を忘れることはできません。
今度は彼らの笑顔を見たい。それは多くの高校野球ファンに共通した思いだったようです。
春の関西王者と東の横綱・東海大相模との2回戦は、注目カードとなりました。
守備走塁と隙のない相模野球に、近江は序盤から圧倒されているようでした。林投手は昨年からいちだんと成長したコントロールの良さで序盤こそ失点を防いでいましたが、地方大会無失策の野手陣がエラーを重ねてしまい、気がつけば5点差をつけられていました。
8回。好投していた相模の先発・遠藤選手が交代すると、近江の打線が意地を見せます。四球とヒットで二死満塁。
有馬捕手が打席に立つと、球場からこの日いちばんの拍手が沸き起こりました。
一年前、金足農に向けられていた拍手と遜色ない、いやむしろ有馬捕手の一年前を知っている高校野球ファンのそれだからこそ、いっそう大きく温かく響きました。
結果は、押し出し。近江はその1点にとどまり、初戦で姿を消すことになりました。林・有馬両選手の日本一のバッテリーという夢は叶いませんでしたが、今年も近江ブルーと個性的な応援歌、そして林投手の涙と有馬捕手の笑顔は強く印象に残りました。
相模の強さを目の当たりにして、これは優勝するに違いないと感じました。しかし同じ高校生同士の一発勝負。予想など何の役にも立ちません。
しかし夜な夜な情報を集めていた我が家の解説者は、中京学院大中京がひそかな有力校だと注視していたようです。それでも相模が敗れるとは思っていなかったようですが。
中京の新たなカラーとなった終盤のビッグイニングでの逆転劇には興奮の連続でした。しかしその神通力も、今大会もっとも注目を浴びた星稜の勢いの前には通用しませんでした。
いわゆる高校生投手の「BIG4」で、唯一甲子園出場を決めた星稜・奥川投手。智辯和歌山戦、今大会唯一のタイブレークとなった延長14回を投げ切っての涙には、見ているこちらももらい泣きでした。そして前評判にたがわぬ実力を見せつけるかのような力投は圧巻でした。
しかし星稜が決勝まで勝ち上がることができたのは、もちろん彼ひとりの力ではありません。準々決勝は奥川投手が登板することなく勝ち切り、準決勝の中京学院大中京戦も7回で降りました。それも試合を経るごとに増した打線の力に他なりません。
そして迎えた決勝。
「ヒーロー」と「ドラマ」を欲する甲子園。箕島との延長18回の死闘、松井の5敬遠、帝京の前に屈した24年前の決勝。甲子園を思い起こす時、星稜はいつもその中心にありました。マスコミも、観客席も、星稜の応援一色となってしまったのはやむなしかもしれません。
しかし完全アウェーの中で戦うこととなった履正社もまた、初優勝、そして大阪勢の連覇、さらにはセンバツ初戦で完敗を喫した奥川投手へのリベンジというドラマへの道筋を描いていたのです。
春の敗北から打倒奥川を掲げて磨いてきた打線は、霞ヶ浦、津田学園、高岡商と好投手を擁するチームを打ち砕いてきたように、この試合でも二桁安打を記録しました。同点に追いつかれても相手への応援一色の球場の雰囲気にも、決して臆することはありませんでした。さらに2点リードの9回裏、星稜が作ったチャンスに大きく沸き立つ中でしっかりと併殺を取り切った守備力。優勝にふさわしい総合力の高さを感じさせました。
センバツでは二度の準優勝を飾るも栄冠にはわずか届いてきませんでした。大阪大会ではいつも大阪桐蔭の後塵を拝し、あと一歩のところで何度も苦渋を舐めてきました。しかしもう二番手とは呼ばせない、大阪には履正社もあり、と高らかにその強さを全国に誇る初優勝でした。
思うような投球ができなかった奥川投手。準決勝から中1日あったとはいえ、大会を戦っていく中で球数でははかりきれない疲労もあったでしょう。しかし奥川投手の残したインパクトはたった一敗によって色あせるものでは決してありません。早くも次のステージ、JAPANのユニフォームが彼を待っています。そして来年の今頃は、プロのユニフォームを着て昨夏の思い出を語っていることでしょう。そしてその身に纏うのは、大阪のチームのものであってほしいな…。
奥川投手・山瀬捕手の合流を待たずして始まったU-18の合同練習。そのキャプテンをまかされているのは、智辯学園の坂下選手です。
奈良大会の鮮烈な印象そのままに、甲子園のフィールドでも躍動しました。代表校最後に登場した智辯の相手は、初戦を圧倒的な打力で制した八戸学院光星。先発起用された1年生の小畠投手が早々につかまり、中盤で6点ビハインドをつけられる苦しい戦いとなりました。
そんな雰囲気が一変したのは6回裏。坂下選手の打席からでした。キャプテンの二塁打から、ジョックロックとともに智辯の猛攻が始まりました。
しかし甲子園に棲む魔物は、最終的に光星のほうへ味方しました。試合には敗れたものの、智辯学園はは奈良代表に恥じない、堂々たる戦いぶりでした。そして坂下選手の気迫あふれる守備、そして鋭い打撃は強く胸に刻まれました。U-18でも立派なキャプテンシーを見せてくれることと思います。
さまざまな感動を残して、今年も夏が過ぎていきます。
台風あり、猛暑ありの夏でした。
今年から決勝前に休養日が設けられたものの、勝ち上がったチームの多くが複数投手を起用していたことにより、今後も日程の問題は議論されていくことと思います。
令和を迎えて、甲子園のありかたも大きく変わっていくことでしょう。
それでも時代を超えて変わらぬものは、心を熱くする力と力の、思いと思いのぶつかり合い。
そして、不思議なこと。
甲子園が終われば、あれほど苦しめられた猛暑もなりをひそめ、いつしか朝夕涼しい風が吹く。
祭りが終わったかのような、どことなく淋しい夏の陰り。
去る季節を惜しみつつ、来年の夏も、何事もなく迎えられますように。
高校野球はチームスポーツですから、佐々木選手がいかに突出した実力を持った投手だとしてもそれだけでは勝ち上がることはできません。ましてや複数投手はあたりまえ、打撃も守備も合わせた総合力が必要とされる現代において、エースで4番の奮闘だけで甲子園に出場するなんて世界は漫画の中だけ(そんな展開もたぶん今では許されない)。日本代表クラスの佐々木選手がいることで、他の選手への刺激は大きかったでしょうし、相乗効果もあったでしょう。全国的に私学優位の傾向で、岩手ももちろんその例外ではありません。ましてや佐々木選手のおかげで注目度が上がる中、決勝まで勝ち上がってきたのは称賛に値する結果であったと思います。
佐々木選手が決勝に登板しなかったことが物議を醸しています。野球評論家から一般市民まで賛否両論、新聞からワイドショーまで喧々囂々でしたが、正しい答えなどあるはずがありません。守るべきは佐々木選手の将来か、部員全員の思いか。それを決めるのは、部外者ではありません。そして佐々木選手たちが夢に届かなかった結果、監督が自身の采配に悔いを残した発言をすることなど決して許されるわけがないのです。
ただ、結局のところ投げさせても投げさせなくても批判は浴びることになったでしょう。決して強豪校ではない公立校の、知識も経験も浅い若い監督が、佐々木という日本野球界の至宝を預かることになってからの苦悩はいかばかりであったか、想像を絶します。もし大船渡に未完成な彼の身体をケアできる一流の設備やスタッフがいたなら。彼を守りきれる潤沢な予算があったなら。あらゆる意味でこれが公立の限界だったのかもしれません。
ただ、大船渡から甲子園を目指した佐々木選手たちの経験は、一生輝くものとなって残るはずです。
昨今、甲子園の注目度が上がっていて、地方大会前から「甲子園のヒーロー(となってほしい選手)」を作りがちですが、ヒーローはマスコミやファンではなく、甲子園が作るものだと思っています。勝ち上がるたび隠れていた力が発揮され、活躍が注目される。そんな可能性を、甲子園は秘めています。世界大会やオリンピックでも、無名選手が突然自己ベストを出してメダルを取ってしまうことがあります。それが大舞台の面白さだとも思います。
昨年で言えば金足農の吉田輝星がまさしくそれでした。
そしてカナノウ旋風を確実なものにしたのが、準々決勝の近江戦、劇的な逆転サヨナラツーランスクイズの場面でした。球場の大歓声、歓喜する金足農とともに、そこだけ取り残されたかのように呆然とする近江の2年生バッテリーの姿を忘れることはできません。
今度は彼らの笑顔を見たい。それは多くの高校野球ファンに共通した思いだったようです。
春の関西王者と東の横綱・東海大相模との2回戦は、注目カードとなりました。
守備走塁と隙のない相模野球に、近江は序盤から圧倒されているようでした。林投手は昨年からいちだんと成長したコントロールの良さで序盤こそ失点を防いでいましたが、地方大会無失策の野手陣がエラーを重ねてしまい、気がつけば5点差をつけられていました。
8回。好投していた相模の先発・遠藤選手が交代すると、近江の打線が意地を見せます。四球とヒットで二死満塁。
有馬捕手が打席に立つと、球場からこの日いちばんの拍手が沸き起こりました。
一年前、金足農に向けられていた拍手と遜色ない、いやむしろ有馬捕手の一年前を知っている高校野球ファンのそれだからこそ、いっそう大きく温かく響きました。
結果は、押し出し。近江はその1点にとどまり、初戦で姿を消すことになりました。林・有馬両選手の日本一のバッテリーという夢は叶いませんでしたが、今年も近江ブルーと個性的な応援歌、そして林投手の涙と有馬捕手の笑顔は強く印象に残りました。
相模の強さを目の当たりにして、これは優勝するに違いないと感じました。しかし同じ高校生同士の一発勝負。予想など何の役にも立ちません。
しかし夜な夜な情報を集めていた我が家の解説者は、中京学院大中京がひそかな有力校だと注視していたようです。それでも相模が敗れるとは思っていなかったようですが。
中京の新たなカラーとなった終盤のビッグイニングでの逆転劇には興奮の連続でした。しかしその神通力も、今大会もっとも注目を浴びた星稜の勢いの前には通用しませんでした。
いわゆる高校生投手の「BIG4」で、唯一甲子園出場を決めた星稜・奥川投手。智辯和歌山戦、今大会唯一のタイブレークとなった延長14回を投げ切っての涙には、見ているこちらももらい泣きでした。そして前評判にたがわぬ実力を見せつけるかのような力投は圧巻でした。
しかし星稜が決勝まで勝ち上がることができたのは、もちろん彼ひとりの力ではありません。準々決勝は奥川投手が登板することなく勝ち切り、準決勝の中京学院大中京戦も7回で降りました。それも試合を経るごとに増した打線の力に他なりません。
そして迎えた決勝。
「ヒーロー」と「ドラマ」を欲する甲子園。箕島との延長18回の死闘、松井の5敬遠、帝京の前に屈した24年前の決勝。甲子園を思い起こす時、星稜はいつもその中心にありました。マスコミも、観客席も、星稜の応援一色となってしまったのはやむなしかもしれません。
しかし完全アウェーの中で戦うこととなった履正社もまた、初優勝、そして大阪勢の連覇、さらにはセンバツ初戦で完敗を喫した奥川投手へのリベンジというドラマへの道筋を描いていたのです。
春の敗北から打倒奥川を掲げて磨いてきた打線は、霞ヶ浦、津田学園、高岡商と好投手を擁するチームを打ち砕いてきたように、この試合でも二桁安打を記録しました。同点に追いつかれても相手への応援一色の球場の雰囲気にも、決して臆することはありませんでした。さらに2点リードの9回裏、星稜が作ったチャンスに大きく沸き立つ中でしっかりと併殺を取り切った守備力。優勝にふさわしい総合力の高さを感じさせました。
センバツでは二度の準優勝を飾るも栄冠にはわずか届いてきませんでした。大阪大会ではいつも大阪桐蔭の後塵を拝し、あと一歩のところで何度も苦渋を舐めてきました。しかしもう二番手とは呼ばせない、大阪には履正社もあり、と高らかにその強さを全国に誇る初優勝でした。
思うような投球ができなかった奥川投手。準決勝から中1日あったとはいえ、大会を戦っていく中で球数でははかりきれない疲労もあったでしょう。しかし奥川投手の残したインパクトはたった一敗によって色あせるものでは決してありません。早くも次のステージ、JAPANのユニフォームが彼を待っています。そして来年の今頃は、プロのユニフォームを着て昨夏の思い出を語っていることでしょう。そしてその身に纏うのは、大阪のチームのものであってほしいな…。
奥川投手・山瀬捕手の合流を待たずして始まったU-18の合同練習。そのキャプテンをまかされているのは、智辯学園の坂下選手です。
奈良大会の鮮烈な印象そのままに、甲子園のフィールドでも躍動しました。代表校最後に登場した智辯の相手は、初戦を圧倒的な打力で制した八戸学院光星。先発起用された1年生の小畠投手が早々につかまり、中盤で6点ビハインドをつけられる苦しい戦いとなりました。
そんな雰囲気が一変したのは6回裏。坂下選手の打席からでした。キャプテンの二塁打から、ジョックロックとともに智辯の猛攻が始まりました。
しかし甲子園に棲む魔物は、最終的に光星のほうへ味方しました。試合には敗れたものの、智辯学園はは奈良代表に恥じない、堂々たる戦いぶりでした。そして坂下選手の気迫あふれる守備、そして鋭い打撃は強く胸に刻まれました。U-18でも立派なキャプテンシーを見せてくれることと思います。
さまざまな感動を残して、今年も夏が過ぎていきます。
台風あり、猛暑ありの夏でした。
今年から決勝前に休養日が設けられたものの、勝ち上がったチームの多くが複数投手を起用していたことにより、今後も日程の問題は議論されていくことと思います。
令和を迎えて、甲子園のありかたも大きく変わっていくことでしょう。
それでも時代を超えて変わらぬものは、心を熱くする力と力の、思いと思いのぶつかり合い。
そして、不思議なこと。
甲子園が終われば、あれほど苦しめられた猛暑もなりをひそめ、いつしか朝夕涼しい風が吹く。
祭りが終わったかのような、どことなく淋しい夏の陰り。
去る季節を惜しみつつ、来年の夏も、何事もなく迎えられますように。
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8/13~15 vsL ●●○
また乱闘かよ。
確かに西武投手陣の死球の多さは目に余るとはいえ、コーチが真っ先に走っていってどーする。だいたい若月もその打率で(避けきれる球筋の死球で)押し出しもらっておいて恫喝している場合か。母校の後輩は死球を否定して相手ベンチにも頭を下げた後にホームランを打ち日本だけでなく海外からも賞賛されていたぞ…。
そのせいで流れも切れて、森に当てろと言わんばかりにインコース構えてぶつけるしかなかった田嶋は退場宣告、代わった吉田一は案の定ランナー全員返して降参状態。だいたい、乱闘試合で勝ったためしがないのです。
ただ、このご時世選手に手を出す佐竹コーチが論外なのはもちろんとして、辻監督もその言葉どおりいっこうに改善されない与死球の多さには対処していただきたいもの。
そしてスミ5で負けかい!
いや、5点で勝てるなんて微塵も思っていなかったけれども。なにせ昨年のスミ6負けがありましたからね。くしくもおなじ8月14日…。
ホント、夏場のメットライフドームは魔境です。疲労の溜まってくる頃にあの環境、どちらの投手にとっても過酷すぎます。山岡に替えられる第二先発もいないし…。
「いつも真夏の西武戦でサンタテくらってシーズン終了するんだよなあ…」と暗い気持ちになっていたら、今年はタダでは終わらなかった。西武相手には何点取っても足りないとやっと気づいたようです。1イニング7点だけだったら負けていた。攻撃の手をいっこうに緩めないやる気MAXオリックス打線、なんと2010年以来の20得点で大勝!(しかし終盤10点差に追い上げられた時点で不安になったファンが大半と思われる)
それにしても両チームのべ11人が登板して無失点なのが吉田一だけって…どんな雑な試合なんだよ…。
8/16~18 vsM ○○○
ようやくホームに帰ってきて(そして西武打線から解放されて)ホッとする。
さらにアルバースが復活&竹安が完封&先発→中継ぎ→抑えの理想的な継投勝ちと、やっと野球らしい野球をできた気がする…。
2番がハマってきていた西野が離脱して、サンタテは厳しいかなと思っていたのですが、代役小島が貴重な追加点を叩き出しました。2戦目でも安達が下がった後鈴木昂が不備なくショートをこなしていましたし、うっすいうっすい層ながらこの体力的にきつい時期は控えの頑張りが重要になっていきます。
真夏の9連戦はなんとか勝ち越し。CS争い脱落戦線はなんとかぎりぎり踏みとどまった…かな?
また乱闘かよ。
確かに西武投手陣の死球の多さは目に余るとはいえ、コーチが真っ先に走っていってどーする。だいたい若月もその打率で(避けきれる球筋の死球で)押し出しもらっておいて恫喝している場合か。母校の後輩は死球を否定して相手ベンチにも頭を下げた後にホームランを打ち日本だけでなく海外からも賞賛されていたぞ…。
そのせいで流れも切れて、森に当てろと言わんばかりにインコース構えてぶつけるしかなかった田嶋は退場宣告、代わった吉田一は案の定ランナー全員返して降参状態。だいたい、乱闘試合で勝ったためしがないのです。
ただ、このご時世選手に手を出す佐竹コーチが論外なのはもちろんとして、辻監督もその言葉どおりいっこうに改善されない与死球の多さには対処していただきたいもの。
そしてスミ5で負けかい!
いや、5点で勝てるなんて微塵も思っていなかったけれども。なにせ昨年のスミ6負けがありましたからね。くしくもおなじ8月14日…。
ホント、夏場のメットライフドームは魔境です。疲労の溜まってくる頃にあの環境、どちらの投手にとっても過酷すぎます。山岡に替えられる第二先発もいないし…。
「いつも真夏の西武戦でサンタテくらってシーズン終了するんだよなあ…」と暗い気持ちになっていたら、今年はタダでは終わらなかった。西武相手には何点取っても足りないとやっと気づいたようです。1イニング7点だけだったら負けていた。攻撃の手をいっこうに緩めないやる気MAXオリックス打線、なんと2010年以来の20得点で大勝!(しかし終盤10点差に追い上げられた時点で不安になったファンが大半と思われる)
それにしても両チームのべ11人が登板して無失点なのが吉田一だけって…どんな雑な試合なんだよ…。
8/16~18 vsM ○○○
ようやくホームに帰ってきて(そして西武打線から解放されて)ホッとする。
さらにアルバースが復活&竹安が完封&先発→中継ぎ→抑えの理想的な継投勝ちと、やっと野球らしい野球をできた気がする…。
2番がハマってきていた西野が離脱して、サンタテは厳しいかなと思っていたのですが、代役小島が貴重な追加点を叩き出しました。2戦目でも安達が下がった後鈴木昂が不備なくショートをこなしていましたし、うっすいうっすい層ながらこの体力的にきつい時期は控えの頑張りが重要になっていきます。
真夏の9連戦はなんとか勝ち越し。CS争い脱落戦線はなんとかぎりぎり踏みとどまった…かな?
8/6~8 vsF ○○○
サンタテなんていつ以来…? パ・リーグでは初?
相手が調子を落としているとはいえ、春先の貧打が嘘のように連打が出ました。ロメロ・モヤが後ろにいることで吉田正と勝負してくれる場面が増えたのも大きいです。疲れているであろう中川の打順を落とせますし。
そして先発も山岡あたりは疲れてくる頃ですから、中継ぎの重要性が増す時期ですが、山田・海田・近藤あたりが踏ん張ってくれています。張の初勝利を消しかけた時には肝が冷えましたが…。
ディクソンの安定感も素晴らしいですね。あんなに10勝が遠かったのにもう12Sって…。
張のインタビューにはもらい泣き。苦労したもんねえ…まさか投手転向で成功するなんて思いもしませんでした。逆ならともかく(T糸井とかL木村とか…佐野とか)。
8/10~12 vsE ○●●
山本離脱(;゚ Д゚)
連勝もここまでか…と思いきや、代役山崎福が2失点にとどめ、中盤にビッグイニング、比嘉&増井のベテラン回またぎも成功、9回にはトドメと、今までのアクシデント時は意気消沈の無抵抗オリックスとは思えない鮮やかな逆転勝ちでした。最後は7xがちらつきましたがね…張と違って神戸はまだまだ修行が必要みたいです。
で、その比嘉を連投させるかね? 投球練習していた竹安を交代させてまで?
ソフバンも日ハムも同じですが、勝ちが続けば負けも続く、シーズンは波にもまれているようなもの。「絶好調! Aクラスが見えた!」と浮かれる間もなく、状態はあっという間に下降線…なのか?
淡い期待を抱きながらの3戦目、勝ち越しは審判のゾーンの前に消え去ってしまいました。守備固めをしない時に限ってこうなるとは、なんたる皮肉…。
サンタテなんていつ以来…? パ・リーグでは初?
相手が調子を落としているとはいえ、春先の貧打が嘘のように連打が出ました。ロメロ・モヤが後ろにいることで吉田正と勝負してくれる場面が増えたのも大きいです。疲れているであろう中川の打順を落とせますし。
そして先発も山岡あたりは疲れてくる頃ですから、中継ぎの重要性が増す時期ですが、山田・海田・近藤あたりが踏ん張ってくれています。張の初勝利を消しかけた時には肝が冷えましたが…。
ディクソンの安定感も素晴らしいですね。あんなに10勝が遠かったのにもう12Sって…。
張のインタビューにはもらい泣き。苦労したもんねえ…まさか投手転向で成功するなんて思いもしませんでした。逆ならともかく(T糸井とかL木村とか…佐野とか)。
8/10~12 vsE ○●●
山本離脱(;゚ Д゚)
連勝もここまでか…と思いきや、代役山崎福が2失点にとどめ、中盤にビッグイニング、比嘉&増井のベテラン回またぎも成功、9回にはトドメと、今までのアクシデント時は意気消沈の無抵抗オリックスとは思えない鮮やかな逆転勝ちでした。最後は7xがちらつきましたがね…張と違って神戸はまだまだ修行が必要みたいです。
で、その比嘉を連投させるかね? 投球練習していた竹安を交代させてまで?
ソフバンも日ハムも同じですが、勝ちが続けば負けも続く、シーズンは波にもまれているようなもの。「絶好調! Aクラスが見えた!」と浮かれる間もなく、状態はあっという間に下降線…なのか?
淡い期待を抱きながらの3戦目、勝ち越しは審判のゾーンの前に消え去ってしまいました。守備固めをしない時に限ってこうなるとは、なんたる皮肉…。
圧倒的優勝候補がそのまま甲子園切符を勝ち取り、幕を閉じた今年の奈良大会。雨天中止による順延で、決勝が平日にずれてしまい観戦できなかったのが残念です。
抽選会では智弁と天理が逆の山に入ったことで、「決勝はこの顔合わせかな」と予想していたのですが、シードに入れなかった事実が示すとおり、今年の天理は例年の粘り強さを持ち得なかったようです。初戦の五條戦はコールド、郡山相手にも大差勝ちするもの、準々決勝で大和広陵に打ち負けてしまいました。
例年私学優位だった中、シード校に高田・郡山・奈良高専と公立3校が入り、ベスト4にも法隆寺国際・高田商・大和広陵と公立3校が勝ち上がりましたが、やはりラスボス智弁の壁は厚かった。
今年の智弁は打撃のチーム。決勝も7点差をつける圧勝でした。堅い守りと伝統の投手力に加え得点力も磨いてきた高田商でしたが、ひさびさの夏には届きませんでした。
しかしそんな智弁も、楽勝だったわけではありません。
初戦、一条に10点差をつけて勝ち進んだ3回戦。相手は昨年の優勝校、奈良大附。
休日だったのでテレビ観戦していたのですが、今年の奈良大附は昨年に較べてチーム力が落ちているため、まあ、智弁が順当に勝つだろうと思って観ていたのですが…。
奈良大附が2点を先制。さらにビッグイニングを作り、なんと4回表で7-0の大差をつけます。まさかコールド!? まさかまさか、智弁がここで敗れてしまうのか!?
しかし監督は落ち着いていました。「5回までに1点返せばひっくり返せる」という自信のとおり、4回に2点、5回に3点を返していきます。じりじり追い上げられてきた奈良大附は、リードしている状況にもかかわらず追い詰められていくのが見てとれました。そしてついに6回、智弁に逆転ホームランが飛び出します。この時点で奈良大附は完全に士気を削がれていました。昨年優勝したとはいえ、智弁には公式戦でずっと勝てていない状況。打倒智弁という、奈良大附の挑戦は来年へ持ち越しです。
序盤でまさかの大量リードを許した智弁でしたが、これぞ強豪の落ち着き、これぞ優勝候補のメンタル。一度苦境をはね返したことでさらに強さを手に入れたのか、その後の試合はすべて7点差以上つけての勝利で、圧倒的優勝候補の前評判そのままに、奈良代表の座を手にしました。
ホームランの大会記録を塗り替えるなど打撃力が光る中にも、とくにキャプテン・坂下選手の小柄ながら力強いスイングには圧倒されました。甲子園でも快音を聞かせてくれるはず。また1年生ながら4番を打つ前川選手、同じく1年生の小畠投手など、はじめての甲子園でどんな活躍を見せてくれるのかも興味津々。
その智弁の初戦は第7日! 49校目! よりにもよって、そこ引いちゃった!?
しかも相手は開幕戦を勝った光星学院! 難敵!
でも祝日だから、まあいいか。
抽選会では智弁と天理が逆の山に入ったことで、「決勝はこの顔合わせかな」と予想していたのですが、シードに入れなかった事実が示すとおり、今年の天理は例年の粘り強さを持ち得なかったようです。初戦の五條戦はコールド、郡山相手にも大差勝ちするもの、準々決勝で大和広陵に打ち負けてしまいました。
例年私学優位だった中、シード校に高田・郡山・奈良高専と公立3校が入り、ベスト4にも法隆寺国際・高田商・大和広陵と公立3校が勝ち上がりましたが、やはりラスボス智弁の壁は厚かった。
今年の智弁は打撃のチーム。決勝も7点差をつける圧勝でした。堅い守りと伝統の投手力に加え得点力も磨いてきた高田商でしたが、ひさびさの夏には届きませんでした。
しかしそんな智弁も、楽勝だったわけではありません。
初戦、一条に10点差をつけて勝ち進んだ3回戦。相手は昨年の優勝校、奈良大附。
休日だったのでテレビ観戦していたのですが、今年の奈良大附は昨年に較べてチーム力が落ちているため、まあ、智弁が順当に勝つだろうと思って観ていたのですが…。
奈良大附が2点を先制。さらにビッグイニングを作り、なんと4回表で7-0の大差をつけます。まさかコールド!? まさかまさか、智弁がここで敗れてしまうのか!?
しかし監督は落ち着いていました。「5回までに1点返せばひっくり返せる」という自信のとおり、4回に2点、5回に3点を返していきます。じりじり追い上げられてきた奈良大附は、リードしている状況にもかかわらず追い詰められていくのが見てとれました。そしてついに6回、智弁に逆転ホームランが飛び出します。この時点で奈良大附は完全に士気を削がれていました。昨年優勝したとはいえ、智弁には公式戦でずっと勝てていない状況。打倒智弁という、奈良大附の挑戦は来年へ持ち越しです。
序盤でまさかの大量リードを許した智弁でしたが、これぞ強豪の落ち着き、これぞ優勝候補のメンタル。一度苦境をはね返したことでさらに強さを手に入れたのか、その後の試合はすべて7点差以上つけての勝利で、圧倒的優勝候補の前評判そのままに、奈良代表の座を手にしました。
ホームランの大会記録を塗り替えるなど打撃力が光る中にも、とくにキャプテン・坂下選手の小柄ながら力強いスイングには圧倒されました。甲子園でも快音を聞かせてくれるはず。また1年生ながら4番を打つ前川選手、同じく1年生の小畠投手など、はじめての甲子園でどんな活躍を見せてくれるのかも興味津々。
その智弁の初戦は第7日! 49校目! よりにもよって、そこ引いちゃった!?
しかも相手は開幕戦を勝った光星学院! 難敵!
でも祝日だから、まあいいか。
『凪のお暇』
原作は1巻だけ読みました。絵柄は昭和風ですが、空気を読みすぎてパンクする主人公はSNSに振り回される現代の若者そのもの。そして自分らしくありのままに生きようとする流れも昨今ありがちですが、古風なタッチのおかげで逆に新鮮に感じました。
そんな凪に空気を吸えなくしたのが元彼の慎二ですが、面と向かっては凪を追い詰めるようなことしか言わないくせに本当は好きで好きで仕方ないという、好きな子をいじめる小学生男子そのもの。そして不思議系隣人・ゴンとの三角関係もこの話の見どころでもあるようです。
この主人公が今風美女だったら嫌味にしか映りませんが、黒木華という絶妙なキャストのおかげで楽しんで観られます。黒髪ストレート女子アナ系OLとくるくる天パぶかぶかTシャツのギャップも、黒木華のナチュラルな質感でどちらも魅力的です。
慎二役が高橋一生と聞いた時には、少し年嵩すぎやしないか? と疑問に思いましたが、モラハラ全開時の冷たい両目と、凪の家を号泣しながら去る情けない背中のギャップに、不覚にも萌えてしまいました。慎二に魅力がないとただのド最低男になってしまいます。確かにこの二面性を演じられる俳優は高橋一生だけかもしれません。
そしてリア充陽キャ的風貌ながら凪の心にすっと寄り添ってきたゴンも、中村倫也のイメージではないなあと思いきや、これまたすこぶる萌えました。『半分、青い』の正人と同じく、ふんわりした羽のような柔らかさを持ったタラシ男は今や中村倫也の真骨頂。『闇金ウシジマくん』でサイコパスを演じていたのが嘘のようだ。慎二とゴンの配役がそれぞれ逆でも面白かったと思いますが。
「自分らしく生きるって素晴らしい!」というメッセージはありふれているので、三角関係を絡めてひと味違うテイストで最後まで楽しめたらいいなあと思います。
『蛍草 菜々の剣』
最近すっかり実力派若手女優として名をあげた清原果耶。CMでもよく見かけるようになりましたが、たたずまいだけで醸し出す透明感に、ついつい目を惹かれてしまいます。『あさが来た』の頃よりも演技力がずいぶん上がりましたし。
風早家の高潔な雰囲気が素晴らしいです。町田啓太がこんなに時代劇にハマるとは思いませんでした(『西郷どん』は印象に残っていない)。谷村美月も武家の奥方らしい芯の強さを感じます。演技を良いと思ったことがあまりなかったのですが、死の間際に正助ととよに呼びかける時のトーンの違いは、思わず涙を催されました。
つつましくもあたたかい、心に秘めた人の情と繋がれる縁の糸。全体的に藤沢周平の世界観をしっかり構築しているように思います。
展開も含め、なかなか見ごたえのある時代劇です。
『いだてん』(承前)
田畑政治のあわただしさに少し疲れるところはありますが、しっかりした構成ながら失われないスピード感に毎週目が離せません。
前半の主役・金栗と異なり、政治は時代の先頭に立ち人びとを引っ張っていきます。新聞社という世界情勢をいち早く察知できる環境にいることで、これからの日本の姿を誰よりも先に明確なものとして思い描いていたのかもしれません。彼はまさにファーストピングインでした。超がつくほどマイペースで強引で、周囲にいたらたぶんお近づきにはなりたくないであろう大変な男ですが、国のかたちを作っていく人というのは、こういう性格でないと不可能なのかもしれません。
明治維新から60年と少しの日本はまだまだ不完全な状態。オリンピックを通して、日本は世界を知り、そして世界もまた日本を知ります。さらに、世界の一員となった証のように、日本は否応なく世界を覆ってゆく戦禍に巻き込まれていきます。この根っからポジティブで陽気な男がいったいどのように不穏な時代を生き抜いていくのか、またクドカンが戦争をどう描くのか、興味深くもあります。
そして志ん生一家もいかにしてなめくじ長屋を抜け出すのか…。彼を支えるおりんの夏帆が実に良い。つつましやかだった当初のおりんからだんだん噺家の妻らしい気っ風の良さが出てくる変化を魅力的に演じています。長じてからのりんと瓜ふたつなのも驚きです。
それにしても、皆川猿時はやっぱりプールサイドにいるのね…そのうち「あーまーのーーー!」と叫び出しはじめるんじゃないかと錯覚を起こしてしまいます。阿部サダヲとの阿吽の呼吸はさすがです。
『なつぞら』(承前)
いい最終回だった…と一瞬錯乱してしまう結婚式でした。まだ残り2ヶ月あるよね?
相手はやはり一久さんでした。ノブさんはいつの間にか結婚しとるし…どういうこっちゃ。しかし中川大志が何とも愛嬌ある一久さんを演じてくれているので、なつとはいいコンビのようです。
一久さんのモデルは高畑勲なのだとか。そして宮崎駿は神地。なるほど、彼らもまたいいコンビネーションを見せています。登場時から異彩ぶりを発揮していた神地ですが、ヘンゼルではなくグレーテルに行動力を持たせるなど、ジブリ作品の下地を思わせるイマジネーションにわくわくしました。今後、高畑勲と宮崎駿のように独立してジブリを立ち上げる場面も出てくるのでしょうか。そうなると、なつのお話よりこっちの方が面白くなってしまうな…。
千遥のエピソードは今後の再会を匂わせて終了しました。清原果耶をあてて、出会うことなく終わりということはないでしょうし…終盤のクライマックスとなりそうです。
苦労したという割に長じては戦災孤児という背景をあまり感じさせないなつですが、彼女がそういう健康的な女性に成長できたのは、松嶋菜々子演じる母親の愛あってこそなのだろうと自分を納得させています。彼女との出会いを「奇跡」と言った時や千遥が訪ねてきた時など、感極まって涙ぐむ場面は本当に素晴らしかったです。一瞬でなつの心に寄り添い自然に涙があふれてきてしまう、それは彼女に同情や憐みなどでは決してない、母親としての無償の愛を注いできたからこそなのだろうと。
もちろん、おんじの涙も胸に響きました。十勝の面々が魅力的すぎて、また東京編に戻ると物足りなくなってしまいそうなのも困りものです。
原作は1巻だけ読みました。絵柄は昭和風ですが、空気を読みすぎてパンクする主人公はSNSに振り回される現代の若者そのもの。そして自分らしくありのままに生きようとする流れも昨今ありがちですが、古風なタッチのおかげで逆に新鮮に感じました。
そんな凪に空気を吸えなくしたのが元彼の慎二ですが、面と向かっては凪を追い詰めるようなことしか言わないくせに本当は好きで好きで仕方ないという、好きな子をいじめる小学生男子そのもの。そして不思議系隣人・ゴンとの三角関係もこの話の見どころでもあるようです。
この主人公が今風美女だったら嫌味にしか映りませんが、黒木華という絶妙なキャストのおかげで楽しんで観られます。黒髪ストレート女子アナ系OLとくるくる天パぶかぶかTシャツのギャップも、黒木華のナチュラルな質感でどちらも魅力的です。
慎二役が高橋一生と聞いた時には、少し年嵩すぎやしないか? と疑問に思いましたが、モラハラ全開時の冷たい両目と、凪の家を号泣しながら去る情けない背中のギャップに、不覚にも萌えてしまいました。慎二に魅力がないとただのド最低男になってしまいます。確かにこの二面性を演じられる俳優は高橋一生だけかもしれません。
そしてリア充陽キャ的風貌ながら凪の心にすっと寄り添ってきたゴンも、中村倫也のイメージではないなあと思いきや、これまたすこぶる萌えました。『半分、青い』の正人と同じく、ふんわりした羽のような柔らかさを持ったタラシ男は今や中村倫也の真骨頂。『闇金ウシジマくん』でサイコパスを演じていたのが嘘のようだ。慎二とゴンの配役がそれぞれ逆でも面白かったと思いますが。
「自分らしく生きるって素晴らしい!」というメッセージはありふれているので、三角関係を絡めてひと味違うテイストで最後まで楽しめたらいいなあと思います。
『蛍草 菜々の剣』
最近すっかり実力派若手女優として名をあげた清原果耶。CMでもよく見かけるようになりましたが、たたずまいだけで醸し出す透明感に、ついつい目を惹かれてしまいます。『あさが来た』の頃よりも演技力がずいぶん上がりましたし。
風早家の高潔な雰囲気が素晴らしいです。町田啓太がこんなに時代劇にハマるとは思いませんでした(『西郷どん』は印象に残っていない)。谷村美月も武家の奥方らしい芯の強さを感じます。演技を良いと思ったことがあまりなかったのですが、死の間際に正助ととよに呼びかける時のトーンの違いは、思わず涙を催されました。
つつましくもあたたかい、心に秘めた人の情と繋がれる縁の糸。全体的に藤沢周平の世界観をしっかり構築しているように思います。
展開も含め、なかなか見ごたえのある時代劇です。
『いだてん』(承前)
田畑政治のあわただしさに少し疲れるところはありますが、しっかりした構成ながら失われないスピード感に毎週目が離せません。
前半の主役・金栗と異なり、政治は時代の先頭に立ち人びとを引っ張っていきます。新聞社という世界情勢をいち早く察知できる環境にいることで、これからの日本の姿を誰よりも先に明確なものとして思い描いていたのかもしれません。彼はまさにファーストピングインでした。超がつくほどマイペースで強引で、周囲にいたらたぶんお近づきにはなりたくないであろう大変な男ですが、国のかたちを作っていく人というのは、こういう性格でないと不可能なのかもしれません。
明治維新から60年と少しの日本はまだまだ不完全な状態。オリンピックを通して、日本は世界を知り、そして世界もまた日本を知ります。さらに、世界の一員となった証のように、日本は否応なく世界を覆ってゆく戦禍に巻き込まれていきます。この根っからポジティブで陽気な男がいったいどのように不穏な時代を生き抜いていくのか、またクドカンが戦争をどう描くのか、興味深くもあります。
そして志ん生一家もいかにしてなめくじ長屋を抜け出すのか…。彼を支えるおりんの夏帆が実に良い。つつましやかだった当初のおりんからだんだん噺家の妻らしい気っ風の良さが出てくる変化を魅力的に演じています。長じてからのりんと瓜ふたつなのも驚きです。
それにしても、皆川猿時はやっぱりプールサイドにいるのね…そのうち「あーまーのーーー!」と叫び出しはじめるんじゃないかと錯覚を起こしてしまいます。阿部サダヲとの阿吽の呼吸はさすがです。
『なつぞら』(承前)
いい最終回だった…と一瞬錯乱してしまう結婚式でした。まだ残り2ヶ月あるよね?
相手はやはり一久さんでした。ノブさんはいつの間にか結婚しとるし…どういうこっちゃ。しかし中川大志が何とも愛嬌ある一久さんを演じてくれているので、なつとはいいコンビのようです。
一久さんのモデルは高畑勲なのだとか。そして宮崎駿は神地。なるほど、彼らもまたいいコンビネーションを見せています。登場時から異彩ぶりを発揮していた神地ですが、ヘンゼルではなくグレーテルに行動力を持たせるなど、ジブリ作品の下地を思わせるイマジネーションにわくわくしました。今後、高畑勲と宮崎駿のように独立してジブリを立ち上げる場面も出てくるのでしょうか。そうなると、なつのお話よりこっちの方が面白くなってしまうな…。
千遥のエピソードは今後の再会を匂わせて終了しました。清原果耶をあてて、出会うことなく終わりということはないでしょうし…終盤のクライマックスとなりそうです。
苦労したという割に長じては戦災孤児という背景をあまり感じさせないなつですが、彼女がそういう健康的な女性に成長できたのは、松嶋菜々子演じる母親の愛あってこそなのだろうと自分を納得させています。彼女との出会いを「奇跡」と言った時や千遥が訪ねてきた時など、感極まって涙ぐむ場面は本当に素晴らしかったです。一瞬でなつの心に寄り添い自然に涙があふれてきてしまう、それは彼女に同情や憐みなどでは決してない、母親としての無償の愛を注いできたからこそなのだろうと。
もちろん、おんじの涙も胸に響きました。十勝の面々が魅力的すぎて、また東京編に戻ると物足りなくなってしまいそうなのも困りものです。
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